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1688第四章〜魔剣〜「魔剣『延』と『鋭』」いおり♪7/17 21:42:132184cfk7q.DRsa.P.
一週間ぐらい書けませんでした。(文化祭の準備で、今、文化祭真っ最中です。)
今での話しは
第一章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1482.html
第二章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1515.html
第三章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1544.html
                       です。
読んでくださった人は感想、意見、印象などお待ちしています!

いおり♪7/17 21:43:292184cfk7q.DRsa.P.||59
1000年前、魔界と人界の間に戦争が起こった。人間と魔族が戦い、ある人間の活躍で魔王は倒れ、魔界と人界は完全に隔離してしまった。
人界には魔物も魔族もいなくなったのだ。

そして、今、昔起こった戦争は皆の記憶には伝説としてしか残ってないが、ただ一つ唯一、この世界に魔王がいた痕跡が、
              『魔剣』
しかし、その存在もまた謎であり、ほとんどの者からは伝説の一つとして信じられる事はなかった。

しかし、ここに魔剣を持つ少女がいる・・・

いおり♪7/17 21:44:502184cfk7q.DRsa.P.||858
「う、うう・・・ん」
どうやら私は気絶していたようだ。私は重い目をゆっくりと開く。しかし、目を開いたにも関わらず、真っ暗な暗闇は変わらなかった。
「こ、ここは・・?」
私は辺りを見回すが私の周りにあるのは何も無い空間、全て闇である。
           ―・・・さん・・・一穂さん・・・―
私の耳にかすかに自分を呼ぶ声が聞こえる。安らぐようなとても優しい声・・・この声は・・・
「お師匠様!」
私は声のする方を見ると、思ったとおりニコニコ顔のお師匠様がいた。私はすぐにお師匠様の方に駆け寄るが・・・

いおり♪7/17 21:45:362184cfk7q.DRsa.P.||438
                   ボウッ!
急に何の脈絡もなくお師匠様が炎に包まれた。お師匠様がいつもと違う表情に変わった。
「な、何なの!?」
私はパニックになった。そして、ふと自分の手を見ると・・・剣が握られていた。見たことも無い剣、しかしこの剣を見たとき私は悟った。
          ―これは自分がやったんだと・・・―
お師匠様も剣を構えた。私に向かって・・・
         ―いや!私はお師匠様と戦いたくない!―
しかし、そんな思いと裏腹に私の腕が勝手に動く。恐らく、握っている剣によって・・・
私はお師匠様に向かって剣を振るった。そして、剣はお師匠様の肩に・・・

いおり♪7/17 21:46:232184cfk7q.DRsa.P.||265
「いやあああああああ!!!!」
この瞬間、私はこの悪夢から解放された。私は暗闇から見たことのない部屋へ移った。
・・・またあの時の夢か・・・
私はぽつりとそんな事を思った。あの夢が本当に夢だったら良いのにと・・・・
「だ、大丈夫か・・・?」
ふと、私を心配する声が聞こえた。私が声の方に向くとレン君が少々驚いた顔で私を見つめている。
「大丈夫よ」
本当はあまり大丈夫じゃないかもしれない・・・でも、そう答えるしかなかった。私は落ち着いて辺りを見回し・・・
「ここどこ!?」
私が見知らぬ部屋のベットに寝かされている事に気がついた。
「ここは俺の部屋だ」

いおり♪7/17 21:47:72184cfk7q.DRsa.P.||193
「えええええええええええ!?」
な、なんで私がレン君の部屋で寝ているの!?
「そんなに驚く事はないだろう?あんたのお師匠様から聞いたよ。悪かったのはうちのベックだってな。それはもうすでにベックから問い詰めてお仕置きしある」
あの山賊さんってベック言うんだ。でも、男の子の部屋に、しかもレン君と二人っきりの状態で寝かされてたってのは・・・
「でも、なんで道場の人があんな事を?他の仲間も道場の人だったみたいだけど・・・」
私はレン君と戦っている時に道場の人が応援しているのを見たけれど、その中に山賊さんの仲間がいたことに気がついていた。

いおり♪7/17 21:47:592184cfk7q.DRsa.P.||892
「実は俺の道場は潰れかかってな・・・それで、あいつらが俺に内緒でたまたま道を通りすぎた旅人からお金を無理やり奪い取って道場の資金をしようってしていたらしい・・・」
それはまた道場思いだけどやり方が間違ってるなぁ。他にアルバイトでもできただろうに。まてよ、「俺の道場」って・・・
「ええ!?気術を教えている道場を開いていた死んだ師範代の若い息子ってレン君の事だったの?」
「あ、ああ。そうだよ。言わなかったか?」
これはびっくり。若いとは聞いていたがまさか私と同い年ぐらいだったとは・・・どおりで気術とか強いわけだ。
「悪かったな」
レン君がふかぶかと頭を下げた。

いおり♪7/17 21:48:502184cfk7q.DRsa.P.||351
「い、いや私もいけなかったよ。てっきり単なる山賊かと思ってたから・・・」
私はちょっとばつが悪くなった。こんなに謝られるとは思わなかったからだ。
「いや、俺も早とちりしちゃったからな。ベックもその仲間も反省しているようだし許してくれ」
まあ、反省しているんだったら私もそんなに怒ったりはしない。最初はただの悪い人だと思ったけど、結構良いところもあるみたいだし。
「ところで、さっきの戦いで気になった所があるんだけど・・・」
ギクッ!?や、やばい・・・もしかして『あれ』のことかな?
「一穂の剣、延びなかったか?」
や、やっぱり・・・これは何とかごまかさなくては・・・

いおり♪7/17 21:49:462184cfk7q.DRsa.P.||787
「そそそんなことないよ!きっと気のせいだよ、気・の・せ・い!剣が延びるわけないでしょ?」
普通ならね・・・そんな事は言葉にださず、どもりまくりながら言った。
「やっぱ、そうだよな〜!」
「そうそう!」
「そっか〜俺はてっきり魔剣かと思ったよ」
「そうそう、私の剣は魔剣なんかじゃ・・・」
へ?今なんか確信を突かれたような・・・
「ええええええ!?な、なんで分かったの!!!?????」

いおり♪7/17 21:50:252184cfk7q.DRsa.P.||857
「あ、やっぱりそうなんだ」
やば・・・・ついにばれてしまった。しかし、ここにお師匠様がいなくて良かったぁ。魔剣のことばれたのお師匠様に知れたらまたお仕置きされるところだもんね。っと私がお師匠様がいない事を安心しているその時、
               ハラリ・・・
私の元にどこからともなく、小さな紙切れが落ちてきた。私がその紙切れを拾い上げ、ゆっくり読んでみると・・・
―お仕置き追加 あなたのお師匠より―
と書いてあった。
「ひええええぇぇぇぇ!?」
私は悲鳴に近い叫び声を上げた。
「ど、どうしたんだ?」

いおり♪7/17 21:51:132184cfk7q.DRsa.P.||731
「お師匠様にお仕置きされるぅぅぅぅ!私の人生終わったあぁぁぁぁぁ!」
私は掛け布団の中にうずくまって震えてしまった。
「そ、そんなに怖いのか?あの人、とても優しそうだけど・・・」
「とんでもない!」
私は掛け布団をふっとばしレン君に詰め掛ける。
「お師匠様を外見で判断しちゃいけない。あのニコニコした笑顔の裏ではキングギドラや魔界の魔王よりも恐ろしい顔があるんだから」
私はふんぞり返って言った。あまり自慢になる事ではないが・・・
「へ、へぇ〜・・・そう・・・」
どうやら、レン君は私の言葉を過大評価と受け取ったようだ。本当に恐ろしいのに・・・

いおり♪7/17 21:52:122184cfk7q.DRsa.P.||467
「それより、なんで私の剣が魔剣だってわかったのよ」
私は開き直って魔剣の事を隠さずに聞くことにした。
「うん?なんでって・・・」
「だって、魔剣って言えば伝説上の中だけに出てくる誰もその存在を確認していない物だよ?普通そんな事思いつかないよ」
剣が延びる・・・そんな事だって伝説の中には出てこない。ただ魔剣は魔王と人間の間に起こった戦争の中で出てきた存在とだけ記されているが、私でさえ詳しい事は分からないのだ。
「そんな事言われてもなぁ・・・俺の剣も魔剣だし・・・」
「えええええええええええ!!!!!!?」
これは二度目のびっくり。レン君の剣も魔剣!?まさかそんな事が・・・

いおり♪7/17 21:52:592184cfk7q.DRsa.P.||836
「まあ、俺のはばれないようにカモフラージュしているけどな」
「へ?」
レン君はそう言うと、壁に立てかけている剣を持ってきて、私の目の前で刀身を掴んだ。
「!?」
私は目を疑った。レン君は剣から刀身をゆっくり取り外し、つるぎは柄の部分だけになってしまった。
「これが、俺の剣の本当の姿だ」
「でも・・・」
そう言われても柄だけの剣がなんの役に立つんだ?私はそう思った。
「論より証拠。試しにそのりんごを俺に向かって投げてみな」
レン君はそう言って剣を縦に構える。と言っても刀身が無いのでさまになってないが、私は言われた通りにベットの横の棚に置いてあるりんごをレン君に向かって投げた。

いおり♪7/17 21:54:22184cfk7q.DRsa.P.||913
―りんごはレン君が構えている柄の真上の部分を何事もなく通り過ぎる―
っと私は思ったが、実際には・・・
                スパッ!
なぜかりんごは柄の真上に来たとたんに真っ二つになった。
「え・・・・」
私は絶句した。今何が起こったかさっぱりわからなかった。
「この剣は『鋭』とかいて「えい」と読む。「目に見えないほど」鋭い刀身がいかなる物も切り裂く魔剣なんだ」
レン君が淡々と説明している間も私は二つに分かれたりんごを見つめていた。切れ味がどれほど鋭いか、私には分かる。
「凄い・・・」
私は思わず感嘆をもらした。
「一穂の剣はなんて言うんだ?」

いおり♪7/17 21:54:442184cfk7q.DRsa.P.||78
「あ、私の魔剣は『延』と書いて「えん」と読むの。自由自在に剣を延ばしたり元に戻したりできるよ」
レン君に聞かれてとっさに私は答えた。
              シュンッ!
急に部屋の片隅が光った。それと同時に人影が浮かび上がってくる。
「やっぱり、あなたの剣は魔剣でしたか・・・」
「お師匠様!?」
部屋に現れたのはお師匠様だった。お師匠様ったらいつも神出鬼没なんだから・・・
「一穂さん・・・あんまり、魔剣の情報を他人に教えないで下さいっていつも言ってるでしょう?」
「で、でも・・・レン君が持っているのも魔剣だった訳ですし・・・大目に見てもらえないかなぁって」
私はしどろもどろしながら言った。

いおり♪7/17 21:55:252184cfk7q.DRsa.P.||24
「まあ、いいでしょう。今回は大目に見ます」
「よかった〜」
ふう、これでお師匠様のお仕置きを受けなくてすむ。これで私の命も永らえたよ。
「びっくりしたぁ・・・一穂のお師匠さんってこんな事もできるんだな」
まあ、魔術師ですからね。私は全くできないけど・・・
「それよりも、「やっぱり」って・・・」
「私には分かりますよ。たとえカモフラージュしてもそのまがまがしい『魔』の波動だけは隠す事はできませんからね」
「へぇ〜」
レン君はお師匠様を尊敬のまなざしで見ているようだ。私から見ればとても恐ろしいだけなんだけどなぁ。
「ところでレンさん」
お師匠様は厳しい顔つきになってレン君の方を向く。

いおり♪7/17 21:56:332184cfk7q.DRsa.P.||802
「はい、なんでしょう?」
「あなたのその魔剣、私に封印させてもらえませんか?」
「へ?封印って・・・」
レン君はお師匠様の言っている事が良く分からないようだ。
「魔剣はそもそも、人間が使える代物ではありませんからね。そのままだと、必ず災厄があなたに降りかかります」
「で、でも・・・この剣は父の形見なので・・・」
レン君はちょっと困った顔をした。
「・・・あなたがこの剣に始めて触れた時、何か変わったことはありませんでしたか?」
お師匠様の言葉に私はあの時のこと思い出す。一年前、私が魔剣を始めて手にしてしまった時の事を・・・
「いや?特には・・・」

いおり♪7/17 21:57:52184cfk7q.DRsa.P.||944
「・・・いいでしょう。しかし、何かあった時はすぐに言ってください」
レン君の答えにお師匠様はやや考える様にして言った。
「はぁ・・分かりました」
レン君はお師匠様がどうして魔剣を封印しようとしているか良く分からなかったようだが、私には痛いほど分かる。魔剣の恐ろしさを・・・そして私の力の未熟さを・・・

いおり♪7/17 21:59:402184cfk7q.DRsa.P.||119
第四章「魔剣」をお送りしました。意見、印象、感想があったら書いてくださいね。

祥大7/17 22:10:142192cfjwWTQQyXEQ.||426
こんばんは^^祥大です
待ってましたよ、いつ出るのかって楽しみにしてました
今回、気になるのは二つ
レン君にこれから何が起こるのか?と、
一穂には何があったのか?です
ちょっと探偵っぽくしてたりして・・・
では、次も楽しみにしています^^

マジュニア7/17 23:34:382031cftz232k8lqM.||726
面白かったです。頑張って

転生卿7/18 10:11:122022cfbS837eGR5M2||458
魔剣にはどんな恐ろしさがあるんだろう

いおり♪7/18 19:30:462184cfk7q.DRsa.P.||231
祥大さん>気に入ってくれてありがとうございます。レン君がどうなるかといのは何も考えてなかったりしてます。でも、一穂に何が起こったか後ほど物語の中で出てくると思うので楽しみにしてください。

マジュニアさん>いつも応援ありがとうございます!マジュニアさんも頑張ってください

転生卿さん>感想ありがとうございます!魔剣には色々な恐ろしさがあります。それもまた後ほど出てくるので楽しみにしてください。


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