戻る
10251Struggle3/25 4:35:12191cfzma/ry34hJs
同盟国への裏切り
不参戦国への核爆弾投下
マシュー人・ラリカ人迫害

卑劣な行為を黙って見過ごしてくれるほど、世界は甘くない。

 
国王の私服を肥やすためだけに開催された「カーニバル」の会場は全世界。

だれもが生きようと、必至に地を……時を駆けた。

 
これは最前線にて必至に生きた、一人の男の――物語。

3/25 4:53:292191cfzma/ry34hJs||272
ドンドンドンドン!

盛大な銃声とともに火薬特有の臭いがその場に充満し、
目の前に立つリットラー国王軍の一人が倒れるのを、彼はしっかりと捉えた。

「っ……コイル!」
「くそっ!! ……大丈夫だっ!」

向かいの茂みに向かって銃を乱射し、自分は一旦ふせた。
顔にウィンド大陸特有のやわらかい草が当るのを感じつつ、倒れた友に声をかける。

コイルは仰向きに倒れたまま悪態をつき、近くの茂みに折れた歯を吐き出すと
――落とした銃を左手に構え敵軍に向けて発射した。

3/25 5:3:322191cfzma/ry34hJs||848
「――ノース!! 残弾数はいくらだっ?」

青い目を細め、慎重に狙いを定めた敵の右手を撃ち抜くと……コイルは叫んだ。
先ほどから爆発音や銃声がひっきりなしに続くため、
大声で無いと耳が反応しなくなってしまったのだ。

「あと3万だ! 少し後退すれば5万は補充……できるだろうけど、な!!」

飛んできた岩をすんでのところでかわしつつ……彼、ノースは叫び返す。
岩を手榴弾の前に置き被弾を避けると、
彼は軍支給の薄汚れた茶色いリュックから、小さな手榴弾を取り出した。

ソレの黒いボディは、鈍く光る。

3/25 5:19:212191cfzma/ry34hJs||250
ピン

歯でピンを抜き、コンパクトな球を敵陣へと放ったノースは
コイルに耳を押さえるよう命じ、伏せた。

次の瞬間!

目を傷めてしまうような閃光が煌き、爆風が敵陣から流れ狂う。
物凄い風圧に耐え切れず、コイルもノースもヘルメットを抑えた。
辺りの木は裂け飛び、砂埃が舞う。
辺りにはより強い火薬の臭いが漂い、かなり不快だ。

「いってぇ……木の枝飛んできたぜ」
「……俺の目には沢山砂、が――……」

顔を上げた二人が見たものは、炎の竜。

大蛇のようにのた打ち回った風がほんの小さな灯火から、
龍のような炎を成形し――全てを焼き尽くしにかかっていた。

3/25 5:46:532191cfzma/ry34hJs||695
「凄ぇ……」
「流石リットラー国王軍総司令官ナチウス様特性の代物――」

感心する二人に、皮膚の切れる感覚が伝わったのは
熱と共に内臓にまで猛烈な痛みが伝わってからだった。

「ガハッ!」
「ぐっ……! ノース!」

「貴様らはリットラー国王軍のものだな」
「我々と共に、来てもらおうか」

コイルは後ろから斬りつけられた右腹をおさえ、呻いた。
そして、背中に十文字の傷が走ったノースを見て辺りを見回し、身を強張らせた。

声はくぐもっていたが、不敵に笑う二人組みには見覚えがあったのだ。

3/25 6:4:12191cfzma/ry34hJs||778
ノースの左横に立つ、白銀の髪の男と漆黒の髪の女。

百戦錬磨の西の国の二人組み。
髪を後頭部でひとまとめにし、大きな刀を振り回す。

サム・ローズンとライ・ローズン。

その卑劣な手口は色々な意味で世界的に有名だ。

「俺達をどうするつもりだ?」
「まだ言えん」
「ただ、良い待遇は受けられぬだろうな」

ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら血の付着した刀を振って見せ、
白髪のサムはノースの喉元にソレをあてがう。

3/25 6:4:222191cfzma/ry34hJs||159

「……」

ノースはどうやら気を失っているようだ。
左手に銃をもっているのだが、動けそうにも無い。
かといって自分は右脇腹を負傷し、出血は酷い。

――もって三分。

右ポケットには手榴弾と閃光弾。
手榴弾を使えば必ずノースが巻き添えを喰らう。
閃光弾で一時をしのいだとしても、直にみつかり死が待つだろう。

「さあ、来い」
「っ……!」

じりじりとにじみよるライにコイルは後ずさりし、苦悩する。
捕まればきっと、身柄を拘束される。
そして親族や身近にいた人間を抹殺していくのだろう。

嫌な汗を感じていたコイルは、サムの一言に反応した。

3/25 6:20:442191cfzma/ry34hJs||143
「まあ、コッチの奴には用事が無いのでな。死んでもらうか」

――ノースには用が無い……?――

その一言はコイルの何かを刺激した。
そして危険だが、必ず一人は助かる方法を閃かせた。

危険だ。そして必ず一人は死ぬ。

だがその方法はどちらかが必ず助かるのだ。

例えどちらが死に逝きとも
どちらかが生き延びるのならば恨みっこ無しだ。

確立は五分五分。

きっとノースもこうしただろうな……。

右脇腹の出血はとどまることを知らない

もって、あと――2分

3/25 9:40:82191cfzma/ry34hJs||326
「どうやって殺すかな」

ニヤリと笑い、刀を振り回すサムをみていると……胸焼けがする。
美しい顔立ちの兄妹なのに、何があってこんな生き方を選んだのか――
……知る勇気はコイルには無い。

ガサッ

「何奴!?」
「何だ?」

茂みから先ほどまで戦っていた敵兵が、業火に耐え切れずに飛び出てきた。
皮膚が黒く焦げ付き、人間の焼ける臭いが鼻腔を襲う。

見た目にも臭いにも圧倒され……二人の注意が一瞬――コイルから完全にそれた。

「っ……!!」

背を向け、地を蹴り風のごとく走り出すコイル。
後ろのほうで何か叫んでいる声が聞こえたが、ただただ我武者羅に走った。

3/25 9:40:492191cfzma/ry34hJs||791

行き成りのサム・ライ兄妹の襲撃理由も
何故自分に用があるのかも、何もかもが分からなかったが

今のコイルがしなければいけないのは、ノースとの距離を離すことだけだ。

コイルは自慢ではないが非力で、弱弱しい。
最前線にいた理由は単なる人数不足であり、希望した救助隊にはなれなかった。
そんな自分をいつも援護し、助けてくれた友。
たった一人の友達のノースを……亡くすわけにはいかない。

青い瞳の中には揺らがない決心の色。

3/25 11:17:132191cfzma/ry34hJs||871
彼は脇腹を押さえつつ、茂みの中をひたすら走った。
いや、走ったというよりも……坂道を転げていったと言った方が正しいだろうか。
クリーム色の短髪は迷彩柄のヘルメットの中で少し蒸れて気持ちが悪い。
長袖長ズボンのありがたさは、こんなところで感じるのかと、苦笑する。

さっきからどうでもいいコトばっか、考えてんな――……。

苦笑がもれる。

 

「見つけたぞ、兄者」
「ああ。俺にも見えるぜ、ライ」

先ほどの厭らしい笑いを崩さずに、目の前に瞬時に降り立ったサムは
コイルの右脇腹を足蹴にした。

3/25 11:17:372191cfzma/ry34hJs||953
「ぐっ……!」

強烈な痛みとともに体は宙に浮き、後頭部を木の幹で強打し、目は朦朧とする。
どんな説明でも足りぬ痛みは体中を暴れ、脳を狂わす。

 

「はっ、へっちょいな」
「仕方ないだろ兄者。兄者より強い奴なんていないんだから」
「はっ、それもそうか!」

漆黒の髪を揺らすライはコイルの短髪を器用に掴み上げ、顎を上げさす。

「ふん、しかし弱すぎる」

ゴッ
強烈なアッパーは脳を揺らし

ズシッ
肉が剥き出しの傷跡に再び襲う衝撃は、雷のように体内を駆け巡る。

「かはっ……ぐっ……」

ミシミシと骨の軋む音もするが、ライの手は一向に留まらない。

3/25 11:48:492191cfzma/ry34hJs||757
サムはコイルの喘ぎ声がいとも美しい音楽かのように耳を澄まし、
ライの行動とコイルの表情を眺めつづけた。

「ヒュー……ヒュー……」

「俺よりライのほうが、性質がわりぃんだよ……コ・イ・ル・殿?」
「失敬な、兄者」

息が擦れ、音がでる。文字通りぼろぼろになったコイルを見、
二人はよいしょ。と左右にまわって彼を担ぎ上げた。

3/25 11:48:542191cfzma/ry34hJs||402

「――さぁ……いこうか」

コイルの呟きにサム・ライ兄妹は眉を寄せる。

「その台詞は俺のだ」
「行き先は――教えんぞ」

「違ぇよ……地獄への切符は三枚、用意されてんだ」

血に濡れた右手を、ライへと差し出しコイルは苦笑した。

「――コレは……!」

 
手榴弾の、安全ピン。
 

ライは驚きに目を丸くし、急いでサムを振り返る。
サムはコイルを投げ飛ばそうとするが、どうにも力が入らない。

カチッ

恐怖に身を震わすまもなく、先ほどの炎の龍が舞い降りた。

3/25 11:49:352191cfzma/ry34hJs||454
+えんど+

無駄に長かった……orz

最初に想像したのと全然違う方向へはしっていってしまいましたよ、HAHAHA。

バルトーク3/25 13:39:22212cfBcsmysAsVME||279
こんにちわー
最初に想像したとうりに行かないのは良くある事ですよね。
ですが、そんなことを感じさせないくらいに巧くまとまってますよ^^

比喩がうまく使われているなーと感心しながら読み進めていきました。
最後の、炎の竜が舞い降りたなんて、とてもボクでは書けないっす!

しかし、コイルは何故に連れ去れようとしていたのでしょうか。
どうやらコイルだけに用があったようですが……それは当初の設定が深くかかわっているんですかねw
となると、非常にいろいろな裏設定がありそうです。

バルトーク3/25 13:40:482212cfBcsmysAsVME||970
無駄に長いなんてこと、ないと思いますよー。
世界観もしっかりとしてそうですし、同じ世界観で、是非別の話を読んでみたいです!!
これからも頑張って下さいv

シェイラ3/27 22:44:302191cfTnpYDkRMtWA||410
お久しぶりです♪
返信遅れてすいません;
堪能させていただきました!すっきりした文章表現でとても解りやすかったです。
自分は戦闘描写があまり得意ではないので、尊敬です!
自分もコイルが何故敵に狙われていたのか、とても気になります〜。
これからも、素敵な作品、楽しみにしています♪

3/28 13:14:152191cfzma/ry34hJs||91
こんにちは(__*)デス

バルトーク様

自分の場合、いつでも想像通りに行かないのです(ノД`)+。
巧くまとまってますか--……*(マティ

比喩表現にはちょこっと力が入っております(・∀・´)
お褒めいただき、有難うございました!

シェイラ様

お久しぶりです〜+。あんまり気になさらないで下さいね*
戦闘描写は自分も苦手です(ア
お褒めいただき、有難うございました!

□追伸□

じつはこれ、読みきりだったりしますヾ(´ー`)ノ


本文(<>," shift+7使用不可)
 ※メルアドや電話番号を公表してはいけません、荒らしを批判するのは「俺が神掲示板」以外は禁止!
 
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ
無料ゲーム総合サイト: おもしろフラッシュ総合サイト: PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX