戻る
11055__暗香__Kozue10/17 17:4:341166cff0qE2q3dAiY
テストがいよいよ明日から始まります。
こんなところで油売ってていいのでしょうか。

よくないでしょうが、まあいいとしましょう。
 

Kozue10/17 17:6:61166cff0qE2q3dAiY||137
 
 
 
 
   ――ねえアンコウ、あたしとあなたが出会った日は、朝から雨だったよね。
 
 
 
 

Kozue10/17 17:7:341166cff0qE2q3dAiY||905

 その日は朝から雨だった。

町を行く人々の横顔はどこか物憂げで、見ていて此方まで鬱々としてくるような、

いいことなんて今日は何一つないんじゃないかと思えるような、そんな陰鬱な日。
 
 
 
 
まさかこんな日に、絶対に忘れることの出来ない奇跡があたしに舞い降りるなんて、誰が想像できただろう。
 
  
 
 

Kozue10/17 17:12:51166cff0qE2q3dAiY||882
【Then The Story Began】

 初秋の冷たい雨に打たれて、あたしは不意に武者震いをした。

いつ止むともしれない雨にじめじめ暗い気持ちになりながら、

あたしは寂れた町の裏通りを、その場の雰囲気にまるで溶け込まない

蛍光ピンクの傘を指し、生徒が私を入れてたった4人しかいない個人塾へと

走って向かっていた。
 
 
 
そんなあたしに、不図誰かがぶつかった。

その反動で、あたしは思わずかさを落とす。

と同時に、塾のテキストを入れていた真っ白なバッグも地面へと落下した。

「あ……。」
 
小さな呟きが、あたしの乾いた唇から漏れ出た。
 

Kozue10/17 17:17:31166cff0qE2q3dAiY||330

 その白いバッグは、2ヶ月ほど前にとある雑貨屋であたしが勇気を振り絞って買った物だった。

値段は2500円。月に3000円しかお小遣いを貰っていないあたしにとって、

どんなに重大な決断だったか。
 
 
 
 それを、見知らぬ若い男に落とされ、汚された。

すぐにバッグを拾い上げるあたしをただ見つめる男に向かって吐いた言葉は、

自然と怒りの感情がちらつくものになった。

「ちょっと……どうしてくれるんですか?」

Kozue10/17 17:18:211166cff0qE2q3dAiY||722
 
 純白のバッグには泥水がかかり、持っていたタオルで拭いても、

それは心なしか茶色に変色したように見えた。

あたしは呆然とそのバッグを持ち、そして男を非難のこもった目で見つめた。

それでも男は答えない。それどころかちらりとあたしを一瞥した目はとても鋭く、

まるで狼のそれの様だった。
 

Kozue10/17 17:26:291166cff0qE2q3dAiY||58
 その目を見た瞬間、本能的に危険を感じた。

――この人はアブナイ……。

 あたしは反射的に目を逸らし、そして先程とはうってかわったような小さな声で

「な……何でもないです……。」

と呟き、急いでその場から去ろうとした。何か危険な目に遭うよりは、

ここは涙を呑んで引き下がるほうがよさそうだ。

よく見れば相手は見上げるような長身で、

完全にあたしは見下される格好となっていた。
 

Kozue10/17 17:32:91166cff0qE2q3dAiY||150
 こんな日もあるさとため息をつき、脱兎の如くその場から逃げようとした、その時だった。

驚くべきことに、ぶつかってきたその男があたしの手首を掴んだ。

殴られるかもしれない、蹴られるかもしれないという恐怖でその場に立ち竦んだあたしに、

その男は右手の人差し指であたしのバッグを指しつつ、低く静かな声で言った。

「ごめんな、それ。」
 

Kozue10/17 17:34:231166cff0qE2q3dAiY||433
 思いもかけない言葉に、あたしは当然驚いた。

まるで狼の様ないらつきを身に纏い、それでもどこか哀しげな男から、

そんな言葉が出るなんて。

 一寸拍子抜けしてしまったあたしは、ふうと大きくため息をついた。

そして微笑みながら彼に言った。

「いいですよ、もう。謝ってくれればそれでいいから。」

彼は安心したのか、あたしににっこりと笑いかけていった。

ようやくあたしの手首は彼の大きな手から開放された。

「よかった。許してくれなかったらどうしようかと思った。」
 

Kozue10/17 17:34:541166cff0qE2q3dAiY||52
 
 その声は優しげで、最初に聞いたときよりもずっと暖かかった。 

 
 そしてそれは、あたしの中で何度も反響した。
 
 

Kozue10/17 17:35:231166cff0qE2q3dAiY||171
 
 
 
 
       それがアンコウとの出会いだった。
 
 
 
 

Kozue10/17 17:40:471166cff0qE2q3dAiY||669
□■休憩TIME■□

こんにちは、Kozueです。
一部ミスりましたが。
まあそれはいいとして。
こうしてもう一度見るとあまりの自分の未熟さに泣きたくなります。
テスト前なのにこんなの書いてる自分にも泣きたくなります。
読んでらっしゃる方が一人でもいたらいいなあと思いつつ。
 

バルトーク10/21 17:1:252212cfBcsmysAsVME||781
こんにちわー
なぜに彼はあんこう、暗香、餡子ゥ。
やっぱりアンコウで思い浮かべるのは魚のアンコウですわ。
こう、深海魚ちっくな。思えば、深海魚みたいに不思議な魅力のありそうな男ですね。アンコウ。

テストの点数なんか気にしちゃいけません。英語で赤しかとれなくても何とかなるもんですから。ウン

Kozue10/22 16:13:141166cff0qE2q3dAiY||142
バルトークさま>
感想ありがとです^^
アンコウ…なんで名前付けたんだかわかんないですw(マテw
適当に、「よっし、アンコウでいいや、うん」みたいな感じでつけました。
でも自分の中のイメージではやっぱり深海魚ですね、ヤツは。

テスト終わりました。
いろいろな意味で。

超最強10/24 23:39:232219cfngGVtrI.y4A||36
文章上手すぎやってマジ!!!
小説家なれるでホンマ!!!
本出したら俺絶対読むもん!!
続き読みたいからかいてちょ^^

Kozue10/25 17:31:231166cff0qE2q3dAiY||588
超最強さま>
感想ありがとうございますm(__*)m
そんなにお褒めの言葉を頂き非常に恐縮です…(ノ∀`)
作家ですかあ…なりたいですねえ…w
本も出してみたいですねw

続きもがんばって書きますのでよろしくお願いします(´ω`)b

超最強10/25 18:1:322219cfngGVtrI.y4A||317
絶対Kozueさんなら作家なれると思います!!
がんばってください^^

Kozue10/26 17:23:171166cff0qE2q3dAiY||225
超最強さま>
2度のレス&応援ありがとうございますm(__*)m
恥ずかしくないよう精進してまいりますw

タカタカ10/26 17:41:291221cfZ0DKDPlWPn.||116
面白かったです。本当に小説家になれますよ

タカタカ10/26 17:41:381221cfZ0DKDPlWPn.||717
多分

Kozue10/26 19:30:251166cff0qE2q3dAiY||189
タカタカさま>
レスありがとうございますm(_ _*)m
これからも頑張りますので応援よろしくですd(ゝω・´)


本文(<>," shift+7使用不可)
 ※メルアドや電話番号を公表してはいけません、荒らしを批判するのは「俺が神掲示板」以外は禁止!
 
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ
無料ゲーム総合サイト: おもしろフラッシュ総合サイト: PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX