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10668体育祭、順延予定バルトーク6/16 20:5:222212cfBcsmysAsVME

夏、某月某日


バルトーク6/16 20:6:122212cfBcsmysAsVME||657

 放課後の教室、眼鏡をかけた細面の男が寂しげに佇んでいた。
「本格的に降って来ましたねぇ。これでは、明日も体育祭は延期ですか」
 委員長の大林はブラインドを指で下げつつ、グラウンドを見やる。
 グラウンドは、三日前から降りつづけている雨によって到底使えるような状態ではなかった。
 体育祭の延期は今日で二日目。
 明日晴れなければ、体育祭は中止となってしまう。


バルトーク6/16 20:6:412212cfBcsmysAsVME||814

「なんとか、中止にはしたくありませんが……」
 独り呟く。
 教室の後方には、飾られる事を待つパネルが寂しげに蛍光灯の光にさらされてる。
 
「彼らも、役には立ちませんねぇ」
 窓からは、無惨にも晒し首のようになったてるてる坊主が数体ぶら下がっていた。


バルトーク6/16 20:7:482212cfBcsmysAsVME||308

「!―――これについて教員連はどのような見解を示しているのか興味がありますね、山吹君」
「ほぉ、気が付かれていたとはな……」
 戸口に立っていたのは長髪で、目がそうめんか冷麦のように細い男。
 この男は教員連生徒連絡行動委員、山吹庵。……相変わらず長い役職名だ。
 そして、教員連に最も近い生徒でもある。
 
「教員連は体育祭の中止を、歓迎すべき事態だと考えておる」
 山吹が冷ややかに言い放つ。
 教員連は教練のみを行い、そのような行事は不要だと考えている。
 そのようなやり方では駄目だと、常に大林は思っていた。


バルトーク6/16 20:8:412212cfBcsmysAsVME||919

「それはそうでしょうね。それと……昨今の異常気象も教員連の仕業なのですか?」
 ここ一週間近くの天気は、降水確率が軒並み20%程度。雨などそう降るはずも無いのだ。
 だが、実際の天気はこの雨。
 なにかしらの意図で、天気が改変されたとしか思えなかった。
 そんなことが可能かどうかは…分からないが。

「まさかな。これには教員連も驚いておるわ。最もこれは個人的なこと、なのだがな」
「個人的なこと?」大林が思わず訊き返す。
「そうだ……まぁ旧実習棟の化学準備室とでも言っておこうか」
 旧実習等の化学準備室……
 大林は小さな声で呟いた。


バルトーク6/16 20:9:122212cfBcsmysAsVME||157




 全長は150cm程だろうか。
 小さな黒いローブに見を包んだ何かが、床に描かれた魔方陣の上をズズズズと移動していた。

 まさしく魔方陣である。
 その中央には、揺らめく蝋燭と人間の頭蓋骨のような物が置かれていた。部屋の明かりといったら、それぐらいなものだ。
 
「あと一日……頑張らないと」
 黒装束は、そう静かに宣言したのだった。


バルトーク6/16 20:9:372212cfBcsmysAsVME||339

 ◇

 午前0時、旧実習棟。
 ここに、大林の私兵の色合いが強い特務の精兵五名が集結していた。
 暗視ゴーグルにステアーTMP と呼ばれるようなサブマシンガンを携帯し、防弾装備を整えている。
 その中には、副委員長の金森の姿も見てとれる。


バルトーク6/16 20:10:152212cfBcsmysAsVME||31

「さて皆さん、集まってもらったのは他でもありません。我らはなんとしても明日の体育祭を実行しなければならない」大林がいつもの演説口調で、大きく身振り手振りをつけながら言う。
「委員長。明日の天気と、この装備に関係はあるんすか?」
 副隊長の橋本が、おそらく誰もが思っているであろう疑問を口にした。
 当然ではあるが、橋本達はまったく話が見えてはいない。
 
「大有りですよ。我らはなんとしても雨乞いを阻止しなければならない!!」
 その言葉に、橋本達は更に困惑するだけであった。


バルトーク6/16 20:10:532212cfBcsmysAsVME||599

 ◇

 黒装束は、ふと不吉な予感を感じた。
 いい予感はとことん当たらないものの、悪い予感は必ず当たるのだ。

「あぁ……嫌な予感が。お願いします、力を貸していただけませんか?」
 黒装束の声に呼応するかのように、薄闇に数対の瞳が浮かび上がった。
 まるで魔界からの使者……そのような禍々しさを放っている。常人ならば、その視線に数秒と正気を維持はできないだろう。

「皆さんありがとうございます。必ず儀式は成功させるから。あと……1日ですから」


バルトーク6/16 20:12:42212cfBcsmysAsVME||162

 ◇

「う、うぁぁーー!!」
 甲高い破裂音が断続的に響き、そして悲鳴が響く。
 特務部隊の精鋭五名は、謎の敵によって二手に分断されていた。
 
「俺たちは、何を相手にしているんだ……?」
 特務隊長の金森は、暗視ゴーグル濃い緑の世界に向って悪態をついた。
 現在、金森と二名の隊員は階段の踊り場で、進むことができずに立ち往生している。

「Shaaaa!!」
 黒い影としかいいようも無い何かが、高速で迫る。
「右だ、弾幕を集中させろ!!」
 金森の指示によって三丁のステアーが、9mmパラベラム弾を900発/分の速度で吐き出す。
 しかし、襲撃者には一発もかすりはしない。


バルトーク6/16 20:12:522212cfBcsmysAsVME||14

「うぎゃぁぁーー!」
 右端を担当していた隊員が叫び声を上げ、床に倒れ伏す。
 くそ、化け物か!!

「隊長、ここは自分が食い止めます。隊長は行って下さい!!パネルを、応援練習を無駄にしない為にも!!」
 その名も無き隊員の目には、明らかな恐怖と、それを覆すような決意が浮んでいた。
 すまん、お前の犠牲は無駄にはしない。

「後はよろしくお願いします。うぉぉぉぉぉ!!」
 名も無き隊員は金森へ敬礼をした後、黒い影へと突貫した。
 金森も敬礼を返し、化学準備室へと急ぐ。

 今日は絶好の月夜。窓からは月明かりが差し込んでいる。
 到底、明日に雨が降るなどとは信じられなかった。


バルトーク6/16 20:13:402212cfBcsmysAsVME||997



「そう、天気という一種の真理を捻じ曲げる所業は、許しておけんな」
 長髪の男は、右手の木刀を黒装束へと突きつけた。
 その男の足元には、数人の黒装束がうずくまっている。

「ひっ!!」儀式を行っていた、一際小さい黒装束が怯えたような声をあげた。
 しかし、小さい黒装束を守るように、二人の黒装束が立ちふさがる。


バルトーク6/16 20:14:552212cfBcsmysAsVME||945

「貴様……我ら文化連合の鉄壁の守備をこうも簡単に突破するとは何者だ!!」
「俺か?俺はしがない体育祭緑軍パネル係、山吹庵だ」山吹は役職名を口にすると同時に、二人の黒装束へと飛び掛った。

「お願い、やめて!!」甲高い声が響く。
 山吹は思わず手を止めてしまった。そこへ、黒装束の痛烈な反撃が加えられる。


バルトーク6/16 20:15:12212cfBcsmysAsVME||938
「ぐぅっ、貴様よくも!!」
 山吹は攻撃を受けると同時に、咄嗟に木刀を薙ぎ一人を昏倒させた。
 そして、更にもう一人へと攻撃を仕掛けようとする山吹の腕に、小さい黒装束が飛び掛った。

「お願いします、もうやめてください!!私が、私がいけなかったんです」
 その少女の瞳が涙を湛えている事に気がつき、山吹は剣を収めるしかなかった。


バルトーク6/16 20:15:582212cfBcsmysAsVME||383



 翌日はこれまでの雨が嘘のような晴天で、無事に体育祭が執り行われた。
 その緑軍の応援席で、二人の男が席を並べていた。

「結局、病弱で体育祭に参加できない子が、いっそのこと体育祭をなくしてしまおうと考えたわけですか」
 主犯格の少女は、普段から病弱で体育はいつも見学していた。体育祭も勿論参加などできずに、それが悲しく悔しかったという。
 そして、それに協力したのは文化部連合の一部の生徒。


バルトーク6/16 20:16:482212cfBcsmysAsVME||2

「えらく自分勝手な理屈ですねぇ」
「気持ちはそう分からんでもないがな」
「おや、珍しく好意的じゃないですか」
「まぁ……な」
 その少女は、まさしく美少女という奴で一部ではアイドル視されていたらしい。そのお陰でここまでのことが可能だったんだろう。
 だからといって雨乞いが出来るか、という話になると分からないが。


バルトーク6/16 20:17:02212cfBcsmysAsVME||840

「まぁ、何でも出来るものだ。そういうものであろう?」
「なんですか、そのご都合主義を肯定する理論は」
 訝しげな視線を向ける大林は、ふと山吹の胸元に光るバッジを目にした。
「それは……もしや」
「ファンクラブのバッジだ」
「ファンクラブって……何ですか?」
「無理やり入れさせられた」
 そのとき、はっと山吹は立ち上がった。
 大林がよく目を凝らすと、こちらへとゆっくりとした足取りで近づいてくる小さな人影がある。


バルトーク6/16 20:19:382212cfBcsmysAsVME||179

「後は頼んだ。アイツに関わると夜道を落ち着いて歩けん」
 金森がすたこらと校舎へと逃げていく。
「あの、申し訳ありません……山吹先輩はどちらへ行かれたか、ご存知でしょうか?」
「えぇ、山吹なら校舎の方へといったと思いますよ」
「あ、ありがとうございます!!」
 少女はぴょこんとお辞儀をすると、嬉しそうに校舎の方へと歩いていった。


バルトーク6/16 20:20:272212cfBcsmysAsVME||187

 それからしばらく、大林は自らが茫然自失の体でボケッとしていたことに気がつき、驚愕した
 まさか、自分がこんな気持ちになろうとは……
 可愛かった。という言葉ではあの少女のことを言い表せないであろう。それどころか、言葉を当てはめること自体が、非礼かもしれない。
 ファンクラブとは、なんと崇高な活動の事か。


バルトーク6/16 20:20:482212cfBcsmysAsVME||19

「やはりそう思われますか?」
 急に後ろから声をかけられ、大林が慌てて振り返ると、そこには黒軍なのだろうか。黒い衣服に身を包んだ男が立っていた。 
「あなたは……?」
「我々はファンクラブの勧誘係です―――」
 それを聞いたとき、大林は思わずほくそ笑んだ。
「さすがですね、では是非と入会手続きの程を」
 このときより、ファンクラブは急激に勢力を伸ばしていく事となる。


バルトーク6/16 20:22:152212cfBcsmysAsVME||386



「結局俺たちは囮だったんだよな」
 ここはパネルのちょうど影になる部分。そこで金森と橋本の二人は涼んでいた。
「寝たのは今日の3時だぜ……あぁー眠て」
 そう言って金森が大きな欠伸をする。
 昨日……ではなく今日、文化連合との戦いが終了し、解散したのは午前2時過ぎ。確かに過酷なスケジュールだ。


バルトーク6/16 20:22:292212cfBcsmysAsVME||81

 「それよりも、達樹。お前、女子副委員長の佐藤とはどうなってんだよ?結構な噂になってるぜ」
「そいつは出来の悪い冗談だ。あんな何人殺してるか分からない奴は、こっちから願い下げだっての」
「そりゃ無いだろ。あいつも結構人気が―――――ひぃぃ!!」
 ん?橋本の顔が瞬時に引きつった。それに何故悲鳴をあげる必要がある………
「やぁ、おはよー」
 

バルトーク6/16 20:25:432212cfBcsmysAsVME||511



 この事件を、目撃者のAさん(仮名)はこう語っている。
 もう、骨の折れる音や肉の潰れる音がまだ耳に残ってますよ。それはもう、金森君が死ぬかと思いました。
 その日は晴天だったんですけど、そこだけ『血の雨』が降ったというか。


―――お後がよろしいようで。


バルトーク6/16 20:30:222212cfBcsmysAsVME||315

後書き
お久しぶりです、バルトークであります。
イベント開始していたのですが、ヤッパリこういうイベントは開催者も勿論、参加したくなるわけで参加させていただきました。

とにかく長い!!最後まで読んでくださった方、ホントありがというございます。
最後、結局オチは引っ張った果てにこんな感じでゴメンなさいorz

ちなみに、学園シリーズ体育祭編の番外編的な中途半端な位置取りとなっております。
ホント……オチがこんなのでごめんなさい。

バルトーク6/16 20:31:272212cfBcsmysAsVME||17

一応、過去物を
過去作品

学園シリーズ
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10479.html 修学旅行≒戦争
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10556.html 花粉症に対する実力行使とその妨害
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10600.html テスト前夜狂想曲
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10600.html デイ・オフ
超人戦争(更新停滞中)
第一章
1〜10話:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-9937.html
第二章
15話:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10198.html


キキョウ6/17 12:13:102192cfBkVEKUKuVbY||499
 うぉぉぉぉ血の雨 (((((((゚Д゚;)ノノ 退却
大丈夫ですバルトークさん、オチはインパクトがあってスゴイです(ぁ

 今回は雨と体育祭ですか^−^
確かに、体育祭に参加できないのが悔しい気持ちもわかりますが・・・ねぇ。
私はやっぱり体育祭やりたいですよ。疲れるけど。
 そして、大林さん・・・?どうなってしまうんでしょうか??
そしてそして、金森くんと佐藤さんの噂・・・。
 この学園ドラマ、まだまだ続きそうな予感。

 バルトークさん、イベントを開いていただきありがとうございました〜^0^

李亞6/17 12:58:332182cfX1jgjTYluO2||856
体育祭大嫌いな引きこもりのりあさんがちょっと通ります。
私も緑でパネル係だった、うほほーい、と山吹さんの役職名にときめきを覚えました(*ノ ノ)

ところで、文中に
>>「後は頼んだ。アイツに関わると夜道を落ち着いて歩けん」
>> 金森がすたこらと校舎へと逃げていく。
とあるんですが、これは金森くんでなくて、山吹さんのこと……ですかね?
少し前に応援席で男が二人〜って描写がありましたし、いきなりの三人目がちょっとばかし気になりました。

最後にテンションに身を任せてぶっちゃけますが、私もファンクラブ入りたいんで、入会手続きお願いします(・∀・)

シェイラ6/17 18:26:212191cfbAfpbbxM1ic||121
こんにちわ〜w
待ってました学園シリーズ!
胸に直球でくるストーリーに個性豊かな面々に自分は翻弄されっぱなしです。
黒魔術使いっぽい女の子が出てきて彼女が物語にどう絡んでくるのかがすっごく楽しみです!
金森クン毎度可哀想な役回りですね;
でも、彼はきっとそう言う運命なんでしょう☆(遠い目)
山吹、意外と可愛いですね。完全に硬派じやない所が(爆)
これからも、楽しい作品楽しみにしています♪

バルトーク6/18 19:35:532212cfBcsmysAsVME||134
キキョウさん、うぉぉぉぉありがとうございます!!
なんと言ってもインパクト命ですから……そこを褒められて、スゴイ嬉しかったり^^

体育祭は、やはり学園行事の花ですしね。日焼けなんか気にせずに大はしゃぎでいきましょw
様々な要素は、かなーり大風呂敷な感じが強かったり。
設定を作ったはいいけど、使い道は考えてないんだこりゃ。
ですが、まだまだ彼らの活躍は続きますよ!!

イベントは、こちらこそ参加ありがとうございましたvvv

バルトーク6/18 19:44:52212cfBcsmysAsVME||676
通りすがりのりあさん、体育祭が嫌いなもやしっ子はいけませんよ!!
思いっきり太陽の光を浴びて、体を動かしましょう!!(誰ダヨオマエ

うぉっ、なんと山吹と同じ役職ですか!!すんげぇ偶然っすね。ちなみに山吹達は裏設定とかで、シェンロンを描いた設定になってます。

あ―――金森のそれは、完全にミスです。
毎回ミスはあるんですねー。推敲が大事といっておきながら、毎回数箇所のミスが投稿した後に発見されます。
情けない!!
いや、この失敗からいいかげんに学ばないと><

ファンクラブ入会は、会員の方の紹介か勧誘係の勧誘が無けれ入会は出来ない仕様となっておりますw

バルトーク6/18 19:50:402212cfBcsmysAsVME||299
シェイラさんこんばんわ〜
胸に直球で来るとか、すごい褒め言葉ですよ……もうっ!!

黒魔術使いっぽい女の子は、自分自身もどう絡んでくるのか楽しみです^^
―――要は考えてないと。テヘ
まだ名前すら考えてませんよ……どうしよw

金森は確実に不幸の星の下に生まれついていると思います。
そう、きっとそういう運命なんです。
山吹は最近急に株を上げ始めていますからねぇw用チェックですv


はいっ、次回も頑張りますです。サー!!

りゅ6/23 13:31:592184cfAU0jy/xyg/w||397
ども〜。お久しぶりです〜。
最近パソコンをする時間がめっきり減っちゃって・・・
今の時期かそれとも秋か。学校によって違う体育祭の季節。ちなみにコッチは秋期です。
それにしてもライフルの次は魔術ですか。現実味を帯びているのかいないのかっと。
いっそのこと大怪獣でも出しちゃったらどうですか?
それにしても金森君、不運の域を超えてますね。人生何が災いするかわからない。たとえそれがたった一言だとしても・・・
いい教訓になりました。ありがとうございます。

バルトーク6/24 7:42:392212cfBcsmysAsVME||696
りゅさん、ども〜
PCする時間が減ったのは、ドマイです^
んで体育祭は、正直、夏休み明けの秋のほうが余裕あっていい感じですよね〜。
なんか六月に行事が集中して、もうアップアップするしw

だはっ、大怪獣。いいっすね(ぇ
どこに耳があるかとか分からないですからね。迂闊な言葉には要注意です。
とかいうオイラも、ポロッと言った言葉で痛い目にあったことがあったりなかったり……w


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