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1737キミの声が聞こえる(特別ヴぁーじょん)たけし7/20 0:21:502211cftSqWgpWefDU
今日はいつもと違った書き方をします。
出てくる登場人物それぞれの視点で物語が進みます。

たけし7/20 0:31:322211cftSqWgpWefDU||446
***:森田:***********************************
「あーあ。ホントやんなっちゃう。」
あたし、森田愛はまわりの目などお構いなしに叫んだ。
ここは電車の中。
あたしは見た目がかなり幼いので、その上こんな大声を出したらまるっきり中学生に見られてしまうんだけど、そんなことを気にする程の余裕は今はない。
「傘持ってきてないよ―。天気予報では降らないって言ってたのに―。」
駅から高校まで30分程歩かなければならないので、雨の日に傘なしはきついのだ。

たけし7/20 0:35:412211cftSqWgpWefDU||593
ザーザーザー
容赦なく降りつづける雨。
私はそれを駅の改札口から出たすぐのところから、恨めしそうに睨む。
15分程たっただろうか?
そのまま待っていてもらちがあかないので、ずぶぬれ覚悟で高校まで走ろうとした時、
視界の片隅にみなれた人影を見つけた。
浩介だった。
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たけし7/20 0:40:362211cftSqWgpWefDU||183
***:浩介:***********************************
カンのいい俺は天気予報に騙される事なく傘を持ってきていた。
「これもひとえに日ごろの行いの良さだな。」
独りごちる。すると、
【やったー浩介じゃん。傘も持ってるし。高校まで入れていってもらおう。】
心の声が聞こえた方向を向くと、森田がいた。
「あの調子だと今日が何の日か忘れているな。」
それはとても好都合だった。

たけし7/20 0:47:102211cftSqWgpWefDU||798
「浩介、傘にいれて。」
「いいけどさ、勘違いされるぞ。」
「だってこのまま行ったらずぶぬれになっちゃうじゃない。」
「そっちの方がきっと男子受けがいいぞ。」
「ん?」
森田はそっち方面の話は分からない、というフリをしていたが、
【浩介ってやらしー】
という心の声が聞こえたので、これも自分のキャラ作りだというのがもろに分かった。
こいつは昔っからこういうキャラを作ることで男子からも女子からも好かれている。
結構そういうことには抜け目のない奴だった。(俺にはバレているが。)

たけし7/20 0:48:352211cftSqWgpWefDU||358
とにかく、今日が何の日かは分かっていないらしい。
計画通りだった。
「どうしたの?早くいこうよ。」
「あ、ああ。」
そのまま俺達は学校へ向かった。

たけし7/20 0:56:62211cftSqWgpWefDU||309
***:佐野:***********************************
計画通りに事を進めることが出来ていた。
ターゲットにこのことがバレれば全てが台無しになる。
しかし、あとはセッティングだけなのでその心配の必要もなかった。
セッティングが完了したら、あとはターゲットを浩介が連れて来るだけだった。
「佐野君、この飾り付けはどこにつけるの?」
「ああ、それは黒板の上のあそこに付けるんだよ。」
ここの指揮は俺がとっているので、完璧だ。
もうすぐで、セッティングも終わるところだった。
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たけし7/20 1:3:132211cftSqWgpWefDU||912
ここで、少し時間はさかのぼる。
浩介と森田が駅で会う30分前のこと。
***山川*************************************
今日も俺は忙しかった。
今日返すはずの小テストの丸付けが終わっていなかったからだ。
しかも、よりによって浩介のクラス。
「や…やばい。これ以上あいつに弱みを握られたら、俺の人生に関わる事になる。」
と口に出してはみたが、それ程あいつが苦手なわけではない。
むしろ生徒の中では一番の仲だった。
だから、その言葉も7割は冗談だった。(あとの3割は…)

たけし7/20 1:9:362211cftSqWgpWefDU||609
そんな時、職員室に俺宛へ電話がかかってきた。
こんな忙しい時に、と思いながら電話にでると、
「先生、俺自殺します。」
唐突だった。
自分の受け持っているクラスの田中だった。
「今、C棟の三階にいます。」
「ちょっと待っとけよ!!今行くからはやまったことだけはするなよ!!」
俺はそう言うと、急いで職員室を出た。
他の先生に声をかけられたが、無視した。
「俺の生徒を死なせるわけにはいかない!!」そう言って走る。
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たけし7/20 1:14:422211cftSqWgpWefDU||415
***:森田:***********************************
私は浩介と一緒に教室に入った。すると、
パーンパーン
クラッカーが鳴り響いた。
『森田、誕生日おめでとう!!』
みんなの声と拍手が一斉に聞こえた。
「お前は誰かが言ってやらないと自分の誕生日を忘れるからな。」
浩介はそう言って、私に花束を渡してくれた。


たけし7/20 1:17:162211cftSqWgpWefDU||577
浩介がみんなに教えたのだろう。
そう、今日は私の誕生日なのだ。
おもわず涙がこぼれる。
「ありがとうみんな。」
今、私は幸せだった。
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たけし7/20 1:23:242211cftSqWgpWefDU||139
***山川*************************************
「田中ぁ、どこだー。バカなまねはよせ。」
俺は今C棟の三階にいた。
ここは旧校舎ということもあってかなりぼろかった。
なので、あまり人も来ないところであった。
「私ならここにいますよ、センセ。」
そこには田中がいた。しかし、いつもと様子が違っていた。


たけし7/20 1:28:242211cftSqWgpWefDU||635
「先生には悪いけど、死んでもらうことにしたよ。」
そういうと田中は一気に俺との距離を縮めてきた。
この動きは明らかに常人のものではなかった。
「脚力を強化された能力者か。」
そう彼らは能力を得るとともに、体の一部を発達させることができるのだった。
報告書では浩介は珍しいタイプで脳だった。
俺はギリギリで相手の攻撃をかわす。
俺の動きも素人ではない。

たけし7/20 1:37:192211cftSqWgpWefDU||585
「さすがかの有名な;対能力者討伐隊東京支部;第2班の隊長。しかし、自慢の愛刀なしで私に勝てますかね?」
そう、俺は対能力者討伐隊東京支部の第2班(主に能力者の監視をする班)の隊長だった。
それにしてもうかつだった。
浩介に能力者が接触していたのは知っていたが、すでに学校にいたとは。
「あなたはさっき私のことを『脚力を強化された能力者か』と言いましたね。それは間違いです。」
「なに?」
それが油断だった。

たけし7/20 1:44:262211cftSqWgpWefDU||273
一瞬で近づかれ首をつかまれて持ち上げられる恰好になった。
「ゆ…油断した。」
しかし不思議だ。なぜこいつは軽々俺を持ち上げることが出来るのだろう?
「不思議がっていますね。なぜ軽々とあなたを持ち上げることが出来るのかを?」
そう、通常では強化されるのは体の一部だけなのだ。
「それは、体のあらゆる筋力を強化するのが、私の能力だからですよ。だから、こんなことも簡単にできるのです。」
そう言うと奴は手に力を入れて、
ブチッ
その瞬間俺の意識はなくなってしまった。
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たけし7/20 1:52:212211cftSqWgpWefDU||893
「意外とあっけなかったですね。隊長といっても自慢の愛刀がなければたいしたことないんですね。」
田中(おそらく偽名だろう)は、さっきまで山下だった物を見下ろしながらそう言った。
「とりあえず、白井さんの命令は達成したわけだし、あとは証拠を消しますか。」
と言うとポケットからビンを取り出した。
その中の液体を自分の血だらけの手につけた。
すると、血がきれいさっぱりと、文字通り消えてしまった。
この薬品はルミノール反応も効かない代物らしい。

たけし7/20 1:55:312211cftSqWgpWefDU||65
そして、田中はその場から立ち去った。
そのころ、山下の受け持っていたクラスでは森田の誕生日会が盛大に行われていた。

第5部 完

たけし7/20 1:57:202211cftSqWgpWefDU||281
あと味の悪い終わり方にしてしまってすいませんでした。
今回の書き方はどうでした?
読んで下さった方、感想よろしくおねがいします。


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