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1216ダンデライオンloveless6/27 21:16:332201cfnOEUZxdqkbk
産まれた場所は疾うに忘れた。

育った場所は、疾うに捨てた。

後に残るは、

オ ノ レ ノ ミ ダ ケ 。

loveless6/27 21:17:142201cfnOEUZxdqkbk||649

 

ダンデライオン

 


loveless6/27 21:22:12201cfnOEUZxdqkbk||888
 ぎしりと橋が軋む。

「うっわあ、落ちんじゃねーのかコレ」

 呟きつつも、彼はなお歩みは弛めない。
 小さな背に似合わず大股で、少しばかりゆっくりとした歩調で歩く。

「恐ェなあ」

 言葉と違い、ぎしりぎしりと吊り橋を渡る。
 橋の中腹、ど真ん中。
 高さはそう無いが、ここに落ちたら自力では絶対に戻れないであろう、高さ。
 落ちたら終わりだな、思いつつ歩く。

バナナ6/27 21:29:312191cfG2VL2Ffgohw||901
・・・え・・・・
なにですか?
替え歌?

loveless6/27 21:33:302201cfnOEUZxdqkbk||57
 向こう岸には緑の草原が。
 さわさわと音を立てて揺れているだろうそれは、光を浴びて淡く煌めく。
 そのさらに向こうには、小さな家。
 物干しにはシーツが一枚、衣服が数枚。
 まだまだ干せる余裕が見て取れるので、今いる人数は1人と推定。

「おお、やっぱ目ェ良いな俺」

 目というのは、単純に視力のことであり、同時に他の意味も有する。
 ターゲットを定める目。
 直感と言うべき感覚。
 今日の宿はここにしよう。
 決めた瞬間、すと息を吸い、

「よっし」

 軽くそう言って身をかがめて駆けだした。
 なおも五月蠅く鳴く橋は気にしない。

loveless6/27 21:35:352201cfnOEUZxdqkbk||723
>バナナさま。
いえ、唄ではなく一応小説だったりします^^;
BUMP OF CHICKENの「ダンデライオン」をテーマ(というか元ネタ?)にして
ストーリーを作ってますです。

loveless6/27 21:44:302201cfnOEUZxdqkbk||294
 橋を渡りきる直前、意味もなくジャンプして着地。
 久し振りにまともなメシが喰えそうなので、はしゃいでみたり。
 さわさわ揺れる草を踏みしめ、素早く家まで辿り着く。

「さあて」

 窓から入るのは、あまりカッコイイとは言い難い作業。
 堂々と玄関から入るのが、彼なりの流儀。
 しかしどちらにしろ、迷惑という点では全く変わらない。
 玄関を探してうろうろと家の前をうろつき、

「あ、」

 あっさり発見。
 ベストのポケットから針金を取り出す。
 それを取り出すと言ったら、やはり目的はアレしかなくで。
 鍵穴に針金を突っ込んで、カチャカチャと何かを探るように動かす。

loveless6/27 21:48:462201cfnOEUZxdqkbk||199
 その行為の目的といえば、言わずもがな鍵開けで。
 彼は相当手慣れているらしく、数秒で手応えを掴み針金を抜く。

「おーし」

 満足そうにドアに手を掛け、引く。

 
 そして、驚く。
 

 何故驚いたかと言えば。
 1つはそのドアがあまりに軽かったからで。

loveless6/27 21:49:352201cfnOEUZxdqkbk||779

 もう1つは、そのあまりに軽すぎたドアの向こうから、
 金色の髪が覗いたからで。


loveless6/27 21:55:72201cfnOEUZxdqkbk||552
 ターゲットの家には、思いきり人がいるのは予想していることだったが、
 まさかこのようにかち合うとは、全くの予想外。

「傑作だ」

 思わず呟く。
 その声に反応したのか否か、目の前の金髪の持ち主も異変に気付いたらしく。
 まず、首を傾げた。
 その視線はドアに。
 訝しげな表情のまま、前を向いて。

 びくり、と一瞬震えた。


loveless6/27 21:58:582201cfnOEUZxdqkbk||259
 そらそうだいくら何でも玄関から出たら知らないやつがいきなり自分の前に居たりなんかしたら大抵の人間ビビるわな。
 などと思いつつ、めんどくさそうに彼はベストのポケットからあるものを取り出そうと手を伸ばす。
 目の前の人物はびっくりしたままの顔で、また首を傾げて。

 ふわりと笑った。

「え」

 その笑顔に、彼は一瞬怯む。
 笑顔のまま、彼女は怯まず。
 右手を顔の前に持ってきて、まず人差し指と中指を立て、眉間の辺りで一瞬静止。
 両手を肩の辺りに持ってきて、人差し指を立てて、それを向かい合わせるようにして曲げる。

loveless6/27 22:14:532201cfnOEUZxdqkbk||162
 同時に、唇が動いた。

『 こ ん に ち わ 』

 声は聞こえず、唇だけが動いた。
 手のジェスチャーを読みとる限り、多分それで間違いない。

「こんにちわ」

 何というか、毒気を抜かれた。
 何だかここに入った目的すらどうでも良くなり、挨拶を返す。
 彼女は続けて、

『    、』

 右拳をこちらに向け、

『 』

 そのままひらいてこめかみの横で、手の甲を見せてそれを少し降ろし、

『   ?』

 そう“言った”。
 今度のジェスチャーはまったく解らない。

loveless6/27 22:27:152201cfnOEUZxdqkbk||268
「ごめん、わかんね」

 申し訳なさそうな顔を作っていうと、彼女ははっと気付いたように目を見開き。
 きょろきょろと辺りを見回して、何かを見つけたらしく顔を輝かせると、
彼の腕を掴んで、たかたかと小走りする。
 引っ張られるままに大股で歩き、いきなり彼女がしゃがんだので合わせてしゃがむ。
 棒きれを掴んで、彼女は嬉しそうに笑う。
 そしてそれで、

『これなら大丈夫でしょ?』

 地面を引っ掻いてそう書いた。

loveless6/27 22:36:132201cfnOEUZxdqkbk||118
一旦了。
続きはまた後日です><;

ベベル6/28 0:25:42031cfX61rRmUGhNw||478
コバワ(o*。_。)oペコッ
何か読み入ってしまうなぁ・・・
世界観・人物像・その場の風景が何かリアルに見て取れるねヽ(=´▽`=)ノ
lovelessちゃんの詩の言葉の選択、表現かなり好きかも(●´ω`●)ゞエヘヘ
続き楽しみにしてるね(^ー^* )♪

銀月6/28 5:43:342182cfLMvpixotkc6||898
おはようです^^ノシ
>ふわりと笑った。
この表現に、思わずほんわかしてしまいましたw
金髪の彼女が、何だか可愛らしくて・・・。
そして、何より大好きな曲がテーマという事だし、
次回を楽しみにしてます〜ヽ(´ー`)ノ

loveless6/28 20:36:216111cfx0vzO.G2Gdk||584
ベベルさま、銀月さま。
コメント、ありがとうございます(ぺこり)

この小説は、2週間近く小説離れしていたため、
軽くリハビリのような形で連載していこうと思ってます。
恐らく3話くらいの短編になるかと;
それでも宜しければ、どうぞお付き合いくださいませw

yuuuu6/28 22:3:112201cfqtRk8tNsmpI||448
ダンデライオン=雄のライオン
かっこいい言葉・・・・・
でも、真意はタンポポ
なんか、心に響く歌


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