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10602STRAY−3×バツ×5/19 22:30:492191cf7LG0THWOXdw

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   *前回のあらすじ*
 俗に言うストリートチルドレンのミラヴィアスは、ある日いいところの出だとすぐにわかる青年と出会う。その青年に連れられて行ったのはブランド店の一角で、そこで青年の弟だという少年に出会う。謎すぎる青年と、素直な少年は、ミラヴィアスに服を見繕ってくれるらしいが…?


×バツ×5/19 22:32:132191cf7LG0THWOXdw||372

 思わずぴたっと動きを止めて、ツバサの方を振り返る。
「何……?」
「髪、拭いてないだろう。水滴ぽたぽたしてる」
 むぅ、と口を尖らせながらも、子どものような物言いをして離れていく。軽く拭った程度じゃ足りなかったかと、罪悪感を感じているとばさっと頭に何か被さる。どうやら、ツバサがタオルを投げてくれたようだ。頭にピンポイントで。
「それで頭どうにかしてよ」
「っ……ごめん」
 仕様がない奴、とでも言うような声にしゅんと、ちょっと落ち込むと、ツバサの明るい声が降ってくる。



×バツ×5/19 22:34:422191cf7LG0THWOXdw||656

「早く着てみてよ。たぶん似合うと思うんだ」
 はずむような声に顔を上げると、心底楽しそうなツバサの顔がある。そういえば、ここがどこなのかすら、ミッラは詳しくは知らない。ツバサはなぜ、ここにいるのだろう。
「ん……あのさ、ここってどこ?」
「は? え、知らないで入ってきたの?」
「う、うん。ごめん…?」
 髪を拭きながらも問い掛けると、あまりにもびっくりされて、こちらもつられてしまう。まるで知らないことが罪のようだ。


×バツ×5/19 22:35:242191cf7LG0THWOXdw||307

「んー、簡単に説明すると……俺はツバサ・F・リースディーン。あの人は俺の兄貴で、バラッド・L・リースディーン。で、傍にいたのが兄貴の…付き人?のグレイヴさん。ここは俺の店で、俺がデザインした服を売ってる」
「ツバサ…と、バラッドさん、と………ツバサ、デザイナーなのか?」
 ごしごしを動かしていた手をはたと止めて、ようやく知った彼らのフルネームと自分のいる場所に、驚くことしかできない。
「そう。……これでも結構有名になったと思ってたけど、まだまだなのかぁ…」
 有名、と音にならない言葉を呟いて、これまで世間に無頓着に生きてきた自分を少し恥ずかしく思う。


×バツ×5/19 22:36:72191cf7LG0THWOXdw||951

きっとツバサは、ここ数年で立ち上げたブランドが人気出てきて、このビルを店兼カフェにしたのだろう。そしてブランドなんかに興味がなかったミッラには、ツバサをどういうカテゴリに入れていいのかわからないでいる。
 とりあえず、髪から水滴が落ちてこないことを確認してから、服に手をのばす。そろそろ冗談じゃなく寒くなってきた。
「っ……俺、そういうこと全然知らないから…」
 なんとなく言い訳がましくなってしまうのは、少しは罪悪感があるからだろうか。
「んん? さっきから思ってたんだけどさ、いい身体してんのな」
「はぁ?」


×バツ×5/19 22:40:332191cf7LG0THWOXdw||196

 タンクトップと着る途中の格好で固まりつつも、素っ頓狂な声をあげる。またか、またなのか、何でこの兄弟はこう言い回しが微妙なんだ。
「やー、兄貴が連れてきたって事は、このあとの展開もわかるんだけどさ。それ以外で、俺のモデルになってくれない?」
「モデル…?」
 ぜひこのあとの展開というものを聞きたかったけれど、それよりも縁の遠そうなモデルの方に目をむいてしまう。
「固く考えなくていいからな。俺まだ、大きいショーとか開ける余裕ないし。それに、玄人よりも素人の方がいいんだ」
「…どうして?」



×バツ×5/19 23:7:32191cf7LG0THWOXdw||475

「堅苦しいの嫌いなんだよ。それに…普段着て欲しい服を作りたいのに、モデルに着せちゃったら、なんだか普段着じゃなくなっちゃう気がするんだ」
「…そっか」
 本当に服を作ることが好きなんだと、伝わってくる。大切で、大事で、愛しいものに思いを馳せるような表情を、ミッラは初めて見た。思い返せば、今まで過去を振り返ったことしかないのだ。今日を生きるのに精一杯だったし、明日のことすら考えられないような生活しかしたことがないから。でもツバサを見ていると、たまにはこういう風に思いを馳せることもいいかもしれない、と思う。


×バツ×5/20 0:2:352191cf7LG0THWOXdw||580

 そう思いながら服を着るために手を動かす。
「…っと、これでいい?」
 服を着てみた自分を、変なとこがないかぱたぱたと見直していると、とても楽しそうな笑い声が聞こえてくる。動物みたい、と笑いながらいっていることから、自分のシッポを追いかけながら回っている犬のように見えたらしいと気づく。ちょっと嫌だな、と顔を顰めると、それを取り直すように真剣な顔をしたツバサは、ミッラの着た服の細かいサイズを確認し出す。
「んー…案外、首細いんだなぁ……あ、ムカつく、足長いし」
 確認した上で、気づいたことや思ったことをさらっと言ってのけるツバサの言葉は、内容はともかくとして、嫌な気はしない。


×バツ×5/20 0:3:182191cf7LG0THWOXdw||930

っと、そろそろ夜も遅いので、お暇します^^



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