10996 | ひずみのくにのありす第一幕、二場 | アリカ | 9/19 15:22:22 | 1241cfFGnEWa96mOM |
こえが、きこえる・・・ わたしをよぶのは、だれ・・・? ・・・過去・・・ 第一幕、一場 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10975.html |
アリカ | 9/19 15:24:29 | 1241cfFGnEWa96mOM||457 | ||
「あ!」 「どうしたの?」 歩いている途中で、アリスは不意に声をあげた。通行人が何事かと振り向くが、すぐに興味を失って歩みを再開する。 「おもいだしたわ!」 「記憶が戻ったの?」 チェシャ猫が首を傾げて訊いた。 アリスは首を横に振った。 「さっきの男のひと!」 「ああ、ディーダムのこと?」 |
アリカ | 9/19 15:24:54 | 1241cfFGnEWa96mOM||191 | ||
アリスは頷く。 「あのひと、さっきみたわ!」 「まあ、それはそうだろうけど」 「違うわよ、その前。ここまで来るときに見た、あの双子の内のひとりだわ」 『茂みで決闘をしている双子、』〔兎月堂〕へ行く途中で見たあの双子の内のひとりだった。道理で見たことがあるわけだ。 「あ、そういうことか。でも、ディーダムに双子の兄弟がいるなんて」 聞いたことが無いけれど、とチェシャ猫が言おうとした矢先だった。 「猫の旦那!」 「あ、こんにちは」 突然声を掛けられて振り返ると、そこに蜥蜴がいた。アリスは思わず後退る。 |
アリカ | 9/19 15:25:23 | 1241cfFGnEWa96mOM||174 | ||
「・・・・・・!」 「おや、そちらは?」 「アリスですよ。アリス、大丈夫?」 チェシャ猫に問いかけられて、アリスは慌てて頷いた。 「え、ええ」 「アリス?へぇ、アリス嬢は〔からまわりレース〕の結果をしってるかい?」 チェシャ猫は首を傾げる。 「何かあったんですか?」 「優勝、誰だと思う?」 蜥蜴が得意そうに言った。 「さあ・・・、今までの結果から見てダイナでしょうか」 |
アリカ | 9/19 15:25:52 | 1241cfFGnEWa96mOM||443 | ||
「それが違うんだよ。優勝したのは〔帽子屋〕の小倅だったのさ」 「へぇ、それはすごい」 アリスは話についていけず、黙ってそのやりとりをながめていた。 「・・・じゃあ、僕はこれで」 「ああ、アリス嬢も元気でな」 蜥蜴が手(というより前足)を振った。 「は、はい」 反射的に敬語になる。 「行こう、アリス」 チェシャ猫はアリスに声を掛けて、蜥蜴にもう一度会釈をしてから歩き出した。 + |
アリカ | 9/19 15:26:22 | 1241cfFGnEWa96mOM||380 | ||
「ねえ」 アリスは前を歩くチェシャ猫に声を掛けた。 「なんだい?」 「〔からまわりレース〕って何?」 先ほどの会話を思い出してアリスは訊く。 「同じトラックをぐるぐる回るレースだよ。走れなくなったひとから抜けていって、最後に残ったひとが優勝」 「へえ、なんか変なレースなのね」 「そうだね」 チェシャ猫は笑って、不思議そうに首を傾げた。 「・・・僕が不思議なのはね、アリス」 |
アリカ | 9/19 15:26:50 | 1241cfFGnEWa96mOM||232 | ||
「なあに?」 「アリスの常識はどこに由来するものなのかってこと」 「どういうこと?」 アリスも首を傾げる。 「いま、アリスは『変なレースなのね』って言ったよね」 「そうね」 「じゃあ、アリスにとっての〔普通のレース〕はなに?・・・ってことになるじゃないか」 アリスはなるほど、と頷いた。 「そういうわけだったのね。でも、どうしてなのかしら?」 「さあ?それはアリスじゃないとわからない」 「それもそうかもしれないわね」 |
アリカ | 9/19 15:27:22 | 1241cfFGnEWa96mOM||953 | ||
アリスは笑った。 チェシャ猫も、それにつられるように笑った。 「まあ、その辺りのことは〔帰って〕から考えようか」 「そうね」 アリスは、もう一度笑った。 + |
アリカ | 9/19 15:27:52 | 1241cfFGnEWa96mOM||812 | ||
歩いている途中で、アリスはあることに気付いた。 「なんか・・・あなた、よく話しかけられるわよね」 というか、往路よりも通行人が友好的な、ような。 「ああ、変わり始めているからね」 「なにが?」 「住人が、だよ。朝の住人から、夜の住人へ。朝の住人は基本的に無愛想だから」 「そんなものなの?」 「そんなものなんだよ」 そう言って、チェシャ猫はぽん、と手を打った。 「ねえ、アリス」 「なあに?」 |
アリカ | 9/19 15:28:33 | 1241cfFGnEWa96mOM||323 | ||
「明日、少し遠くまで出かけてみない?この国のいろんな所を巡る旅に。もしかしたら、君の記憶を取り戻す手伝いになるかもしれない」 「へえ、面白そうね。行ってみたいわ」 「それじゃあ、明日行こうね。・・・なにが必要かな・・・」 チェシャ猫が呟いたときだった。 〈〈ここは帽子屋、君の願いが叶う場所!とっておきの帽子をどうぞ!〉〉 拡声器を用いて拡声された声が街に響いた。 それを聞いて、チェシャ猫は言う。 「そうだ。帽子も必要だね」 それと同時に、先ほどから聞こえていた声の主がぱたぱたと走ってきた。 「あ、チェーシャねーこさぁーん!」 |
アリカ | 9/19 15:28:58 | 1241cfFGnEWa96mOM||434 | ||
「明日、少し遠くまで出かけてみない?この国のいろんな所を巡る旅に。もしかしたら、君の記憶を取り戻す手伝いになるかもしれない」 「へえ、面白そうね。行ってみたいわ」 「それじゃあ、明日行こうね。・・・なにが必要かな・・・」 チェシャ猫が呟いたときだった。 〈〈ここは帽子屋、君の願いが叶う場所!とっておきの帽子をどうぞ!〉〉 拡声器を用いて拡声された声が街に響いた。 それを聞いて、チェシャ猫は言う。 「そうだ。帽子も必要だね」 それと同時に、先ほどから聞こえていた声の主がぱたぱたと走ってきた。 「あ、チェーシャねーこさぁーん!」 チェシャ猫は小さく手を挙げて返す。 「やあ」 |
アリカ | 9/19 15:30:0 | 1241cfFGnEWa96mOM||654 | ||
すいません、とりあえず↑は無視の方向で・・・ |
アリカ | 9/19 15:30:55 | 1241cfFGnEWa96mOM||954 | ||
走り寄って来た少年は、アリスに目を留めた。 「あれぇ?アリスさんも御一緒ですか?」 「え?」 全く見覚えの無い目の前の少年に、アリスは首を傾げる。 「ん?あれ?人違いでしたか?」 少年も首を傾げた。 アリスの代わりにチェシャ猫が答える。 「いや、あっているよ。ただ・・・」 「ただ?」 チェシャ猫は言いにくそうに口ごもった。 「ちょっと記憶喪失でね」 |
アリカ | 9/19 15:31:22 | 1241cfFGnEWa96mOM||393 | ||
「・・・、はい?」 少年がぽかんと口を開ける。 「記憶喪失って・・・アリスさんが?」 「うん」 「え・・・ええええええええええええええええ!!?」 少年の叫びは蒼穹へ吸い込まれていった。 + |
アリカ | 9/19 15:31:51 | 1241cfFGnEWa96mOM||500 | ||
「本当に?ほんっとうに何も覚えてないんですか?」 少年が身を乗り出してアリスに迫る。 アリスは反射的に座っていた椅子を引いた。 「え、ええ・・・」 「えぇー、うわぁ、記憶喪失なんて本当にあるもんなんですねぇ・・・」 「こらこら、そんなことを言ってはアリスに失礼だよ。 ようこそアリス。ゆっくりしていくといい」 紅茶を運んできた帽子屋の主は微苦笑を浮かべて言う。 「あ、ありがとう」 アリスは何となく、少年と帽子屋の立場が逆だなぁ、と想いながら礼を言って軽くお辞儀をした。 普通は、少年が紅茶を持ってくる立場なのではないだろうか? 「・・・あ」 |
アリカ | 9/19 15:32:19 | 1241cfFGnEWa96mOM||221 | ||
これも、チェシャ猫が言っていた〔不思議なこと〕なのだ、と気付く。 〔普通は〕。この〔普通〕は誰にとっての〔普通〕なのか。どうして、アリスにとってそれが〔普通〕なのか。どうして、アリスはそれが〔普通〕だと知っているのか。 (だめ、なんだか混乱してきた) 「ん?どうした、アリス?」 チェシャ猫の声で、アリスは我に返った。慌てて口を開く。 「な、なあに?」 「いや、随分ぼやっとしているみたいだったから・・・。大丈夫?」 「ええ、わたしは大丈夫だわ」 そう?ならいいけれど。そう頷いてチェシャ猫は紅茶に口を付けた。 |
アリカ | 9/19 15:32:40 | 1241cfFGnEWa96mOM||230 | ||
「あ、ねえねえアリスさん」 少年が不意に身を乗り出してアリスに問いかける。 「なあに?」 「ここには帽子を買いに来たんですよね?」 「ええ」 「じゃ、今から一緒に選びましょうよ!ここには絶対に〔アリスさんに似合う帽子〕が無いなんて事はありませんから」 焦げ茶色の瞳をきらきらと輝かせて少年は捲し立てた。 アリスはその勢いに多少押され気味になりながら、ちらりとチェシャ猫を見遣った。 「それはいいね。アリス、ぜひ行っておいで」 チェシャ猫は笑う。 |
アリカ | 9/19 15:33:1 | 1241cfFGnEWa96mOM||328 | ||
アリスはしかし、不安げに言った。 「でも、わたしお金をもっていないわ」 「アリス相手にお金など取らないよ」 帽子屋も微笑する。 少年はそして、楽しそうに言った。 「じゃ、決まりですね!ささ、行きましょ行きましょ」 「いってらっしゃい、アリス。終わったら言ってね」 「必ずアリスの満足する帽子が見つかるから、ごゆっくり」 「え、ええ」 「アリスさん、はやくはやく」 なかば引っ張られる様にしてアリスは帽子の売っているところへ歩く。 歩きながら、アリスは奇妙な違和感を覚えていた。つまり、 〔この人たち、前からこうだったかしら?〕 |
アリカ | 9/19 15:36:28 | 1241cfFGnEWa96mOM||45 | ||
と。それは奇しくも、いちばん最初にチェシャ猫に対して抱いた物と同じ。 何かが、歪(ゆが)んでいるような。 何かが、歪(ひず)んでいるような。 何かが、歪(いびつ)な・・ような。 そんな感じ。 そんな、なんだか、不自然な、ような・・・ 今まで出会った記憶を失う前のアリスを知っているらしい人々の中で、3人。逆にいえば、何も感じなかったのはディーダムという黒い少年だけだ。 まあ、きっと気のせいよね。 そのときアリスは、そう思った。 + |
アリカ | 9/19 15:41:49 | 1241cfFGnEWa96mOM||204 | ||
To be continued・・・? 前回から読んで下っている方、どうもありがとうございます。 今回初めて読まれたかた、どうぞ前回も読んでやってくださいませ。たぶんわからないと思うので。 さて、ここでやっと一幕二場が終了しました。 いやあ、ながくなりそうですねえ。 前回から通して誤植がおおくてすみません・・・ これからもどうぞ、アリス達の冒険を飽きずに見守ってやってくださいませ。 |
アリカ | 9/23 16:6:10 | 1241cfFGnEWa96mOM||77 | ||
感想など、いただければうれしいですw(かなり遅 |
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