1686 | キミの声が聞こえる | たけし | 7/17 20:28:3 | 2211cftSqWgpWefDU |
もしも気持ちに色があるなら うれしいってどんな色かな? 楽しいってどんな色かな? でも、淋しいって色なら僕分かるよ。 きっと黒いよ。そして深いよ。 でも、だれにも助けられることはないんだ。 だって、例えどんなに明るい色だって、黒と混ざれば黒になるもん。 例えどんなに明るくたって… |
たけし | 7/17 20:32:8 | 2211cftSqWgpWefDU||813 | ||
・嵐山「リーダー、終わりましたよ。」 ここはどこかの廃屋。 今にも崩れそうな建造物にいるのは3人の男女。 携帯をきり、嵐山はその男に話しかけた。 ・リーダー「リーダーと言うのはやめてくれ。お前の方が年上だろ。」 白髪の碧眼で、妙に日本語がうまい外人であるリーダーと呼ばれる男は少し困ったように言った。 ・女A「そんなことよりさー。そいつが断ったらどうすんの?」 腰の辺りまで伸びた黒髪。顔は、はっきりいって美人。しかし、彼女の10代とは思えない目つきと、そのぞんざいな口調が、近寄りがたい雰囲気をかもし出している。 |
たけし | 7/17 20:33:18 | 2211cftSqWgpWefDU||770 | ||
・ リーダー「YESなら大歓迎だ。奴の能力は使いこなせればある意味最強の能力だ。」 ・女A「NOなら?」 ・リーダー「始末すればいい。それだけ奴の能力は危険でもあるからな。」 そこで嵐山が立った。 ・嵐山「先手は打ってあります。連絡人を清水にしました。ターゲットにその気がないなら、すぐに始末するように命じてあります。」 すると彼は、その女と見間違える程の顔でうっすらと微笑んだ。 静寂が辺りを包み込む。 |
たけし | 7/17 20:44:14 | 2211cftSqWgpWefDU||952 | ||
ところ変わってここは浩介の通う高校。 午後に入って、生徒ならば5時間目の授業を受けているはずなのだが、 今、浩介は職員室にいた。 また漫画を読んでいた所を担当の先生に見つかり、 とうとう職員室に連行されたのだ。 目の前には担任の山川先生が座っている。まだ若く肌も浅黒い人だ。この人は、浩介が中学生の頃に教育実習生として浩介のクラスを教えたこともあり、結構仲がいい。 ・山川「これで何回目だ?いくら頭がいいから…」 ・浩介「ちょっとまった。」 山川先生の言葉を浩介が途中で遮る。 |
たけし | 7/17 20:51:6 | 2211cftSqWgpWefDU||138 | ||
・浩介「先生だってこの間の小テストのとき、競馬の新聞見ながらラジオを聞いてたじゃん」 ・山川「何故そのことを?…上田。大人には事情が…」 ・浩介「実習のときも同じことやって、校長に大目玉食らったの覚えてね―のかよ。」 山川は黙る。これではどっちが担任か分からない。 浩介はいつもこんな風にして、先生達の説教を逃れていた。 浩介の能力を持ってするば、教師の弱みを握るなど造作もないことだった。 |
たけし | 7/17 21:43:32 | 2211cftSqWgpWefDU||901 | ||
途中からでるのもなんだから、浩介はこっそりと早退した。 時間が時間なだけに、道にはあまり人が見当らない。 木々には青々とした葉が、風に吹かれてザワザワとゆれている。 すでに夏真っ盛りである。 せみの声も辺りからミーンミーンと聞こえてくる。 すると、そのせみの声に混じって、奇妙な声が聞こえてきた。 【答えは用意しましたか?】 |
たけし | 7/17 21:50:57 | 2211cftSqWgpWefDU||794 | ||
2メートル程先の曲がり角から、すうっと人影が現れた。 針金や爪楊枝を連想させるような女だった。 ・清水「連絡人の清水です。答えを聞きに来ました。」 ・浩介「長かったね。3ヶ月はたったよ。」 ・清水「すいません。ここ3ヶ月程、あなたを観察させていただきました。」 ・浩介「だったら答えは一つしかないんじゃないの?」 ・清水「そうですね。」 言うと同時に、清水は浩介に飛びかかってきた。 かなり熟練者の動きだったが、 |
たけし | 7/17 21:59:19 | 2211cftSqWgpWefDU||976 | ||
浩介は慌てることもなく、右半身を少し引いただけで、相手の突進をかわした。 浩介の動きの方が熟練度は高かった。 ・浩介「俺に不意打ちはきかない。」 ・清水「そうでもないでしょう。」 そう言うと、ブシューッ浩介の左腕から血が吹き出した。 相手の心の声を聞いて不意打ちを瞬時に理解して避けたはずなのだが。 清水の指を見てみると、さっきと違っていた。 爪の長さがさっきより10センチも長くなっていた。 |
たけし | 7/17 22:6:2 | 2211cftSqWgpWefDU||811 | ||
・清水「あなたの能力はまだ不完全のようですね。常に相手の心の声が聞こえるわけでもなく、私の爪のことも察知することができなかった。」 ・浩介「お前の能力はなんだ?」 ・清水「これから死ぬ方には関係のないことです!!」 シュンッシュンッ 清水がその爪で攻撃を繰り返す。 常に長さを変えるその爪は、間合いを測るのが難しく、浩介はかろうじて避けていた。 清水の言う通り、浩介の能力は、常に聞こえるわけではないので、相手の攻撃を予測してかわすことはできなかった。 |
たけし | 7/17 22:24:32 | 2211cftSqWgpWefDU||691 | ||
ザクッ 何度目かの攻撃が当たった。浩介の体には浅いが、無数の傷がついていた。 ・清水「あなたの能力は、まだ戦闘向きではありません。おとなしく私に殺されなさい。」 ・浩介「分かった。お前の能力がなんなのか分かった。お前の能力は体の爪や髪の毛、そして皮膚を好きなようにつくり変える能力だろ。」 ・清水「何故、髪や皮膚まで?」 ・浩介「理由は2つだ。3ヶ月もの間、監視していたことと俺が早退したのにも関わらず、 この時間、ここで待ち伏せしていたことだ。 |
たけし | 7/17 22:32:59 | 2211cftSqWgpWefDU||715 | ||
いつもの俺の学校生活や、今日、俺が呼び出されたことを知らなければ、こんな時間から待ち伏せするわけない。それにここは今の時間帯だからこそ、人が少ない。普通に下校してくるのを狙うのならば、もっと人に見つからないところで待ち伏せするはずだ。なのに何故、この時間、この場所で待ち伏せしていたのかというと、俺の学校での行動も把握していたから。 そして、テロを起こそうと考えているなら、今は、学校で顔がばれるのはまずいはず。爪が伸びたことも考慮すれば、お前は皮膚や髪を変える能力を持っていて、それで、変装したんじゃないかと考えたのさ。」 |
たけし | 7/17 22:53:5 | 2211cftSqWgpWefDU||382 | ||
【たったそれだけの情報で、ここまで分かるとは。しかし、…】 ・清水「良くできましたと誉めたいところですが、私の能力が分かったところであなたが死ぬことに変わりはありません。」 ・浩介「所がどっこい。髪が伸ばせると分かっただけでも収穫あるんだなー。これでお前にうかつに近づけないことが分かった。髪の毛でぐるぐる巻きにされちまうからな。」 ちっ 清水の舌打ち。 ・清水「だったらこの爪だけであなたを倒す。さっきもこれだけで押してましたしね。」 ・浩介「バカが。俺が今まで、単に攻撃を受けていただけと思うのか?」 |
たけし | 7/17 23:6:0 | 2211cftSqWgpWefDU||570 | ||
清水が、両手を浩介の顔に向けると同時に、爪を伸ばしてきた。 しかし、浩介は相手の左手の爪を、左にわずかに移動して避け、 もう一方の爪を、体を反転して避けた。 今度はその反転した勢いを利用して、相手の右こめかみに裏拳をたたきこむ。 そして、すぐに相手と距離をとるために、後ろに跳躍した。髪の毛を警戒しての行動だった。 かなり効いたようだった。 しかし、相手はすぐに突っ込んできた。髪の毛をゆらゆら動かしている。今度はそれで捕らえる気のようだ。 |
たけし | 7/17 23:13:18 | 2211cftSqWgpWefDU||567 | ||
それでも浩介はあせらない。 ポケットから、なにやら四角い物を取り出した。 ライターだった。 ライターに火をつけると、それを清水の頭…いや髪の毛に向かってなげた。 清水は勢いがついたまま止まることも出来ず、そのままライターに当たった。 ボウ 清水の髪の毛が景気よく燃えた。 ・清水「わ…私の髪が―。」 |
たけし | 7/17 23:23:36 | 2211cftSqWgpWefDU||190 | ||
・浩介「これで髪の毛を使った攻撃もできないだろ。」 ・清水「どうやら、私ではあなたを殺すことはできないようですね。」 清水は髪の毛が燃えたのに妙に冷静だ。 ・浩介「当然だ。」 ・清水「それでは退散するとしましょうか。仲間も来たみたいですし。」 ・浩介「な…」 すると、後ろから真っ黒な車がやって来た。 中には4〜5人ほどいる。浩介には手だしが出来なかった。 そのまま清水は車に乗ってしまった。 |
たけし | 7/17 23:30:52 | 2211cftSqWgpWefDU||455 | ||
【彼の代わりに、誰かを殺すとしましょう。彼と親しい誰かを。】 そんな心の声が聞こえてきた。 そして、そのまま車は行ってしまった。 あとはせみの鳴き声が聞こえるだけ。 |
たけし | 7/17 23:39:54 | 2211cftSqWgpWefDU||510 | ||
奴らは何人いるのか? これから奴らの攻撃をどう防げばいいのか? 戦いには勝ったが、まだまだ問題は山積みだった。 【俺と親しい誰かを殺すだと。そんなことは絶対させねー。】 浩介は心の中で、強くそう誓った。 |
たけし | 7/17 23:42:7 | 2211cftSqWgpWefDU||821 | ||
今日もまた日差しが強かったが、風が吹いていて心地よかった。 その風が、何もかも吹き飛ばしてくれればどんなに楽だろう、 浩介はそんなことを考えていた。 第4部 完 |
たけし | 7/17 23:44:42 | 2211cftSqWgpWefDU||120 | ||
途中、浩介の台詞が長すぎで、見づらいものになってしまいました。 下手なところも多いですが、どうか感想よろしくおねがいします。 |
特殊文字 by.チビファンタジー |