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1612ナクシモノ龍華7/14 1:10:402191cflOHnSF9y1Ks
思い起こせば、それは一瞬の出来事だった。

「ウヅキィィ!!止まれぇ!!」

散歩の途中、大型犬に吼えられウヅキはびっくりしたのかいきなり走り始めたのだ。

「馬鹿!そっちに行くな!!」

突然ロープを引っ張られる形になり、僕はそのロープを手放してしまった。

「そっちは行っちゃ駄目だって!!」

いくら大声を張り上げて追いかけていっても、ウヅキは止まる気配を見せない。
ウヅキの向かった先には交通量の多い国道16号がある。
止めなきゃ。
捕まえなきゃ。
ウヅキが…ウヅキが…!

頭の中に最悪の結果が浮かび…


「ウヅキィィィィ!!」


それは現実のものとなった…

龍華7/14 1:11:122191cflOHnSF9y1Ks||868
それから一年の月日がすぎた。
周りの皆は言っていた。
『時がたてば、悲しみも収まる』って
…嘘だった。
いくら時間が過ぎても
…愛犬が目の前で死んだんだ、忘れられるはずなんかない!!
今でもたまに夢にみるんだ。
ウヅキ…。
今…どこにいるの…?

龍華7/14 1:12:252191cflOHnSF9y1Ks||607
「…ど…こ…」

スパーン!!

いきなり頭を叩かれ、僕は目を覚ました。
目の前には出席簿を持ったウチの担任が仁王立ちで立っていた。

「教室」

担任が口を開きそう言った。

「…へ?」
「へ、じゃない!貴方が今、寝言で「ここはどこ」的なことを言ってたから教えてあげたの。
もう一度言うね。
ここは教室。朝のHRでいきなり爆睡するやつは久しぶりだわ。」

そこまで言われて、ようやく頭が覚醒しはじめる。
クラスは静まり返り、生徒達の視線は全て僕に注がれていた。

「…いや…、あの、……すいませんでした以後きおつけます。」

ぺこっと頭を下げると、それで納得したのか担任は教壇に戻っていった。

龍華7/14 1:13:332191cflOHnSF9y1Ks||337
「まったく…、貴方達が中学に上がってからまだ半月しかたってないのよ。
ここで気持ちが緩むと、後々の人生全て緩むから気をつけるように。
それから……。
あ、延々説教になる所だったわ。」

時計をみて我に帰った担任が急いで廊下の扉を開け、外に声をかけた。

「実はね、今日から一人クラスメートが増えます。天野君入ってきて。」

入ってきたのは一人の男子。
季節違いの転校生にクラスはザワメキだした。

「本当は貴方達と一緒に入学するはずでしたが、ご家庭の都合上半月遅れての入学となりました。
事実上の扱いは転校生だけど。
ほら、天野君自己紹介して。」

龍華7/14 1:14:82191cflOHnSF9y1Ks||712
担任に促されそいつは教壇の前に立つ。
その後ろで担任がそいつの名前を書いていた。

…アマノ…ウヅキ…

「あの、俺天野卯月っていいます。
四月生まれなんで『卯月』って付けられました。
趣味は運動で、50M走では過去に7秒以下だした事あります。
よろしくお願いします!」

転校生か…
僕は内心ため息をついた。
50音で並んだうちのクラスでは、僕は後ろの方だ。
他は一列五席で並んでいるのに僕の席の隣だけ四席しか並んでない。
つまり、僕の隣にアマノウヅキが来る。
嫌だってわけじゃない。

ただ…
ただ…

せめて女の子だったらなぁ〜、という淡い期待がなくなった事にため息をついていた。

龍華7/14 1:14:382191cflOHnSF9y1Ks||858
―続く―

龍華7/14 1:15:362191cflOHnSF9y1Ks||67
一時を回り気力がなくなりました。
続きは近いうちに書きます。

龍華7/14 1:21:102191cflOHnSF9y1Ks||356
あ、コノ書き方やっぱり読みやすいわ。

スペシャルサンクスtoシェーラさん

貴女の文章に出会えて、私一歩成長できました!!


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