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1788ウィザーズ・クエスト三話「海里の長い一日」後編祥大7/21 18:10:532192cfjwWTQQyXEQ.
えっと、久しぶりに書きます
他の企画と平行にしていくつもりですが、少し遅れる可能性が高いので、ご了承ください。
では、本編へ・・・

祥大7/21 18:11:172192cfjwWTQQyXEQ.||964
 なんでまた、こんな時間に俺は道を歩いているのだろう?そんな考えが頭に流れ
た。
 左手の腕時計を見る。時間は3時20分になったところだった。


祥大7/21 18:11:462192cfjwWTQQyXEQ.||766

 昼の2時ごろ、海里は家の犬――名前は“アーサー”である――の散歩に出かけた。母さんは俺に行かせたかったらしいけど、海里が、
「私、散歩が好きだから」
と言っているので、行ってもらうことにしたらしい。俺にとってはうれしい出来事だった。
 しかし、一時間たっても戻ってこなかった。


祥大7/21 18:12:122192cfjwWTQQyXEQ.||677

 だから俺はここを歩いている。
――母さんももう少し、帰りを待ってみてもいいと思うんだけどな。
「ああ!もう、どこ行ったんだ!あいつは!」
 周りの空気が震えた。

祥大7/21 18:12:372192cfjwWTQQyXEQ.||349

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祥大7/21 18:13:22192cfjwWTQQyXEQ.||450
「どうしてこうなっちゃたんだろう?」
公園のベンチの座っている海里の口から、言葉が漏れた。
 そもそも、初めての場所で散歩なんてするものじゃない。しかも、犬に振り回される状態で。
「ここはどこなの・・・?」
そうつぶやく。できればこの歳にもなって使いたくない単語であったが、当てはまるものはその言葉しかない。
――私は迷子になった。
できれば信じたくなかったけど。


祥大7/21 18:13:302192cfjwWTQQyXEQ.||453
 でも、こうしてみると揖保川町も広いものね。私はそう思った。しかも、よく見れば新しい発見なども見つかる。
 ――この花、きれい。
 ――こっちは大きい家ね・・・。
こうしていろんなものに見入っていた海里は、さらに道に迷っていることにまったくきずかなかった。

祥大7/21 18:13:492192cfjwWTQQyXEQ.||377

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祥大7/21 18:14:102192cfjwWTQQyXEQ.||21
「結局、どこに行ったんだ?あいつ」
祥大の口からはその言葉と「はぁ・・・」というため息がこぼれた。
 あれから一時間。いっこうに海里の見つかる気配はない。揖保川町は大体、探した。後、探していないのは山の中。まさか、とは思うけど、そこ以外だったら探しようがない。
「山、登るか・・・」
そういって、俺は学校の前にある山へ進むことにした。
 しかし、このときはまだ、祥大は気づいていなかった。
 迫り来る、悪魔に・・・。

祥大7/21 18:14:292192cfjwWTQQyXEQ.||287

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祥大7/21 18:14:502192cfjwWTQQyXEQ.||788
 海里は、山を歩いていた。もちろん、アーサーも。
「・・・まさか、ここまで迷うなんて思っても見なかったわ・・・」
私は、アーサーに語りかけるように言った。だけど、返事はない。
 ――なんか、さびしいなぁ・・・。
 一瞬そう思ったが、あわてて首を横に振る。
「そんなことない、そんなことない。気のせいだって」
――もう!弱気になるな、私!
そう自分に言い聞かせる。
「ワン!」
突然、アーサーがほえた。まるで何かを警戒しているみたいに。
そして、アーサーは駆け出した。
次の瞬間、海里の体はアーサーに引っ張られていった・・・。


祥大7/21 18:15:252192cfjwWTQQyXEQ.||566

「ちょっと!どこまで行くのよ!」
あれから5分ほど、海里は引っ張られっぱなしだった。
 途中に転んだりケガをしたりしなかったのが救いだった。
 だが、さすがに疲れてきた。限界とまではいかないが。
 次の瞬間、突然アーサーは止まった。海里はいきなりのことに対応できずに
「・・・え?ちょ、ちょっと!きゃっ!」
勢いあまって転んでしまった。
「いたたた・・・。もう!いきなり止まらな・・・え?」
不思議そうに、海里は辺りを見回す。そこは、山の中の開けた場所だった。日の光が木々の間から差し込んできて地面を照らしている。
「きれいな場所・・・」

祥大7/21 18:16:42192cfjwWTQQyXEQ.||559
私は思わずつぶやいていた。
 ここにいると安心する。ここはそんな場所だった。
 だから、海里も安心していた。
 しかし、次に聞こえた声で、安心が絶望に変わった。
「飛んで火にいる夏の虫・・・ってか?」
その声の主は、昨日、海里たちを襲った男――なぜか、赤のTシャツに青のズボンという派手な服装をしている。Tシャツにはメープルの葉が――だった。
 さらに隣のもう一人。こっちも男――こちらの男にいたっては、赤のTシャツにズボン。Tシャツには星のマークが描かれている――である。
「わいは、チャイナ。で、隣がキャナダや。・・・二人合わせて、『チャイナ&キャナダ』や!!」


祥大7/21 18:16:492192cfjwWTQQyXEQ.||414
 はぁ?
私はわけがわからなかった。
「俺たちはガオス様の命を受け、お前の仲間・・・つまり、術者を殺しに来た。ま、お笑い部門だった俺たちがこっちに回されたのがよくわからんがな」
さらに、昨日の男が続ける。
 お笑い部門?なんだ、それ。
「そういえば、昨日は世話になったな。フェアリーのお嬢ちゃん」
キャナダと名乗る男がいきなり言う。
 海里は思わず、「いいえ、こちらこそ」と、言ってしまいそうになり、あわてて口をつむぐ。
 謎の男たちはさらに続ける。

祥大7/21 18:17:312192cfjwWTQQyXEQ.||822
「せやけど、ちょいと誤算があったんや」
誤算。それはきっと・・・
「私・・・ですか?」
「ま、普通に考えてあんたしかいないよな」
 やっぱり。この前に私を見たときに逃げ出していたしね。
 と、いうことは・・・
「そんで、一人ではできんってキャナダがいうもんやから、わいが手伝ったろ思て、きてやったんや」

祥大7/21 18:17:512192cfjwWTQQyXEQ.||290
「・・・正確には、お前一人じゃ何もできないと思ったガオス様が面倒見るように、ということで二人行動なんだがな」
そんなことはどうでもいい。私はそう思った。
 そして、今までの言動で考えられることはただ一つ。それは・・・
「ま、まずは邪魔なやつから始末せい、ていうキャナダの提案やから。堪忍してや、お嬢ちゃん」
私を先に始末する、ということだった。
「そんなに早くはやられないわよ!!」

祥大7/21 18:18:72192cfjwWTQQyXEQ.||60

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祥大7/21 18:19:222192cfjwWTQQyXEQ.||664
 ――海里のやつ、ホントどこ行ったんだよ!?
 さっきから探しているものの、なかなか見つからない。普通に考えて、ここ以外の場所にいるとは考えられない。
 文哉にも捜索を手伝うように頼んだから、すぐに見つかるはずなのに。ちなみに、文哉は河内地区――半田、神戸、河内と3つある地区の1つ――を探してもらっている。

祥大7/21 18:19:462192cfjwWTQQyXEQ.||914
 頂上まであと少し。それまでに見つかるといいけど。
 小鳥の鳴き声が聞こえる。
 木々のざわめきも聞こえる。
 頬に当たる風が快い。
 ――平和だなぁ・・・
そう思ったときだった。
「そんなに早くはやられないわよ!!」
けっこう近くで少女の怒鳴り声が聞こえた。
この声の主は・・・
「海里!?」
その声は海里そのもの。俺は、声の聞こえた方向に走り出した。


祥大7/21 18:20:152192cfjwWTQQyXEQ.||180

「――ん、もう一人増えたか?」
それは、俺が海里のいる場所についたときに聞こえた最初の声だった。
「誰だよ!お前たちは!」
「良くぞ聞いてくれました。わいはチャイナ!」
「俺はキャナダだ・・・」
「二人合わせて、『チャイナ&キャナダ』や!」
そう、自己紹介された。俺は思わず、
「まんまじゃん!」
と、突っ込んでしまった。
「やっぱりそうやな・・・。これを機に、コンビ名『チャイキャナ』に変えんか?キャナダ」
「余計におかしいだろう、それは」

祥大7/21 18:20:482192cfjwWTQQyXEQ.||410
なに雑談してるんだよ!?俺は心でそう思った。
「――あの、私を無視してません?」
海里が言った。少々怒っているみたいだ。
「あ、忘れとった。堪忍な、お嬢ちゃん」
「・・・では、戦闘開始、と行こうか・・・」
 そう言った、チャイナたちは、こちらに向かって歩いてくる。
「まずは、お前からのほうがいいな、坊主」
俺から?なにがだよ!?そう思ったが、次のキャナダの行動でなにをしようとしているかがわかった。

祥大7/21 18:21:172192cfjwWTQQyXEQ.||328
 ――剣を取り出したのだ。
「覚悟するんだな」
「やらせない!今そっち・・・っ!」
「わいを忘れたらあかんで、お嬢ちゃん!」
チャイナは、海里に向かって殴りかかる。それをとっさに避ける海里。この様子では、助けてもらえそうもない。
「観念するんだな」
 そのときだった。

祥大7/21 18:21:422192cfjwWTQQyXEQ.||285
――あなたは、死んでもいいの?
 俺の心に直接に語りかけるような声を聞いた。いや、『感じた』だろうか。
 ――死にたくないんだったら力を貸すわ。
 とてもきれいな少女の声
 ――どうするの?死にたいの?生きたいの?
 生きたい!まだ、やり残したことがある!
 俺は心で叫ぶ。
 ――それなら力を貸すわ。私の名を叫んで。『レナ』と。心のそこから。
「こうなったやけくそだ!いくぞ!『レナ』!!」
「「!!」」
次の瞬間、あたりは光に包まれた。


祥大7/21 18:22:82192cfjwWTQQyXEQ.||925

「どうなったんだ?」
俺は、起きた瞬間につぶやいた。
「起きたの?早かったわね」
聞こえるのは少女の声。
「海里、ここどこだ?」
「あなたの部屋」
そう、答えられた。
 俺の部屋?山にいたんじゃ・・・。
「あの後、あなたは倒れたの。でも、通りすがりに人が気づいてくれて、あなたを家まで運んでくれたの」

祥大7/21 18:22:232192cfjwWTQQyXEQ.||829
「あいつらは?」
そうだ。確か、チャイナ&キャナダっていうやつら。
「あなたが倒れる前に逃げ出した。だから、まだ生きてるはず」
「そうか・・・。後は・・・」
「さっきの力についてでしょう?それは、特訓のときに説明するわ。それまで休んでおきなさい」
そう言って、海里は俺の部屋を出た。
「特訓・・・か。忘れてた」


祥大7/21 18:22:432192cfjwWTQQyXEQ.||843

俺は、特訓までの時間は寝ておくことにした。
「おやすみ・・・」
誰もいない部屋に、その声は響いた。

祥大7/21 18:24:172192cfjwWTQQyXEQ.||565
あとがきです^^

長い文章になってしまった・・・
どうも、祥大です^^
やっと出来たのが最近だったけど、載せてませんでした
今日は時間がないので、感想等があったらください^^
では^^

アスキ7/21 21:2:272202cfwKIgBablNMk||625
お〜。やっぱこっちもええな〜。レナ・・・力を出しましたな。
次回も頑張って〜。
フライ 「あんた、もうちょいましな感想書きなさいよ」

いおり♪7/22 22:13:322202cfM4l0e2OssHQ||79
 蓮「ふむふむ、なかなか面白かったな」
一穂「うん!すっごくだよぉ」
 蓮「我ら作者も頑張ってもらわなければ・・・」
はい・・・頑張ります・・・
ちょっとあきのまねっぽかったかな?
と言うわけで面白いです!続き頑張ってください!

祥大7/22 22:44:232192cfjwWTQQyXEQ.||682
感想、ありがとございます^^

アスキ>ま、がんばります(ぇ

いおり>海里「まねされて光栄!」
     っとまぁ、まねされるのはうれしかったり^^
    海里「いおりもがんばってねぇ〜」
     ってことで^^


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