| 10521 | あたしはナポレオン。+第38話+ | Kozue | 5/1 17:6:38 | 2182cf.WVhb78b176 |
| http://www30.atwiki.jp/bluesky-dreamer/ ここに今までの全てが載っているはずです。 もうすぐ1000HIT! 切り板踏んだ方は掲示板にGOしてくださいね☆ では本編開始です。 終わりに差し掛かってます。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:8:6 | 2182cf.WVhb78b176||295 | ||
| 【エナミー】 一代は、部屋を飛び出すと、すぐに隣の部屋の戸を叩いた。 中からは、すぐにマルコスが飛び出してきた。 一代「マルコス!聞いて、エナミーが……。」 マルコス「今、主人から聞いた!」 一瞬2人は沈黙した。―とうとうこの日が来てしまった……。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:8:26 | 2182cf.WVhb78b176||589 | ||
| 一代「分かってるなら早い。時間はもうないの、すぐに出発しなきゃ!」 マルコス「ヴェールたちも、もう聞いただろうな。ヴィクティムで。」 一代はゆっくりと頷いた。今頃、ヴェールは何を考えているだろう。私たち2人の力が及ばなかったから、防げなかったこの戦い。責任がある。 多分、動揺しているヴェールを、リージェはどう支えてくれるだろう。お願いだから、救ってあげてほしい。それは自分勝手な考えで、本来ならば自分がするべきだったことも分かっている。 だけど、今は何も出来ないから。せめて、エナミーへ急ぐしか選択肢はないから。リージェ、お願い。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:8:49 | 2182cf.WVhb78b176||185 | ||
| 一代「リージェが、何とかしてくれることを祈るよ……。ヴェールは、きっと責任感じて動揺しちゃってるだろうから。」 マルコス「一代だって、動揺してるだろ?!他人事みたいに言うなよ!」 否定できない。そう、あたしだって十分動揺してる。罪もないヒトビトを戦わせてしまったのは、あたしの所為でもある。その罪を償うには、あたしたちが命をかけてたてがみを集めなければ―― そんな事くらい、分かっているつもりだ。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:9:16 | 2182cf.WVhb78b176||355 | ||
| 一代「それ位、あたし分かってるよ。だけど、あたしは強がってるだけなんだよ。いつもいつもそう。強がって、本当に強いと錯覚してる、それだけなんだよ。人事のように言わないと、あたし強くなれない!」 今までの人生、決して楽ではなかった。だから胸を張って、強がっていなければ、あたしは誰かにいとも簡単に踏みつけられてしまいそうで。――怖かった。辛かった。そう、だからあたしはナポレオンになるしかなかった。自分に不可能なことなんかないと信じていなければ、あたしは壊れてしまいそうだったから。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:9:54 | 2182cf.WVhb78b176||976 | ||
| 本当の強さがほしい。何にも踏まれることなく、堂々と生きていたい。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:10:17 | 2182cf.WVhb78b176||923 | ||
| マルコス「一代は、きっと強くなったよ、この旅でさ。その集大成を、エナミーで発揮しろよ。」 一代「うん。」 あたしは強くなれたのかもしれない。そんなこと、自分では分からない。 だけど、もし本当にあたしは強くなったとすれば、それはマルコスやヴェール、ルン、リージェ……そんな、あたしの傍にいてくれた、たくさんのヒトたちのお陰だと思う。 マルコス「時間がない、さっさと行こう!俺、スアのところ行ってくるから!一代はモーゼを厩から出して!」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:10:47 | 2182cf.WVhb78b176||324 | ||
| 一代「うん!」 一代は、厩へと駆け出した。それとは別の方向へマルコスも駆け出す。 こげ茶色の螺旋階段を下ると、そこにはルンがいた。 一代「ルン?!どうしたの?!」 ルン「聞いて!嬉しいニュースよ!」 一代「嬉しいニュースって?」 こんな非常事態の時に、一体何があったのだろう?一代は訝しがりながらもルンに尋ねる。 ルンは、目を輝かせて答えた。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:11:12 | 2182cf.WVhb78b176||843 | ||
| ルン「モーゼはね、実はペガサスだったのよ!さっき宿の主人がすっ飛んできたわ!」 一代「は?ペガサスって、あのペガサス?顔に角生えてるやつ?」 一代はモーゼの額に角が生えているところを想像してみる。少し怖い。 だが、一代の妄想はあっけなくルンによって破壊された。 ルン「バカねぇ、それは一角獣でしょ?ペガサスっていうのは、背中に羽根の付いて飛ぶ馬のことよ!」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:12:9 | 2182cf.WVhb78b176||740 | ||
| 一代「羽根?!うそ、モーゼ飛べるの?!」 一代の言葉を待たず、ルンは羽根を激しく羽ばたかせると、真っ直ぐに厩へと飛んでいった。 一代も走ってそれに続く。 ルン「分からないわ!だけど、あんたなら何だかあのこを飛ばせそうな気がしてね!今呼びに行こうと思ってたところなのよ!グッドタイミングだわ!」 ルンの声は明るい。その明るさで、一代はいくらか救われた。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:12:32 | 2182cf.WVhb78b176||144 | ||
| 一度渡り廊下を通って、そして小さな池にかかっている紅色の橋を渡る。その先に厩が見えた。厩からは、幾つもの光の筋が漏れ出ている。その光景は、実に神々しく、見る者全てを圧倒した。 一代「すごい……。」 思わず声が出る。一代は、声が出てしまってから慌てて手を口に当てた。 ルン「奇跡だわ……そう、奇跡よ……。とりあえず中に行ってみましょう。」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:12:53 | 2182cf.WVhb78b176||588 | ||
| 2人は恐る恐る厩へと近づいていく。何故か、それは2人が接近していくほどに光を増していき、内部からはモーゼの嘶く声が、まるで天使の調べのように響く。 1つの美しい絵画の中に入ってしまったような錯覚と陶酔の中で、一代は見た。厩から、背中に大きな翼の生えた、純白の生き物が光に包まれて一歩ずつこちらへ歩いてやってくる。 一代「モーゼ!!」 一代の言葉に、モーゼはぴくん、と耳を立てた。そして、優しげな瞳でじっと一代を見つめる。そして信じられないことに、モーゼは一代へ微笑んだ。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:13:38 | 2182cf.WVhb78b176||391 | ||
| 一代「モーゼが、笑った……。」 ルン「ペガサスは特別な馬よ。感情があってもおかしくないわ。多分言葉も話せるわね。そうでしょう、モーゼ?」 ルンの問いかけに、モーゼはゆっくりとうなずいた。 モーゼ「いかにも。私はしゃべることが出来ます。性格には、話すことが出来るようになった、といった方が良いかも知れません。」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:14:22 | 2182cf.WVhb78b176||375 | ||
| 性格→正確です…。 --------------------------------------------------------- そういいながら、優しいまなざしを一代とルンに向ける。そのまなざしは、春の陽だまりを思い起こさせた。 一代は一歩ずつモーゼに近づいていく。モーゼから解き放たれる光は風を伴って一代へと注がれ、彼女を明るく照らした。静かに吹いてくる風は、わずかに一代の前髪を揺らした。 一代「モーゼ、行こう、エナミーへ。」 モーゼは、一代の呼びかけに、優雅な動きで頷いた。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:15:7 | 2182cf.WVhb78b176||667 | ||
| モーゼ「私はあなたに付き従います。あなたは偉大な方です。私には、それが分かっていました。それは遥か昔から。あなたがこの世界にやってくる前から。」 謎めいた言葉と共に、モーゼは優美な笑みを一代へ向けた。 一代は、それに力強く頷いた。モーゼの言っている事の半分は分からなかったけれど、モーゼは自分を信用してくれている。それだけで十分だ。 モーゼは一代の前で、ゆっくりと膝を折った。優しい声が辺りに響く。 モーゼ「一代殿、お乗り下さい。私たちには時間があまり残されていません。」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:15:34 | 2182cf.WVhb78b176||276 | ||
| 一代「うん!」 一代は、ひらりと飛び乗った。彼女が鞍へ座った瞬間、モーゼの翼がばさりと音を立てて羽ばたいた。 一代を乗せたモーゼが、静かに空へと舞い上がる。壮麗な白い線を描いて、上へ、上へ。 どれ位飛んでいただろう。エナミーへの路を進んでいる間、3人は何も会話しなかった。これから先どうなってしまうのか不安であったからであり、その不安を口に出してしまえば、更に心が騒ぐような気がしていたからでもあった。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:16:25 | 2182cf.WVhb78b176||212 | ||
| 遥かかなたにエナミーにあるフエンザの城・エスィラムが見えた時、一代は心臓の動機が早まるのをはっきりと感じた。今自分が身を置いているのは戦いの渦中なのだという認識が、流れとなり、川となり、滝となって襲いくる。どんなに追い払おうとして心の堤防を作っても、それらは脆くも世界情勢の荒波に薙ぎ倒される。 エスィラムの近辺をよく見ると、エナミーとアルヘンティーの国境にあちらこちら火の手が上がっている。 一代「火が見えるね……。」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:16:54 | 2182cf.WVhb78b176||111 | ||
| 目を凝らしながら、呟く。 ルン「あそこで今まさに愚かな歴史が刻まれているのよ。あんたはそれを止めなきゃいけない。それがよく分かるでしょう?戦争なんて馬鹿馬鹿しいわよ。何のために闘うのよ。国が広くなって、誰か本当の幸せをつかめる人がいるの?お互いを尊重しあって、協力してこの世界を繁栄させていけばいいじゃない。何の価値があるのかしら。何か、この戦争に賭ける価値のあるものなんてあるかしら。」 | ||||
| Kozue | 5/1 17:17:23 | 2182cf.WVhb78b176||418 | ||
| ルンは、仄かに揺れながら空を赤く染めていく火を恨めしそうに見つめながら、憤怒の形相を浮かべて、吐き捨てるように呟いた。その口調はいたって穏やかであった。だが、心中は決して平静ではなかった。ルンの心は、狂おしいまでに戦争に対する憎しみを燃やし続け、怒りのあまり暴れる事さえままならない。静かな瞋恚が彼女を包み込む。 | ||||
| Kozue | 5/1 17:18:49 | 2182cf.WVhb78b176||348 | ||
| □■休憩time■□ 特に言う事はありません。 ただ、執筆が遅くてヤバい! 次回作全然書いてない!という作者の不安はあります。ヤバいです。 感想等ございましたらお書きくださいませm(__*)m HPにも是非カモンです | ||||
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