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10347春爛漫_サクラサク小説の春華音月姫4/4 14:21:332182cfBHqLI/UDYK2
こんにちは、間違って前スレを完了してしまったのでやり直します。
前スレ:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10316.html

和風ファンタジーのつもりです。
バルトーク様主催の小説大会の参加作品となっております。
では、前書きはこのあたりにして小説を始めます。

華音月姫4/4 14:22:92182cfBHqLI/UDYK2||446
桜が咲き誇る大和の国の都、荏菟(えと)。
町並みは桜並木が並び、桃色に染まっていた。

しかし、毎年数多くの人が訪れていた荏菟に今年は例年と違い人の数が少なくなっていた。
それは、殺人鬼が荏菟の都を駆け巡り、人々を恐怖のぞん底に落しいれていたからである。
桜を真っ赤な血で染めることから、その殺人鬼の事を人はこう呼ぶ。
血染めの桜鬼神と……。

―桜吹雪と血染めの殺人鬼―

華音月姫4/4 14:24:162182cfBHqLI/UDYK2||274
朝、荏菟の郊外にある田舎、田間。
ここには大きな桜と賑やかな露天街があった。

そこを、黒い影が飛び回る。
銀の短髪、漆黒の瞳で朱色烏帽子と漆黒の翼が特徴の少女が桜の上空に浮かび、桜を見下ろしていた。

彼女の名前は―烏丸 麗(からすま うらら)―
人間達が住む田間で何でも屋として働く鴉天狗。

大和の国には妖怪が跋扈し、人々に害を与えているといわれている。
しかし、中には麗のように人と共存する妖怪も存在するのだった。

華音月姫4/4 14:24:292182cfBHqLI/UDYK2||975
「いい天気です。こんな日には花見をするのが一番です。」

麗が桜を見下ろしながらそう言った。
この日はまだ仕事がなく、暇だったのだ。
そんな時、麗は1人の若者を見つけた。
田間では見かけない顔だった。

「あら? 異人さんかしら?」

見つけたのは金髪で1本に結わいた髪が特徴の若者。
西洋の異国民の雰囲気を持つが、彼は真っ白な装束を着ており、手には鎖鎌、背中には大きな十字手裏剣。彼は忍者のようだった。

華音月姫4/4 14:24:442182cfBHqLI/UDYK2||870
若者は田間の外れの小さな家へと向かっていた。

「ちょっと後を追ってみましょう。凄く気になります。」

麗はそう言って、彼の後を追い始めた。
彼女は音を出さないようにゆっくりと空を飛び、少しずつ若者の後を追う。

「ごめんください。」

若者が家の前に着くと、そう言った。
その家の住民に用があったようだ。

「セレス、やっと来たんだね。」

家から現れた女性が若者をセレスと呼んだ。
彼女はセレスが来るのを待ってたようだった。

華音月姫4/4 14:25:322182cfBHqLI/UDYK2||460
銀髪のセミロングで桃色の着物を着た若い女性。
紅く鋭く妖艶な瞳を持っていた。

「春香様。大丈夫ですか? 正体はばれてないでしょうか?」

「大丈夫だ。荏菟の中でも田舎の田間ならあたいを知る奴はいないはずだ。」

セレスが心配そうに春香と呼ばれた女性に言った。

若者の名は―岡里(おかざと) セレス―
女性の名は―伊吹 春香(いぶき はるか)―

「まさか、あの2人ってかつて神饌組(しんせんぐみ)を崩壊寸前まで追い込み、今では滅んだとされる聖魔組の八番隊隊長と副隊長!?」

2人の顔を確認した麗がびっくりしながらそう言った。

華音月姫4/4 14:25:472182cfBHqLI/UDYK2||195
麗は田間を中心に活動しているが、生まれも育ちも荏菟の天狗。
荏菟の都で起こった事件をある程度は知っており、半年前に起きた神饌組と聖魔組の間で起こった抗争も知っていたのであった。
血濡れの桜鬼神があわられたのもちょうどその抗争が終わり、聖魔組が崩壊した直後のことだった。

「何奴!?」

セレスがふと、上空のほうを見上げ、鎖鎌を投げる。
麗は慌ててそれを避ける。

「翼の生えた少女……。荏菟にはまだ変わった奴らが入るみたいだねぇ。」

春香が麗の姿を見てそう言った。

「ごめんなさい、つい気になって後を追ってしまいました。」

華音月姫4/4 14:26:102182cfBHqLI/UDYK2||631
「気になって、某の後を追うとは……。まさか、貴様、殺人鬼の事件を!!」

「ちょっ違います。私は殺人鬼の事件は追ってません。ただ、あなた方のことは知ってます。
まさか、聖魔組の生き残りがいるとは思ってなくて。全滅したって聞いたから。」

地上に降りてきた麗を手裏剣で切り裂こうとするセレス。
麗は必死で事情を説明する。
麗は種族問わず荏菟の住民を守る為戦う聖魔組に憧れていた。
神饌組は荏菟幕府直属の集団で妖怪妖魔の類を嫌い、悪人共々討つ連中であった。
今では取り方集団葵組が今は無き聖魔組の意思を継いでいる。

華音月姫4/5 18:33:252101cfNZsDrRyOu3A||748
「まあいいや。あんた、この田間で何でも屋やってるんだって?」

「ええ、そうです。知ってたんですね。」

春香がそう言い、麗が答える。

「田間の何でも屋のことは知ってたがまさか、翼が生えた少女とは思わなかったよ。
それで、腕利きの何でも屋のあんたにあたいの護衛をして欲しいんだ。」

「護衛ですか?」

春香は麗に依頼を頼んだ。
麗は何でも屋として荏菟でそれなりに有名なのだ。

「実は、明日知り合いと花見に行くのですが、知っての通り、某らは滅んだ部隊の生き残り、その上、春香様は殺人鬼扱いされる始末。なので護衛が必要なのです。」

華音月姫4/5 18:40:272101cfNZsDrRyOu3A||155
「それだったらいいけど、その知り合いも身の危険があるんじゃ……。」

セレスが理由を説明したが麗はちょっと不安そうな顔で意見を出す。

「大丈夫だよ。知り合いの1人は腕利きの退魔師でね、武術にも長けてるんだ。」

「なるほど。じゃあ、行きます。」

それを知っていたのか春香がそう言う。
安心した麗はその依頼を引き受けることにしたのだった。

そして、次の日。
麗は約束の場所であるとある場所へ向かった。

華音月姫4/5 18:49:272101cfNZsDrRyOu3A||58
荏菟の中心部、宮古(みやこ)にある小道具屋の前に麗、春香、セレス、それと眼鏡の若者と眼鏡の少女が立っていた。
春香は銀色の髪を1つに結い、真っ白な着物で身に纏い、いつもとは違う雰囲気であった。
セレスはいつもどおりの白い忍者装束。
眼鏡の若者は藍色の短髪で蒼い着物を着、肩には可愛らしい少女の姿の人形が乗せられていた。
眼鏡の少女は黒のウェーブがかったセミロングで丈の短い青緑の着物を着ている。

若者の名は―結城 糸遠(ゆうき しおん)―
少女の名は―倉敷 貴恵(くらしき たかえ)―

華音月姫4/8 13:45:02184cf6zFZMZ0T/hY||795
糸遠は集合場所である小道具屋の店主で人形収集を趣味としている。
彼の店である小道具屋は骨董品が中心だったりする。
貴恵は荏菟中を駆け巡る凄腕の退魔師で弐代目妖怪妖魔改め方を襲名している。
妖怪妖魔改め方とは宮古を中心に妖怪妖魔の類を取り締まる退魔師の事である。
先代である初代妖怪妖魔改め方は今では葵組で取り方をしているという。

糸遠と貴恵は春香達の事情を知っており、2人のよき相談相手兼戦友として仲良くしている。
ちなみに麗も2人のことは知っており、貴恵の仕事を手伝ったこともある。

華音月姫4/9 13:49:382201cf6AU.5uTjTSs||900
そして、彼女達は宮古でも有名な桜がずらっと並ぶ澄雫(すみだ)川の側にある澄雫公園へとやってきた。
入り口付近の桜の側にまっさらなシートがあり、そこに【茶屋春風ご一行様】と書かれた板がちょこんとのっていた。

「ああ、ここだよ。」

「お春姉さん達が着たぞー。」

「本当だ。ようやく、花見の主役が来たな。」

春香がそのシートを指差しそういうと、花見客が次々と春香達を見、そう言った。
春香はこっそり宮古の街で小さな茶屋を営んでおり、花見客の中には茶屋の常連客や彼女の過去を知る者達が混ざっていたのである。

華音月姫4/9 13:54:482201cf6AU.5uTjTSs||912
「団子は大量に用意したからね。皆で食べていってくれると助かるよ。」

春香がそういい、重箱の山をシートにのせ、蓋を開ける。
重箱の中身は様々な種類の串団子であった。
春香が今朝用意したようである。

「おにぎりもちゃんとあるわよ〜。」

貴恵も風呂敷の中からおにぎりが入った笹包みを取り出す。
周辺の花見客をも巻き込んだ大宴会が始まったのであった。

「凄く楽しいですね〜。」

麗は空へ飛び、桜や宴会を見ながらそう言った。
こんな賑やかな宴が永遠に続くといいのにと思いながら。

華音月姫4/9 18:27:252182cfShIob2pFlVI||338
しかし、その宴は長くは続かなかった。

「貴様らの命、貰い受ける!!」

いきなり、銀髪の女性が刀で花見客に切りかかろうとしたのだ。

「そうはさせません、旋風!!」

しかし、麗が扇を取り出し、風を起こし、吹き飛ばす。
花見客は無事であった。
女性は真っ白な着物に真っ赤に染まった刀を持っていた。

「それは妖刀血桜……。返してもらうよ!!」

その刀を見た春香が小太刀を取り出し、女性に向かっていった。

華音月姫4/9 18:34:82182cfShIob2pFlVI||129
「妖刀、でもなんでそれをあの人は持っていたんでしょうか?」

「聖魔組が滅んだ時、春香様は刀を失い、田間へと流れ着いたそうです。多分、あの女性が拾ってしまったんでしょう。
妖刀血桜は人を殺す快感を与える魔性の刀。しかし、殺人鬼の娘として生まれた春香様には妖刀の力は通用しなかったみたいです。」

麗がそう聞き、セレスがそう言った。
春香が殺人鬼扱いされたのはそういう経緯があったからだった。

「よし、私達も助太刀するわよ。」

「わかってる。俺達も春香さんの力になってやろう。」

華音月姫4/9 18:38:422182cfShIob2pFlVI||82
「そうです。私達も春香さんの為に戦います。」

貴恵と糸遠、麗がそう言った。
3人とも春香と共に戦うといったのだ。

「ありがたいね。手伝ってもらうよ。」

「それでは、某も行きます。」

春香、セレスがそう言った。
そして、5人は襲い掛かる殺人鬼に立ち向かう。

華音月姫4/10 17:54:32191cfK1aM4mPA7vs||727
「さてと、行きます。風舞!!」

「行くわよ、退魔槍術・破邪連突!!」

「さてとありす、行くよ。糸縛!!」

「なっ……!?」

麗が扇で舞い、貴恵が槍で突き、糸遠は人形と糸を巧みに操る。
殺人鬼の女性は麗と貴恵の攻撃を避けるが、糸遠の糸によって、身動きできなくなっていた。

「これで終いにいたしましょう。岡里流忍法・雷華!!」

「これで終わりだよ。朱華乱舞!!」

セレスが雷を纏った巨大な十字手裏剣で春香が小太刀で殺人鬼に向かって斬りかかった。

華音月姫4/10 18:1:222191cfK1aM4mPA7vs||453
殺人鬼は倒れ、刀を春香が拾う。

「これで、やっと取り戻したよ。」

「さてと、私はこの殺人鬼を宿禰に引き渡してくるわ。」

春香がそう言い、貴恵はまだ気絶している殺人鬼を抱え、去っていった。
宿禰とは貴恵の兄貴分で初代妖怪妖魔改め方である。

「さてと、宴の続きはするんですか?」

「もちろんだよな。」

「ああ。もう殺人鬼はこの街には現れないんだろうし。」

「祝おうぜ。」

麗が問いかけ、花見客が次々と答えた。

華音月姫4/10 18:6:92191cfK1aM4mPA7vs||388
桜舞う、澄雫公園。
桜の木の下で宴は続く。

桜の上で舞う烏天狗―麗―
桜の下で舞う元侍―春香―

2人の乙女、桜と舞う。血に染まった桜と共に。

桜を血で染める殺人鬼はもう現れない。
桜吹雪と共に、血の悪夢は去ったのだから……。

              ―終―

華音月姫4/10 18:7:462191cfK1aM4mPA7vs||481
―後書き―

やっと出来ました。
間違えて完了したり、やり直したのにタイトル間違えたり、大変でした。
今回は和風に仕上げてみました。

次回は新作長編の予定です。
天魔伝説はなかったことにしてください(マテ

感想がありましたら、どうぞ。

バルトーク4/22 14:47:412212cfBcsmysAsVME||932
こんにちわ。
感想遅れてホント申し訳ないです。

和風ファンタジーというジャンル。ここでは初めて目にした気がします。
その中で活躍する魅力的なキャラクター。
そして、全編に吹き荒れる桜色の風。みたいに、とても春っぽい感じがしました。

惜しむらくは、魅力的であるはずのキャラクターなのですが、一人あたりの文章量が少ないので、やはり、薄くなってしまう事でしょうか。
全体を短編としてしあげるのでしたら、説明をある程度省くか、やはりキャラを少なくした方がよいと感じました。
僕も、ついつい多くなっちゃうんですけどね;

バルトーク4/22 14:48:292212cfBcsmysAsVME||397
次回、があるのですか。
長編、非常に楽しみですねー。
期待させていただきます。

最後に―――参加ありがとうございました!!


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