11017 | ひずみのくにのありす第一幕、三場 | アリカ | 10/1 18:7:27 | 1241cfFGnEWa96mOM |
浮かぶ、あなたのえがお。 「こんにちは、あたし傍観者。あたしパンドラ。あたし語り手。 ・・・あなたは?」 ・・・過去・・・ 第一幕、一場 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10975.html 第一幕、二場 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-10996.html |
アリカ | 10/1 18:8:2 | 1241cfFGnEWa96mOM||590 | ||
すいません、あした書きます・・・ |
アリカ | 10/2 17:45:39 | 1241cfFGnEWa96mOM||503 | ||
アリスが選んだのは、淡い水色のリボンのついた麦わら帽子。 「えーうわぁ、すっごく似合ってますよアリスさん!」 少年は手放しでアリスを褒め称え、帽子屋は微笑んで頷く。 「うんうん。とても良いよ」 チェシャ猫も笑った。 「とても綺麗だよ、アリス」 アリスは照れてうつむく。 「そ、そう、かしら?」 「うん」 チェシャ猫も帽子屋も少年もにこにこと笑っている。 アリスは少し顔を上げて言った。 「でも、これは高価なものでしょう?やっぱりただでもらうなんて・・・」 「アリス、きみはいささかこの帽子屋を見くびっているようだね」 |
アリカ | 10/2 17:46:5 | 1241cfFGnEWa96mOM||55 | ||
「そうそう、ここは世界一の帽子屋ですよ〜?」 「それに、その心配は〔兎月堂〕のときにするべきだったね」 「うう・・・」 立て続けに言われてアリスはうなだれる。麦わら帽子の庇が少し下がった。 「ま、それじゃあそろそろお暇しようか」 「おや、もう少し居ても良いんだよ?」 「そーですよ、まだ鐘も鳴ってませんし」 と。丁度少年が言い終わったとき。 「おや、鐘が鳴ったね」 「う」 席を立ったチェシャ猫に続いてアリスも立ち上がる。 「ありがとう。でもこれ以上迷惑を掛けるわけにはいかないわ」 「アリス、またいつでも来ると良いよ。そのときはもうひとりの店員にも顔を出させよう」 |
アリカ | 10/2 17:51:17 | 1241cfFGnEWa96mOM||323 | ||
帽子屋の言葉に、アリスが頷いた。チェシャ猫がそういえば、と口を開く。 「彼、〔からまわりレース〕で優勝したらしいね」 『それが違うんだよ。優勝したのは〔帽子屋〕の小倅だったのさ』 ここへ来る途中に、蜥蜴のような男に言われた言葉を思い出した。〔〔帽子屋〕の小倅〕というのが、いま帽子屋の言った〔店員〕なのだろう。 「ん?ああ」 「それじゃ、彼にもよろしく伝えておいてね」 「アリスさん、チェシャ猫さん、また来てくださいね」 少年が言う。アリスは笑って返した。 「ええ、また来るわ。必ず」 チェシャ猫の表情がこわばったことにアリスは気付かない。 |
アリカ | 10/2 17:51:38 | 1241cfFGnEWa96mOM||820 | ||
帽子屋は微笑を浮かべたけれど、彼は結局なにも言わなかった。 「・・・・・・、それじゃ」 彼にしては珍しく、にこりともせずにそう言って、チェシャ猫は踵を返す。 「さよーならー」 「またのご来店をお待ちしております、お客様」 少年は手を振り、帽子屋はくすりと笑った。 + |
アリカ | 10/2 17:52:3 | 1241cfFGnEWa96mOM||523 | ||
「・・・、アリス」 「なあに?」 「さっきの」 帽子屋から帰る途中。 チェシャ猫は少し怒っている様だった。 「え?」 「〔また来る〕なんて、果たせないかもしれない約束はしないほうがいい」 まさかそのことを言われるなんて思ってもみなかったアリスは首を傾げる。 「そのくらい・・・」 「じゃあアリスは何の事故にも遭わずに何の事件にも遭わずにまたあの帽子屋へ行けるなんていう確信があるのかな」 「でも、あれはただの挨拶みたいなものでしょう?もちろん、〔もう行かない〕なんて思っていないけれど」 |
アリカ | 10/2 17:52:44 | 1241cfFGnEWa96mOM||674 | ||
「アリスにとっては〔ただの挨拶〕でも、向こうにとってはそうじゃないかもしれないよ?」 アリスはチェシャ猫の静かな剣幕に押されて、歩く速さをゆるめた。 チェシャ猫はどうしてかひどく哀しそうに続ける。 「彼らは君を待っているかもしれないんだよ、アリス。」 「・・・・・・」 チェシャ猫は不意に立ち止まった。常に前を向いていた紅い瞳が、アリスを映す。 「一方的に待たされる気持ちを、君は、知っているの・・・?」 「!」 |
アリカ | 10/2 17:54:22 | 1241cfFGnEWa96mOM||811 | ||
ああ、と、思った。このひとも、誰かを。 待っているのかもしれない。 アリスはそのことに急に思い当たって、自分の軽挙を恥じる。記憶が無いからといって、その気持ちを推し量ることができない、わけでは、ない。 言葉や文字と同じように、それはこころの奥にのこっていたもの。 「ごめんなさい・・・」 アリスの言葉に、チェシャ猫はふと我にかえったように慌てて言った。 「あ・・・、ごめんね、責めるつもりでは無かったんだよ。えっとつまり、誰かと約束をするときはちゃんと」 くすり、と、アリスはチェシャ猫の言葉を遮って笑った。 できるだけ、いつもチェシャ猫が笑っているのと同じように。 |
アリカ | 10/2 17:55:0 | 1241cfFGnEWa96mOM||321 | ||
「大丈夫よ。ちゃんと、伝わったから。次からは気をつけるわ」 とりあえず、あの帽子屋には近い内にもういちど行かなければ、とアリスは思う。 「ごめんね?本当に・・・」 チェシャ猫が本気で申し訳なさそうにうなだれた。 「いいえ、わたしが悪かったんだもの、あなたが謝る必要はないわ」 アリスは言う。 チェシャ猫は少し笑った。 「・・・、ありがとう」 「どういたしまして」 おどけたようにそう言って、アリスは止めていた歩みを再開する。 「さあ、帰りましょう?」 「うん、・・・そうだね」 |
アリカ | 10/2 17:55:32 | 1241cfFGnEWa96mOM||725 | ||
チェシャ猫は笑った。 アリスも笑った。 橙色に染まり始めた空が、どこまでも広く彼女達を見つめていた。 + 「アリス?まだ眠っていなかったの?」 窓から顔を出したチェシャ猫がアリスに訊ねた。 「なんだか・・・ふしぎね」 それには答えず、アリスは夜空を見上げる。黒々とした空に、きらきらと星が光っていて、とても綺麗だ。 そんなアリスに気を悪くした様子もなく、チェシャ猫が笑った。 |
アリカ | 10/2 17:56:29 | 1241cfFGnEWa96mOM||540 | ||
「なにが?」 「まだ、わたしがここで目を覚ましてから一日もたっていないのよ」 「それは、そうだね」 「なのにもう何年も、あなたと一緒にここにいるみたいだわ」 たくさんの星を見上げながら、アリスは首を傾げる。 チェシャ猫も同じように空を見ながら言った。 「そう?そりゃ光栄だね」 「どうして?」 「だって、僕がアリスを導いたこの1日が、それだけアリスにとって濃かったって言うことでしょう?」 |
アリカ | 10/2 17:58:16 | 1241cfFGnEWa96mOM||155 | ||
「そういうことなのかしら」 「違うのかい?」 (なんだか・・・ふしぎね) お互いの顔を見なくても、相手がどんな表情をしているのかがわかる。 アリスはふ、と笑う。 「そうなのかも、しれないわ」 チェシャ猫も笑った。 ・・・第一幕 the end・・・ |
アリカ | 10/2 18:3:48 | 1241cfFGnEWa96mOM||212 | ||
こんにちは(orこんばんは、もしかしたらおはようございます?) これにてやっと、第一幕を終わらせていただくことが出来ました。 ここでこの物語は一区切りとなります。 実生活が忙しくなってきたのも相まって、この続きは「読みたい」と言ってくださる方がいたら、にしようと思っております。 そんな奇特な方がいらっしゃいましたら、どうぞレスしてくださいませ。 |
万貴 | 11/4 21:22:46 | 1161cfeu.A48nYKkk||11 | ||
いままでのレス全部読ませていただきました^^ すごくしっかりしている文章ですね〜 先がまだまだ気になります>< 続きを書いて頂けますでしょうか? 期待して待っております(^^)> |
アリカ | 12/2 15:27:54 | 2031cfHLlEWeYs/fo||934 | ||
万貴さま、こんにちは。 お返事ものすごく遅れて申し訳ありませんでしたっ!(土下座 万貴さまのおかげで、第二幕を書かせていただきました。 これからもどうぞよろしくお願いしますw |
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ![]() ![]() | ||||