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1708スカイレディ(空からやってきた彼女)たけし7/18 20:12:362211cftSqWgpWefDU
今日は少し趣向をかえていつもと違う読みきりを書いてみました。
キミの声が聞こえるはまだ続いています。

たけし7/18 20:14:142211cftSqWgpWefDU||302
空とは果てしなく広いものだ。
空にはまだ、未知なるものが潜んでいるような気がする。

たけし7/18 20:14:542211cftSqWgpWefDU||983
もうすでに夏真っ盛り。
そんな猛暑の中を俺が一人で歩いていたときのことだった。
暑さにやられて死にそうだった。
ああ、俺の名前は壮介。よろしく。
年は二十歳で、今は大学生の身だ。
そんな俺の真上から、そいつは舞い降りた。
つーよりも、落っこちてきたって言った方が正しいか。
少なくとも、俺とあいつの出会いはそんな運命的なもんではなかった

たけし7/18 20:16:02211cftSqWgpWefDU||990
ヒュ―――  ドシン
たった今、俺の目の前にそいつは降ってきた。どうやら女らしい。
飛び降りか?
しかし、辺りには飛び降りる場所などない。
「イタ―イ。」
どうやら生きているようだ。
普通なら、何で生きてんだよ!!とツッコムところなのだが、
生憎、今の俺にはそんな体力は残っていなかった。

たけし7/18 20:17:42211cftSqWgpWefDU||757
俺はその女を無視して、そのまま立ち去ろうとした。しかし、
「ちょっとー、少しは心配するのが人情ってもんでしょう。」
呼び止められてしまった。しかたなく、
「大丈夫ですか?お嬢さん。」
俺としては、かなり丁寧に言ったつもりだったのだが。
「そんな心のこもってない言葉をかけられても嬉しくないし、だいたい見れば大丈夫かどうか分かるでしょ。」

たけし7/18 20:19:402211cftSqWgpWefDU||600
女ってホントわけ分からんよ。
しかし、そこは大人の俺。冷静に言葉を続けた。
「すまない。ところで、キミはどこからきたんだい?」
もっともな質問をしてみた。するとあっさり
「空。」
見りゃ分かるよ!!
もう何がなんだか分からないので、この女をほっといて帰ろうとしたら、

たけし7/18 20:21:572211cftSqWgpWefDU||888
「待ってよ。かわいい迷子の女の子は自分の家に連れてって、ケーキとジュースをご馳走するのが紳士でしょ。」
わけの分からない道理だったが、しつこく付きまとわれたので、仕方なく彼女を自分の部屋に連れて行くことにした。

たけし7/18 20:23:422211cftSqWgpWefDU||66
「汚い部屋ね。それにケーキがないし。」
貧乏学生の俺にしてはいい部屋なのだが、この女はそんなことをさらっと言ってのけた。
ジュースを出してもらっただけでも、ありがたく思えってんだ。
「で、なんで空から降ってきたんだ?」
今までこの女のペースに見事にはまってしまい、聞けなかったことを聞くことにした。

たけし7/18 20:29:342211cftSqWgpWefDU||140
「なんかがね、空から降ってくるからそれを止めるために私はここにきたの。」
「止めるって何を?まさか隕石だったりするわけ?」
冗談のつもりだったが、
「ピンポーン。よくわかったね。私は隕石から地球を守るためにやって来た、宇宙人だよー」
だ…だめだ。こいつは完全にイカレている。
ジュースを飲み終わったら出ていってもらおう。

たけし7/18 20:34:242211cftSqWgpWefDU||321
━{10分後}━
「さぁ、ジュースも飲んだし、さっさと出ていってくれ。」
「無理だよ。隕石がくるまでの三日間、ここに住むことにしたから。ここなら隕石の落下ポイントに一番近いし。」
まだ言うかこのアマ。
「隕石がくるとしても、お前の力じゃむりだろ。」
「そんなことないよ。」
女はそう言うと、壁に向かってデコピンをした。すると、


たけし7/18 20:41:252211cftSqWgpWefDU||833
ドッゴーン
壁はあっさりと崩れてしまった。
「ちょっと強くしすぎちゃった。テヘ
テヘじゃねーよ。どーしてくれんだよ。管理人に怒られちまうよ。と、
声に出すのは怖いので辞めておいた。
だって指一本で壁を壊しちまうような奴の怒りには触れたくないからなぁ。
「まぁなにはともあれ、これから三日間お世話になります。」
「は…はいよろしく。」
こんなわけで、とてつもなく厄介な居候が増えることになった。

たけし7/18 20:46:152211cftSqWgpWefDU||597
それからの三日間は地獄だった。
彼女…名前は由香というらしい、その女はとてつもなかった。
家事がほぼ倍の数をこなさないといけなくなったし、
ことあるごとに力を暴走させるので、その後始末にお金を使いすぎてしまい、俺の貯金がゼロになってしまったのだ。
「し…死んでしまう。」
俺ははっきりとそう自覚したのだった。

たけし7/18 21:26:72211cftSqWgpWefDU||786
━{三日後の晩}━
「ただいまー」
バイトから帰ってきたわけだが、部屋の様子がいつもと違っていた。
由香がいなかった。
「ふん。やっと出ていったか。いなくなってせいせいしたぜ。」
俺は冷蔵庫からビールをだし、ラジオをつけた。(貧乏学生なのでテレビはない。)
「はん、あんな奴いなくたってさびしかねーよ。」
俺はそう独り言を言っていた。するとラジオから、
≪只今、最新情報が入りました。地球に迫っているという謎の飛行物体。≫
「ん?地球に迫っている飛行物体?」
俺はその続きを聞く。

たけし7/18 21:30:122211cftSqWgpWefDU||343
≪それがなんと、巨大隕石だということが判明しました。その上、予想ではあと30分で日本の○×県◇□市…に落ちるそうです。しかも、その隕石には地球を滅亡させるに十分なエネルギーがあるそうで…≫
その瞬間、俺はドアを飛び出していた。

たけし7/18 21:33:222211cftSqWgpWefDU||364
「くそ、あいつはどこにいるんだ。」
俺は近辺を捜索していた。
どこにもあいつの姿は見えない。
どこにいるんだ?
「ふう。」
走って疲れたので、一息をついた。
なにげなく視線を泳がしていると、視界の片隅に見なれた女の影があった。

たけし7/18 21:37:142211cftSqWgpWefDU||399
「はあはあ。やっと見つけた。隕石の話本当だったのかよ。」
「最初からそう言ってるじゃない。」
「じゃあお前が宇宙人なのも本当か?」
「ええ、そうよ。」
「いくら宇宙人だからって隕石が止められるわけねーだろ。それに宇宙人のお前がなんで地球なんかのために…」

たけし7/18 21:45:332211cftSqWgpWefDU||713
「私は今までいろんな星を見てきたわ。でもね、上からこの地球にやって来た時、思っちゃったのよ。なんてきれいな星なんだろうって。」
「…。」
「私はこんなきれいな星は、今まで見たことがなかった。緑も大地も動物も大好きなのよ。そして、あなたも。あなたみたいにお人良しな人は今まで見たことがなかった。だから、私は護りたいの。この地球もあなたも。」
「だからって…」
「計算では隕石はあなたのマンションに落ちる筈だったけど、何かに当たって軌道が変わったみたいね。でも、ここなら思いっきりやれるわ。隕石と私の力は互角だから、うまく互いに消滅して力を相殺することが出来るはず。」

たけし7/18 21:48:482211cftSqWgpWefDU||919
しかし、そんなことをすれば彼女は無事に済むはずがなかった。
「私はどうなってもいいの。この三日間楽しかったわ。あなたがお人よしで良かった。だから一緒にすむこともできたし。もうすぐ来るわ。早く逃げて。」
「で…でも」
「はやく!!」
俺はそこから駆け出した。

たけし7/18 21:54:382211cftSqWgpWefDU||591
これで良かったんだ。あいつはいつも俺に迷惑ばっかかけて大変だった。
これで良かったんだ…
*****************************************
「き…来たー」
隕石が私の上から来た。ビンゴ!!予想通りの場所だわ。
ズーン
私の手のひらに衝撃が走る。
「あ…当ててたまるもんかー」
しかし、予想以上に隕石の力は強く、正直押され気味だった。
やばかった。
そんなとき向こうから人影が来るのが見えた。


たけし7/18 21:56:492211cftSqWgpWefDU||354
「やば、視界がぼやけて幻が見え出してる。」
こんなところに人など来るはずがないと思ったからだ。
しかし、その人影は
「ふざけんなー」
そう言ってきたのだった。
******************************************

たけし7/18 22:3:592211cftSqWgpWefDU||468
「ふざけんなー。何もかも自分独りで背負い込むんじゃね―。」
「ど…どうして戻ってきたの。ここは危険よ。早く逃…」
由香がしゃべっている途中で俺が言う。
「俺は小さい時に両親が死んで以来、家に帰ってただいまと言っても、なにも帰って返事がこない生活が続いていた。でも、お前が来てから変わった。ただいまって言ってくれる奴が出来たんだよ。だから、お前独りを死なせるわけにはいかない。俺にはお前が必要なんだ!!」
そう言うと、俺も由香と一緒に隕石を押した。

たけし7/18 22:5:522211cftSqWgpWefDU||515
「な…なにをするんだ!!」
「独りじゃ無理なら二人でやればいい。」
「あんたは本当にお人よしだよ。」
「いくぞ!!」
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

たけし7/18 22:11:552211cftSqWgpWefDU||151
しかし、現実はそう甘くなかった。
俺みたいな普通の人間が押しても、さっきと状況は変わらなかった。
「く…やっぱり人生そんなに甘くないか。」
「ごめん、壮介。あんたまで巻き込んじゃって。」
「…ふっ」
「どうしたの?」
「やっと名前で呼んでくれたな。安心しろ。俺はお人よしだからそんなことは気にせん。」
そのときだった。

たけし7/18 22:17:592211cftSqWgpWefDU||925
パーン
余りにも軽すぎる音をたてて、隕石は消滅した。
「へ、どうして?」
「どうやら、エネルギー切れのようね。軌道がずれたのも私みたいに、人工衛星に当たってずれたのかもね。だから、その分威力も少なくなって、消滅したのよ。」
…私みたいに?怖いのでそのへんはツッコマないでおいた。
後で知ったことだったが、由香の言った通り隕石は人工衛星にぶつかっていたらしい。
それでも俺は、生き残れたのは二人で力をあわせたからだ、と思った。

たけし7/18 22:21:332211cftSqWgpWefDU||710
「これからどうしよっか?」
「私はとりあえず地球を出ようと」
「地球をでるだー。お前が作った借金返済するまでかえさねえぞ。俺はたんなるお人よしじゃねえからなぁ。」
「とんだお人よしね。じゃあそれまで私はどこで暮らせばいいの?」



たけし7/18 22:26:422211cftSqWgpWefDU||129
「当然…俺の部屋しかねえだろ。」
「あの汚い部屋に?」
………沈黙。そして、
「ふっふふふふ」
「はーっはっはっはっはっはー」
俺達二人は笑い出した。
これからともに暮らすパートナーと向かい合いながら。
「とんだ空からの贈り物だな。」
言葉とは裏腹に嬉しそうな口調で俺はつぶやいた。

たけし7/18 22:27:362211cftSqWgpWefDU||333
スカイレディ(空からやってきた彼女) 完

たけし7/18 22:29:352211cftSqWgpWefDU||971
いつもと違った視点で書いた作品です。
やっぱり、読みきりだと変になってしまいました。
読んで下さった方、感想よろしくおねがいします。

アルジュナ7/18 22:31:236112cfkWQbfgQ4s6I||871
パチパチパチパチ!!!!
感動ですよ!
僕も二人が力をあわせたからできたんだと思います!
協力はとても大切なことだと改めて思いました!
由香が壮介を呼んだときとかもよかったです!
ホントにホントによかったです!

祥大7/18 22:37:592192cfjwWTQQyXEQ.||115
こんばんは^^祥大です
感動ものだ・・・(泣
地獄の日々・・・まだまだ続くみたいですね^^
では、他にも読みきりを作ってほしい祥大でした〜^^

改xxx7/18 22:57:162202cfzIB2yqsn2u.||987
始めまして^^
かなり感動しました;;
壮介の心情とかがかかれてよくわかりましたし。。。
最後で2人で協力したところも感動ものでした;;
さっそくワードに取らせてもらいます(ぇ
またこういう小説作ってください^^
応援してます!!

ベベル7/19 0:52:32191cfuGVy8VoqCQE||402
こんばんわ(o*。_。)oペコッ
面白いなぁ〜(*^_^*)
何か頭の中に映像が浮かんでくる科白でとっても( ・∀・)イイ!
どこか可愛らしい印象も受けました(●´ω`●)ゞエヘヘ
とても楽しませて頂きました=^-^=うふっ♪

natsumi7/19 10:47:146035cftjloaeb4r8M||171
はじめまして・・
じゃないか^−^
読みきり
スゴイおもしろかったです!
また読みきりが
読みたいな・・・・。

たけし7/20 0:13:52211cftSqWgpWefDU||949
皆さん、どうもありがとうございます。
次の読みきりは飛行機ものをしよっかなーと思っています。
(キミの声が聞こえるがあるんでいつになるのかわかりませんが。)


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