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16629捕獲装備で特攻バトル2010/1/30 18:15:142213cfbUWjB0wdjCg
ルール
・捕獲装備、ノーペットで、どの階まで登れるかを予想して頂きます。
水の塔に登ります。途中で拾ったアイテムは使用でき、ペットも仲間にできます。
『スタート』のレスをしてから登り始めます。このレス以降の予想は無効です。
原則、各階3戦ですが最上階に辿り着いた場合は青龍様を討伐するまで戦います。
ピッタリ賞⇒1万G+途中で拾ったG
ニアピン賞⇒途中で拾った戦利品

特別ルール
・どの階で捕獲装備によるセット効果が発動するかを予想して頂きます。
こちらは参加するか否かは自由です。
ピッタリ賞⇒ちびミカエル+ちびラファエルのセット

バトル2010/1/30 18:15:582213cfbUWjB0wdjCg||713
参加条件
@最低限のマナーの守れている方
A30レベル以上の方

では、予想してみてください^^

シャオラン2010/1/30 19:14:411262cf/a1BKxRfevc||224
こんばんは^_^
参加させて下さいな。
水の塔はポーの確保率が高いので最上階まで行けると予想します。
ということで最上階で。

とりあえず頑張って下さい(_ _)

由梨2010/1/30 21:40:242192cfubJwQpPw2qE||72
こんばんは><
参加させていただきますね。
死者・レックスなどが多いので78階くらいでお願いします。

出来るだけ上を目指して頑張ってください

ネモンティー2010/1/31 3:46:521192cf14dbSSeyD4Q||253
こんばんは
参加させていただきます^^

50階到着で全回復ですので
92階あたりでお願いします

頑張ってください^^

ヒカカ2010/1/31 10:17:11232cftQVx2fUEOpY||322
こんばんは^^
参加させていただきます。

予想は、97階でお願いします。

ヴォルフラム2010/1/31 16:59:192211cfCvYxmC0kl2Y||356
こんにちは
1回レベ30いって転生したのでやってもいいですか?
いいのであれば最上階でお願いします
特別ルールのほうは79階でお願いします
だめなのであれば↑のは取り消しでいいです

バトル2010/1/31 19:39:432213cfbUWjB0wdjCg||497
ヴォルフラム様、申し訳御座いませんが転生後とはいえ30レベルに達していない
ので無効となります。ご了承下さい(*_ _)ペコリ

syou2010/2/1 13:38:221218cf3fRbGeveSPw||577
こんにちは^^
参加します
95階でお願いします

天才おおお2010/2/1 19:39:232181cfYyYcfrvn2G6||20
こんばんわ
最上階で

バトル2010/2/2 10:54:572213cfbUWjB0wdjCg||591
ではこれより開始致します。

「スタート」

※このレス以降の予想は無効となります

バトル2010/2/2 12:5:242213cfbUWjB0wdjCg||689
結果が出ました♪

85階にて弐式様の降臨により昇天

えと…賞の受賞者はいませんね^^;

それではこれにて完了させて頂きます

バトル2010/5/12 18:34:501261cfrMqAHCJuQN6||129
――――壱章(霧の日に…)――――

濃い霧
早朝にも関わらず辺り一面は霧に覆い隠され夜のように暗かった
道に出て歩く者は一人も居ない
この霧の深さでは正面もまともに見えないのだから当然だった

だが、カッカッと靴の音が霧闇に響く
そこには二人の青年が歩いていた

バトル2010/5/12 18:51:41261cfrMqAHCJuQN6||225
「おィおィ、こんな大事な日にこの天候かよォ…!ったく」
「西条、お前はいつも声がデカイと言っているのが分からんのか」
「お前は細けェことにうるせェんだよォ!」
「貴様、俺を侮辱している気か―――」
「わーッたよ!鋭崎、俺が悪かったァ。だからアレはやめろよォ?」
「フン――――まぁいいだろう」

二人の話が終わると同時に豪雨が降ってきた
雨が地面を叩きつけ、霧はますます濃さを増していった

バトル2010/5/12 18:56:261261cfrMqAHCJuQN6||937
「ちィ!ったく最低の天気だよなァ!!」
「雨は好かぬ――――消そうか」
「はッ!ここで能力(チカラ)を使っちまうのはアレだが仕方ねェよなァ!」
鋭崎は右手を空に向けてかざし、目をスゥーっと閉じた

すると――――――――

轟!という爆音と共に鋭崎の右手から紅色の光が空に向かって放たれた
鋭崎の周りには、まるでバーナーでアスファルトを焦がしたかのように
円く黒く焦がされていた

バトル2010/5/12 19:2:201261cfrMqAHCJuQN6||614
「流石ァー!鋭崎、やっぱお前ェは最高だぜェ!!」
右手から放たれた紅い光の射した雲を囲むように空が明るくなっていった
「貴様ごときに褒められたところで嬉しくもないな。――行くぞ」
「ッたく、鋭崎ちゃんは冷たいなァー…」


二人が再び歩き始めて10分程が経った時、ふと彼らの前に一人の女が現れた
「彼方達が鋭崎様と西条様ですね」
「ッかーーァ!様付けで呼ばれんのも悪くねェなァ!」
「黙れ、西条。 私達は確かにそうだが何か用か」

バトル2010/5/12 19:6:221261cfrMqAHCJuQN6||200
「ズヴァールに…あの子を連れ戻すおつもりでしょうか」
「ふむ、その事を知っている時点で一般人では無さそうだな――何者だ」
鋭崎が腰にぶら下げている刀に手を添える一瞬先に女が動いた

「あの子は――――渡さない!」

女が怒鳴り声を上げた時には、既に鋭崎の懐に飛び込んでいた
そして左手が鋭崎の腹部に突き刺さる
それに続け右、左…と連続で腹に叩き込まれる拳

――――――だが、鋭崎は平然と立っていた

バトル2010/5/12 19:44:591261cfrMqAHCJuQN6||914
「ほぉ…格闘系武術の使い手か。俺より速く動けるとは中々の瞬発力――」
だが、と鋭崎が言い放った時、女は後退して構えをとっていた

「お前では俺に勝てぬ……この意味がわかるか?」

鋭崎は腰の刀に手を掛け、瞬!という風を切る音と共に女の肩に激痛が走る
「――――――っっっ!!」
肩からは鮮血が飛び散り服を瞬く間に紅く染めてゆく
「戦慄の時代を生き抜いた刀――水月だ。腕が落ちなかっただけでも幸運だな」

バトル2010/5/12 19:51:381261cfrMqAHCJuQN6||560
女の肩からはジワジワと激痛が身体中に走る
額からは汗がにじみ出ており、苦痛の表情を浮かべながら口を開いた
「あの子は…絶対に渡さない……っ!」
「まだ言うか。その言葉からすると奴の居場所を知っているようだな…
俺も無駄な死を見届けたくは無い。素直に言えば貴様に手は出さぬ」
「……無駄よ。あの子の居場所なんて私も知らない…けど、守りたいの」

「そうか、ならば仕方あるまい。この街ごと消し去ろうか」

鋭崎は表情を変えぬまま、右手を空に向けかざした
轟!という爆音と共に鋭崎の右手に紅い球が宿る

バトル2010/5/12 19:57:51261cfrMqAHCJuQN6||766
「この球を街に向けて放てば一瞬で消し去られる…もう一度言おう。
俺も無駄な死を刻むのは好ましくない。彼女の居場所を教えてくれまいか」
だが、女は問いかけには応じず、沈黙している

「貴様の答はソレか――――残念だ」

鋭崎がそう言うと、西条と共に地面を蹴り上げ、空中に立つ
「お前達は……ズヴァールの魔術師……か…」
「あぁ、そうだ。遺言はそれだけか」
「ふんッ……やれるものならやってみなさい」

女の態度に少し違和感を感じたが、そう言うのなら、と鋭崎は紅い球を放った

バトル2010/5/12 20:1:421261cfrMqAHCJuQN6||609
ズオォォン!!という爆音が耳を貫くと同時にアスファルトや建物の破片が
辺りに散らばってゆく。二人の魔術師は平然と空中に立っていた

「あァーー…やッちまったなァ!あの女、炙れば吐くかと思ったんだけどなァ!」
「――――――その心配は無さそうだな」
は?という西条の戸惑いにも構わず、鋭崎は地面に降り立つ
この街に入った時から可笑しいと、わずかながら感じていたのだ
人間の気配もせず、風も無く、女を斬った時の手ごたえもない

そう、二人の魔術師は【最初から彼女の幻に嵌められていた】のだった

バトル2010/5/12 20:21:341261cfrMqAHCJuQN6||861


女は立っていた

彼のつけた傷跡も無く、服も紅く染まってなどいない
鋭崎は笑い、口を開いた
「なるほどな…それが貴様の能力(チカラ)か…幻の空間を作り出し対象者を
嵌める。後は発動者の思うがままに幻を操れると…」

「ご名答……だ」
女は小さく笑い、鋭崎を貶すように言い放った

バトル2010/5/12 20:27:571261cfrMqAHCJuQN6||449
「彼方達は私の幻空間にまんまと嵌っていた訳。ふんッ…この程度であの子を
連れ戻すなんて……阿呆なのかしら?」
彼女の言葉に深くプライドを傷つけられた鋭崎は狂笑した

「あははははは!あっははははっは!!あーっはっはっはっははは!!」

女は狂ったように笑い続ける鋭崎を見て、呆れた表情で構えをとる
タンッ…と軽やかな足つきで地面を蹴り、一気に鋭崎の懐まで飛びこんだ
ここで拳を突き刺せばこの男は間違いなく倒れるはずだ

そう、【はずだった】

バトル2010/5/12 20:31:481261cfrMqAHCJuQN6||141
懐に飛び込んだ女の腹部が鮮やかに切り裂かれた
彼女は勿論、鋭崎の服にまで鮮血が飛び散り、両者の服は真っ赤に染まった

「――――――――――――っっ?!」
「あはははっはは!あっははははっは!!あーっはっはっはっははははは!!」
鋭崎は平然と狂笑し続けている。西条に至っては空中でお昼寝とまできた
だが、女は頭の中が真っ白だった。こんな隙だらけの男……いつ刀を抜いたのか
そんな女の頭に一つの可能性が生まれた

『居合い斬り』

バトル2010/5/12 20:42:81261cfrMqAHCJuQN6||200
鞘から刀が抜かれる瞬間も見えぬ程の高速で刀を抜き斬る……それが居合い斬りだ

「ま――――まさ……か―――」
「そうよォ!鋭崎は『閃刀の居合い斬り』の異名を持つ男よォ!」
狂笑し続ける鋭崎に変わり西条が言う
閃刀の居合い斬り……700年に1度の逸材と言われた居合い斬りの名人
それが…それがこの目の前で狂笑し続けている男なのか
「ぐっ――――――――まだ…勝機は……ある」
「はァ?鋭崎に腹ァ斬られてまで、まだ勝機だァ?あーはっはっはァ!!」

西条が笑い出したとたん、鋭崎の肩を一筋の光が打ち抜いた

バトル2010/5/12 20:48:31261cfrMqAHCJuQN6||308
「あーっはっはっはァ――――――――かッ!」
鋭崎の狂笑が止まる。その狂笑が呻き声に変わる
「ううううううぅぅぅぅぅぅぅ……がァァァァァァぁぁ!!」
血の流れ出る肩を押さえ悶え暴れる鋭崎
狂笑をする前の彼とは大違いだった。あの冷静さはどこへ消えたのだろうか
または、冷静を装っていただけの狂者だったのだろうか

そんなことはどうだっていい、女は意識を戻すと
「ここがどこだか分かっている……のか…私の幻……空間……だぞ」
「てめェェェェェ!!卑怯なマネしやがって――――――――」
西条が叫ぶのには目も向けず、光の矢を撃つ

バトル2010/5/12 20:52:321261cfrMqAHCJuQN6||763
西条の左胸に突き刺さり、断末魔のような声を張り上げた
「ぐぁああアアアアァァァア!!」
優雅に空中に立っていた西条だったが、断末魔と共に地に打ちつけられ――――

絶命した

息が止まった、動きが止まった、断末魔が止んだ、血は流れ続けている
そう、西条という一人の魔術師は息絶えた。光の矢によって

だが、と女は鋭崎の方を見る
仲間の死にも気づかずに悶え苦しんでいる
「アァぁぁぁぁあ!!ガァぁぁぁぁァァ!」

バトル2010/5/12 21:11:21261cfrMqAHCJuQN6||757
「い…いま…ならば……殺れるはず…!」
女は渾身の力を振り絞り、立ち上がる
そして、右手で腰の短刀を抜き、鋭崎に飛び掛る

だが――――――

斬!という音と共に彼女の腕が落ちた
ゴトリッと音を立てて【落ちた】

「な――――っ?!」
腕の取れた切り口から血が噴水のように吹き出る

バトル2010/5/12 21:14:221261cfrMqAHCJuQN6||201
「ガァァァぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」
鋭崎は水月を振り回して悶えている
女も必死に止血をしようと試みるも出血が多すぎるため意識が朦朧としてきた
(――――こんな――――ところ……で――――)

最後の気力を振り絞り、光の矢で鋭崎に狙いを定める
鋭崎も狂ってはいるものの意識はあるようで、水月を構える

「はっ――――ぁぁぁぁああああああああ!!」
「がぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!」

バトル2010/5/12 21:17:361261cfrMqAHCJuQN6||228
鋭崎の水月と女の光の矢が衝突する
ズォン!!という重い音と血の吹き出る音が重なる

辺り一面は鮮血と砂煙で覆われていた


 
 
 
 
砂煙の晴れた後には、鋭崎と西条が並ぶようにして倒れていた
遺体というにはあまりにも惨いもので、身体は切り刻まれ殆ど原型を留めていない
鋭崎の身体と左胸に大きな穴の開いた西条の【死体】が転がっていた

バトル2010/5/12 21:22:531261cfrMqAHCJuQN6||902
女は虫の息程ではあったが生きていた

間一髪、いやほんの一瞬だけ無数の光の矢の方が速く彼の身体を切り刻んでいた
鋭崎の水月の軌道がほんの少しだけずれてくれた為、女はかろうじて生きていた

(これで……あの……子は…少しだけ……自由になれ…たか……な――――)
女は優しく微笑むと、そのまま息絶えた
これで、【あの子】を賭けた戦慄の殺戮劇は、終止符が打たれるはずだ


【はずだった】のだ


――――壱章(霧の日に…)―――― fin

バトル2010/5/13 18:30:491261cfrMqAHCJuQN6||852
――――弐章(雨の日の転校生)――――
豪雨
最悪の天気だ、なんで今日に限ってこんな…
御坂は一人、裏路地を歩いていた

今日は入学式

御坂は今日晴れて高校生になれたわけだ
高校といっても、ただの高校ではなく【地下魔術都市】の常盤高校に入学するのだ

バトル2010/5/13 18:38:581261cfrMqAHCJuQN6||1
(【地下魔術都市】かぁ…)
入学するのだから、最低限の事はと昨日は夜遅くまで暗記していた

(えーっと、なんだっけなぁ…)
暫くの間、昨晩必死に覚えた内容を思い出す

バトル2010/5/13 18:42:51261cfrMqAHCJuQN6||407
【地下魔術都市】
創立者・ノア
創立年・紀元前1020年
発見年・2085年 3月30日

面積は長野県の二倍程あり、【魔術】の栄えた都市
魔術とは、創立者のノアに宿る『能力(チカラ)』であり、ノアの導きにより
紀元前から地下都市で最も栄えたもの
発見された2085年から現代にかけ、地上で暮らす人間も地下都市の首領である
ノアの直結子孫「グリアム・ノア」と日本の現首領の「三舟総理大臣」の
会議の結果、入国許可が認められた。一般的に地上に住む者を『人間』と呼び
地下に住む者を『人』と呼ぶ。人間はもともと地下都市から地上に進出してきた
生き物である。現在は人間も【魔術】を習得し平穏な日々を送っている……

バトル2010/5/13 18:46:271261cfrMqAHCJuQN6||134
(俺はこれを頭の中に叩き込んだんだ……ひょっとすると天才だったり)
御坂は自画自賛に浸りつつも、雨の降る裏路地をひたすら歩き続ける


―――同刻のロシア―――
「っはぁ…今日が出港かよ…最低の天気じゃないか」
ロシアは深い霧に包まれていた
多数の事故が起きる可能性が高い、とニュースで報道していたせいか
夜の道を歩く者も走る者もいない。まぁ当然か、とジェリックは口の中で呟く
今日は日本に向けて飛び立つ日だと言うのに、こんな天気に見舞われたせいで
飛行機の出港は中止となった。仕方がないので、自宅に向けて歩く

バトル2010/5/16 9:27:21261cfumZ5zVwDy72||435
「あー、ジャパニーズか…凄い楽しそうだったのになぁ…」
ジェリック。真名をジェリック・ニアは空を見上げてつまらなそうに
歩き続ける。今宵は霧が深かった


自宅に着いたジェリックはソファーに腰を下ろした
チャンネルを手に取り、ニュース番組を見る
(日本……俺のボスがいる…と聞いたがどんな人なんのだろうか)
引き出しの中から一通の封筒を取り出し、中から薄汚れた紙切れを取り出す

【―――御坂零士―――】
そこには一人の男の名前があった。この男が俺のボスか、と呟く
明日こそは日本に飛び立とう。ジェリックは思わず笑みを溢していた

バトル2010/5/16 9:38:41261cfumZ5zVwDy72||227


御坂は地下都市へのエレベーターに乗っていた
朝が早いせいか、いつもなら混雑しているエレベーターは
御坂と一人の少年だけだった

御坂の隣で壁によりかかっている少年は日本人ではないようで
髪は銀、眼は茶、肌は白とロシア辺りの出身かと御坂は想像する
ガラスに映る少年は初めて遊園地に来た子供のように楽しそうな表情だった
が、反対にどこか寂しそうな感じもしていた

バトル2010/5/16 9:51:01261cfumZ5zVwDy72||114
(このエレベーターに乗っているということは地下都市に用があるのか?
もしかしたら、同じ高校なのかもな…話かけてみるか)

「あーっと…Hello.Iam Misaka reizi. Nice to meet you」
「Oh! You are Misaka right! ずっと捜していましたよ」

英語がゴタゴタな御坂の英話が通じたのにも驚いたが、それ以上に日本語が
上手いことに驚いた
「え…? に…日本語ペラペラな感じ?」
「ええ、僕は幼少の頃から各国を回っていましたから。日本にも何度か来てます」
「へ…へぇー、このエレベーターに乗っているということは地下都市行きか?」
「はい。御坂零士という男を捜していたのですが…まさかこんなに早く会えるとは」

バトル2010/5/16 10:5:81261cfumZ5zVwDy72||204
「俺を捜していた…?そんなに有名人じゃないんですけどぉー!」
御坂はロシア人(仮)に捜されるほど有名じゃない
定期テストでは補修組間違いなしで、運動も大してできるわけでもない
そんな御坂をなぜ初対面の少年がしっているのか。本当に謎だった

何故俺を知っている、と聞いたとたんにチーンと電子レンジのような音と
共にドアが開いた。目の前には地下都市の光景が広がる

「ここが――――――地下都市」
御坂は絶句していた。みたこともない近未来な世界で地上の都市とは
わけが違う。そして、地下都市もやはり雨だった…


――――弐章(雨の日の転校生)―――― fin


バトル2010/5/16 10:28:531261cfumZ5zVwDy72||233
――――参章(雨の日の転校生U)――――

御坂と少年はエレベーターを降り、支給品のビニール傘をさし
地下魔術都市に足を踏み入れた
地下都市は日本のトウキョウ、アメリカのニューヨークのような
都会が自然界の中に広がっているような、とても美しい場所だった

雨さえ降らなければ

雨のせいで空は暗く、せっかくの入学式なのに鈍よりとした気分になってしまう

バトル2010/5/16 10:35:461261cfumZ5zVwDy72||481
「お前もココの高校に通うのか?」
「む、お前ではありません。僕はジェリック・ニアです」
「ジェリック、ココの高校に通うのか?」
「ええ、僕も彼方と同じ年齢ですからね。16になりますから高校生です」

よろしくな、と言って御坂は高校に向けて歩き出す
道中には『絶品!ミミズバーガー!』『最凶!ガララヘビのジュース!』
など怪しい食べ物もあった。朝飯を食べていなかった御坂は『ハム&チーズバーガー』
を食べ歩きした。ジェリックも『フィッシュ&チーズバーガー』を買った

バトル2010/5/16 10:40:151261cfumZ5zVwDy72||753
やがて、『この先、右折⇒魔術学園』という看板を見つけ右折した御坂とジェリック
は、あまりの驚きと衝撃で声も出なかった

高校はトウキョウタワー程の高さがある巨大な高校だった

「うっへぇー…でかすぎるだろ…」
「こんな高校に通うなんて驚きですね…それにしてもでかい」
二人は『デカイ』を連呼しながら校門の前に立っていた


「そこの二人!校門前で突っ立ってられると邪魔なんだけど?」
突然後ろから声を掛けられ、御坂とジェリックは咄嗟に後ろを振り向いた

バトル2010/5/16 10:45:231261cfumZ5zVwDy72||922
そこにはジェリックと同じくらいの身長の女子が立っていた
髪は茶色で七三にわけてピンで留めている。苛立ちのせいか漫画で見るように
髪の毛が逆立っていた。ジェリックは面白そうに

「わ!髪の毛が立っている!流石は魔術都市ですね!」

とはしゃいでいたが、女の表情が険しくなるのを察知した御坂は何かマズイと
思ったが――――――――――時、既に遅し

「じゃァァァァまァァァァだァァァァァ!!!」
瞬間、女の左手から稲妻が走り、御坂の腹部に直撃した



バトル2010/5/16 10:49:91261cfumZ5zVwDy72||72
「――――――――――っっ?!」
突然のショックと痛みで腹を抱えうずくまる御坂に目も向けず
女はフンっ、と言い放って校門を通り過ぎた

「だだだだだ……大丈夫です?!」
ジェリックが慌しく駆け寄ってきたが御坂は声も出なかった

「ん……な…んだ……あ…の……おん――――」
御坂は気絶した。ショックと痛みと意味不な攻撃で

バトル2010/5/16 10:56:41261cfumZ5zVwDy72||598


目が覚めた時にはベッドの上だった
辺りを見回すと保健の教科書や器材があることから保健室だと思った

「気がつきましたか…死んでなくって良かったです」
御坂の隣にはジェリックが座っていた。涙目で御坂に話しかける
「なんとかな…てか勝手に殺すんじゃねぇ…よ」
「そうですね、彼方は身体だけは無駄に丈夫だと聞いていますから」

聞いている、という言葉に違和感を持った御坂は
「そういや…なんでお前は…俺を知って…んだよ」

バトル2010/5/16 11:4:221261cfumZ5zVwDy72||913
「そうですね、まだ言ってませんでしたか」
少しためらったようなジェリックだったが、少し間を空けて話始めた

「僕はWU(world umbrlla)という連合の人間です。WUは世界各国で起きている
事件の解明やテロ阻止、犯人の拘束などを行っています。現在は魔術都市とも
連合条約を結ぶ交渉をしているそうですが、その辺りは詳しく分かりません。
そんな最中、【ズヴァールの魔術師】と名乗る魔術師に、連合長と時期連合長
を殺害されました。その時期連合長というのが――――僕の父です」

そこまで言うとジェリックは遠い目で御坂を見た
その瞳には先ほどまでの光は失われ、なにか黒いものが移っているような気がした

バトル2010/5/16 11:14:481261cfumZ5zVwDy72||633
「連合長、時期連合長をはじめとする有力なメンバー達は次々に殺害されました。
僕は丁度、イギリスで仕事をしていたものですから助かりましたが、このままでは
WUの力落ちが外部に漏れ、今まで押さえ込んできた集団が動き出します。
そんな事になったら世界は未曾有の混乱に陥れられてしまう。そこで有能な
メンバーの勧誘を残ったメンバーで続けています。その一人に選ばれたのが
――――――――彼方です、御坂零士」


最後の言葉を聴いた時、御坂は頭が真っ白になった

バトル2010/5/17 17:36:361261cfumZ5zVwDy72||335
そんな御坂には目も向けずに話を続けるジェリック
「御坂君、彼方をはじめとした魔術学園の生徒の中にも、WUのメンバー候補は
います。なにやら一人は既に勧誘成功しているそうで、正式にWUメンバーに
なっている人も結構な数います。その一人に、先ほど彼方に雷撃を食らわせて
保健室行きにさせた女子―――【雷咆の江泉香澄】です」

「ちょ…ちょいと待ってくれ」
御坂はこの現実に耐えられなくなり思わず話を止める
「いきなりWUとかメンバー候補とかテロ防止だとかズヴァールのなんたらとか…
訳わかんねぇよ!俺にも俺の事情ってのがあるしさぁ……」
「―――――つまり、メンバーにはなれない、という事ですか」

バトル2010/5/17 17:41:211261cfumZ5zVwDy72||923
ジェリックが突然口を開き言い放った言葉に、何も返す言葉が出なかった

「い…いや、だから俺には俺の事情ってのもあ―――」
「残念です。御坂君、【彼方程の力の持ち主】ならば、と思いましたが…」

ジェリックの言葉が胸にグサリと刺さるのが、自分でも分かった
すると、ジェリックはズボンの左ポケットから、小型の無線機のような物を
取り出して、誰かと連絡を取り始めた
「――――――、ジェリック・二アですがメンバー勧誘に失敗しました。
対象者は御坂零士、以上で報告を終了します」

バトル2010/5/17 17:45:491261cfumZ5zVwDy72||908
「―――――御坂君、彼方と同志になれなかったのは残念だけど……さようなら」
「………、」

言い終わるとジェリックは魔術学園を後にし、賑やかな街へと消えていった

まるで銃で心を打ち抜かれたような感覚を覚えた御坂だったが、チャイムが鳴って
しまったのでジェリックを追う間もなく学園へと走った

「……ん、」
走る御坂の脳裏には、何かジェリックの放った言葉に違和感を覚えた
【彼方程の力の持ち主】…ジェリックは確かにそう言った
だが、定期テストでは補修組間違いなしで運動も並程度、女の子にもてるわけでも
なく、これと言って誇れるようなもののない御坂に【力の持ち主】……

バトル2010/5/17 17:49:481261cfumZ5zVwDy72||527
「俺に…何の力があるってんだよ……」


ようやく学園の玄関に着くと、ジャージ姿の体格の良い男が待っていた
「おーい!もうすぐ入学式だぞォ!急げェー!」
「は…はーい!」
慌てて走る御坂は、この男は体育の担任だな、と直感で気づいた
靴を脱いで、下駄箱に入れて上履きを履きながら廊下を走る御坂は一人の
女とすれ違った。保健の担任か、と思ったが何か雰囲気が違った
「……御坂君ですね、入学式が始まりますから急ぎましょうか」
「えっ…あ、はい」

バトル2010/5/17 17:51:11261cfumZ5zVwDy72||973
女の言葉に違和感を覚えながら階段を一段抜かしで駆け上がる御坂

このとき既に、【彼らは動き出していた】のだった


――――参章(雨の日の転校生U)―――― fin

バトル2010/5/17 17:54:501261cfumZ5zVwDy72||352
――――四章(雨の日の転校生V)――――


初めての光景にそわそわしている御坂は入学式に出席していた
辺りをグルリと見回すと、在校生と先生達がズラリと並び、保護者も数名居た
そこで御坂は【ある事】に気がついた

(そういや、朝話しかけてきた女の先生がいねぇな)
こんなことは御坂にとってどうでも良い事だったが、何故か不吉な予感がする
(なんで…なんで、あの人は俺の名前を知ってたんだ)

そう、確かに女は「……御坂君ですね、入学式が始まりますから急ぎましょうか」
と話しかけてきたのだ。御坂からすれば初対面のはずなのに

バトル2010/5/17 17:58:51261cfumZ5zVwDy72||932
「えー、以上で私の話を終わりに致します。皆さん、入学おめでとう」
校長先生の長ったらしい話もついに終幕を向かえ、大きなあくびを漏らす


その時だった――――――――


パンッ!パンッ!
と大きな銃声が二度、体育館に響き渡る
「なっ……」
御坂が銃声の方に目を向けると、朝あいさつを交わした女が銃を持ち立っていた

バトル2010/5/17 19:12:61261cfumZ5zVwDy72||170
「な―――――なんで……アンタ――――」
「………、」
女は銃口を御坂に向ける。体育館は悲鳴で溢れていた
「――――っ!」

御坂は、生徒達が逃げ惑う最中に転がってきたボールを手に取り
女目掛けて思いっきり投げた
こんな物で倒せるはずはない。そう、だからせめて一瞬だけでも隙を――――

パンッ!

風を裂く弾丸はボールを貫通し、御坂の左肩に打ち込まれた

バトル2010/5/17 19:18:291261cfumZ5zVwDy72||422
「が――――――――ぁっ!」
鮮血と共に悲鳴が一層増す。生徒達には目もくれない女
その目は鋭く、冷たく、悲しそうだった

「ぐぅ……あ゛ぁ!」
「………彼方はそんなものだったのですか。御坂零士」

女の声は小さく、辺りの悲鳴にかき消されそうだったがなんとか聞き取れた
【そんなもの】?こいつは俺の何を知ってるんだ、と声にならない声で呟く
「―――――辺りが五月蝿すぎますね…」
女は逃げ惑う生徒達に目を向けると足元に弾丸を撃ち放った

バトル2010/5/17 19:22:241261cfumZ5zVwDy72||294
「きゃァァァ!!」
「うわァァァァ!!」
生徒達は出口目掛けて流れ込み―――――ついに体育館には御坂と女だけになった


「て……んめぇ――――な…にもんだ…ぁ」
「私ですか。名を名乗る必要は無いのですが、仮の名だけは伝えておきましょうか」
女は体育館の天井をジッ、と見つめ、少し間をおき
「雪村火織―――――とでも申しましょうか。【ズヴァールの魔術師】ですよ」
「な――――――――――っっ?!」

バトル2010/5/17 19:29:401261cfumZ5zVwDy72||974
「彼方はニアからWUに入るようにと勧誘されましたね。…ということは
私達にとっては邪魔な存在になり兼ねないのですよ。とはいえ数ある命、
ニアの居場所を教えて頂き、WUには賛同しないと誓うのでしたら……」

女は御坂を鋭く見つめ

「命までは取りませんよ…どうしますか」
「―――――っあのなぁ!俺はWUなんて知らなねぇし、加わる気も全くねェ!
けどジェリック・二アの居場所なんて知らない!嘘だと思うならそう思ってくれ
ても構わねェ!だから、教えろ!【ズヴァールの魔術師】って何だ!?」

バトル2010/5/17 19:34:31261cfumZ5zVwDy72||380
「……心拍数、瞳孔の開き、目の鋭さ等からすると嘘はついていないようですね…
ですが、ジェリック・二アという真名を知っているということは接触したと
いうこと。彼はどこへ行きましたか」
「ジェリックは街の方へ行っちまったよ!あぁそうだ、一回は会ってるし話もした!
だから、俺の質問に答えろ!【ズヴァールの魔術師】ってのは―――――」

「黙りなさい」
女の鋭い、鋭すぎる言葉が胸に刺さった
ナイフで胸を抉られたような、とても冷たい感覚がした
「ニアの居場所を知らぬというのでしたら、彼方の存在は皆無。
命までを救うまでもない…私達の事について答える気もありません」

バトル2010/5/17 20:33:281261cfumZ5zVwDy72||900
「そんな…簡単に…殺されっかよォ…」
弾丸を撃ち込まれた左肩から血が吹き出す
「やせ我慢ですか…痛みを堪えられなくなているのは分かっていますよ」

全くその通りだ、と御坂は口の中で呟く
もう左腕は限界が近づいてきていて、意識すら朦朧としてきている
血が出すぎている、と分かっているものの、気を抜けば殺される

「さて…終も近いようですし、楽にさせてあげましょうか」
「くっ……やんなら殺れ……」
「ふふッ―――――ではお別れの刻ですね」

バトル2010/5/17 20:38:431261cfumZ5zVwDy72||594
銃口を御坂に向けた女は鋭い目つきで狙いを定める
「さようなら、御坂零士。どうか安らかな旅を」

(チィ…ここまで…かよ…)
諦めたように、ゆっくりと目を閉じようとした御坂は、視界の隅になにかを捕らえた


 
髪は銀、眼は茶、肌は白の少年が銃を女の背中に突きつけていた
「―――――ニア…お久しぶりですね。」
「火織……君にはもう二度と会いたくなかった」

バトル2010/5/17 20:44:231261cfumZ5zVwDy72||981
「ニ……ニア・ジェリック……?」

「御坂君、こいつらさ。【ズヴァールの魔術師】ってのはね」
「二ア、銃を離して下さい。これは命令ですよ」
火織は銃の引き金に指をつける。ニアは笑って

「やってみなよ。御坂君を撃てば、僕もここで死ぬよ」
二アは火織の背中に突きつけていた銃口を自分の首元へと向ける

「………相変わらず、無茶ばかりしますね」
「フンっ、火織には言われたくないな…腹が立つと【もう一人の僕】が起きる」

バトル2010/5/17 20:47:521261cfumZ5zVwDy72||262
【もう一人の僕】が何を指しているかはすぐに分かった
「二ア…お前……多重人格者…なのか?」
「ああ、その通りだ。二アとラミア、二つの人格があるんだ」


「ラミア…面倒な方を起こすのですか」
「―――――誰が面倒だぁ?それは俺の事かよ、火織」

ニアの口調と目つきが変わった。これがラミア―――

バトル2010/5/19 18:45:51261cfumZ5zVwDy72||855
髪が赤毛になり、目の色も黒く染まった
目つきは鋭く、この世の全ては敵…そんな雰囲気を漂わせていた

「既に人格が変わっていたのですね。彼方には会いたくなかった」
「俺もだ、火織ィ…テメぇにだけは会いたくなかったなァ」
二人には、いや三人には何か過去に亀裂があったに違いないと御坂は思った
だが、これはチャンスでもある

ニア、現在はラミアとなっているが、火織の動きを止めてくれている
この隙をついて攻めれば…と思ったが攻撃手段が何も無い

「おい、お前、ニアの友人かァ?」
「あ…あぁ。友人なのかどうかは分からないが…」

バトル2010/5/19 18:49:431261cfumZ5zVwDy72||933
「ゴタゴタうるせぇ、とにかく火織を滅する。コレ持ってろ」
【滅する】というのは、いろいろとマズイ事なんじゃないかと思いつつも
ラミアの投げ渡してきた、小型の銃を手に取る

「え……い、いや―――――これって銃だよ…ね?」
「銃じゃなきゃなんだってんだ阿呆ォ!とにかくそれで火織を狙っとけ
大丈夫、テメェには撃たせねぇよ。刺激が強すぎんだろ」
「そ…そういう問題じゃ…ないよ…な?」
「早くしやがれ!遅っせえんだよ!とっとと狙え!」

ラミアに怒鳴られると、まるで親に歯向かえない子供のようになってしまう
御坂だったが、しぶしぶと銃口を火織の方に向ける

バトル2010/5/19 18:54:251261cfumZ5zVwDy72||473
「御坂零士、君には【計り知れない程の力】があるんですよ…その力は我々と
組んで活用すべきではないでしょうか」
「生憎だがな、俺にはどっちの傘下にもなる気はサラサラねぇよ
そもそも、俺になんの力があるってんだよ…」

御坂は定期テストでは補修組間違いなしだし、運動もできるわけでもないし
女の子にモテルわけでもないし、当然顔も並程度だ
そんな俺になんの力が――――と御坂は思った。なんの力もねぇよ

「そうですか…残念ですよ」
「あァ?お前ェはニアの傘下になるんじゃねェのかよ?!」
「助けてもらった事には深く感謝しているが……入る気はない」

バトル2010/5/19 18:59:341261cfumZ5zVwDy72||611
「――――――――――――ならば仕方ありません」

火織が突然口を開き言い放ったかと思うとラミアの鳩尾に肘でエルボーを喰らわせ
自分の手に持っていた銃口を御坂に向ける
「――――――――っっあ?!」
「私が黙って殺されるはずが無いでしょう。ラミア、彼方は何度私と戦っている
のですか…物覚えの悪い餓鬼ですね」
「っっ!んだとォ?!」

「動くな!!」

火織の怒鳴り声が体育館中に響き渡る。ラミアは驚いて足を止める

バトル2010/5/19 19:5:591261cfumZ5zVwDy72||949
「御坂零士に銃口を向けているのが見えないのですか。引き金を引けば、
こんな頭など一瞬で木端微塵にできます。ラミア、ニアと変わって下さい」
落ち着いた口調で喋る火織だったが眉間にはしわが寄っている

「っちィ!――――――――火織、何のつもりだ」
ニアと変わったのか、髪が赤毛から銀髪になり目も黒から茶へと変わる
ニアも落ち着いた口調だったが、殺気が溢れているのは御坂にも分かった

「二ア、彼方ならば話が早い。WU本部の場所を教えなさい」
「本気…で言っているのか。ならば、言う気は無い、御坂君を放せ」
「私は冗談で物事を発しませんよ……御坂零士が死にますが宜しいでしょうか」

バトル2010/5/19 19:11:481261cfumZ5zVwDy72||510
御坂は喉を生唾が通るのが自分でも分かった
殺される――――銃の引き金に指をかける音がした


「―――――――っせない!」


二アが叫ぶと、火織が引き金を引く前に彼女の銃を持っている手を撃った
「―――――――っっ!!」
「火織ィィィィィィ!!!」

ニアは怒鳴り声を上げると、瞬!という風を切る音と共にニアが火織の胸ぐらを
掴む。火織はキッとニアを睨むと
「二ア、やっぱり彼方は強い……流石ですね。【体術】の面では…ですが」

バトル2010/5/19 19:18:171261cfumZ5zVwDy72||774
「――――!!」

そう言った火織の瞳が赤紫色に変わる
髪は逆立ち、胸ぐらを掴むニアの手を引き剥がすと、首を絞めた

「体術面では―――――ニアの方が強いですね。それは認めますよ
ですが【魔術面】ではどうでしょうか…ねぇ、ニア」
「がッ――――――は!火…織ィ……その…魔術…はァ…やめろォ…!」

肺から酸素が無くなりつつあるのにも構わず、ニアは声を絞り出して言う

バトル2010/5/19 19:22:131261cfumZ5zVwDy72||68
「残念ですが了承しかねます。彼方は我々にとって邪魔な存在ですから…」

そう言うと、ニアの首を絞めている手から、紫色の蛇のような【氣(オーラ)】が出る
その蛇が二アの口から体内に入り込む
「――――――がァ!!や……め…―――――」


 
 
 
 
 
ニアの喉が赤黒くなり、ニアの声が止まった

バトル2010/5/19 19:27:101261cfumZ5zVwDy72||245
「ニ――――――ニアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

御坂は叫んだ。自分がピンチになったから、そんな事はどうだっていいのだ
ニアが死んだ、その絶望的な現実が御坂に襲い掛かる


「――――御坂零士、ニアは死に絶えました。彼方も死にたくなければ我々の
傘下の付くことです。我々【ズヴァールの魔術師】が歓迎しますよ」

火織の眼差しは冷たかった。凍りついたナイフを胸に刺されたかのような
感覚だった。御坂は――――――答えが出せなかった

バトル2010/5/19 19:29:221261cfumZ5zVwDy72||348


 
「彼方も、死にたいのですね…さようなら、御坂零士」

火織の手から氣の蛇が御坂に襲い掛かる
首に巻きつかれ、呼吸ができなくなった御坂にある【声】が届いた

『僕の…力を使ってよ…御坂君』

その声は、紛れも無く――――――――――――ジェリック・二アの声だった

バトル2010/5/21 17:31:541261cfumZ5zVwDy72||781
「ジェ―――――ジェリック…?!」
「……ジェリックは生きてなどおりませんよ、御坂零士」

たしかにそうだ。目の前にはジェリックの死体が転がっている
だが、絶対に聞こえた。俺の空耳なんてことはない、そう思った

『御坂、早くしないと…!火織の魔術はマズイ…あの氣に触れたら…
だから、魂となった僕の霊を使ってよ!』

思いは確信へと変わった

バトル2010/5/21 17:36:151261cfumZ5zVwDy72||626
「く……かぁ!」
「なかなかタフな少年ですね…私の氣を喰らってもここまで生き延びるとは…」
火織の氣蛇の首を絞める力が強くなった

『御坂!右手を僕の死体の方へと向けて…!早くしないと、君も死んでしまう!』
何故、死んだはずのジェリックの声が聞こえるのか、もはやそんなことはどうでも
よくなっていた。氣蛇の首を絞める力で息もできなく、もって数十秒で窒息する
かもしれない。ここはジェリックを信じるしかない、そう言い聞かせ右手を
ジェリックの死体に向けた

――――――――――――すると

バトル2010/5/21 17:47:91261cfumZ5zVwDy72||553
ジェリックの死体が神々しく光り始めたのだった

「なっ――――――既にその力に覚醒しているとは…!」
火織は御坂の首から氣蛇を離し、代わりに腰から抜いた銃口を向けた
ジェリックの死体はますます光の明るさを増していった

光の明るさが最高潮に達すると、突然、光がパッと止んだ
ジェリックの死体から、空気の球のようなものが出てきて、御坂の身体を取り巻く
『ふぅ…良かった。御坂君、僕だよ、ジェリック・二アさ』
「――――――――っっはぁ?!」
『驚いているのかな…?僕は死んでしまった、だから魂…正しく言えば【霊】と
なってこうして動けるんだよ。これが君の能力(チカラ)さ」

バトル2010/5/21 18:4:391261cfumZ5zVwDy72||423
「へ……能力(チカラ)ァ?」
『ああ、そうさ。君の能力(チカラ)は【シャーマン】の力さ!
死者の霊体を自在に操る能力。だから僕の霊もこうして動けているのさ』

「御坂零士、あなたはシャーマンの能力を持っているのですよ…
どうやらジェリックの霊を操っているようですが…まさか、この若さで
シャーマンの力に目覚めるのは極稀ですよ。やはり君は我々の傘下に入るべき
ではないでしょうか。WUなどくだらぬ偽善集団に彼方のような人間は惜しい」

火織は穏やかな口調ではあったが、銃口は向けたまま鋭い目つきで言った
御坂は口の中の血を吐き出すと――――――笑って言った

バトル2010/5/21 18:10:221261cfumZ5zVwDy72||340
「俺はWUにもお前らの傘下にも、入る気はさらさらねェ……と言った。

がな、お前ェら【ズヴァールの魔術師】は己の欲望の為に、平気で人を殺せる。
俺を傘下に入れるためになんの前触れもなく、なんのためらいもなく、
平気でジェリックを殺した。幸い、学園の生徒は助かったが、そいつらにも
なんの関係もないそいつらにも、平気で銃を向けたよな」

そこまで言うと御坂は一息開けて、更に続けた
「生憎だがなァ、俺はそんな外道の仲間入りする気なんざ、死んでも考えねェよ!
だったら、テメェらをこの世界から消して平和なハッピーエンドを手に入れてやる!
だからはっきりと言おう、俺は、WUのメンバーになる!!」

バトル2010/5/21 18:16:451261cfumZ5zVwDy72||771


 
「御坂零士……真名は【御魂霊使】、能力と同じ良い名を持ちましたね…
彼方を見逃すのは惜しい…けれどWUに入るというのでしたら我らにとっては
邪魔な存在。――――――――――――さらばです、御坂零士。良き眠りを…」

火織は引き金を引いた。だが御坂は一歩も動かなかった
ジェリックの霊体はニッと笑うと、形態を変えて御坂の盾になった
火織の弾丸は呆気なく跳ね返される

『御坂君、いや霊主。僕に命令を!』
「雪村火織を――――――殺すな」

バトル2010/5/21 18:22:591261cfumZ5zVwDy72||486
『――――――――――――っっ?!』
「そのかわり、ジェリックを殺した報いを受けろ!ジェリック、行けェ!!」

『その言葉、待ってたよ!!』
ジェリックは形態を矢へと変える。御坂は火織に向けて放つ
彼女を横腹、頬、肩、腕、足に切り傷を与え、矢は御坂の手に戻る
火織はガクンッ、と床に足を突き倒れこむ

「くッ――――っ!」
「雪村火織、お前は重罪人だ。生きて…その報いを受けろ…」
御坂が言うと、体育館の外でサイレンの音がした
警察、と呼ばれるジャッチメンターが体育館に勢い良くなだれ込み
火織を押さえ込んだ。ジェリックの死体も素早く回収された

バトル2010/5/21 18:30:31261cfumZ5zVwDy72||793
「君、大丈夫だったか!こいつを一人でやるなんて…高校生とは思えんな…
っと、君も凄い怪我だ…、今から救急隊(レスキューター)が来るから
少し休んでいなさい。…この少年を殺ったのは、女で間違いないな?」

「あ…はい。少年はジェリック・ニア、僕の……友人です」
「そうだったか…それは惨い事を聞いてしまったな…すまない。
それと、君を疑っているわけではないが、事情聴取という事をしなければ
ならないので警察署まで来てくれるな?」
「ええ、構いません。ただレスキューターが着いてからでも大丈夫でしょうか。
傷が痛むので…心配でしたら拘束具をつけてくださっても構いません」

バトル2010/5/21 18:33:151261cfumZ5zVwDy72||230
御坂がスッと手を差し出すと、ジャッチメンターは首を振った

「いや、その心配はない。配属のジャッチメンターをつけておくからゆっくりと
休憩しておくといい。……ではレスキューターが来たら、再度伺うよ」
「はい。ありがとうございます」

ジャッチメンターがジェリックの死体の方へと歩いていくと
別のジャッチメンターが一人歩いてきた。ジェリックは御坂の肩で休んでいる

「君が御坂零士君だね、レスキューターが来るまでは僕が着く事になった。
それにしても凄いな…最近、大ニュースの【ズヴァールの魔術師】を一人で
倒してしまうなんて…」

バトル2010/5/21 18:36:431261cfumZ5zVwDy72||539
「いえ…正確には二人なんですけどね…」
「え?なんだって…?」
「あ、いえ。こっちの話です。いててッ……」
「少し安静にしていなさい。傷口が広がってしまうよ」
「はい……」

フゥ…、と一息つくと、御坂は今日の出来事を振り返った
ジェリックに会って、火織に会って、ジェリックが殺されて、俺は【シャーマン】で
火織を倒して、WUのメンバーになって――――――――

バトル2010/5/21 18:40:511261cfumZ5zVwDy72||277
凄く沢山の事があった。本当に沢山の事があった
でも、こうしてジェリックの仇も取れたし、今日はゆっくり休もう…、そう思っていた
御坂だったが、既にすぐそばには、密かな闇が近づいていた

「――――――――シャーマン…か」
ジャッチメンターが突然、口を開いて言った
「――――――っえ?」
御坂がシャーマンの能力に目覚めた事は、未だ誰にも言っていないはずだ
なのになぜ、何故このジャッチメンターは知っているのだろうか

「ははは、驚かせてごめんね。それにしても凄いよ…火織を一人で倒すなんて」
「――――――――――――――――何故、アンタはそんなことを知ってる?」

バトル2010/5/21 18:44:341261cfumZ5zVwDy72||916
ジャッチメンターはゆっくりと笑うと
「そりゃあ知ってるよ。同志…【ズヴァールの魔術師】の仲間だもの」
「――――――――っっ?!」

御坂は椅子を素早く立ち上がり、男との距離をとる
「なぁに、今は襲わないさ。火織がやられちゃったんじゃ結構強いみたいだし。
まぁ今日は自己紹介というところで…僕はリンドウ・ソウヤ。本名さ」
「何故こんなジャッチメンターのうようよいる所にノコノコと来た?」
「そりゃあ、自己紹介の為?これくらいなら抜け出せるし」

バトル2010/5/21 18:48:311261cfumZ5zVwDy72||780
『御坂、コイツ凄いヤバイ感じがする…火織とは比べ物になら―――――』
そこまで言ったジェリックが息を呑む

『まさか……リンドウって……連合長暗殺犯の―――――――』
「君がジェリックか…随分と変な形になっちゃって。ご愁傷様」
御坂が隙を突いて男の肩をつかんだ――――――――と思ったら消えた
「――――――――――――――――っっな?!」
「だから言ったでしょう?これくらいは簡単に抜け出せると…じゃあまた」

男は煙となって姿を消した
と同時にレスキューターのサイレンの音がした

バトル2010/5/21 18:51:521261cfumZ5zVwDy72||851
「レスキューターが来た…ってあれ?あいつはどうした?」
「え、あぁ…なんか急用ができたようで…」
「ったくー、明日はお説教だぞ、あの新入り!!―――――っと、じゃあ行こうか」
「―――――――はい」


 
なにもかもが平凡だったこれまでの人生、ジェリックに会った事で全てが変わった
御坂はジャッチメンターに連れられ、警察署へと向かう…

バトル2010/5/21 18:54:151261cfumZ5zVwDy72||847


 
 
 
 
雨の魔術都市、一人の少女が魔術学園の校門の前に立っていた
「ここが……魔術学園……」
一人小さく呟いた
この少女も御坂と同じく平凡な人生が一転した者

――――四章(雨の日の転校生V)―――― fin

バトル2010/5/23 8:45:101261cfumZ5zVwDy72||342
――――伍章(雨の日の転校生・終)――――


御坂の生活は学生寮だった
魔術学園に通い始めて三日、入学早々大変な目に逢った御坂は精神面、体力面と
共に疲れきっていた。そんな御坂の左肩に一つの空気の球のようなものが
『御坂ー、今日は学校あるけど行かないの?』
「あー…なんかいろいろ疲れちゃって…」
ジェリック・二ア、雪村火織との戦いで戦死し御坂の使いとなった霊

「一レベルでラスボスに挑んだ勢いの戦いなんてしたら疲れるだろ…?」
『そもそも一レベルでラスボスになんて挑まないけどね』

バトル2010/5/23 8:51:231261cfumZ5zVwDy72||838
それにしても、だ
これからの事を考えると気が遠くなるようなイベント発生だ

WU(world umbrlla)に加盟した御坂はテロ防止の為に働くのか、と遠い目で
ジェリックを見る。そして、あの男とも―――――――――

「リンドウ・ソウヤ……か」
唐突に口を開いた御坂の第一声が男の名だった
かつてWUの連合長を暗殺した男――――――そんな男と戦うのか
御坂は考えるだけで、寒気を感じた

バトル2010/5/23 10:7:171261cfumZ5zVwDy72||841
『大丈夫、御坂が一人で戦うわけじゃないし、リンドウとの決戦はもうすこし
先になりそうだから…それまでに訓練をしておけば平気』
「レベルアップしろってか…とりあえず学校行くかァ…」

御坂はベッドから落ちるように降りると制服に着替えはじめた
ボタンを閉め終わったところで、ドアをノックする音がした
「こんな早い時間にだれだ?」
不審に思いつつもドアを開けると、そこには


ジェリックに良く似た少年が立っていた


「―――――へ?ジェ…ジェリック…?」
『馬鹿、僕はここにいるのになんで―――――』
―――――わかんないの、と言いかけたジェリックも絶句した

バトル2010/5/23 10:12:471261cfumZ5zVwDy72||92
『あ…、ジェ…ジェリック・ミスト…?!』
「……ニア、久しぶりだね。そうだ七年ぶりくらいか」

ジェリック・ミストと呼ばれた少年はニアをみつめて言った
御坂はどうしていいか分からず、その場に立ち尽くす
「WUのロシア支部で聞いたよ。―――――死んだんだってね」
『もう情報が行っているのか…流石はWUの情報網だな…』
「そこの人は……君の霊主か?」

ジェリック・ミストは御坂を見て言った
改めて見るとやはり良く似ているな、と感心してしまう程、似た顔つきだった

バトル2010/5/23 10:24:331261cfumZ5zVwDy72||376
「あ、まぁそんなモンか?とりあえずココで突っ立てるのもアレだから
中入れよ。なんもねぇ部屋だけど、ゆっくり話せるだろ」
「そうですね…ではお邪魔させて頂きます」

ジェリック・ミストはぺこりと頭を下げると靴を脱ぎ、御坂の部屋に上がった
ほんのりオレンジの香りがするジェリック・ミストの髪はニアと同じく銀だった
目は黒色だったものの雰囲気や口調まで似ている
ジェリック・ミストはコホン、と咳払いをすると話を始めた
「ジェリック・二アの兄でWUの専属メンバーであるジェリック・ミストです
どうやら二アの霊主になってくださっているようで…今後とも宜しくお願いします」

バトル2010/5/23 13:41:541261cfumZ5zVwDy72||904
「ニアの兄貴だったのか…あ、此方こそ宜しく頼みます」
『ミストの能力は【霧を自在に操るチカラ】だよ。御坂と良いコンビになるかもね』

ニアがそういうと、ミストは御坂をチラッと見て
「生憎、僕は別のWU専属者とツーマンセルを組んでいるので…」
「あ、そうだったのか。って、ツーマンセル?ドラゴンボールのキャラ?」
御坂の唐突な発言に呆れた表情のニアとミストだった
『あのね、ツーマンセルっていうのは二人組みって事さ。要は班みたいなもの』

なるほど、と頷いた御坂はそこであることを思い出した
「―――――っあぁ!学校始まっちまう!!」

バトル2010/5/23 13:46:91261cfumZ5zVwDy72||848


 
 
御坂はニアとミストを連れて寮を飛び出した
「ハァ、ハァ、ヤベェよ……遅刻じゃねぇの…?!」
「その可能性は高いですね。先ほどチャイムの音がしましたから…」
「うっへぇ!確実にアウトじゃねぇか!とりあえず急げ!」
御坂は運動は並だがタフさだけは、ずば抜けて並以上だ
学生寮と学園までの距離は600m程。全速力で走れば5分も掛からない

バトル2010/5/23 13:51:271261cfumZ5zVwDy72||234
「……学校もあるようですし、僕はここで失礼します…」

ハァハァ言いながら走っている御坂の隣でミストが口を開いた
「ん?あ、あぁ。分かった、んじゃあまた後でな!」
『ミスト、心配かけて悪かったね…』
「ああ、大丈夫。霊となって生きているんだったら心配ない…じゃあ」

そういうとミストは霧になって姿を消した

バトル2010/5/23 13:57:191261cfumZ5zVwDy72||455
「お前の兄貴、悲しくなかったのか…弟が死んだのに動揺してなかったな」
『ミストはああいう性格なんだよ…感情を表情に出さない、冷静な奴なの』

ふぅん、と御坂は返事をすると会話を打ち切った
目の前には校門が見えた

一気にスピードを上げて、校門まで駆け出す
校門の前に―――――――――――――――一人の少女が居た
「―――――のぇ…?!」


とっさに避けようと試みた御坂だったが、否。少女に突進を喰らわせた

バトル2010/5/23 14:3:501261cfumZ5zVwDy72||834


 
「……っうゥ―――――だ、大丈夫か?!」
「ぬぅ……転校早々、とっても痛かったんだよ?」
「ご―――ごめん、あんな所に居るとは…」
御坂はポケットの中のくちゃくちゃのハンカチを少女に差し出す
少女は上目遣いで御坂を見ると、ハンカチを受け取り額を拭いた
「ありがとう。でも膝が少し擦り剥けちゃったかな?」
ギクリとした御坂は額から冷や汗が出る
(登校早々、女の子に怪我させちゃうなんて……なんちゅうマイナスイベントだ!)

バトル2010/5/23 14:7:11261cfumZ5zVwDy72||956
「と…とりあえず、保健室行くか」
「大丈夫、ちょっとヒリヒリするだけだから。早く行かないと」
「そ…そうだ!遅刻になっちまうな…!急いでいくぞ!」

少女の手を握り、走ろうとする御坂だったが、どうやら立てないらしい
ぐいっ、と引っ張り立たせると、ダッシュで玄関まで向かう

(くっそー!こういうときにニアは役に立たないんだからーっ!)
否、ニアは御坂の肩でぐっすりとオネンネタイムだった

バトル2010/5/23 14:16:61261cfumZ5zVwDy72||315


少女を保健室に残し、階段を一段抜かしで駆け上がり教室へと滑り込む
「あー、御坂零士。御坂は居るかー?……欠席か」
「は、はい!居ます、居ります、ここに居ます!」
「……滑り込みだな?」

ギクリとした御坂だったが、馬顔の担任らしき人は大目に見てくれた
(ふぅ…、なんとか間に合ったな…。それにしても、あのコ大丈夫かな)
校門前で衝突した女の子は、表情こそ痛みを感じないようだったが
あの速度でぶつかったのだから、結構痛かっただろうと思った

「あー、全員出席ね。さて、今日は転校生を紹介する」

バトル2010/5/23 14:22:361261cfumZ5zVwDy72||36
ざわざわと教室のなかで、ざわめく声がした後、教室の入り口から入ってきたのは


あの少女だった


「――――――――――っな?!」
「ぬ、ティファ・ゲインズブールです。イギリスから留学してきました。
あやふやな日本語を発する事もあるかもしれませんが、お願いします」

ぺこり、と頭を下げたティファは日本語が上手かった
頭を上げた時に、御坂と目が合う
「……あ」
「あ、」

御坂の波乱の一日はこうして幕をあけた

――――伍章(雨の日の転校生・終)―――― fin

バトル2010/5/24 19:56:411261cfumZ5zVwDy72||138
――――六章(炎の剣士は永遠に)――――

転校生、ティファ・ゲインズブールと御坂は隣同士の席だった
ティファは御坂をジッと見て不満そうに
「むぅ、突然衝突してきた少年の隣とは…運に見放されたのです」
胸の前で十字を切ってアーメン、と呟く
「あんのなぁ……、俺だってわざわざ衝突しに行ったんじゃない!」
小声で少女に向かって言うが、どうやら聞いていないらしい


『このコ、なんか不思議な匂いがする…なんだろう、教会の匂いかな』
「教会?……んまぁ、たしかにシスターさんっぽいけどなぁ、アーメンとか」
『あ、そうそう。僕は普通の人には見えないから気をつけ――――』

バトル2010/5/24 20:1:71261cfumZ5zVwDy72||435
――――てね、と言いかけたニアの方をジッと見るティファは
「む、そこに居るのは死者の霊体かな。なんでこんな所にいるのかな?」
「――――――――――――っな?!」

担任のありがたいお話の最中であるため、あえて声を抑えていた御坂も
あまりの驚きに声を抑える事ができなかった
チラリと横目で睨まれた為、咳払いをして小声で話す

「な…なんでニアが見えるんだよ…!」
「ぬぅ、なんでと言われても【普通】と答えるしかできないね。
でも【普通】に見えるんだよ?私は生まれた時から…ね」

バトル2010/5/24 20:12:221261cfumZ5zVwDy72||93
「なんだ?お前も【シャーマン】の能力を持ってるんか?」
そんな事を聞いた御坂だったが、今でも自分がシャーマンだということには
驚いている。非現実的すぎて信じがたいが、ニアが事実だと証明しているのだ

「ううん、そんな宗教的職能者のチカラは持ってないよ。なんていうか、
例えにくいけど、君が何かを見るのと同じ。私にとって霊体が見えるのが
普通なんだよ?だからシャーマンなんてチカラは持ってないよ」

「ふぅん…、なんか凄いな。」
「ぬぅ、でも結構不便な時もあるけどね。一般人かと思って話かけたら
実は霊体さんで、周りの人からは空中に向かって喋っていると思われたりね」

バトル2010/5/25 17:43:391261cfumZ5zVwDy72||301
そうか、と言って話を打ち切った御坂は何気なく窓の外を見た
どす黒い、真っ黒な雲から銀色に光る雨が星のように降っている
雨は嫌いな御坂だが、今日の雨はなんだか神秘的だ、と思った

『御坂、ミストから暗号式の魔力文書が来た』
「魔術文書?なんだそりゃあ、あれか。魔法使いにしかみえましぇん的な?」
『そんなふざけたモンじゃないよ。まぁ原理的には合っているかも。
簡単に言えば魔力を注ぎ込むと文が見える手紙さ。なんだろう』
「まてまて、んなもんいつ届いたんだ」
サラッと言い、手紙を開けようとするニアに問いかけてみる

バトル2010/5/25 17:47:201261cfumZ5zVwDy72||335
『いま、ソイツから届いたのさ』

そういってニアの視線の先には、黒いフードを被った男が立っていた
『その人はWUの配達員でね、主に手紙や荷物を届ける仕事をしているんだよ』
「――――――っは?だってこんなところに居たら誰か騒ぐはずじゃ―――――」
『そ、コイツも僕と同じく普通の人間には見えないのさ。まぁ、彼女には見えている
みたいだけどね……ほんと、何者なんだろう』

少し呆れたようなニアの目の先にはティファが黒いフードの男をジッと見ている
ほんとうに何者なのだろうか、御坂は首を傾げた

バトル2010/5/25 17:51:391261cfumZ5zVwDy72||299
『まぁ、いいとしてさ。ミストからの手紙を見てみようよ』
「あ、あぁ。いいけど、そうやってその【魔力】とやらを注ぐんだ?」
ニアは少しニヤッと笑い、御坂の右手を見た
『君のシャーマンのチカラは主に右手に集中している。要は右手に魔力が
集まっているってことさ。だから紙に向けて右手をかざせば文字が出るよ』

なんのことやら訳の分からなかった御坂だったが、とりあえずニアの言うとおりに
手紙に右手をかざす。質は並みの紙とは少し違うゴワゴワとした感触だった


――――――否、御坂の右手をかざした瞬間、紙に蒼い文字が浮かび上がってきた

バトル2010/5/25 17:58:141261cfumZ5zVwDy72||344
「――――――っはぁ…、ほんとに魔術ってのはなんでもアリだな…
これならMP消費で生き返る呪文とかも唱えられるんじゃねぇの?」
『阿呆、死者を生き返らせるなんて魔術あったら理が崩れるでしょうが!』

現代では十分すぎるほど崩れていると思うが、と言おうとしたがグッと抑えた

紙の方に目を向けると、蒼い文字でこう書かれていた
[親愛なるニアと霊主へ。WUの任務を果たし終えたところで今、筆を持っている。
本題だがWUの連合会議に出席させてもらったのだが、少し驚く情報を掴んだ。
新米WUメンバーの教官として、あの【炎の剣士】が帰ってきたのだ。]


バトル2010/5/25 18:3:521261cfumZ5zVwDy72||221
二枚目を読もうとしたところで、ニアが驚いた表情をし
『な――――――っ?!あ…あの人が帰ってきた…!?』
あの人とは【炎の剣士】をさしているな、と思ったが全く知らない人物なので
とりあえず二枚目を読み続ける

[あの鬼教官としても知られていた彼女が帰ってきた。帰ってきた、ということは
恐らく任務終了したのだろう。そこで新米WUメンバーの教官を再びするそうだ。
立候補者を求めていたのだが、皆、彼女の特訓は耳にしている。怖くて一人も
出なかった。なんの許可も得ず申し訳ないのだが、霊主君を推薦させてもらった]

バトル2010/5/25 18:9:431261cfumZ5zVwDy72||590
『ぶ―――――っ!御……御坂を?!』
「なんだ、そんなに凄い人なのか?」
その鬼教官とやらを全く知らない御坂はニアに問いかけた

『凄いなんてもんじゃない……WU内では【死の特訓】と呼ばれるほどの危険で
新米WUメンバーをいきなり高ランクの任務へ向かわせて実戦開始。
たった二日で病院送りにされるほどの特訓さ。――――――死んだね』
「ちょ――――――っと待て!死んだね、ってなんだ?!
そんなにヤバイんだったらとっとと辞退しないと――――――っ!」


そこで、授業終了のチャイムが鳴った
「よし、では下校時間だー。くれぐれも気をつけて帰るように」

バトル2010/5/25 18:12:521261cfumZ5zVwDy72||106

 
 
御坂は呆然としていた。ミストからの三枚目の手紙にはこう書かれていた
[機嫌の悪かった【炎の剣士】もすっかり上機嫌になった。恐らく辞退は不可能だ。
さっそく明日から訓練開始のようだが、幸い明日は土曜日なので休みだ。
一日猶予を貰えただけでも幸運だと思う。心構えをして、明後日に備えてくれ
――――――by.ジェリック・ミスト]

「あんの野郎……!遭ったらぶっとばしてやるゥ!!」

バトル2010/5/28 19:38:511261cfumZ5zVwDy72||329
―――同刻のWUロシア支部―――

そこには一人の男が座っていた
赤毛で長身、腰には長い刀を吊るしている
首にはルビーのネックレスをつけており、左目の下には炎をモチーフとした
青刺(タトゥー)が入っていた。これでもこの男は、大聖堂の守護神父の一人だった
「……はぁッ!遅い、遅い、遅い遅い遅い遅い遅い遅い遅いッッ!!」
男は一人、ロビーで叫ぶ。辺りは闇に染まり、男の声は闇に消える


そこに、緑の髪の男が現れた
首には蒼いマフラーを巻いていて、腰には二丁の拳銃が収まっていた

バトル2010/5/28 19:43:531261cfumZ5zVwDy72||752
「遅くなってすまなかったな、【炎の剣士】さん」
「―――っはァ……やっときたか。いい加減、遅刻グセは直せ」
少し真面目な顔つきで、【炎の剣士】は男に言った
「んでェ?例の人たちは連れてきてくれたか?」
「勿論、少々手荒な束縛したけど…特に問題はないでしょう」
そういって、左手に持っていた鎖を引いた


緑色の髪の男の後ろには二人の黒いスーツ姿の男が鎖で繋がれていた


「あのなァ…、束縛って言ってもコレはアウトだろう…」
「そうか?まぁあの手の組織だから、下っ端は見殺しでしょ」

バトル2010/5/28 19:49:191261cfumZ5zVwDy72||582
少しなだめるような表情で男達を見る、緑髪の男は
「さぁて、ちっと組織の事について話してもらえるかな?―――ボスはどこだ」
優しい表情だった。とても穏やかな表情で、とても優しい口調で言った
だから怖かった。男達にはこの男が怖かった

―――――――――こんなに優しい口調と表情なのに、目は凍っている


だから、だから、だからこの場をすぐにでも逃げ出したかった
「リンドウ、やめろ」
「―――――――――くっ、」

バトル2010/5/28 19:54:71261cfumZ5zVwDy72||519
リンドウと呼ばれた男は唇を噛み、視線を落とす
変わりに炎の剣士が言った

「お前らには、吐いてもらわなきゃならん事が沢山ある。正直に言え」
炎の剣士は音も無く刀を引き抜くと、一人の男の首筋に当てた
「―――っ!………、」
「どうだ、言う気はあるのか。無いのか」
炎の剣士の言葉も冷たかった。リンドウはジッと男を見ている
そのプレッシャーと恐怖に耐えられなくなった一人の下っ端が口を開いた

「……ボ、ボスは…ロシアの…大聖堂【セフィロト】の地下の本部に……」
「―――――――――っ?!お、お前…!こ…殺されるぞ!!」

バトル2010/5/28 19:58:71261cfumZ5zVwDy72||176
「わ、分かってる!だ…だから、情報と代わりに…俺らを保護…して…くれ」
男の声は酷く震えていた。まるで、蛇に睨まれた蛙のように微動もしなかった
「ああ、その辺りの心配はいらぬ。WUの地下で保護しよう。…ただし、知っている
事は全て正直に吐け。――――――分かったな」


そう言ったとたん、一人の男の額に赤い光が止まった
それは、レーザースコープの光だった


パパパンッ、と豪快な音と共に男の額から血が吹き出る

バトル2010/5/28 20:2:41261cfumZ5zVwDy72||111
「―――――――――っ!!」
「―――――――――んなっ?!」

緑髪の男と炎の剣士は同時に武器を構え、背中を合わせた
「あ…あぁ…あぁぁぁああああああああああ!!!!」
黒いスーツの男は隣で仲間の死ぬ光景に、気が狂っていた

「あああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!」
「どうした!!なにがあったんだ!!」
炎の剣士は必死に問いかけるも叫ぶばかりで男は答えない、いや答えられない

バトル2010/5/28 20:6:261261cfumZ5zVwDy72||824
「チィ!リンドウ、射撃された場所は分かるか?!」
「いや、どうやら外部からの射撃じゃない!内部から……そこだ!」

パパンッ!とロビーに響く銃声と共に弾丸は非常階段へと駆ける
「裏切り者の抹殺ってやつかァ?支部に堂々と侵入なんて、なめてやがるな!!」
「行くぞッ!」

炎の剣士とリンドウは非常階段に向けて走り出した
背後では、あれほど叫んでいた悲鳴が――――――やんでいた
とっさに振り向くと男は二人とも額を撃ち抜かれ絶命していた

バトル2010/5/28 20:11:71261cfumZ5zVwDy72||237
カッカッ、と階段を駆け上がる音が響く
リンドウと炎の剣士は階段を駆け上がる

「どうやら【滅する教会】が動き出したな!恐らく幹部クラスの奴だ!」
「ああ、逃がすわけには行かない!!」


 
 
ロシアの街は静まり返っていた
WUロシア支部の屋上にはビル風が吹き荒れていた
今宵、対峙する男が三人
緑髪の男、赤毛の男、そして蒼い髪の男

バトル2010/5/28 20:15:451261cfumZ5zVwDy72||384
緑髪の男、リンドウ・キョウスケは動きが凍っていた
赤毛の男は刀を引き抜き、居合いの構えをしていた
蒼い髪の男は、黒いサングラスをつけ、長いライフルを持っていた


「ソ…ソウヤ…」
唐突にリンドウ・キョウスケが口を開いた
赤毛の男は変わらず鋭い視線で睨みつけ、構えを崩さない
蒼い髪の男は口を三日月のように開き笑っていた
「兄貴、久しぶりだな。裏切り者の弟を覚えてくれているなんてな」
ケラケラと笑うように言い放った
赤毛の男、炎の剣士は眉間にしわを寄せ、怒鳴り声を上げた

バトル2010/5/28 20:24:491261cfumZ5zVwDy72||700
「ソウヤぁ!!貴様、連合長を暗殺しておきながら、のこのことやって来るとは
随分と舐めたマネをしやがってェ!――――――{Cloud0781}!!」

【魔法名】、魔術を扱う者が、魔術を使用する際に名乗る名


瞬間、轟!という音と共に炎の剣士の刀が紅蓮の炎に包まれた
「ほぉ…来る気か。ならば俺も名乗らせてもらおうか…{Laharl0999}」
瞬間、静と音が止み、リンドウ・ソウヤの身体から蒼い氣が溢れ出た

「世界の理を創る五大元素の一つ、紅蓮の炎よ。与えられた使命は焼き尽くし
灰へと還す……我が使命を請け負おうぞ…!!」

バトル2010/5/29 9:38:291261cfumZ5zVwDy72||54
「世の理を崩す五大元素の一つ、大いなる闇よ。与えられた使命は堕ゆく者を
闇へと還す……我が使命を請け負おうぞ!!」

炎の剣士とソウヤが同時に叫ぶ
両者ともに身体からは氣が出ており遠くで見ているキョウスケにも気迫が伝わる
「―――――っ!魔王の魔法名を名乗るとは随分と堕ちたものだな、ソウヤ!」
「フンッ!師匠も随分と腕が落ちたようで…!はぁぁぁぁぁっ!!」

ソウヤは腰から銃を引き抜き、パパンッ、と炎の剣士に向けて発砲する
だが、炎の剣士の氣に触れた弾丸は摂氏2000℃の火で溶けた

バトル2010/5/29 9:44:521261cfumZ5zVwDy72||327
「ソウヤぁぁぁ!――――――{Aureos0787}!!」
キョウスケが我に返り、魔法名を名乗る


 
今宵、魔法名を名乗る三人の男の戦慄の物語が幕を開けた―――――
 
 
 
 
 
―――同刻の魔術都市―――
御坂はティファと下校していた
「………、」
「…………、」
「………………………………………………………………………………あの」

バトル2010/5/29 9:52:491261cfumZ5zVwDy72||258
「む。ティファ・ゲインズブールに何か?」
「いえ、あの…そのですね、姫?なにゆえ私に着いてくるのでせう?」
「なんでって。それは身寄りのない女の子を助けるのは男の子の役目だよ?
私はお腹減ったの。なにか食べさせてくれると嬉しいな」
「いやっ!まて、それは俺の家に来るってことか?!ちょ…待て、待ってくれ!!
女の子を部屋に連れ込むなんてそん―――ってあぁぁ!!ドアノブ握るなァ!
引っ張っても開かない、開かないからー!頼むからかじらないでェェ!!」


 
御坂の叫び声が空に消える。鳥が何羽か羽ばたいた

――――六章(炎の剣士は永遠に)―――― fin

バトル2010/5/29 11:24:21261cfumZ5zVwDy72||208
――――七章(ゲインズブール家の能力)――――

御坂はフライパンを持ちつつ嘆いていた
自宅である学生寮にオンナノコを連れ込んでしまった
いや、そもそも好きで連れ込んだ訳じゃない
入られた、というべきか。居間のちゃぶ台でうーうー、言っているオンナノコに
「ねぇ。私のお腹は限界なんだよ?」
「あー、もう!」
御坂は髪をクシャクシャにして嘆いた
なんでこんなに不幸なんだ、と。神様の意地悪ーっ!と心中で叫んだ

バトル2010/5/29 11:27:171261cfumZ5zVwDy72||759

 
 

ビルの屋上はまさに戦場と化していた
静まり返った街のビルの屋上では戦慄の物語が繰り広げられていることなど
街の住人達には気づくはずもない。いや、そもそも【人がいない】
緑髪の男の魔方陣【人払いの結界】によって街の人間は「なぜかここには近づかない」
ようになっていた。簡潔に言えば、洗脳のようなものだ

そんな宵闇に一人の男の声が響く

バトル2010/5/29 11:40:11261cfumZ5zVwDy72||894
「炎の剣士と謳われた男の実力はこんなものか…!」
「チィ…!《sacred fire》(聖火の灯火)!!」

炎の剣士と呼ばれた男が握る長い刀から、オレンジ色の炎が燃え上がる
瞬!という風を裂く音と共に、蒼髪の男の腹部を斬る
だが、男は表情を変えない。まるで痛みを感じていないかのように
「はははっはっ!魔王の闇には魔術の能力(チカラ)など意味を成さない!」

{Laharl0999}、魔王の魔法名と謳われる禁断の名
この男は、その禁断を破り――――――――名乗った

バトル2010/5/29 11:50:231261cfumZ5zVwDy72||283
「兄貴は何もしないのか?…はっ!来ないなら俺から行くぞ!!」
「――――――――――――っっ!!」

蒼髪の男は腰から銃を引き抜き
「《Devil Satan》(魔王の咆哮)!―――――はぁぁぁぁぁっっ!!」
身体から黒い闇の氣(オーラ)が放たれる
「くそッ!{freshgreen0125}……新緑の化身・GreenGorlem!!」
緑髪の男が魔法名を叫ぶと、空中に幾つもの魔法陣が描かれ、緑の光を放った
魔法陣が一つの大きなものになると、腕が現れた
腕の次には岩の顔が現れ、身体、脚と一人の巨人が姿を現した

「――――、緑の巨人か…!《LaharlSorld》ッッ!!」

バトル2010/5/29 11:58:361261cfumZ5zVwDy72||791
蒼髪の男、リンドウ・ソウヤの右手に暗黒の大剣が握られる
「闇に染まる弟を放っておく兄貴もいるまい!」
緑髪の男、リンドウ・キョウスケが叫ぶと緑の巨人が唸り声をあげ
ソウヤに襲い掛かる。巨人の巨大な拳が身長180cm近くある男を吹き飛ばす

――――――――否、巨人の拳は砕け散り葉が舞った

「なっ………っ!」
「キョウスケぇぇ、そいつは魔王の剣だ!気を抜く―――」
「遅い」
――――な、と言いかけた炎の剣士の言葉をソウヤが遮る

バトル2010/5/29 12:2:401261cfumZ5zVwDy72||707
暗黒の大剣は、キョウスケの腹部へと突き刺さった

「かぁ……、な?!」
「貴様ァァァァァァ!!《紅蓮の炎》!」

鮮血が飛び散る中、キョウスケが血の海へと沈む

炎の剣士がソウヤに向けて叫ぶ
左目の下の青刺(タトゥー)から魔法陣が浮かび上がり、炎の光線を放つ
だが、暗黒の大剣の前では塵に等しく、水の柱のように蹴散らされた

バトル2010/5/29 12:5:561261cfumZ5zVwDy72||254
炎の剣士は憎悪で冷静さを失い無我夢中で攻撃をしかける
が、隙だらけの攻撃など、魔王の前では何の意味も成さない

「炎の剣士、クラウド・ガーターに別れを告げよう…闇に消えろ永遠の炎!!」

ソウヤが暗黒の大剣を炎の剣士目掛けて振りかざす
 
 
 
――――だが、その大剣さえも跳ね返された

バトル2010/5/29 12:12:371261cfumZ5zVwDy72||542
「……なっ?!」
突如起きた事にソウヤはパニックを起こしていたが、背後に聞こえた声で
何が起きたかはすぐに分かった

「《skull wall》……、やりすぎだな。ソウヤ」

炎の剣士の前には一人の男、男の前には無数の髑髏で造られた壁
「くっ……、ま―――まさか本当に生きていたなんてな…」
「俺もできれば剣を交えたくは無かった、ソウヤ。随分と堕ちたものだ」
誰だ、この男は。それが炎の剣士の頭に最初に過ぎった言葉だった

バトル2010/5/29 12:18:161261cfumZ5zVwDy72||89

 
 
「はっ、僕もだよ。君が生きているなんて、そんなのは誤算だった
まさか本当に伝説の【skull wall】を創るとはね…流石だよ、」
「ソウヤ、俺の名は言わぬほうが賢明だ」

その声はあまりにも感情が無く、鋭かった
炎の剣士は成す術も無く、キョウスケのもとへと向かった
「待て、炎の剣士。……怒りと憎しみで、我を失うな」
「………!あ、ああ。助かった、感謝する」

バトル2010/5/29 12:25:321261cfumZ5zVwDy72||186
男は少しだけ笑うと、視線をソウヤの方へ向けた
「ソウヤ、お前もまさか、禁断の魔法名を名乗る【忌破り】になるとはな…
禁断の掟を破った者の定めは知っているだろう」
「ああ、十分にわかっているさ。そもそも、今回の目的は彼らを殺す事ではない。
俺の今回の目的は【ゲインズブールの末裔】を回収する事だ」
「………、ゲインズブールの末裔。にわかに信じていなかったが、存在するとはな」

ソウヤは笑いながら言った

バトル2010/5/29 12:30:221261cfumZ5zVwDy72||331
「ああ、確かに存在するさ。ゲインズブールの末裔は【鍵】を持っている
その鍵さえあれば、【ズヴァールの再興】と【オメガの復活】という俺らの
目的は同時に達成できる。すでに彼女の居場所も掴んでいる」

「ならば、行かせるわけには、いかないな」
「止める気か?フンっ、いくら君の【skull wall】でもコレは防げない…!」
バッ、と両手を広げると十指に闇の炎が宿る
【禁術・ヘイスト】、闇の魔術の最高位の禁術
「ヘイストを使う気か……、そんなものを使えば、貴様は闇に呑まれるぞ」
「舐めるな、ヘイストなどで呑まれる俺ではない!!」

男の髑髏の壁に向かい、駆けるソウヤの目には欲望しか映っていなかった

バトル2010/5/29 18:30:141261cfumZ5zVwDy72||995
指を壁へ突き刺すと、脆く。とても脆く崩れた
そのまま加速し、男へと突っ込んで行く
十指が男のは腹へと突き刺さり、口から血が飛び散る

「【禁術・ヘイスト】は身体を内部から壊死させて行く。
いくら伝説になった【skull wall】さえも防げぬ絶対の攻撃……ごふッ!」
ソウヤの口、爪、鼻から血が出る。顔は血で赤く染まった

「――――――やはり禁術、それなりのリスクはあるようだな」
「――――――――――――っあ?!」
己の血で視界が悪くなったソウヤは幻覚でも見たのかと思った
内部から壊死させる絶対必殺の禁術【ヘイスト】を喰らってもなお立っていられる
者など、世界中を探し回っても見つかるはずがない

バトル2010/5/29 18:42:511261cfumZ5zVwDy72||495
「阿呆が……俺の魔道服のチカラを忘れたか?【法王級の防御】いわば
歩く要塞と言っても過言ではない、このチカラを」
男は身に纏っていた黒い布を片手で掴み、バッ、と広げる
緑の神々しい光が放たれる。これが――――――――

「エメラルドローブ、法王級の防御をもつ魔道服……この服を相手に、禁術など
幾千放ったところで塵に等しい。忌破り、リンドウ・ソウヤ。貴様を束縛する」
男が指先でパチン、と鳴らすと空中に蒼い魔法陣が描かれた
魔法陣から福引機のような物が現れ、男がカラカラ、と回すと赤い玉が出た

「どうやら、神は貴様を許さぬようだ…」
そう言うと赤い玉をパキン、と割った

バトル2010/5/29 18:51:131261cfumZ5zVwDy72||278
すると、空中に更に赤い魔法陣が描かれた
その中から黒い銀の檻を首につけた竜が現れた

「束縛用のレッドドラゴンだ。この【魔法具】は運次第なのだが……
【skull wall】を開発した俺に言える事ではないが、神はいるようだな」
「流石……、俺のヘイストを破るなんてな―――――それにこんな【魔物】まで…
伝説の魔道具【ボナンザ】さえも使えるとはな……恐ろしい男だな君は」

コフッ、と口から血が流れ出る。ヘイストのリスクは相当重かった

「もう喋るな…歩く要塞、もとい歩く教会のエメラルドローブの布だ…
傷口に巻けば少しはよくなるはずだ。……ここで死なれては困るからな」

バトル2010/5/29 19:2:441261cfumZ5zVwDy72||977
エメラルドローブの袖から少し布を千切る
切ったところからは、エメラルド色の雫が落ちる
千切ったところは数秒で元に戻った
「こんな所で情けを受けるとはね……頂くよ」
ソウヤは男から布を受け取ると傷口に巻いた
大きな森に包まれているような感覚にソウヤは感嘆の声を上げた

男はスクッと立ち上がると、ソウヤを竜の首についている檻に入らせた
「お前は、今までの罪の報いを受けろ……いいな」
「こんな所で捕まるとは思ってもいなかったけどね……いいだろう」

バトル2010/5/29 19:14:101261cfumZ5zVwDy72||961
男は炎の剣士を呼び、イギリスの支部へ行くように竜へ言った
「お前も乗って行け。イギリスで、その男と一緒に手当てを受けろ」
「あ、ああ……、彼方は一体何者なのですか…?」


「今は名乗らない。が、時が来れば名乗ろう」
そう言うと、指から光を発し魔法陣を描いた
「随分と腕をあげたな、ガーナー。また会おう、時の定めが来し時にな」
そういうと、魔法陣の中へ消えていった

バトル2010/5/29 19:18:351261cfumZ5zVwDy72||16
「―――――っ?!………ふん、まさかな…」

炎の剣士、クラウド・ガーナー
新緑の神父、リンドウ・キョウスケ
忌破り、リンドウ・ソウヤ

今宵の彼らの戦慄劇は、一人の男によって幕を閉じた
三人は、【女神のボナンザ】により召喚された紅い龍に乗りイギリスへと向かった

バトル2010/5/29 19:23:551261cfumZ5zVwDy72||416

 
 
 
所変わり、西の国アメリカ合衆国
この世界でも名を轟かせる国の人里離れた村の大聖堂
そこは、魔術テロ組織【滅する教会】によって完全に乗っ取られていた
といっても、組織のメンバーが何十人も動いたわけではない
この強大な結界の張ってある大聖堂を、たった一人の女が占領した

女は大聖堂の十字架、その中に隠された一枚のデータカードを取り出していた

バトル2010/5/29 19:28:441261cfumZ5zVwDy72||556
データカードといっても、パソコンなどを使って読み取る形式のものではなく
魔術の術式で記された、小さな紙切れのようなカード
その術式を解けば、内容を読み取る事ができるようになっている

「………クロイツェフの術式だけに、解くには時間がかかりそうですね…」

女は平然と死体が転がる地獄と化した大聖堂で一人呟く
そこに、一人の女が現れた。背は割りと低めで黒いフレームのメガネをかけている
「サイノシュア様、どうやらリンドウ・ソウヤが【あの男】によって束縛された
ようです。現在イギリスのWU支部へと運送されています」
ぺこり、と頭を下げて言った

バトル2010/5/29 19:34:581261cfumZ5zVwDy72||840
「ほぉ、ソウヤが捕まったか……あの歳でヘイストを扱える貴重な人材だけに
惜しいな。だが、総戦力をあげて支部へ突撃するわけにもいかないな……
桔梗、お前ならばどうするか、言ってみなさい」

桔梗はサイノシュアに一礼して言った
「私であればソウヤの救出は後回しにし、術式の解読を最優先します
クロイツェフの造った術式ならば、重要な事が載っていると仮定した場合ですが」
「ふむ、流石ですね。では、貴女の言うようにしましょうか」

サイノシュアは大聖堂の天井を見つめて言った

バトル2010/5/29 19:37:191261cfumZ5zVwDy72||14
「ティファ・ゲインズブール…彼女ならば術式を解けるかもしれませんね…」
サイノシュアは一人、ぽつりと呟いた

 
 
「クロイツェフ、彼方の術式を解き、【オメガの復活】は果たしてみせますよ」


笑いながら言うサイノシュアの目には、ティファの顔が映っていた

――――七章(ゲインズブール家の能力)―――― fin

バトル2010/5/29 19:41:411261cfumZ5zVwDy72||603

 
 
 
だから、彼は魔術師になりたかった

彼は何の変哲もない平和な村で育った
だが、平和という言葉は一瞬で砕け散らされた

ある日、一人の女性が村にやってきた
村の外れにある洞窟に用があると言い、門兵を殺害し入っていった
門兵の死体が見つかったのは3日後、見回りの門兵が見つけたのだ

バトル2010/5/29 19:45:421261cfumZ5zVwDy72||702
急いで女を引きとめようと、洞窟に入って行ったが帰ってこなかった

その4日後、村は地獄絵図と化する


女の名は【サイノシュア】、魔術師だった
女は洞窟に最高位の結界で封じ込められていた【オメガ・プロント】の封印を解き
世界を乗っ取ると言った。村人は逃げ惑うも強大なオメガには敵わず
次々に殺される。次々に、次々に、次々に殺される

やがて、村の人間は、ほとんど死に地獄になっていた

バトル2010/5/29 19:49:71261cfumZ5zVwDy72||996
ほとんど、というのは、生き残りが居たからだ
たまたま、母親と別の村で働いていた少年が帰ってきた

少年は村の光景を見るや否や、狂ったように叫びはじめた
サイノシュアは構わずオメガを使って殺そうとした

したのだが、少年は不思議な力を持っていた

オメガが魔術を使い殺そうとする
少年は魔術を打ち消し叫び続ける

オメガが踏み潰して殺そうとする
少年はオメガの脚を砕き更に叫ぶ

バトル2010/5/29 19:53:211261cfumZ5zVwDy72||519
オメガが禁術を使って殺そうとする
少年は禁術を打ち消し、叫び続ける

オメガが少年の首をはねようとする
少年はオメガの腕を粉砕し更に叫ぶ

どんな手段を使っても少年は殺せなかった
サイノシュアは己自信で殺そうと刀を引き抜き少年に斬り掛かるが
少年が叫び暴れると、サイノシュアの刀が砕けた

サイノシュアはオメガを使ってなんとしても殺そうとする
オメガは勝てないと分かっていて、恐怖に怯えるも戦う
少年は眠っていただけのオメガを恐怖で苦しめたくなかった

バトル2010/5/29 19:59:271261cfumZ5zVwDy72||57
だから彼は魔術師になりたかった

少年は【壊す者】、オメガは【壊される者】の立場だった
少年の力が存在する限り、オメガの立場は変わらない

だから少年は自分の血を捧げて魔法陣を描いた

オメガと、オメガを操る女、サイノシュアごと封印の結界へ閉じ込めた

少年の名はクロイツェフ・アルト。小さな村で世界を救った【魔術師】……

バトル2010/5/30 10:34:561261cfumZ5zVwDy72||255
――――八章(始動)――――

御坂の自宅である学生寮、御坂は丸い机(ちゃぶ台とも言う)でうなだれていた
よくよく考えてみると、自分はとんでもない事に巻き込まれているんだな、と思った

WUという連合に加盟した御坂はこれからテロ阻止の為に戦う
こんな、映画の中のお話みたいな事が現実になって御坂に直面している

シャーマン、という能力(チカラ)を持っていた御坂
霊体と干渉できるチカラ。こんなの漫画であるんじゃね、とも思った

バトル2010/5/30 10:43:31261cfumZ5zVwDy72||895
WUの日本支部とやらで、【炎の剣士】と呼ばれる鬼教官に特訓させられる
これは勝手にジェリック・ミストが推薦しやがった事だが、とんでもない

そして、ティファ・ゲインズブールとの出会い
なんだか訳分からないが「お腹減った」と言い自宅に上がり込んできた不届き者
転校生だが、家くらいはあるだろうと思ったが、お人好しな御坂零士
一食だけ(冷蔵庫の中の物をぶち込んで炒めたモノ)作ってあげてしまったことから
妙に懐いてしまったティファは居候する事になってしまった

「…おい、お前、いくら転校生といえども、自分の家くらいは在るだろうに」
「うーん、イギリスから突然、日本に来たわけだから家の場所も分からないの」

バトル2010/5/30 10:47:481261cfumZ5zVwDy72||634
「家も用意されずに日本に飛ばされる悲劇のヒロインって奴ですかーっ?!」
「相変わらず、君のイミフ言語は分からないけど、そういうことなんじゃない?」
「じゃあ、お前を日本に送ったのは、お前の家族か?」
「それも分からないの。というか、家族がイギリスに居たかも分からない」
「はい?」
「私ね、3年前から記憶がないんだ」
「――――――………」

突然の事実に、御坂は何も言い返せなかった
そうか、としか言えなかった。たった一人の少女を慰めることもできなかった

バトル2010/5/30 11:49:371261cfumZ5zVwDy72||67
「記憶って言っても、無くなったのは【思い出】だけで【知識】はあるの」
「だから、記憶なくなってもバブバブ言って這い這いしてなかったのか」
「……………………………、」

ティファは手にグーで握っていたスプーンを御坂の顔面に向けて投げた
ストライーク、と叫んで倒れる御坂の日常はこうして始まる
 
 
 
 
一方、アメリカ合衆国の人里離れた村の大聖堂
サイノシュアという女はある男と対峙していた

バトル2010/5/30 11:56:61261cfumZ5zVwDy72||637
「シド・ファルク……こんな所まで、どうしたのですか?」
「サイノシュア……、貴様ァ、大聖堂にこのような事をしておいて……!」

シドは腰から長剣を引き抜き、構えをとる
剣は三日月型に反れており柄は蒼く光っている
サイノシュアは何の構えも取らず、平然とシドを見つめている
「その構えと、その刀……、やる気ですね」
「神父を…牧師を…信者を…!神に仕える者をよくもッ…!」

そう叫ぶとシドは構えを崩さぬままサイノシュア向けて翔ける
「{tempest0015}!―――――はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

バトル2010/5/30 12:8:421261cfumZ5zVwDy72||524
シドの顔は鬼神のように引きつり、眉間にはしわが寄り、まさに嵐のような怒り
「嵐の名を持つ魔術師…シド・ファルクと謳われただけはありますね……」

―――――ですが、と言いサイノシュアは刀を引き抜いた

ガキンッ、という金属同士がぶつかり合う音が響く
シドが両手で渾身の力を込め振り下ろしたのにも関わらず、サイノシュアは
片手で刀を持ち、それを受け止めていた
「……!その構え…、今は無き【ズヴァールの魔術師】の鋭崎の閃刀…!」
「ええ、彼ほどの居合いはできませんが、己で編み出した閃刀ならば…!」

バトル2010/5/30 12:13:531261cfumZ5zVwDy72||334
瞬、という轟音と共に、シドは長剣ごと吹き飛ばされた
腕には八つの深い切り傷があった。長剣は見事に割れていた
「――――――っ!!……貴様ァ……」
「【八閃】です。彼の居合い斬りを型として編み出した技
彼の居合いは一瞬で幾十も斬りますが、私にそこまでの腕はないので
一瞬で八つ、斬れるようになっています。……勿論、負担はかかりますが」

サイノシュアの腕からカランッ、と刀が落ちた
「八閃を使うと数秒は手が言う事を聞かなくなります……まぁ、殺してしまえば
なんの問題もありませんが。―――シド、彼方では私に勝てませんよ」

バトル2010/5/30 12:56:151261cfumZ5zVwDy72||92
「く……、くくく、くははは、くははははははははははははははははははッッ!!」
狂笑
冷静さを保っていたシドは突然狂笑しはじめた

「彼方に用はありません。このクロイツェフの術式を解くので急いでいます
そうですね、桔梗。この男の相手をしてやりなさい」
「相手、といいますと【殺しても良い】のですか?それとも痛めつける程度ですか?」
「――――――っ?!」
「桔梗のお好きな方で構いませんよ。ただし、【花園】だけはお止めなさい
あれほどの大魔術を使うと、大聖堂どころか村ごと吹き飛んでしまいますから」

バトル2010/5/30 18:57:01261cfumZ5zVwDy72||344
「分かりました。ではサイノシュア様は解読をお急ぎ下さい」
「ふふ…、頼みましたよ、桔梗」
桔梗がペコリ、と頭を下げるとサイノシュアは魔法陣を描き、その中へと消えた


サイノシュアが消えてから5分、両者共に動かなかったが桔梗が唐突に口を開いた
「無様…だな。シド・レインズ」
先ほどまでの冷静で忠実な口調は消え、強い口調へと変貌した
「桔梗、お前の【演技】は大したものだ…本当に殺されるかと思ったよ」

桔梗は黒いフレームのメガネを外し、後ろで結ってあった髪を解く

バトル2010/5/30 19:3:561261cfumZ5zVwDy72||725
「サイノシュアの八閃くらい、あなたならば見切れたはずだが、どうした」
シドは苦い笑いをみせバッ、と服を脱ぐ
胸には紅い宝玉のようなものが埋め込まれていた

「以前の任務で【ノアの使徒】の奴に埋め込まれた。おかげで身体が鈍っちまった」
「……ノアの使徒、【ズヴァールの魔術師】の傘下組織だな。全くヘマしやがって…」

桔梗は胸の前で十字を切り、指に息を吹きかけた
すると、ボウッと指に明るい灯火が点りシドの胸の宝玉にあてる
シュウ、という静かな音とともに宝玉が消えた
「流石、WUで一、ニを争う桔梗。助かったぜ」
「ふ…お前らしくないな。私の知るシド・レインズは素直じゃない」

バトル2010/5/31 17:4:231261cfumZ5zVwDy72||372
「…もうそんなイメージが定着してしまっているのか…」
「ああ、私の中のシド・レインズは【素直じゃない、頑固、見栄っ張り】だ」
「くぅ………、それにしても、何故【ズヴァールの魔術師】に?」

シドが聞くと、桔梗は少し遠くを見て
「潜入捜査だ。奴らの目的を調べる為だった。どうやら奴らの目的は二つ
一つは【ズヴァールの再興】、もう一つは【オメガの復活】だ
オメガの復活は、ズヴァールの再興に繋がる。クロイツェフの術式でオメガは
サイノシュアと共に封印されていたはずだが、何故かサイノシュアは復活している」

そこまでいうと一息をついて続けた

バトル2010/5/31 17:15:171261cfumZ5zVwDy72||786
「これはどういうことか……単純だ、シド分かるか?」
「……認めたくないが、【ズヴァールの魔術師】の中に―――――
【クロイツェフと同等、もしくはそれ以上の力を持った人がいる】……か?」

桔梗は小さく頷いた。その頷きがシドに嫌悪感を与えた
「その通りだ。そうでもなければ、クロイツェフの術式を解けるものなど
【ゲインズブール家】以外、ありえない。最も、【ズヴァールの魔術師】の中に
ゲインズブール家の末裔がいないと断定できるわけでもないがな…」

シドは頭を抱えてうずくまった
「それじゃあオメガの復活なんて朝飯前じゃな―――――」
―――――いか、と言いかけたシドは何かに気がついた

バトル2010/5/31 18:35:461261cfumZ5zVwDy72||629
「ふ…、それが私の考えだ、シド」
「ゲインズブール家の末裔がいたとしたら、オメガの復活なんてとうに達成している
はず…、ということは【ズヴァールの魔術師】に末裔はいない…!」

そうだ、と呟いた桔梗は、天井を見つめ
「だが逆に、奴らの組織に末裔がいないとなると、サイノシュアは術式解読の為に
末裔の回収に動くだろうな。だから私が派遣された…というわけだ」
「なるほど、桔梗はその【末裔の保護】へ動くわけか」
「物分りだけは、人一倍良いな……その通りだ」
呆れたように笑い、大聖堂の出口へと歩き始める

バトル2010/5/31 18:38:351261cfumZ5zVwDy72||983
「もう末裔の居場所は掴んでいる…潜入捜査の賜物というやつだ
末裔は日本の魔術都市に居る。今からここを発つ、いいな?」

――――――――――――――――――――へ?

「ちょ…!待て、待ってくれ。ま…まさか俺も同行か?」
「上からの命令だ。仕方ないだろう」
「上たって、桔梗は相当上の地位だろ!………っはぁ」
「何だ、そんなに私と行くのが嫌か」
「嫌じゃない、怖いんだよ。またやたら物騒な事に巻き込まれそうでな…」
「案ずるな、その心配はいらぬ。だから、付いて来い。命令だ」
「くっそー…、しゃあないな…」

バトル2010/6/1 18:36:151261cfumZ5zVwDy72||177
これ以上反抗すれば、桔梗の刃が振るわれるに違いない
そう思ったシドは、嫌々ながらも賛同した
「とりあえずはイギリスの支部へと向かう。最近、大聖堂を狙った惨殺事件が
あまりにも多い…これは奴らの何らかの工作かもしれぬからな」
「そこまで先を見ているとは、やはり桔梗は違うな…」

そんなシドの言葉も聞かずに、桔梗は歩き出す

イギリスへと旅発つ彼らの前には、もう既にひっそりと闇はつけていた

バトル2010/6/1 18:38:361261cfumZ5zVwDy72||825


 
 
 
紅き竜として名を轟かせた飛竜の死体が転がっている
紅き竜の背中では二人の男が倒れていた
「全く、ソウヤ。なんというヘマをしたのですか…」
「済まないな、サイノシュア姐。【あの男】と接触してな…やはり奴は強い」

バトル2010/6/4 19:1:171261cfumZ5zVwDy72||205
紅き竜は腹部を一閃され鮮血が飛び散っている
竜の背中で倒れている二人の男は、片方が赤毛、もう片方は緑髪をしていた

赤毛の男は炎の剣士と謳われた男、クラウド・ガーナー
緑髪の男はソウヤと呼ばれた者の兄、リンドウ・キョウスケ

蒼髪をしている男は忌破り、リンドウ・ソウヤ
長い黒髪で冷酷な女はかつて世界を滅ぼそうとした、サイノシュア

「【あの男】と接触…?まさか、クロイツェフ・アルトではないでしょうね」
「残念ながらご名答だ、姐さん。あれはたしかに奴だった」


バトル2010/6/4 19:8:151261cfumZ5zVwDy72||664
サイノシュアはその言葉を聞くや否や、ソウヤの襟首を掴んだ
「……何故、私に連絡をしなかったのですか」
「―――――っ!く…、かぁ…!す…すまな…い、余裕…がなか…った」

そこまで言ったソウヤを、冷たく、鋭く、見つめ手を離した
「っくぁ!―――――はぁ、はぁ、ね…姐さん、済まなかった…」
「過ぎたことならば仕方ありませんね…クロイツェフ相手に差で闘り合うのは
ボス以外、ほぼ不可能ですね。いいですか、次遭遇したら、逃げてでも連絡
をすることです。やっと彼のデータカードを見つけたのですから」

バトル2010/6/4 20:50:121261cfumZ5zVwDy72||514
「―――――――――んなっ!?」
「アメリカの大聖堂にありましたよ…流石はクロイツェフ、隠し場所の
見つけにくさ、信者の強さ共に苦戦しましたよ…」
「ど…どうやって、データカードの場所を?」
サイノシュアは一息ついて

「いえ、【たまたま】アメリカの聖堂潰しに行っていたら、クロイツェフを奉る
大聖堂がありましてね。信者が厄介なので【八閃】で片付けたら十字架の中から
出てきたという運が良かったというだけの話ですよ」

サイノシュアは腰に吊るしている刀の柄を持ち言った

バトル2010/6/5 11:59:481261cfumZ5zVwDy72||3
「クロイツェフの術式ともなると、桔梗でも解けないか…」
「ああ、それと桔梗はWUのスパイでしたよ。薄々気づいてはいたのですがね」
「――――――――っなに?!」

サイノシュアは笑って言った
「シド・レインズと対峙しましてね。本来の桔梗ならば構わず殺したはずですが
痛めつける程度、という選択肢を作った時点で気がつきましたよ」
「桔梗ならば、痛めつけるなどという選択肢は出てこないはずだからな…
彼女ならば冷酷に、静かに冷たく殺す…、やられたな」

バトル2010/6/5 12:5:291261cfumZ5zVwDy72||160
「あの程度の知力がある人材はそうそう居ませんからね…ですが私達には
【彼女】がいますから、桔梗の代わりなど楽に勤まるはずです」

くふふ、と奇妙に笑いサイノシュアとソウヤはその場をあとにした
 
 
 
赤毛の男、クラウド・ガーナーは意識を取り戻し、動かぬ身体を無理矢理起こした
右手に握る、彼の愛剣【アポロの聖剣】は柄を残し砕けていた
腹部には深い切り傷があり、血が流れ出る

バトル2010/6/5 12:12:41261cfumZ5zVwDy72||101
「ぐッ…!あれが…、サイノシュアの実力……かァ!」
腹の傷を抑え、よろめきながら立ち上がるも、クラッと目眩がし膝をつく
目の下の青刺は消えかけており、まともに身体は動かない

すると、緑髪の男、リンドウ・キョウスケの意識が戻る
彼は右腕に刻印を焼かれており、身体は全く動かせない。目にも切り傷があった
「く…そッ!身体が…動かねェ…!」
「キョウスケ…!無理に起こすな、取り返しがつかなくなる…!」

クラウドは片膝をつき苦しそうに叫ぶ

バトル2010/6/5 12:15:581261cfumZ5zVwDy72||695


そこへ、桔梗とシド・レインズが通りかかった
不幸中の幸いか、二人は彼らを見るや否や駆け寄ってきた
「ガーナー!リンドウ!何があった?!」
「く…、桔梗…さん、サイノ…シュアに…」
「サイノシュアだと…?!私がスパイだと言う事に、気づいたか!」
「あ…ああ、そんな…ことを…、言って…た」

チッ、と舌打ちをすると桔梗は目を瞑り、何かを発した
「   。   、」
それは言葉にならない、歌のようなものだった

バトル2010/6/6 18:46:261261cfumZ5zVwDy72||81

 
桔梗がその【何か】を詠うとクラウドとリンドウの傷がシュウ、と音をたてて
消えた

「――――――――――っ?」
傷口が塞がった驚きで、クラウドはダンッ、と立ち上がった
先ほどまでならこう立てる事すらできなかったが、今は勢い良く立てる
リンドウもゆっくりと指を動かす。静かに、ピクンと動かす事ができた
腕を目でチラリと見ると、刻印は消されていた

バトル2010/6/6 18:49:291261cfumZ5zVwDy72||684
「除去魔術【笛吹きの歓喜】と呼ばれる魔道書入りの魔術だ」
「た…助かった、桔梗さん。心から感謝する」
「あ、あぁ、ありがとうございました」

二人は桔梗に深く頭を下げるが、彼女はそれが恥ずかしいらしく、目を逸らす
「ば…馬鹿、そ…そんなに頭を下げる…な!」
「何照れてんだよ、桔梗」
「う…うるさいッ!!」

バトル2010/6/7 19:15:181261cfumZ5zVwDy72||90
桔梗はクルリ、と後ろを向くと歩いていってしまう
「全く…うちの強情な姫は扱いが難しいぜ…、んにゃお前らも気ィつけてな」
シド・レインズは二人に向けて手を振ると、桔梗の元に走って行った
二人は暫くその場に立ち尽くし、イギリスへ向かって歩き出した
目標地点イギリスまで、あと6Km――――――


 
鼻に絆創膏を巻いた御坂はキッ、とティファの方を睨む
ティファはプイとそっぽを向いていたが、おかずだけはしっかり食べている
「おいお前、仮にも俺はお前の恩人だぜ?少しはいたわるってものをだね…」
「うるさいッ!」

バトル2010/6/8 17:6:101261cfumZ5zVwDy72||107

 
 
ここまで書いてきて何ですが、この物語は中止する
理由?そんなの簡単さ、禁書目録に似てきちゃったからさ
てなわけで、完全オリジナルの物語を作りたいんで中止する
次回作を無い知恵絞って考えるんで……Good rack
 
 
 


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