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11380ひずみのくにのありす第二幕、四場アリカ2/21 17:25:332031cfC8aCbRy6QmY

はぐるまの、きしむおとがきこえる


・・・過去・・・

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アリカ2/21 17:26:42031cfC8aCbRy6QmY||73
歯車の軋む音が何処からか聞こえる。
金色の髪と青色の瞳を持つ彼女は、石とも木とも紙ともつかないスクリーンに映し出された一組の男女を見ていた。
何処か含んだように、それでも無邪気に笑う少年と。
何処か戸惑ったように、それでも微笑む金髪の少女。
「どうして・・・?」
どうして?そう、彼女は問う。画面の中の少女に。
「どうしてあなたがアリスなの・・・?」
囁くような声は歯車の軋む音に紛れて消えた。

                +

アリカ2/21 17:26:342031cfC8aCbRy6QmY||569
「じゃあ、もしもはぐれてしまったときは?」
「そのときは、あの鐘が目印になるよ。あそこを目指すことにしよう」
「・・・って」
 アリスはどこかも解からない森のなかで、ぐったりとうなだれた。
「いきなりはぐれてしまったわ・・・」
 帽子の庇が僅かに下がる。
 その瞬間に、背後から声がかかった。
「・・・〔アリス〕・・・・・・?」
「え?」
 黒い瞳、黒い髪、大人びた美貌。
 ディーダムと呼ばれた少年がそこにいた。

アリカ2/21 17:26:532031cfC8aCbRy6QmY||85
「え・・・っと、あの」
 しどろもどろになりながらアリスは言葉を探す。
 思い出したのは、最初にあったときの凍ったような瞳。
(でも・・・)
「どうして、きみがここに・・・?」
 呆然とアリスを見つめる瞳に違和感を覚えた。
初対面の時とはだいぶ印象が違うような、気がする。
 何となくあの怜悧な空気が薄れている・・・、ような。
「えっと、わたし、まよってしまって・・・」
「まよって、・・・って」
 信じられない、というかのようにディーダムは目をみひらく。
「きみが・・・?〔紅〕はどうした?」
 〔紅〕っていうのは確かチェシャ猫さんのことよね、と何とか記憶を探った。

アリカ2/21 17:27:192031cfC8aCbRy6QmY||386
「ええと、はぐれてしまって・・・」
「〔はぐれてしまって〕・・・?ここにきたって?」
 彼が何をそんなに驚いているのか解らずに、とりあえずアリスは訊かれたことに答えることにする。
「ええ」
「そう・・・」
 ディーダムが、静かに呟いた。
「これも、森の導きか・・・」
「え?」
「いいや?なんでもない」
 そのことばも気になったが、アリスにはもっと気になることがある。
「それで、ここはどこかしら?」
「・・・、ここは神の森。〔神語りの森〕」
「かみかたりの、もり・・・」
「そう」

アリカ2/21 17:27:422031cfC8aCbRy6QmY||218
 ディーダムは満足したようにうなずいた。
 アリスは首を傾げる。
「わたし、鐘のところへいかなければいけないの。どうすればいい?」
「鐘・・・ああ、月うさぎのところか」
『月うさぎの鳴らした鐘が、一回二回ということ?』
チェシャ猫の言葉を思い出した。
「ええ、多分」
「ふうん・・・、ねえ、〔アリス〕」
「なあに?」
「〔ここは、とても、暑いね〕」
「?ええ、そうね」
 たしかに、木々で日が陰っているわりには暑い。

アリカ2/21 17:28:162031cfC8aCbRy6QmY||99
暑い?
 とても暑い。
〔暑い〕と考えるとまた気温が上がったような気がした。
暑い。暑い、暑い。
そう認識するたびに、気温が上がっていくような気がする。
暑い、暑い、暑い。
暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い――――――


アリカ2/21 17:28:452031cfC8aCbRy6QmY||157


「ね、〔アリス〕?〔ここは、とても、涼しいだろう〕?」

 ディーダムは笑った。

「・・・、あら?」
「ん?どうしたんだい、〔アリス〕」
「あつく、ない・・・」
「そう」
「え?」
 アリスは首を傾げる。
「わかるかい?ここでは、〔認識〕は〔現実〕になる。まあ、ここでなくても同じようなものだけど」

アリカ2/21 17:29:92031cfC8aCbRy6QmY||789
「同じ?」
「そうだろう?」
 ディーダムはふと真顔になって言った。
「ひとは信じるものしか見ようとしない。信じるものしか認めようとしない」
 ねえ、と。
 ディーダムは笑った。
 ディーダムは嗤った。
 その笑顔が何だか急に恐ろしくなって、一歩後退る。
「そして、僕の言葉には〔力〕がある」
「ちから・・・?」
「そう、一種のカリスマ性みたいな」
「かりすませい・・・?」
「ああ、もしかして解らない?」
 笑いながら発せられたその言葉になにか嘲りのようなものを感じて、アリスはディーダムをにらみつけた。

アリカ2/21 17:29:482031cfC8aCbRy6QmY||971
「人の無知を笑うのは最低の所行だわ」
「ああ、これは失礼。別に君のことを笑ったわけじゃないんだ」
「どういうこと?」
「〔紅〕の君に対してのスタンスが解ったような気がしたんだよ」
「す、すたんす・・・?」
 また訳の分からない言葉が出てきた。
 彼は何処か遠いところからきたのかも知れない。
「まあいいさ。・・・まあ〔紅〕には気をつけることだ」
「どうして?」


アリカ2/21 17:30:162031cfC8aCbRy6QmY||968
 首を傾げたアリスに、ディーダムは微笑んだ。
「ねえ、〔アリス〕、君はさっき人の無知を笑うのは最低の所行だと言ったね」
 問いに答えないディーダムを不審に思いながらアリスは首を縦に振る。
「ええ、だってそうでしょう?」
「ちがうんだよ、そうじゃない」
「?」
 少しだけ、嫌な予感がした。
 この先の言葉に、何かが隠されていて―――――
 それをきいたら、もう戻れないような
 そんな予感。

アリカ2/21 17:30:542031cfC8aCbRy6QmY||396


「人間の犯すもっとも重い罪は『人を殺すこと』なんだよ、〔アリス〕」


「・・・なあに・・・、それ」
 この場面でそれを言ったら。
 それじゃあまるで、


(チェシャ猫さんが人を殺したことがあるみたいじゃない)

アリカ2/21 17:35:282031cfC8aCbRy6QmY||246

To be continued・・・?

こんにちはお久しぶりです。
速いもので、この話ももう七番目になります。
毎回みなさんから感想をいただいて此処まで続けることができました。
これからもよろしくお願いします。


感想など、頂ければ幸いです。

†レドラス†2/29 19:12:262196cf5x9SIhfPMgA||73
んなっ・・・、チェシャ猫さんが?
そんなことは無・・・あるかも・・・。
とりかく、今後に期待してます。

アリカ3/1 13:47:441241cfueyj7F3Zvs2||957
わ、またしても感想ありがとうございます!

・・・、いや、あの、うん、あんま期待してると痛い目見るかもしれないので・・・
ほどほどにお願いしますね(期待に答えられる自信まるで無し


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