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11212超人戦争B−2バルトーク12/15 0:31:72212cfBcsmysAsVME
今回は―――どうなんだろう。と初っ端から首を捻ってます。
比較的試行錯誤してます。前回とは別物の可能性が大、これで続きものかよ!
だけどそれが俺クオリティ! と自らを納得させての投稿です。
読んでくれた人、ありがとうよー!

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A-2 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-11187.html
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過去 超人戦争16
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バルトーク12/15 0:34:42212cfBcsmysAsVME||608

 それは月の綺麗な夜の出来事だった。
 生き残りの傭兵連中がなんとか集結し、生きて帰ろうと誓い合って、これからの対策を練っていた矢先にそれは起きた。
「何者だ……こいつ」
 突然の襲撃者に追われる傭兵達。
 闇夜に紛れて迫る襲撃者から怪我人を逃がすように剣を振るっていたヨシュア・ナーベルは、自分が切った襲撃者の感触に思わず身震いをした。


バルトーク12/15 0:34:462212cfBcsmysAsVME||378

 そんな疑問を口にするも、周りに答える人間はいない。
 ヨシュアの隣で剣を振るっていたゲイブという名の顔見知りの傭兵は、既に襲撃者の拳に倒れていた。
「レンは無事に逃げた……みたいだな」
 ヨシュアは自分の連れのことを心配する。しかし、兄貴分のアレンやシャーンは信頼できるから大丈夫だろうと思い直し、目前の敵へと意識を集中させた。


バルトーク12/15 0:35:522212cfBcsmysAsVME||205
 
 その襲撃者を、ヨシュアは人間と思わなかった。まず体のバランスがおかしい。
 身長は、比較的長身であるヨシュアの1.5倍はあるだろうか。岩のようにゴツゴツした体表と、墓石のような灰色の皮膚。そして丸太のように太い手足を持っている襲撃者は、その強大な体躯に似合わぬ俊敏性をも備えていた。
 超人と言うのも躊躇ってしまうような、人をあまりにも外れた存在。


バルトーク12/15 0:36:92212cfBcsmysAsVME||845

 神話に登場する巨人族を連想させるような襲撃者は、闇夜に光る真っ赤な瞳でヨシュアを凝視する。目と目が合った瞬間、ヨシュアは何故か死を連想した。
 本能的に死を連想させるような不吉な存在は、ゲイブを殴り殺した拳を握り締め、ヨシュアへと化け物じみた殺気を放っている。「かかって来ないのか?」とヨシュアを挑発するように、ニカっと不器用に襲撃者は口端を持ち上げた。


バルトーク12/15 0:37:12212cfBcsmysAsVME||354
  
 その挑発に乗ったわけではないが、最初からヨシュアに戦う以外の選択肢などなかった。
 戦うからにはヨシュアはまだ死ぬ気は無く、自らが襲撃者を切り伏せるべく倭刀と呼ばれる長刀を構えた。
「はぁぁっ―――」
 気合を一声、ヨシュアは自らを夜の冷気と同化させるようにその神経を極限まで研ぎ澄まし、敵の気配を目ではなく気配で察知する。


バルトーク12/15 0:37:102212cfBcsmysAsVME||64

 先程二三合打ち合ったが、敵の攻撃は目で見て避けられる速度ではないとヨシュアは理解していた。
 そもヨシュアは夜目の利くほうではなく、あの速度で打ち出された拳ならば一撃で撃ち殺されても不思議ではなかった。
 それでも打ち合えたのは、ヨシュアが敵の気配に敏感であったからに他ならない。


バルトーク12/15 0:37:362212cfBcsmysAsVME||25

 殺気の塊のような拳は、当たれば岩をも砕くだろうし、スピードも繰り出された後では到底避けようがない。
 避けるならば、打ち出される前にその拳を察知しなければならないのであるが、そんな人間離れした行為は先見のスキルでもなければ到底不可能だ。
 しかしヨシュアは、驚異的な集中力によってそれを可能にしていた。


バルトーク12/15 0:38:222212cfBcsmysAsVME||656

 風を切るなどと生易しい表現ではなく、大気を服従させながら迫る拳をヨシュアは僅かに右へと動いて回避する。
 完璧に軌道を読んでいなければ不可能な動きを、易々とヨシュアはやってのけた。
「ぐぅぅ……」
 人間離れした巨体の襲撃者が、自分の拳が命中さえすれば一撃で砕ける虫けらのような相手を忌々しげに睨みつける。
「ぐぉぉぉっ!」
 夜の静寂を切り裂く雄叫びを上げて襲撃者は拳を振り上げるが、その動作はヨシュアにしてみればあまりにも単純な動きだった。


バルトーク12/15 0:38:592212cfBcsmysAsVME||987

「おいおい……アレンだったらもう少し気が利いているぞ。化け物、貴様は隙だらけだ」
 絶体絶命の状況において、ヨシュアは余裕げにも見える笑みを浮かべながら、今まで見たこともないような構えを取った。
 倭刀を下段に構え、すっと目を閉じる。
 それはあまりにも自然な動作で、戦場において敵意さえ微塵も感じられない。
 自然体のそれは、全く抵抗の意思がないように見える。
「ぐぉぉぉぉぉっ!!」
 しかし襲撃者は野生の感で何か不吉なものを感じたが、その驚異的な勢いの拳を途中で止める術を襲撃者は持っていなかった。


バルトーク12/15 0:39:432212cfBcsmysAsVME||906

 拳がヨシュアを砕こうかという直前、ヨシュアは閉じていた目をカッと見開いた。
「お前はこれで終わりだ――――沈め!」
 静かに告げられた死刑宣告。
 フッとヨシュアの気配が消えて、襲撃者は戸惑った。
「ぐがぁぁぁ!!」
 標的が存在しないのだから、当然のように繰り出された拳は空を切って地に穴を穿った。残されたのは夜の静寂と月明かりなど問題にしないような静かな闇だけ。


バルトーク12/15 0:40:162212cfBcsmysAsVME||421

 襲撃者は闇に一人囲まれた中で、普段は味方するはずの闇が今は敵意を向けているように感じられた。
「ぐぅぅぅぅ……」
 夜目が利く襲撃者は夜戦において圧倒的なアドバンテージを得ることができるが、今の襲撃者にはその優位性を望むべくもなかった。
 敵を感知できない恐怖。
 そこでやっと、襲撃者は自分が相手にしていた男はただの剣士ではなく超人であったことに気が付いた。
 ぎりぎりまで能力を隠し、最大のチャンスに必殺を叩き込む。
 それがヨシュア・ナーベル本来の戦術であった。


バルトーク12/15 0:40:512212cfBcsmysAsVME||231

 キンっと刀が滑る甲高い金属音が林に響き、襲撃者は見えない敵に恐怖する。
「捉えられるか……この俺を。気が付かないうちに死んでいけよ、影絶閃!!」
 虚空から響く声が耳に届くか届かないうちに、襲撃者は腕に鋭い痛みを感じた。
「ぐぁぁぁ!!」
 闇雲に腕を振り回しても、それはヨシュアを捉えることなどない。
 剣線が闇夜に瞬き、幾重もの傷をその身に刻む。気が付かぬうちに影を絶つような一閃、それこそがヨシュアの必殺、影絶閃であった。


バルトーク12/15 0:41:152212cfBcsmysAsVME||65

「硬いな……本当に化け物か?」
 普通ならば十回は殺しているはずの数を叩き込んでいるにも関わらず、襲撃者は未だに倒れる様子は見せなかった。
「ぐぁぁぁぁ!」
 そして繰り出される拳は既に闇雲ではなく、的確にヨシュアの位置を掴んだ上で繰り出されている。
 気配遮断での攻撃は集中力を大きく使うためそう長く続けられるものではなく、徐々にヨシュアは劣勢に立たされ始めていた。


バルトーク12/15 0:41:522212cfBcsmysAsVME||633

 ヨシュアはふとすれば集中力が途切れてしまいそうな状況に歯を食いしばり、必死に気配遮断を維持しながら刀を振るった。
「うぉぉぉぉっ!!」
 既に何十と打ち込んでいるはずの必殺を期した一撃は、ことごとく襲撃者の岩のような体表に効果を成さない。
 しかしヨシュアは他に何が出来るだろうか。
 一個小隊を率い殿(しんがり)を自ら買って出たのは、兄貴分であるアレンやシャーンなら自分以上にレンの面倒を見てくれると思ったからだ。
 だから彼らに負傷者を任せ、ヨシュアはここに残った。
 そして今、動けるのは自分だけ。


バルトーク12/15 0:42:232212cfBcsmysAsVME||548

「レン、お前は幸せにならなきゃならない。その為には―――俺の近くにいちゃいけないんだ」
 噛み締めるように呟くその言葉は、自らを傷つける刃だった。
 ヨシュアとて、今の状況ではいけないと分かっているのだ。しかし自分自身で状況を変える勇気はなかった。
「こうでもしないと、俺はお前と離れられないらしいからな」
 殿として残るに当たって、ヨシュアは薄々と死を覚悟していた。
 自分がいてはレンの為にならない、自分がレンにとって何者であるのか……それをレンが知ったとき、レンは自分を許すのか?
 ヨシュアが抱えるその疑問の答えは、考えて出るものではなかった。


バルトーク12/15 0:43:52212cfBcsmysAsVME||193

 答えを出そうとするのなら、事実を明かすしかない。しかしそんな勇気は、ヨシュアにはなかった。
「俺は臆病者……なんだろうな」
 ぐっと倭刀の取っ手を握り締め、振りかぶる。
「ぐぁぁぁぁ!」
「なッ―――」
 大気を渦巻かせながら今までにない正確さで迫った拳が、ヨシュアの顔面をほんのわずかにかすった刹那、ヨシュアは木の幹まで一気に吹っ飛ばされた。
「がはぁ―――!」
 ドスっと背中から勢いよく激突し、肺が一時的に機能を止める。
 がんがんと響く痛みが全身をがんじがらめにして、ヨシュアは思うように立ち上がることが出来ない。


バルトーク12/15 0:43:362212cfBcsmysAsVME||91

「……ぐへへへへ」
 虫けらを見るような目で襲撃者はヨシュアを見下ろしているが、ヨシュアにはどうすることもできなかった。
 意識が混濁し、視界さえ定まらない。
 かすっただけの拳は、ヨシュアの三半規管を一時的にではあるが、ほぼ麻痺させていた。

 襲撃者の巨岩のような拳が振り上げられるが、ヨシュアにはそれを防ぐ手立以前に、自らが死の直前にいることさえうまく認識できていなかった。


バルトーク12/15 0:44:192212cfBcsmysAsVME||457

「ぐぎゃぁぁぁあ!」
 しかしその拳が、ヨシュアに振り下ろされる事はなかった。
 襲撃者へと突き刺さっている一本の弓矢―――それは一本であろうと、打ち込まれた側には百本にさえ感じる魔弓から打ち出された弓矢であった。
「ヨシュアさん―――無事ですか!!」
 暗闇から現れたのは、額に大きな止血布を張ったレン・アズールだった。
「この化け物、ヨシュアから離れねぇか! シャーン、援護任せるぞ」
「言われるまでもないよ!」
 レンに続いて一組の男女が躍り出た。


バルトーク12/15 0:45:42212cfBcsmysAsVME||617

 アレン・マーダーとシャーン・マーダーの二人。
 生き残りった傭兵達の中でも群を抜いた実力を持つ夫婦であり、ヨシュアの兄貴分にあたる二人だった。
「ぐぉぉぉっ!」
 襲撃者は不意を撃ったレンの与えたダメージが尾を引いているのか、どこかしら動きがぎこちない。
 そこへと繰り出されるマーダー夫妻のコンビネーション。
「「はぁぁっ!」」   
 打ち出された氷塊が襲撃者へと張り付き、動きを封じる。


バルトーク12/15 0:45:472212cfBcsmysAsVME||230

 そこへと打ち出されたのは、炎の槍と化したアレンの貫手であった。
「ぐぉぉぉぉおぉぉぉっ!!」
 炎槍貫手と呼ばれるアレンの必殺は、炎拳の能力を肘まで拡大したものであり、炎拳の能力の範疇を大きく越えた技である。
 そんな炎の槍に左胸を貫かれた襲撃者は、さすがに生きているはずは無いのだが―――。
「ぐぅぅぅぅ!!」
 襲撃者は苦しそうに歯を噛み締め、顔を歪めながらもまだ動いていた。
「ウソだろ、オイ!」
 咄嗟に後方へと離脱したアレンは、襲撃者の拳をすれすれで避け、冷たい地面を転がった。
 自分たちに勝ち目がないないとアレンは悟る。必殺が防がれた今、いたずらに体力を消費するのは避けるべきだ。


バルトーク12/15 0:47:22212cfBcsmysAsVME||630

「こっちが不利だ。さっさと離脱するぜ!!」
「アンタはヨシュアを担ぎな。レンはありったけの矢をこの化け物に打ち込むんだ!」
 シャーンが氷塊を打ち出し、レンは幻想魔弓を使って必死に襲撃者を足止めする。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 二人が全力で行っているその攻撃は大してダメージを与える様子もなく、多少の足止めにしかなっていない。
「まったく、化け物かいこいつは!! アレン! ヨシュアを早く」


バルトーク12/15 0:47:142212cfBcsmysAsVME||855
 
「分かってる!」
 その隙にアレンは慌てず的確に、自分だけで立ち上がれないヨシュアへと肩を貸す。
「アレン……すまない」
「なぁに、いいってことよ。うっし、さっさと逃げるぜ」
    
 シャーンが襲撃者へと特大の氷塊をぶつける。
 その隙に一行は、地面を転がるようにして、必死に戦場を離脱したのだった。
 

バルトーク12/15 0:47:542212cfBcsmysAsVME||670

 四人はどれ程走っただろうか。
 最初に根を上げたのは、ヨシュアに肩を貸しているアレンだった。
「ちょっと待て……もう、無理だ」
 よろよろと徐々にペースを落とし、ついにはバタっと剥き出しの地面に腰をつく。
 その際、さりげにヨシュアを静かに座らせてやることを忘れなかった。
「たくっ、情けないねぇ。男の癖に」
「男女差別は止めろよ。それにレンだって無理してるだろ」
 その言葉にシャーンは「えっ」とレンを見やる。


バルトーク12/15 0:48:232212cfBcsmysAsVME||733

 レンは一見して平気そうだが、医術をある程度収めているシャーンにとって、レンが無理しているのは明白だった。
「まぁ……あの状況で気が付かないのは仕方ないわな」
 気まずそうに顔を伏せたシャーンへ、アレンがフォローを入れる。
 一つのことに熱中すと周りが見えなくなるシャーンを、アレンがフォローするのはこの夫婦ではよくあることだった。

 

バルトーク12/15 0:48:502212cfBcsmysAsVME||657
 
「だけど……なんで戻ってきたんですか?」
 ヨシュアがその二人へと向って、詰問するような厳しい口調で問い掛けたが、その言葉は言外に「死ぬ気であったのに何故止めたのか?」とも問っているようだった。
「まぁ、レンに泣きつかれちまってなぁ……残りの奴らをウォームに任せて俺たちは戻ってきたんだ」
「レンが……」
 ヨシュアが意外そうに、シャーンに抱えられているレンを見た。
 歳相応の明るさはなく、小さい頃から戦場を経験してきた冷徹な人殺しの目が、今は熱に浮かされたように虚空を彷徨っていた。


バルトーク12/15 0:49:112212cfBcsmysAsVME||787

 そのレンを、シャーンが抱えるようにして寝かしつけている。
「たく……この子は動ける体じゃないんだけどね。そんな体でもアンタを助けたかったんだろうさ、アレは一人でも行きかねない勢いだったよ」
「だけど、俺はこいつの側にいられる人間じゃない」
 ヨシュアは苦いものでも吐き出すようにそんなことを言ったが、それを聞いたシャーンは心底意外そうな表情をした。


バルトーク12/15 0:49:372212cfBcsmysAsVME||193

「何でまた? アンタはレンの命の恩人だし―――あまつさえ父親じゃないか」
「だけど俺はレンを戦いに巻き込んで……こいつに魔弓の才能があると分かった時点で、何の疑問もなく戦力に使った」
 ぐっとヨシュアが拳を握り締めた。
 そう、紛れもなくレンはヨシュアの血の繋がった息子である。その親子の出会いは、ヨシュアが組織していた小さな傭兵団が襲った山間の村でだった。
 母親は既に死んでおり、一人で暮らしていたレンを見所があるとして、ヨシュアが引き取ったのが五年前である。


バルトーク12/15 0:50:192212cfBcsmysAsVME||629

 それから魔弓に適正があることが分かり、ヨシュアはレンに弓兵としての知識を教え込んだ。その様子は傍から見ると、まるで本物の親子のようであったらしい。
 しかしレンから経歴を聞き出すうちに、ヨシュアはこの子供の正体に気がついていった。
 それが確信に変わったのは、つい一年前のことである。


バルトーク12/15 0:50:502212cfBcsmysAsVME||765
 
「俺はこいつを戦いの道具に使った、だから恨まれても仕方なんですよ。誰だって実の父親に戦いの道具に使われたら、恨まずにはいられないでしょう? 俺はそれが恐いん―――」
 話の途中のヨシュアを、アレンがバキっと手加減なく殴り飛ばした。
 完璧に不意打ちであったそれは、ヨシュアを再び木の幹へ思いっきり叩き付ける。


バルトーク12/15 0:51:22212cfBcsmysAsVME||286

「馬鹿か? レンがそんなことでお前を恨むタマかよ。自分の息子を見損なうなよ、ヨシュア!」
「アンタに……何が分かるって言うんだ!」
 口内が切れたのか、ヨシュアがぺっと血を吐き出すとアレンへ殴りかかった。
「俺はこいつに何をしてやれるっていうんだ、父親として何もしてやれなかった! 息子だってことに何年も気が付かなかったんだぞ。それを今更どう説明しろってんだよ!!」
 繰り出されるヨシュアの拳を、アレンが手の平で受け止めた。


バルトーク12/15 0:51:272212cfBcsmysAsVME||316

「だからなぁ、レンはとっくに気が付いてるんだよ。あいつが俺たちになんて言ったと思う? 父さんを助けてくれ だってよ」
「へ?」
 アレンが言った言葉の意味が分からない、とでも言うようにヨシュアが間の抜けた反応をすると、すかさずアレンの拳がヨシュアへとめり込み「はぶぅっ!」とヨシュアが再び吹っ飛んだ。

「レンはとっくにお前がオヤジだって気が付いてんだ……そうだろぅ、狸寝入りなんか辞めちまえ」
「ちょっとアンタ―――」
「―――アレンさん。言わないって、約束したじゃないですか」
 シャーンが止める間もなく、レンが起き上がった。
 その静かな瞳には、見たこともない複雑な感情が渦巻いている。


バルトーク12/15 0:51:482212cfBcsmysAsVME||501

「ヨシュアさん……」
 レンがヨシュアへと駆け寄る。
 なんとか体を起こしたヨシュアは、レンの目を正面から見れなかった。
「レン。お前は―――」
「知ってました。お母さんが言ってた人に、ヨシュアさんがそっくりだったから」
 その言葉に、ヨシュアは信じられないと目を見開く。
「てことは……お前は最初から知ってたのか」
「最初は確信を持てませんでした。だけど、分かりますよ」
「冗談だろう。なぁ、ミリーは俺を……」
「恨んでなんかいませんでしたよ、恰好よくて立派な人だって。ヨシュアさんはその通りでした」
 その言葉に、不覚にもヨシュアは「ぅ……」と嗚咽を漏らし、拳で目元をごしごしと拭った。


バルトーク12/15 0:52:92212cfBcsmysAsVME||801

『おいレン、ヨシュアさんじゃねぇだろ』
 とそんな事を、コソコソと歩み寄ってきたアレンが耳打ちする。
 その言葉にレンは大きく頷いて、嗚咽を漏らすヨシュアへと更に追い討ちをかけるように言葉を続けた。
「えっと……とぅ……父さん」
 その言葉が、ヨシュアの最後の防衛線を崩壊させた。
 ヨシュアの男泣きしながらレンを抱き寄せ「この仕事が終わったら、ミリーの墓参りにも行こう」などと言っている。
「父さん、ちょっと痛いよ……」
 などと言っているレンも、まんざらではなさそうだ。


バルトーク12/15 0:52:512212cfBcsmysAsVME||897

 それを見ていたアレンは
「シャーン、子供っていいんだよなぁ。俺たちも……」
 とシャーンの肩へと手を伸ばす。
「まぁ、あと数ヶ月の辛抱さね」
「へ……?」
「いや、こんな仕事だろう。アンタに言ってなかったの悪かったと思うけど……この仕事が終わったらきちんと言うつもりだったんだよ」
「まさか……」
 ふるふるとアレンは、信じられないと腕を震わせている。


バルトーク12/15 0:53:582212cfBcsmysAsVME||919

 それとは対照的に、シャーンはすくっと立ち上がって照れ隠しに明後日の方向を向く。
「ま、まぁ……あと数ヶ月経てば元気な子を抱かしてやるよ」
「ははは……シャーンっ最高だ!! 俺はお前を愛してるぜ!!!」
 赤面している顔を隠すように明後日の方向を向いていたシャーンは、抱擁しようと腕を広げたアレンの行動に反応できず、その筋肉質な腕の中にすっぽりと収まった。
「あ、あんた……」
 炎手を使いやや熱の残るその腕は、シャーンにとって小さい頃から慣れ親しんだものだ。


バルトーク12/15 0:54:232212cfBcsmysAsVME||148

 腕相撲で勝てなくなったのはいつ頃からだろうか―――などと取りとめのないことを考えるが、浮かび上がってくる思い出はどれも幸せで、シャーンにとっては宝物のようなものだった。
 少しだけなら、このまま抱かれていてもいいか……などと思っていたシャーンだったが。
「いやぁ、最近太ったと思ったらそれだったんだな」
 などというアレンの言葉に、シャーンは先程の気持ちを全否定した。
「アレン……いつまでこうしてるつもりだい、このバカぁー!」
「ぎぃゃぁぁぁ―――なぜにぃぃぃぃ!?」
 細かい氷塊の全方位射撃。
 それはアレンへと全弾命中し、夜が明けるまでアレンの意識を刈り取ったのだった。  
  

バルトーク12/15 0:56:42212cfBcsmysAsVME||640

/*/

 まだ夜明けぬ森を彷徨う襲撃者。
 アレンが炎手によって穿った穴は既に塞がっていた。恐るべき再生能力である。
「ぐぅぅぅぅ……」
 獲物を求めて彷徨う襲撃者の眼前に、突如異変が起きた。
 闇が形を成していくのだ。徐々に闇の濃い部分が胎動するかのように蠢き、それは数秒と経たずに人の形を成す。
 それはこの世の技では無く、この世よりも深い闇が支配する世界―――魔界の技であった。


バルトーク12/15 0:56:492212cfBcsmysAsVME||978

 体の底から不快感を引きずり出すような声が、襲撃者の脳内に木霊した。それに襲撃者は毎度の事ながら身震いをする。
 慣れようと思っても、慣れれるものではなかった。
「ウォロン、傭兵どもは始末できたか?」
「ぐぅぅぅぅ」
 ウォロンと呼ばれた大男が首を横に振る。
「ふむ、相変わらず役に立たぬな。人の頃より無能であったが……化け物となっても無能とは。まぁいい、城に戻れ」
「ぐぅぅぅぅ」
 低く唸る人外は、かつて百戦錬磨と唄われた金の大将軍ウォロン・ベリーニンである。
 しかし彼は部下を見誤った為に、魔の術によってこのような人外へと身を落としてしまった。


バルトーク12/15 0:57:02212cfBcsmysAsVME||739

「ぐぁぁぁぁっぁあぁ!!」
 ウォロンが怨嗟を込めて咆哮する。その怨嗟は自分をこのような姿に変えたかつての部下。
 先程の影を操っていた人外―――。

 “魔人シャドー”へと向けられていた。


 B-2 fin


バルトーク12/15 0:57:512212cfBcsmysAsVME||962

超人リスト      
 
NO2 アレン(男)
出身 不明
所属 傭兵
技能 格闘L2
   指揮官L1
能力 炎拳

能力評価 C−
戦闘評価 B−
総合評価 C+


NO3 シャーン(女)
出身 不明
所属 傭兵
技能 射撃L1
能力 氷塊操作

能力評価 D+
戦闘評価 C
総合評価 C−


NO4 ヨシュア(男)
出身 不明
所属 傭兵
技能 剣技L2、指揮官L1
能力 気配遮断

能力評価 C−
戦闘評価 B
総合評価 C+

      
NO5 レン(男)
出身 不明
所属 傭兵
技能 射撃L2、魔弓耐性L1 
武装 幻想魔弓ポロネズ(魔弓L1)

武装評価 C−
戦闘評価 C
総合評価 C−


バルトーク12/15 0:58:02212cfBcsmysAsVME||759

NO10 ウォロン・ベリーニン(魔)
出身 金の国
所属 金の国
技能 防御強化L2、自己再生L2、格闘L2
武装 素手

武装評価 E−
戦闘評価 A
総合評価 B+


バルトーク12/15 1:0:232212cfBcsmysAsVME||597

世界観説明 其の二
この大陸の国々、現在

この大陸には木火土金水の五行にちなんだ五カ国が存在している。
北西の赤の国。北東の青の国。南西の橙の国。南東の緑の国。中央の金の国である。
各国は王が治めており、ここ数百年は戦争らしい戦争は起こらなかったが、数年前に金と赤の間で戦争が勃発。
結果、赤の勝利に終わった。
その裏には各国の思想や、宗教団体である聖十字会の思想が絡み合っているといわれている。
現在、赤と金を中心に各国代表の間で金の処置が決められている最中である。


バルトーク12/15 1:4:302212cfBcsmysAsVME||516

後書き
長いです、馬鹿みたいに長いです。
読んでくれた方はホントにありがとう。クオリティが長さについてけばいいんだけどなぁ……

ホントは戦闘パートがここまで長くなる予定は無かったんですが、書いてると楽しいんだこれがww
えっと―――ヨシュアとレンの年齢差は秘密です。モロ後付け設定なのは言わないお約束。
いつかヨシュアの過去の話でもやろうかなーとか。

魔人シャドーは今回の黒幕。というか魔族が全ての原因、と安直な終着点を見出しつつあります;
次回は物語の真相へと一番近いCルートな予定なのです!!懐かしい人も出てきます(多分

りゅ12/15 18:49:252184cfAU0jy/xyg/w||203
こんばんは〜
なんかこう知らぬ間にプレゼントまで贈っていただいてありがとうございます。
あー・・・なんかこう上には上がいるな〜・・・と。
こんなに再生能力って強かったっけ〜・・・
つかシャドーさん恐ろしいよ。マッドサイエンティストだよ。
ああもうさっさとアオイさんに倒してもらわないと大変ですよ。傭兵団壊滅ですよ。
ああもうわけわかんなくなってきたのでそろそろ失礼。
最後に。妊婦さんが戦場にでるな。めっさ危険だぞ。

りゅ12/15 20:4:242184cfAU0jy/xyg/w||561
プレゼントのささやかなお返しとしてアイテムを贈らせていただきました。
自分にはあまり必要の無いものですので、気に入らないようでしたら売るなり捨てるなり好きにしてください。
ただ、返却だけはご勘弁を。

バルトーク12/15 21:34:232212cfBcsmysAsVME||696
りゅさんこんばんわーってヌォォォォォオォォォォΣ( ̄□ ̄/)/
プレゼントのお返しって、すんごい高価な物が送られてきてびっくりしました。ぐぅぅ、ではありがたく頂いちまいますよ!? もう返せって言ったって返さないからなーww

ウォロンは多少強くしすぎたかなーってな感じがあります。もう本編が迷走中です。
次回こそは持ち直そうと思ってるんですが、却って悪い方向にいってる気が。
ああもう、俺もわけわかん無くなってきたよ!
シャドーさんは現段階で最強のです、果たして倒せるのかー!?
シャーンはアレンが守ってくれるから大丈夫! なんか死亡フラグが立ってる感じがするけどそれは気のせいさ♪……ウン
でわっ!


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