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10574あたしはナポレオン。+第40話+Kozue5/12 14:13:251988cfOkOtUqpyzLc
http://www30.atwiki.jp/bluesky-dreamer/
こちらに全て来てます。
ほのぼの恋愛系(回想型)の連載&作者の実体験も交えた学園物もあります。
是非来てくださいね♪

そして第40話突入です。長い。

ちょこっとお知らせ。
今、夢見草咲くころとシェリトリンドの続編を執筆中です。
これの次にくるのは、リスクのほうかもしれませんし、
続編のほうかもしれません。(迷。

そして執筆が追いつかない。

Kozue5/13 8:42:242182cf.WVhb78b176||299
【エオリーヌの容態急変】

 一方エオリーヌの館では――。

メイティ「エオリーヌ……。とうとう始まっちゃったね……。」

 メイティは真っ黒な目を悲しそうに伏せ、それからつやのある白い尾をぱたんと下げた。
 サイドテーブルに肘をつけ、机にうつ伏すエオリーヌの顔は、病的に青白い。そして、最近までは盛んに光を放っていた黒い目には、少し陰りが見える。彼女は、辛そうに姿勢を正した。

Kozue5/13 8:43:92182cf.WVhb78b176||89
メイティ「エオリーヌ、何か具合でも悪いの?」
エオリーヌ「いいえ……。何でもありませんわ、気にしないで、私の愛しいメイティ。」

 エオリーヌは無理に笑顔を作ろうとしたが、顔色だけは隠せない。メイティは尚も不安げに主君の顔を覗き込んだ。

メイティ「エオリーヌ、随分疲れているんじゃない?最近食欲もないみたいだし。少しは休んだほうがいいと思うよ。」

 エオリーヌはメイティの毛並みを優しく撫で付けた。そして、淡いピンクの口紅を引いた唇を少し上げて、また無理に笑った顔を作った。

Kozue5/13 8:44:332182cf.WVhb78b176||322
エオリーヌ「私は、仮にも統べる者。休みなどありませんわ。それに、今は国の緊急事態ですもの。休んでいるわけには……。」

 後の言葉はなかった。彼女は、メイティの頭に細い手を置いたまま、意識を失った。エオリーヌの少ない、だけどもしっかりと在る体重がメイティにかかる。メイティはそれに気付き、そっとエオリーヌの額にかかった長い黒髪をかきあげた。その下にあったのは、血の気のうせたエオリーヌの青白い顔だった。

メイティ「エオリーヌ!!」

 メイティの、獣の叫び声が、甘ったるい花とチョコレートのような香のする部屋に
轟いた。

Kozue5/13 8:45:222182cf.WVhb78b176||840
館は俄かに騒がしくなった。メイティの叫び声を聞いて、慌ててエオリーヌの従者がかけ付けてすぐに安静にしたのはいいが、彼女の意識は戻らない。そればかりか、エオリーヌの顔色はますます悪くなる一方で、さらには呼吸音がひゅうひゅうと苦しそうに鳴るようになった。
 メイティは、その横で見守る事しかできない。そんな自分の非力さを、メイティは痛感した。いくら魔猫でも、肝心の主君がいなければ、魔力は発動しない。まして、魂を一番近く寄せ合っているエオリーヌの具合が悪ければ、それに連動してメイティの調子も落ちる。メイティは、全身の力がぐったりと抜けている事を切に感じ取っていた。

Kozue5/13 8:45:382182cf.WVhb78b176||982
どれ位そうしていただろう。メイティはずっとエオリーヌの顔色を見ているのに疲れ、いつの間にかベッドの横のサイドテーブルの上でうずくまって寝ていた。慌てて飛び起きて、エオリーヌの顔をそっと覗いた。すると、彼女の黒い目はしっかりと開かれている。意識が戻ったようだ。

メイティ「エオリーヌ、大丈夫?!意識失ったんだよ、覚えてる?」

 エオリーヌは、まだ白みは残るのものの、幾らか淡紅色に染まった頬をメイティに見せるかのように動き、顔をそちらへ向けて、微笑んだ。

Kozue5/13 8:46:172182cf.WVhb78b176||32
どれ位そうしていただろう。メイティはずっとエオリーヌの顔色を見ているのに疲れ、いつの間にかベッドの横のサイドテーブルの上でうずくまって寝ていた。慌てて飛び起きて、エオリーヌの顔をそっと覗いた。すると、彼女の黒い目はしっかりと開かれている。意識が戻ったようだ。

メイティ「エオリーヌ、大丈夫?!意識失ったんだよ、覚えてる?」

 エオリーヌは、まだ白みは残るのものの、幾らか淡紅色に染まった頬をメイティに見せるかのように動き、顔をそちらへ向けて、微笑んだ。

Kozue5/13 8:46:402182cf.WVhb78b176||331
エオリーヌ「メイティ、心配をかけてすみませんね。私も倒れるとは思っていませんでしたわ……。もう十分休みましたしね、そろそろ起きて戦地へ行かなければと思うのだけれど……。どうにも体が動かないの。嫌ですわね、歳をとるのは……。」

 こんなに辛そうな容態になっても未だ国を心配し続けるエオリーヌを、メイティは不憫に思った。そして、胸の奥から熱い感情が迸る。エオリーヌの運命に対する怒りと、哀しみと、絶望と、同情と――。そうした感情が、一度にメイティに迫り来た。

メイティ「無理しないで……。」

Kozue5/13 8:47:32182cf.WVhb78b176||244
 言葉に出来ない。長年傍らにいるエオリーヌを、何故もっと気遣ってやれなかったのだろう。いつも傍にいたのに、何故気付いて、労わってあげられなかったのだろう。数限りない後悔の念が小さなメイティの中で渦巻く。エオリーヌはそれを敏感に感じ取った。

エオリーヌ「何もあなたが自分を叱責する事はないのですよ。叱責するべきなのは私自身ですわ。体調管理を怠ったからですもの。」
メイティ「だけど……。」

 メイティは辛そうに目を伏せた。エオリーヌは、そんなメイティの様子を愛おしそうに見つめると、徐に口を開いた。

Kozue5/13 8:47:222182cf.WVhb78b176||494
エオリーヌ「そうだわメイティ……。あなたに頼みがありますわ。きいていただけますか?」

 メイティはきょとんとした顔でエオリーヌを見上げた。

メイティ「頼みって、何?」
エオリーヌ「私が倒れた事を、ヴェールにすぐに報告してほしいのです。それから、モンデント様にも。最も、モンデント様は今アルヘンティーにはいらっしゃらないけれど……。」

 メイティは驚きの表情を隠せなかった。――モンデント様がいない?

Kozue5/13 8:47:412182cf.WVhb78b176||388
メイティ「いないって……どこにいったの?」

 メイティにとって、アルヘンティーはたった一つの“世界”だ。そこ以外は未知の空間で、存在自体も分からない。否、理解できないのだ。メイティに限った事ではない。ルーラ・マンティーの人間もそれは同じ事だ。
 エオリーヌにはそれが十分分かっていたので、優しく宥めるように話した。

エオリーヌ「モンデント様は大事なご用事に出掛けたのです。一代殿がアルヘンティーに入国して以来、ルーラ・マンティーとアルヘンティーの境界が緩くなってしまいました。」

Kozue5/13 8:48:22182cf.WVhb78b176||991
 そこでエオリーヌは苦しそうに顔をしかめた。長く話し続けるのはよくないようだ。メイティはそれに気付き、エオリーヌを止めるような仕草をしたが、彼女は尚も続けた。

エオリーヌ「緩くなった境界からは、今までアルヘンティーでは葬られ、忘れ去られていったもの――戦争が入り込んできてしまいました。」
メイティ「それってまるで、戦争が起きたのは一代の所為みたいじゃないか。」

 エオリーヌはメイティの批判的な目に気付くと、慌てて否定した。

エオリーヌ「それは違いますわ、誤解です。誰も一代殿の所為だなんて思っていませんわ。だって一代殿は偉大なる訪問者ですもの。歴史に名を残す方です。」

Kozue5/13 8:48:212182cf.WVhb78b176||87
 エオリーヌの必死な様子に、メイティは笑いながら応えた。

メイティ「分かったよ。で、続きは?」
エオリーヌ「はい。それで、モンデント様はそれにお気づきになると急いで境界へと向かわれました。すぐに戻ってくるとはおっしゃっていましたが……。時間がかかるのですね。もう出発されてから3日経ちましたわ。」

 ふうっと長いため息を1つして、エオリーヌは再び身をベッドの中にうずめた。そして、その状態のままか細い腕を伸ばし、雲をつかむような手つきでメイティに触れた。

Kozue5/13 8:48:392182cf.WVhb78b176||586
エオリーヌ「そこであなたに頼みがあります。さっき私の言った事を、してほしいのです。ヴェールは少し動揺するかもしれません。あの子はまだ精神的に不安定ですし……。でもメイティ、あなたがどうする事もないのです。それはあの子自身が考えればいいことですわ。」
メイティ「だけど……。」

 ヴェールがまだ脆い子供だという事は、メイティにも分かっていた。幼いころからよく知っているヴェールを、メイティはどうしてもほうっておく事ができない。ヴェールはいわば、ある日突然消えてしまってもおかしくないような、そんな風のような存在。

Kozue5/13 8:49:152182cf.WVhb78b176||904
 エオリーヌもそれは同じ事だった。母は違っても、ヴェールが愛しい妹である事に変わりはない。亡きゼウサラノの長女として産まれてきたエオリーヌは、下の弟妹を平等に慈しんできたつもりだった。たとえ後から産まれたヴェールに次の統べる者の地位を奪われても、それは仕方ない事だと納得していた。それなのに、弟のギュイユはあんなに遠い。位置的にではなく、そう、魂の距離が遠いのだ。――何故?答えをいくら求めても、誰も教えてはくれない。そんなの分かっているのに。どうしても助けてもらいたくて、子供みたいに構って貰いたくて、それで体を壊したのだ。エオリーヌにはそれが十分分かっていた。だから尚更情けない。

Kozue5/13 8:49:562182cf.WVhb78b176||813
エオリーヌ「他言は無用です。さぁ、分かったらさっさとお行きなさい。」

 いつになく厳しい声で諭すエオリーヌから、メイティはその奥にある思いを感じ取ったらしい。メイティは細く華奢な尻尾をくるりと巻いて、近くの窓から飛び降りていった。壁伝いにメイティの足音が聞こえていたが、それもやがてなくなった。
 エオリーヌの部屋には再び沈黙が訪れる。彼女はそのまま、夢も見ない深い眠りへと落ちていった。

Kozue5/13 8:51:412182cf.WVhb78b176||844
□■休憩time■□

皆様こんにちは、作者です(・∀・)ノ

40話突入いたしましたー。
予定では55話完結を目指しています。
できる事ならこいつの続編も書いてみたいなぁ…。
サイドストーリーとか。

感想等ございましたらお書きくださいませm(__*)m


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