| 10925 | ぼくの夏休み――小説の夏休み | 李亞 | 8/26 14:17:23 | 2182cfX1jgjTYluO2 |
| *とある真夏日の1コマ* | ||||
| 李亞 | 8/26 14:17:45 | 2182cfX1jgjTYluO2||685 | ||
王都カリジェスの西に広がるデオリモの森の上空には、此処何日か高気圧が停滞しているらしい。雲ひとつない青空が何処までも続き、燦々と輝く太陽は大地に陽光を恵み、気温を上げていく。それが1日だけのものなら、『洗濯日和だぞやっほおぉい!』と手放しで喜べたんだけど、4日も続けば茹だる様な暑さに洗濯日和も何もない。2日目の午後を過ぎると、もうセレネくんと一緒に日陰ぼっこに勤しむより他になくて。部屋は蒸すし、ちょっと動くだけで汗がダラダラ流れてくる。あああもう! 苛々してきた! | ||||
| 李亞 | 8/26 14:18:16 | 2182cfX1jgjTYluO2||585 | ||
王都カリジェスの西に広がるデオリモの森の上空には、此処何日か高気圧が停滞している。雲ひとつない青空が何処までも続き、燦々と輝く太陽は大地に陽光を恵み、気温を上げていく。それが1日だけのものなら、『嗚呼、この缶詰状態の中に光が差した』と喜べたのだが、4日も続けば茹だるような暑さに光も何も気にならなくなる。2日目の午後を過ぎると、もう男2人で部屋に篭りきりの生活が(むさ)苦しくて仕方ない。唯一の救いである少女は、お世話係と窓外で日陰ぼっこ。僕も一緒にしたいのにさあ! | ||||
| 李亞 | 8/26 14:18:52 | 2182cfX1jgjTYluO2||965 | ||
「あああつぅいいぃぃ! ちきしょー! 暑いんだよ太陽の莫迦あぁっ! なんでこんなに紫外線がこの地に降り注いで来るんだよぉ! ちょっとくらい他の星にお裾分けしようよ全くもう!」 「嬢、そんなに暑いなら湖に涼みに行きますか? 幾分かマシになると思いますよ」 「湖!? わああ、いいなあそれ! 行こう行こうすぐに行こう今すぐ行こう!」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:18:57 | 2182cfX1jgjTYluO2||490 | ||
「(……湖に、涼みに……?)」 「陛下、南の首都フィルガ=テスに送り込む魔族の数ですが、土地の広さ、人口、軍の規模を考え、資料より約3割増した方が作戦の成功率が……――陛下? 聞いています?」 「……ジェンツァ」 「はい?」 「僕はもう限界だ。よって湖に行ってくる」 「は……? え、ちょ、へ、陛下!? 何をいきなり……!」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:19:9 | 2182cfX1jgjTYluO2||417 | ||
「ねえリオット。僕これから湖に行こうと思ってるんだけど、リオットもどう?」 「あ、アルくんも行くの? じゃあ3人で行こうよ。ね!」 「ああ、3人で、ね……――」 「(うわちょ、陛下が妙な目つきでこっちを見てる!)……嬢、すみません。未処理の仕事があったので、陛下と2人で行ってください」 「なんだあ、仕事じゃしょうがないか……。暑さにもめげず頑張るんだよセレネくん!」 「(よっしゃ!)セレネ。次は一緒に行こうね」 「(畜生。どーせ次も一緒に行こうとすると怒るくせに! 陛下のばーか!)」 「(嗚呼、また征服作戦に遅れが……)」 本日昼間の2人ぼっち時間、未知数。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:19:48 | 2182cfX1jgjTYluO2||67 | ||
*とある真夏日の1コマ* | ||||
| 李亞 | 8/26 14:20:8 | 2182cfX1jgjTYluO2||788 | ||
アルくんと2人きりで湖、かあ……――う、うわあ、どどどどうしよ。改めて現実を直視したらなんだか緊張してきちゃった私っ。 実を言うと、2人で外出するのってほんとに久しぶりなんだよねっ。もう既に湖について何十分か経ってるって言うのに未だにどきわくっていうかわくてかっていうか、もうなんていったら分からないくらい嬉しくて心臓ばっくんばっくんで、アルくんの右手と繋がってる左手が異様に熱くって、情けない話、私もう、どうしたらいいのか分からなくなってる。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:20:28 | 2182cfX1jgjTYluO2||860 | ||
震えてるのとか、分からない……よ、ね? 気付かれてたら私羞恥心が原因で死ぬかもしれないっ。やだなどうしようちょっとお願い震えないでよ私! もう1年も一緒に居るんだから、これくらいのスキンシップに免疫つけないと、ほらあの、こ、今後絶対まずいってば! | ||||
| 李亞 | 8/26 14:20:32 | 2182cfX1jgjTYluO2||558 | ||
なにをどうしてどうやってって、そういう、あの……く、詳しくは知らないけど、裸になって云々っていうのは分かるし、それが凄い恥ずかしくて痛くていけないことで、でも、それと同時に凄い幸せな行為だっていうのも知ってる。だ、だからあの、いつかはしたいなあと思うけど、多分そういうのって大人になってからやるから……えと、私が今16だから、あと4年待たないと駄目なんだよね! うん、それなら何とかなりそ―― | ||||
| 李亞 | 8/26 14:20:51 | 2182cfX1jgjTYluO2||411 | ||
「ねえ、リオット。キスしよっか」 「ぶはっ!?」 大きな問題を先送りに出来たと思ったら、今度は中くらいの問題が私の目の前に立ちふさがった。 ど、どうしたんだろうアルくんいきなりききき、き、きすなんて言い出すなんて頭でも打ったのかな! あ、そう言えばここに来る途中私が木の根っこに躓いてアルくん諸共転倒するという恥ずかしいエピソードを創造してしまったけど、もしやその影響がここにきてっ……! | ||||
| 李亞 | 8/26 14:21:26 | 2182cfX1jgjTYluO2||777 | ||
「……あ、アルくん!」 「ん?」 「今すぐ帰ってジェンツァさんに頭見てもらおう! 今ならまだ大丈夫かもしれないし!」 「……は?」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:21:33 | 2182cfX1jgjTYluO2||73 | ||
「私嫌だよ! アルくんがいきなり痴呆症とか脳梗塞とかよく分からない病気になっちゃうなんて!」 「(いきなりどうしたんだこの子)リオット。僕、風邪はひくけどそんな重い病気はならないから、まず落ち着こうか」 「で、でも、早く帰らないとなんかこう……頭がばーんてなるよ! もしかしたらお腹の辺りもばーんてなるかも! と、とにかく変なこと言い出すなんてなにかの前兆だよ! 見逃しちゃ駄目!」 「変なことって、キスしようって言ったこと?」 「あ、あああたりまえじゃないの!」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:22:11 | 2182cfX1jgjTYluO2||275 | ||
胸倉を掴まんばかりの勢いで捲くし立てると、途端、アルくんの表情が少し不機嫌なものに変わった。眉間に皺が3本。これはちょっと苛立ち始めたから総員退避せよ、のサインだ。この前セレネくんに教えてもらった。 「あ、あるくん……?」 「リオットはさあ……性欲とか、理解できる?」 「せ、せい、よく?」 「そ。裸でするやつじゃなくて……手を繋ぎたいとか、そういう軽いのでいいよ」 「まあ……あ、あるけど……それは性欲っていうか、あ、愛……?」 「じゃあ、性欲と愛の違いってなに?」 「ち、ちがい?」 ……むっ……難しい……! | ||||
| 李亞 | 8/26 14:22:23 | 2182cfX1jgjTYluO2||716 | ||
「……も、文字の羅列が違う!」 「意味的な方向で」 「(くそおぉっ!)……え、と……性欲はえっちなので、愛は……す、好き?」 「でも、キスだって好きだからするんだろ? つまり、愛だ」 「うん……?(き、キスって性欲のほうじゃないんだ……)」 「で。ベッドの上で裸になって云々っていうのも、好きだからする。つまりは愛」 「なっ、え、あ、ち、違うよ! それはえろだよ! 性欲のほうだよ!」 「じゃあ、リオットが僕の傍に居たいって思うのも性欲だ。好きだからっていう理由は一緒なんだから」 「ちっ、違うよ! それは愛だもん!」 「じゃあ、愛と性欲の違いは結局なんなの?」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:22:37 | 2182cfX1jgjTYluO2||974 | ||
ちょっ、それ思い切り無限ループだよアルくん! 恥ずかしい上に、私にとっては滅茶苦茶難しい内容に頭が痛くなってきた。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:23:4 | 2182cfX1jgjTYluO2||16 | ||
「じ、じゃあ、アルくんはどう思うの?」 「僕?」 「そ、そう! 私ばっかり悩むのなんてずるいじゃない! アルくんも悩んで知恵熱出せよ!」 「(知恵熱って……)そう、だな。例えば、僕だったら……リオットが好きだと思ったら傍に居たくなる。手も繋ぎたいし、いっそ僕の部屋にずっと閉じ込めておきたいしで、色々悩んだりするわけだ。つまり、それは愛」 「(おおっ、ちょっと分かる!)うんうん」 「で、それが徐々に大きくなって、キスしたいとか、抱きしめたいとか、結局はそういう発想に行き着くんだ」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:23:43 | 2182cfX1jgjTYluO2||596 | ||
「――……………………凄い! アルくんと私の思考回路シンクロした!」 「ね? つまり、最終的に何が言いたいかって言うと、僕にとって、性欲は愛なんだよ。で、リオットにとっても、そうなんだよね?」 墓穴を掘ったことに気付いたのは、アルくんの言葉をなんとか理解した後だった。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:23:58 | 2182cfX1jgjTYluO2||362 | ||
「え、あっ……ち、ちが、あ、あのそれはえっとなんていうかそのっ……」 「リオットもそうなら、キスしたっていいじゃない」 「そ、外なんてやだよ! そういうことは室内でする物だってお母さん言ってたもん!」 「キスくらい皆何処でもしてるのに……」 「家は家! 他所は他所!」 「舌は入れないからさ」 「それでも駄目! 公然わいせつ罪だよ!」 「誰もいないじゃない」 「動物さんたちがいるじゃない!」 「……じゃあ、いいよ。もう帰ろう」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:24:19 | 2182cfX1jgjTYluO2||633 | ||
アルくんはすっと立ち上がると、さっさとしろと言わんばかりに私の手を引っ張ってくる。仕方なく立ち上がった途端、アルくんは私の方を顧みることもなくスタスタと歩き出してしまった。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:24:39 | 2182cfX1jgjTYluO2||174 | ||
……わ、私、悪くないよねえっ。一連の流れからして絶対に私悪くないよ! だって外でキスなんてそんなバカップルみたいな真似私できないし! だ、だいたいアルくんって時々一般人と思考がずれてるっていうか、いきなり突拍子もないこと言い出したりするから困るんだよ!(この前パスタ食べてる最中にカレーが食べたいとか言いだした所為で、ジェンツァさんがもう一品作れって喚いて大変だったんだから! しかもその日のお食事当番私だよちきしょー!) | ||||
| 李亞 | 8/26 14:24:55 | 2182cfX1jgjTYluO2||507 | ||
――でも、あの……あんなに拒まなくてもよかった、のかも。だだだだってアルくんなんか凄い傷つきましたってオーラいっぱい出してるし、な、なんか凄い悪いことした気分になってきちゃったっ。ど、どうしたらいいかなあ私っ……。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:25:16 | 2182cfX1jgjTYluO2||509 | ||
「あ、あるくんっ……」 私に背中を向けてるアルくんの表情は見えない。だから余計に不安になって、嫌われたのかなあ、とか、もう口利いてくれないのかなあ、とか、色んなこと考えちゃって、凄い哀しくなった。 アルくんの後を追い、少し骨ばった手を掴んでなんとか引き止めたけど、一向に私の方は向いてくれない。私、どうしよう。こんな下らないことで終わっちゃうなんて嫌だ。でも、ここで甘やかしたらアルくんのためにもならないし……でも、それで嫌われちゃったら元も子もないじゃないっ。頑張れ。私、頑張れ。 「――アルくんっ!」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:26:10 | 2182cfX1jgjTYluO2||153 | ||
アルくんの肩掴んで無理矢理振り向かせて、頬に手当てて、私、あるくんの唇に自分のを重ねた。自分からするのなんて初めてでよく分かんなかったけど、アルくんの唇きもちーなって思う前に歯が当たって、ちょっと痛い。それでも我慢して舌を入れようかどうしようか迷ったけど、自分で自分の舌噛みそうで怖かったし、やっぱり入れない。1、2、3、て心の中でゆっくり数を数えて、唇を離した。 舌入れなかったのに凄い苦しくて、それが、私が息を止めてた所為だって気付いたのは、アルくんがぽかんとして私を見下ろしてるのを見てからで、なんだか急に気恥ずかしくなった。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:26:29 | 2182cfX1jgjTYluO2||984 | ||
「これで満足かっ、あるくんのばーかっ!」 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:26:49 | 2182cfX1jgjTYluO2||446 | ||
| ――家の扉を開いた時、私の右手とアルくんの左手は繋がってた。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:29:27 | 2182cfX1jgjTYluO2||686 | ||
------------------------------ Kozueさんの主催する小説コンクールに参加です。 スレ題指定があったのでテンプレート崩れましたが、上の方はあまり見ないようにしてください(´・ω・`) 今回は友達とカラオケ言った時にずーっと話し込んでた物を憶えてる範囲内で纏めて頑張ってみました。 ちょっと頭のよさそうな文章を書いてみたかったっていうのと、珍しくいけどん!なアルくんを描写してみたかった。 押して駄目なら引いてみろですね。リオットちゃんは見事それに引っ掛かったわけです。 | ||||
| 李亞 | 8/26 14:33:14 | 2182cfX1jgjTYluO2||145 | ||
▼おまけ リオット:http://kamakura.cool.ne.jp/kadukiria/e/dokusou/waikyoku1.jpg アルカデルト:http://kamakura.cool.ne.jp/kadukiria/e/dokusou/waikyoku2.jpg 脇役二人:http://kamakura.cool.ne.jp/kadukiria/e/dokusou/waikyoku3.jpg 家に帰った後、ジェンツァさんに詰め寄るリオットちゃんとそれを目撃したアルくん。 http://pig.oekakist.com/3307/dat/IMG_000005.jpg | ||||
| 李亞 | 8/26 14:33:53 | 2182cfX1jgjTYluO2||878 | ||
▼過去 *歪曲世界* 001:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10516.html 002:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10593.html ---:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10538.html ---:http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10664.html *短編* 思い出、観せます - ある体験者の記録 - http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10642.html bambola http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10728.html Claudia http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10753.html insania http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10795.html | ||||
| 李亞 | 8/26 14:34:35 | 2182cfX1jgjTYluO2||416 | ||
*歌姫のお話* calamitaの歌_viventeの剣 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10817.html 思えば、残酷な永遠を歩み続けるより他にはなかった。 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10859.html 物事を定めるのが、人形ではなく創造主だっただけの話。 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10893.html | ||||
| 李亞 | 8/26 14:37:22 | 2182cfX1jgjTYluO2||143 | ||
■本日のBGM■ 「創聖のアクエリオン」 http://www.youtube.com/watch?v=HWBOPJ0srjI 多分ニコニコのほうでは結構有名。 文化祭で歌うことになったので今必死こいて練習中な曲です。 サビの前のァアッ!の部分の上手な歌い方を誰か教えて下さい。 | ||||
| ホルン | 8/26 22:25:9 | 6141cfhKX3lZs..4k||329 | ||
| こんばんは。 ちびちび★小説☆団に入団希望中のホルンです。感想書かせていただきますね。 とりあえず!上手!おもしろい!この二つです。 キャラが面白いし(リオットのボケ?に爆笑してしまいました。) 設定がしっかりしてるし、なにより文がスッゴイまとまってて読みやすかったです。 | ||||
| 李亞 | 8/27 7:27:24 | 2182cfX1jgjTYluO2||208 | ||
| ▼ホルンさんへ おはようございます。 長編の番外編なので、まさか感想もらえるとは思っていませんでした。 お褒めの言葉ありがとうございます。 リオットちゃんのボケは、本来シリアスなはずの、人間界征服とか魔王云々っていうのを和ませるための必須アイテムです。 設定がしっかりしてると言われるのはなんだか照れますね(*ノ ノ) 1つのキャラでルーズリーフ6枚は軽いので、結構色々作りこんでる方かもしれないです。 文章の方はまだまだ全然です。 下手なの誤魔化すために一人称で書いてるのは内緒なので(´・ω・`) | ||||
| 鳳城亮 | 8/28 11:20:23 | 2192cflXzhj8n6dss||225 | ||
| キャラの設定隠しまくっててわかんないよねとか口撃 世界観はいい加減だねとまた口撃 二人ぼっち時間、未知数・・・ようやく長時間取れたんだね おめでとーお二人さん(ぁ Sinが面白いです、昔のを思い出しただけだけど(ぁ | ||||
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ : PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX | ||||