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1631キミの声が聞こえるたけし7/14 20:19:172211cftSqWgpWefDU
そんな目はうんざりだ。
そんな言葉はうんざりだ。
もう…やめてくれないか?
あんたらの気持ちと言葉や表情が一致していないことぐらい分かるんだ。
愛想笑いもいい。
お世辞もいい。
誰か俺と本音で話してくれ。

たけし7/14 20:25:52211cftSqWgpWefDU||613
・浩介「ただいまー。」
返事はない。
気配はあるから、だれもいないというわけではないのだが…。
浩介は帰宅していた。黒髪黒目で端整な顔立ちの少年。
普通ならかっこいい系に属すような顔だが、今はひどく暗い。
今日だけ特別というわけではなく、家に帰るといつもこうらしい。
というのも、

たけし7/14 20:32:142211cftSqWgpWefDU||638
【また帰ってきたか化け物め】
そんな、空耳のような声がふと浩介だけに聞こえる。
これは彼の能力で、人の心の声が聞こえるものだが、本人はこれを酷く憎んでいる。
事実いま聞こえてきた声もあまり好ましいものではなかった。
・母「あら、おかえり浩ちゃん。学校どうだった?」
【ちっ車に轢かれりゃよかったのによ】
と常人が聞けば混乱しそうな程、正反対な言葉だったが、
・浩介「ああ、普通だったよ母さん。」
と普通に答えていた

たけし7/14 20:37:32211cftSqWgpWefDU||119
言うまでもなく、さっきから聞こえてきているのは母親の声である。
浩介はこんなのにはもう慣れっこだった。
今や家族全員がこんな感じである。
その理由は言うまでもなく、彼の能力にあった。
そして彼が森田や佐野達以外とは全く関わりを持とうとしないはこの家族にあった。

たけし7/14 20:42:442211cftSqWgpWefDU||949
これは彼が丁度この能力を手に入れたときの話しである。
 
━5年前━
公園には無邪気に遊ぶ5〜6人の子供たちがいた。
・子供達「じゃーけんぽん」
鬼ごっこの鬼を決める為にじゃんけんをしていた。
浩介当時10歳、その可愛げのある顔から1部の男子達に大人気だった。(本人は知らなかったが)

たけし7/14 20:49:442211cftSqWgpWefDU||182
・浩介「やったー、また勝ったぞ―。バカ佐野お前が鬼なー」
この頃から佐野には酷かった。
・少年A「お前、今日全勝じゃないか。ずるしてんじゃねえの?」
・佐野「そうだな、ちょっとその勝ち分俺によこせ。」
・浩介「んーなんとなくみんなが出すものわかるんだよなー」
彼はすでに覚醒し始めていた。
そして、完全に目覚めたのはこの日の晩。

たけし7/14 20:53:592211cftSqWgpWefDU||69
夕食も終わりテレビを観ていると、
【宿題はどうした?テレビばっかりみるな】
と、空耳のような声が聞こえてきた。
・浩介「んー今日は小山センセーなにも出さなかったよ。」
・父「なんだ、独り言か?変わった独り言だな。」
浩介は不思議に思ったがそのままテレビを観続けていた。

たけし7/14 21:32:332211cftSqWgpWefDU||651
浩介は気付いていなかった。それが心の声とは。
【わたしの彼チョームカツク。今度うわきしたらタマとってやる。】
姉が部屋に入ってくると同時にまた声が聞こえた。
・浩介「ネエちゃん、そんなことだからいつも彼氏に逃げられるんだよ。」
・姉「なんであんたあたしの考えていることわかんの?」
そのときだった、
ガタン
その声に反応して、両親が同時に立っていすを倒したのは

たけし7/14 21:40:562211cftSqWgpWefDU||25
・浩介「どうしたの?」
・父「浩介!!今のは本当か?本当に聞こえるのか?」
・浩介「う・・うん。たぶんさっきから聞こえてくる変な声がそうかな?」
・父「なんて事だ!!よりによってうちの子が。」
両親が驚くのも無理はなかった。
彼のような能力を持った人は、実は他にもいた。
現在、日本に20人前後。当時はもっといた。
この数字を多いと見るか少ないと見るかは、これより20年前のテロを知っているか知らないかで、大きく違う。

たけし7/14 21:49:12211cftSqWgpWefDU||983
━1979年━
25年前の頃、今よりは彼らのその特異な能力について認識も多かった。
この能力は1959年イギリスで見つかり、その後各地で相次いで見つかった。
能力は心の声を聞く以外にも、いろいろあった。
ある宗教団体がそう言ったことから当時は
「セレクター≪選ばれし者≫」
と呼ばれていた。何に選ばれたのかは人によって考えは様々だった。

たけし7/14 21:58:352211cftSqWgpWefDU||820
彼らは少なくとも世間に人気があった。
ときには神とあがめられたりもした。
しかし、1979年12月21日。この日、1部のセレクター達によるテロが始まる。
死者は500名を超え、重軽症者合わして1万人を超える大惨事となった。
たった5名のセレクター達のために。
その日から世間の目は変わった。
セレクター達は虐げられ始めた。
そして、とうとうある宗教が言ったのをきっかけに
「ルシファーの子」
と呼ばれるようになった。

たけし7/14 22:5:182211cftSqWgpWefDU||130
ルシファーとは元は天使だった悪魔の名前である。
本当にその通りだった。
天使のようだと思われていた能力も、今はまるで悪魔そのものだった。

この事件のことは口にしてはいけないという法律ができた。
捕らえた者達を使って政府が人体実験をするためだった。
それには世間からはその事件の記憶を消さなくてはならないからだ。

たけし7/14 22:10:322211cftSqWgpWefDU||195
・父「お前のその能力は忌むべきものなんだ。」
父親のその言葉は10歳の少年の心を砕くには十分だった。
そんなに過剰に反応するのも、彼こそは日本に3つしか存在しない組織、
≪対能力者討伐隊≫
という警察の極秘組織の幹部だったからだ。
・母「あなたやめて。この子は私達のかけがえのない息子じゃない。そんな言い方はないわ」
そう言うと、母親はそっと浩介を抱いた。

たけし7/14 22:15:452211cftSqWgpWefDU||361
その言葉に父は我に返った。
・父「すまない。しかし、このことは家族だけの秘密にせねば。」
浩介はふるえていた。
自分には得体の知れない何かがあると知って。
今はあの空耳のような声も聞こえないが、また聞こえてくるのだろうと思い。
・母「大丈夫よ。あなたは私達の大切な子供よ。」
その声を聞きながら浩介は母の胸の中にいた。
自然にふるえが引いてくる。

たけし7/14 22:20:512211cftSqWgpWefDU||949
浩介は母の声を聞いて安堵していた。
やすらかなひとときだった。
このとき、浩介は理解していなかった、能力の本当の恐ろしさを。
浩介は考えもしなかった、このやすらぎがすぐに終わることを。

浩介は知っているべきだった、人の絆のもろさを。

第2部 完

たけし7/14 22:24:192211cftSqWgpWefDU||19
今回は途中で終わってしまいました。
過去のシーンが長すぎですね。
まだまだ至らない部分もありますが、
呼んで下さった方、感想よろしくおねがいします。

祥大7/14 22:32:332192cfjwWTQQyXEQ.||465
こんばんは^^初めまして、祥大です
最初のスレも読ませていただきました
心が読める・・・私的にいい能力だとは思うのですが・・・
違うのでしょうか?やっぱり
では、次も待ってます^^

たけし7/14 22:38:462211cftSqWgpWefDU||28
━注意━
タマとってやると、浩介の姉がいっていましたが、
タマとはヤクザさんがいう命ということです。(だからといって極道の女というわけではないっす。)
一応、あっちの方と勘違いされる方もいると思ったので^^
祥大さんその問いの答えは次回わかります。程々に期待して待っていてください。(ちゃっかり次回の宣伝したり)

common7/15 14:0:582182cfNiq/Cv1KMcI||780
またまた読ませていただきました*^^*終わり方がなんというか、惹きつける力があって次作を読んでみたい、読みたいと思わせるようなところがいいですね〜^^  それでは^0^/
 

たけし7/15 18:41:112211cftSqWgpWefDU||155
━募集━
人の名前(日本人の)を募集します。
ちびファンに出てこない名前でも結構です。
どうかよろしくお願いいたします。


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