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10556花粉症に対する実力行使とその妨害バルトーク5/8 21:24:432212cfBcsmysAsVME
春がやってきた。
深い雪に覆われていた大地が命に溢れ、生命躍動する季節。
しかし、それを喜べない人種というのも確かに存在するらしい。

バルトーク5/8 21:25:372212cfBcsmysAsVME||579

「ぶあっくしょい!!」
「金森君……大丈夫ですか?」
「これは委員長。なぁに心配には……ぶあぁくしょい」
春、寧日。
二組の副委員長、大森達樹はズズズズと鼻をすすっていた。

「しかし、こんなに急に花粉症なんかにかかるものなんでしょうかね?」
「ざぁ?…ぶぁっくしぃ!!」
「まぁ、とりあえず今日は大人しくしていてください。それとこれ、保健室からもらってきた花粉症の薬」
「うぅぅ、がたじけだいでず。いいんじょぉ」
そう言って金森はポケットティシュを取り出し、「ちーん」と勢いよく鼻をかんだ。

「今日、襲撃があったらどうするんですか。まったく」


バルトーク5/8 21:27:312212cfBcsmysAsVME||144

昼間、ニ組の教室では二人の男子生徒が向かい合って弁当を広げていた。
「金森さん、大丈夫なんかね?」
「だいぶ苦しそうだったしな。やっぱりあれが原因じゃないのかよ」
男子生徒の一人が指差したのは、グランドの後方に広がる雄大な杉林だった。


バルトーク5/8 21:28:552212cfBcsmysAsVME||856

「杉林の警護、早急に手配した方がいいと思うんだけど?」
「やっぱり、りょうもそう思う?」
廊下で、二人の少女が杉林を眺めていた。
二組女子委員長の市谷悠と副委員長の佐藤涼子の二人だ。
彼女らの卓抜した指揮能力によって、二組女子は全校でも有数の勢力を誇っていた。
「そういえば花粉症、あなたは大丈夫なの」
「あったりまえよ、鍛えてるから!!」

バルトーク5/8 21:29:82212cfBcsmysAsVME||143
佐藤は一つ、溜息をつくとしみじみとした感じで呟いた。
「それにしてもあのバカ。変なことを起こさなければいいんだけど」
「あれっ、りょうが人の心配するなんて珍しいぃーー」
「バカなこと言わないで。それと兵科を動かすわ、指揮は私が取るから手続きをお願い」
「はいはい、了解しました。副委員長殿!!」


バルトーク5/8 21:30:242212cfBcsmysAsVME||825

「金森の監視を行ってください」
「はぁ?」
委員長である大林祐の頼みを受けた生徒会特務の橋本勇太はおもわず聞き返した。
副委員長の金森に監視をつけろとは、どういうことだろうか?

「何もなければそれでいいのですが、もしも危険なことがあれば即座に取り押さえてください。五名をあなたの下につけましょう」
「はぁ……」

理由を問いただすな。そう大林の目は告げていた。
だから理由をとわない。
任務を遂行するだけだ。


バルトーク5/8 21:31:152212cfBcsmysAsVME||732

「ぶわっくしょい!!」
金森が一際大きなくしゃみをした。
はたしてこれは、花粉症のせいだけではないだろう。


バルトーク5/8 21:31:502212cfBcsmysAsVME||792

放課後―――

橋本を中心とする監視チームの一人が武器庫周辺で消息を絶った。
「なんですって、あなた達は何をやっていたんですか」
それはすぐさま大林へと伝えられた。
そして、金森探査が始められる。

「念には念を、という先人の言葉にここは習うべきでしょう」
そう言って大林が手配したのは、かなりの長射程高威力を誇るアサルトライフルだった。


バルトーク5/8 21:32:202212cfBcsmysAsVME||672

アサルトライフルを持った男たちが、探している対象。金森達樹は校舎の影で息を潜めていた。
「邪魔されでだまるが…ズズズ…悪の権化たづ杉林を、燃やし尽くしてやる」
そう硬く金森は決心していたのだった。背負っているのは紛れもない火炎放射器。
金森の瞳には、強迫観念にも似た色が浮かび上がっている。

ガサ
僅かな音に反応して、金森は後ろを振り返った。
そこには特務の橋本、手にはアサルトライフルを抱えている。


バルトーク5/8 21:32:492212cfBcsmysAsVME||166

「達樹、どうしてそんなもんを……」
「じゃまぉするのだら、ようじゃじえぇぞ!!」
ろくな説明もなしに炎が放射口から噴出される。
それは、まるで殺意を持った槍のように橋本へと迫ってくる。

「ぬぉわっ!!」
慌てて飛び退り、ライフルを構えるが、そこに金森の姿はなかった。
橋本は舌打ちをしてインカムのスイッチを入れる。

「対象は火炎放射器を所持している。目標は杉林。早急に確保しろ、繰り返す―――」


バルトーク5/8 21:33:142212cfBcsmysAsVME||826

その通信を受けた大林祐はおもわず眉間を抑えた。
「やはり恐れていたことが起こりましたか……対象をファイヤヘッドと呼称。全力で阻止をおこないなさ」
「―――残念ながら、その必要は無いわ。あなた達は後詰で控えていなさい」

通信に、凛とした声が割って入った。
これは女子副委員長、佐藤涼子の声だ。


バルトーク5/8 21:33:432212cfBcsmysAsVME||888

「な、なんですって!!」
「既に私の部隊が防衛網を展開している。邪魔よ、引っ込んでいなさい」
「くぅ……好き勝手に。では好きにしなさい」
通信を切ると、大林は机をがんと叩いた。
その顔は苦虫を噛み潰したかのように歪んでいる。
「後詰として陣形を再構築させなさい、まったく面白くないですね」
面白くないといいながらも陣形を再構築させるのは、大林が悪者になれていない証拠であろう。


バルトーク5/8 21:34:12212cfBcsmysAsVME||559

「標的確認、距離500……照準修正よし」
ガンスコープを覗き込んでいた数名の狙撃要員が声をあげる。
「―――てぇ!!」
濃い緑の軍服にわざわざ着替えた佐藤は薄笑いを口元に浮かべると、凛と通る声で号令を下した。
佐藤の号令一過、金森へと向けて次々とライフル弾が打ち出される。

佐藤涼子。
誰が呼んだか、戦場に立つ死の指揮官「キル・コマンダー」とは彼女のことである。


バルトーク5/8 21:34:462212cfBcsmysAsVME||730

「第二陣、突撃戦闘用意。通信、後詰に連絡取れ」
佐藤とはまた別の、耳に心地よい声が響く。
女子委員長、市谷悠である。
あくまでも佐藤涼子のサポートにまわる事の多い彼女であるが、先読みという事に関しては、他の追従を許さなかった。

「……来るね」
「ちっ!!構えろ、急げ!!」

二人が叫ぶ。
直後、陣形を炎の膜が覆った。
それは赤黒く、そして様々な思いをも飲み込んでいく。


「損害は無いけど……うまく突破されたちゃった」
「そんなこと言ってる場合!?後詰に連絡取りなさい、追撃できる者は追撃をかけるから、私に続いて」


バルトーク5/8 21:35:592212cfBcsmysAsVME||648

杉林を、炎が覆っている。
追撃部隊は、その炎の勢いに気圧され近づけないでいた。
「うひゃひゃひゃ、燃えろ、燃えてしまえ!!」
「やめなさい金森君!!」
「気化手榴弾、投てき準備!!」
「バカぁ気化手榴弾なんか使ったら俺たちまで巻き込まれるぞ。この無神経女が!!」
「はぁ?あんたたちが情けないからこんな事になるんじゃない」



バルトーク5/8 21:36:332212cfBcsmysAsVME||104



後日談

結局、花粉を憎む金森の鉄槌は100uを焼いた。
「金森君、あなたには数週間の謹慎処分を―――ハックシュ!!」
大林が鼻を啜る。
「うーん、風邪ですかねぇ?ハックシュ」
「委員長、気をつけてくださいよ。花粉症は突然発症するって言いますから」
「脅かさないでくださいよ……ハックシュ!!」


バルトーク5/8 21:37:162212cfBcsmysAsVME||474

そのころ、もう一人もくしゃみで悩まされていた。
「クシュ、クシュ、クシュ!!」
「凄い、三連コンボだ」
「バカなこと言ってないで…クシュ…テッシュちょうだい」
「はい。だけど、りょうちゃんまで杉林焼いたら嫌だよ」
佐藤の切れ長の瞳を、市谷が覗き込む。佐藤はズズズと鼻を啜りながら答えた。

「分かってるよ。大切な思い出の場所だからね……あのバカのことも、ニ、三回殺しとかないと」
「またそんなこと言う……」
「ははハックシ!!」


花粉症が本格的に猛威を振るうようになるのは、これから数日後のことである。
Fin

―――ハックシュ!!


バルトーク5/8 21:44:02212cfBcsmysAsVME||344
後書き

なかなか季節ハズレな作品を投稿させていただきました。
これは主催させていただいたイベント春爛漫〜で投稿するはずの作品だったのですが、諸事情で投稿出来ず終いに;
それにちょこっと手を加えて、今回投稿した次第であります。

花粉症で好き勝手に書いたんですけど、ボク自身は花粉症じゃなかったりします。
だけど、突然来るって言うし、来年は分からないっすねー。

相変わらず、武器を所持しているのは謎のまま。
いつかその理由を明かしたりとかしたいんですけど、まだ構想もまとまっていない現実です。

読んでくださった方、ホントにありがとうございました(〃_ _)

キキョウ5/9 21:59:162192cfBkVEKUKuVbY||24
こんばんは!

花粉症ですか!
鍛えるとならなくなるんですかっ・・・!?(いやいや

またもや「学園戦争」的なストーリー(´∀`;)
杉の木を燃やすとは・・・なんか・・・花粉症ごときで放火・・・?(ぁ
と言いつつ、自分も毎年春には、目のかゆみと鼻詰まりに悩まされております(; ̄ー ̄)

バルトーク5/11 18:33:62212cfBcsmysAsVME||580
キキョウさんこんばんわ!!
そのとうり、花粉症は鍛えるとなくなるんです(マジマジ

そんな、どうでもいい学園戦争なストーリーは、書いてて楽しいです♪
……ん?BL。そんなのと一緒にするんじゃないっての。

花粉症といえば、キキョウさんも悩まされるかも知れませよー。
もし、そうなったら花粉を根絶するべく、放火しちゃいましょう(オイ!!
感想ありがとうございました!!
是非これからもよろしくお願いしますv

りゅ5/12 20:2:202184cfAU0jy/xyg/w||876
こんばんは〜
また生徒たちが好き勝手暴れているのを先生はどうしているのでしょうか?

1、許可している
2、黙認(脅されている)
3、知らない

どれだろう・・・
ちなみに家の近くに杉林がありますが花粉症にはなった記憶がありません。あと鼻血も。
次の作品は超人か、それとも生徒か。
では次回にも期待しておりますので〜

バルトーク5/12 20:25:532212cfBcsmysAsVME||743
りゅさんこんばんわ〜
先生は何をしているかですか…
現段階の構想では、黙認が一番近いかもです。そうだ、次回は先生でも出してみましょうか^^

意外や意外、オイラの母校である小学校の裏にも杉林があるんですよ。
家の近くってわけじゃないですけど('A`)
花粉症は、そうそうなるもんじゃないですしね。
だけどそうやって油断していると…なんてw

次回はこっちの短編になるかもです。
感想ありがとうございました!!
是非これからもよろしくお願いしますv

シェイラ5/12 23:34:422202cfQUQn4xGYaF2||566
こんばんわw
学園シリーズですね!
花粉症で銃火器持ち出しちゃう金森クンも最高に面白いですが、男子を押しのけて大群で迎え撃つ市谷さんと佐藤さんは卑怯でありながらもカッコイイと思ってしまいました(コラ)
花粉症って怖いですね;
いきなり、こられたら心の準備が出来なくて困りそうです。
ではでは、これからも頑張って下さい♪

バルトーク5/13 9:24:492212cfBcsmysAsVME||526
シェイラさんこんちわです!!
学園シリーズ。いい名称っすね。のの名前頂きですv

金森君やら市谷さん、佐藤さんはこれからも活躍の予定ですので、是非応援してやってください。
大勢で少数を殲滅する数の理論は、最も効果のある戦術だと思われますしね。
それに、自らの目的の為には手段を選ばない彼女たちの末がいやはや恐ろしいです。

花粉症、できればお世話になりたくないですがチキンハートのおいらは花粉症のお世話になる気がしてなりません;
感想や応援ありがとうございましたぁ!
是非これからもよろしくお願いしますv


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