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1963お江戸でござるたけし7/26 10:10:22211cftSqWgpWefDU
魔道力学白書、番外編です。
カシムと妖刀かまいたちの出会いです。
かなり長いですが、読みきりです。
どうぞよろしくおねがいします。

たけし7/26 10:10:212211cftSqWgpWefDU||388
「ふーん、あれが黄金の都スパングか。」
カシムは手漕ぎのボートの上でそう言った。


たけし7/26 10:11:142211cftSqWgpWefDU||419
俺の名前はカシム。トレジャーハンターだ。ちなみに22歳。
東にあるスパングに珍しい剣があると聞いて、来たのはいいが、ここは俺が今まで住んでいた所とはずいぶん違った。
サコクとかいうのをしているからだと、ここの奴に聞いた。
サコクというのは、他の国との関わりを断つことらしいのだが、それを知らなかった俺はここに来るまで骨を折った。なんせ手漕ぎのボートで来たもんだから、海岸に近づいた瞬間攻撃をくらっちまってたからボートが壊れてよ―。
泳いで来たんだな―これが。

たけし7/26 10:13:52211cftSqWgpWefDU||406
そいつらの攻撃は火の玉やらなんやらなのに、これは魔法とはまた違ったもんだからびっくりだ。ヨウジュツとかオンミョウジとか知らないものがあるらしい。
まぁ、他のはキモノっていう服装もびっくりだったな。
とりあえず、今は町中にいる。
ここでは、俺の身なりじゃかなり目立つ。
おっ、あそこにあるダンゴっていうものうまそうだな。ちょっと失敬してくるかな。
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たけし7/26 10:14:292211cftSqWgpWefDU||467
「へっへっへー、俺の面をぶん殴ったのは高くつくぜ。」
そういって拙者の目の前にいる、侍は刀を抜く。訂正、こいつは侍ではござらん。拙者が認めぬ。
「くらえー青二才が!!」そう言って、斬りかかってきたが、
ズバン
 一瞬でかたをつけた。
「主、迷惑をかけたな。」そう言って店をでる。

たけし7/26 10:15:62211cftSqWgpWefDU||221
「ありがとうございます、お侍様。」
後ろのおなごがそう告げる。そして、
「さすが神清流の八巻小五郎さんだ。」野次馬の一人がそう言うでござるが、拙者はその場を早々と立ち去ろうとした。すると、
「八巻さん、ちょっと面倒ごとです。来てください。」
「捕り物でござるか?」
拙者はその場に向かった。

たけし7/26 10:16:32211cftSqWgpWefDU||215
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ここの国の奴らはけちくせえ。
ダンゴってやつをちょっと食おうとしたら、ドロボーとか抜かしやがって…。
まいったなー、俺の剣はあのボロッチー宿に置いてきたし…どうすっかなー。
おっ、なんか強そうなサムライってのが来たぞ。
俺のこと助けてくんねーかな?
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たけし7/26 10:16:552211cftSqWgpWefDU||418
「この者でござるか?」
拙者がそう尋ねると隣にいるものがうなずく。
異国の者であった。
「こいつがあそこの団子を盗み食いしようとしたんでごぜーやす。」
店の主がそう告げる。
しかし、この者、強い。拙者の侍としての血が騒ぎ出す。
拙者がそんなことを考えている隙に、この者は近くの者から刀を奪い、あろうことかその刀を拙者に向けたのでござった。

たけし7/26 10:17:472211cftSqWgpWefDU||537
「よかろう。」
拙者も刀を構えた。両者の対峙は半刻ほど続いた。そして、
『きえええ。』
両者の声がはもる。刀を振りかぶったその時、
「お待ちなさい!!」後ろか声が聞こえてきた。
声の主は、愛染城の当主愛染秀次の一人娘でござる、桜姫でござった。

たけし7/26 10:18:412211cftSqWgpWefDU||424
こいつ、すごいんだかすごくないんだか分からねえな。
あの女が来た途端、殺気も闘気も失せた。
そして顔中を真っ赤にしている。
その女が俺の方を向いて、
「そなた、異国の者とな。面白そうなのでついて参れ。」
と言ってきた。
とりあえずこの二人の第一印象は男の方は女に弱い、女の方は生意気ってことだな。


たけし7/26 10:19:552211cftSqWgpWefDU||683
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「姫様、危険でござる。」
ここは愛染城の松の間。拙者は顔を真っ赤にして告げた。
真っ赤になったのは興奮しているせいもあるが、それだけではなかった。
「では、その時はそなたが、わらわを護ればよいだけじゃ。」
「し、しかし…」
他の者が相手なら拙者が簡単に片付けられるのだが、あの者が相手では容易くない。
そんなことを考えていると姫様が、
「おい、かしむとやらお主はなぜこんな国に来たのじゃ?」
そんなことを平気であの者に聞いた。

たけし7/26 10:21:102211cftSqWgpWefDU||456
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お姫さんが俺に聞いてきた。
俺は自分がトレジャーハンターで、主に剣を狙う奴だと言った。
お姫さんはこんな話なんか興味ないだろうと思っていたら、
「そなたの話は興味深い。もっと話せ。」
と言ってきた。俺も得意になって話し出した。しばらく話していると、
「この城にも実は見事な刀があるのじゃ。これがそうじゃ。」
お姫さんがそう言って見せたのは紛れもなく、俺が探している物だった。
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たけし7/26 10:21:512211cftSqWgpWefDU||99
「あ…あれは」
妖刀かまいたち
その閃きからは、かまいたちがでてくるということから、そう名づけられた刀でござった。
なんとも美しい刀。
侍ならば一度は手にしたい一品でござった。

たけし7/26 10:23:112211cftSqWgpWefDU||686
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〜翌日〜
あのお侍さんは庭で稽古をしていた。
「よくやるねー」
俺はお姫さんと一緒に縁側で涼んでいた。
「しかし、そなたもなかなかの腕前なのでござろう?」
「まぁね。」
俺は着馴れないキモノという物のざらざらした感触に、不快を感じながらそう答えた。
「しかし、小五郎とは決して戦わないでくれ。」
俺は頭の上に?を乗っけた。侍なら戦うのが普通だろう。

たけし7/26 10:24:372211cftSqWgpWefDU||882
「小五郎とわらわは生まれた時からの幼馴染なのじゃ。今は姫と家来の関係じゃが、かれこれもう15年の仲じゃ。」
「うげ、まだあいつ15の餓鬼かよ。」
俺は叫ぶ。
「そなたの国ではどうか知らんが、この国では元服といってな、15で大人なのじゃよ。だから、小五郎も立派な男子なのじゃ。」
そう言って庭にいる小五郎を見つめる。
その視線がいつもと違うことに気づき、なるほどーと俺は思って、
「なんならあんたの恋の手助けをしてやってもいいぜ。」と俺は言った。

たけし7/26 10:25:522211cftSqWgpWefDU||227
「なっ…」
と一瞬、お姫さんは驚いた。
お姫さんはそのことを否定するかと思ったが、
「本当か?」
と言い身を乗り出してくる。
「ああ、あんたがあの剣をくれたらいいぜ。」
「ああ、そんな物でよければくれてやる。」
お姫様の目は本気だった。
「まずな…ゴニョゴニョゴニョ」
俺はお姫様にこの作戦を言った。

たけし7/26 10:26:552211cftSqWgpWefDU||801
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「ふう、素振り千回終了。」
そう言って拙者は縁側に向かった。
稽古の後は、姫様の隣へ腰を下ろして緑茶を飲むのが一番でござる。
しかし、縁側に誰もいなかった。代わりに置手紙が一つ。
「姫と刀はいただいた。本日猿の刻に雷神社で待つ。」
ビリビリ
拙者は手紙を破り捨てた。
拙者の失敗でござった。
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たけし7/26 10:27:322211cftSqWgpWefDU||112
〜猿の刻〜
「またせたでござる。」小五郎が来た。わらわのために。それだけでわらわはうれしかった。
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たけし7/26 10:28:322211cftSqWgpWefDU||250
目の前にいる奴はなりは子供だが、腕は間違いなく超一流だ。
俺は妖刀かまいたちを構えてそう考えていた。
「姫と刀は返してもらおう。」
「俺が素直に返すと思うか?」
「やはり、貴様はあの時切り捨てておけばよかった。その刀は綺麗なまま返してもらうでござる。」
「どうやって?これからお前の血で汚れるのに?」
俺は自分の演技に酔っている。

たけし7/26 10:29:52211cftSqWgpWefDU||673
すると奴は
「簡単なことだ。一撃も受けずに貴様を殺せばよい。」
「そんなことが…」
一瞬だった。
俺が喋りかけていたその瞬間で奴はあっという間に間合いを詰めてきた。
化け物かこいつ!?
俺はぎりぎりでその一撃を受け止めた。

たけし7/26 10:29:392211cftSqWgpWefDU||830
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「なかなかのものだ。」
刀など慣れていないはずなのに、拙者となかなかの勝負をしている。しかし、
「これで最期でござる。」そういって刀を振り下ろした。

たけし7/26 10:30:152211cftSqWgpWefDU||44
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その瞬間俺は気合をいれて、
「はっ」
と声をだして刀を振った。
すると、目に見えない力の刃のような物が飛び出していって、小五郎を薙いだ。

たけし7/26 10:31:62211cftSqWgpWefDU||388
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「ま…まさか、もうかまいたちをだせるとは、」
正直、意外でござった。
戦況がひっくり返ってしまった。
奴の見えないかまいたちを避ける術は拙者にはなかった。
切り刻まれていく拙者の体。
かまいたちなので、傷も浅かったが出血の量が尋常ではなかった。もうだめだと考えたとき、雨が降ってきた。

たけし7/26 10:32:22211cftSqWgpWefDU||373
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そろそろいいかな。
と俺は思った。
まぁお姫さんの目の前であいつにいい所を見せさせ
てやることは出来なかったが、あいつのお姫さんへの思いは分かっただけでもよしとするか。そして、最後の一撃を放とうとする時、雨が降ってきた。

たけし7/26 10:32:532211cftSqWgpWefDU||225
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来る。
今度ははっきりとかまいたちが見えた。
この雨のおかげでござった。
かまいたちの通るところだけ、雨が避けているからでござる。拙者はそれを避けた。
相手はおどろいたが次々とかまいたちを放ってきた。
それを次々と避ける。
しかし、余りにも血を流しすぎた為、ついに拙者は片膝をついてしまった。

たけし7/26 10:34:92211cftSqWgpWefDU||570
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「避けたのはすごいと思ったが、これでお前も終わりだ。さっさと降参しろ、命は大事だろ。」
さっさと降参してくれ。俺はお姫さんの恋を成就させる為、
こいつを殺すわけには行かなかった。
すると、小五郎は立ち上がり、
「降参せぬでござる。」
と言った。バカかこいつ?さっさと降参してくれ。それでも小五郎は続けて、
「そして、拙者はまだ終わりではござらん。この刀を手にする限り、主君を…いや愛する者を護りきるまでは決して終わらないでござる。」

たけし7/26 10:35:62211cftSqWgpWefDU||400
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よく言ったと思った。
後ろの方でお姫さんが顔中を喜びでいっぱいにしていた。
「そうか、じゃあそんなお前に敬意を評し、次の一撃は全身全霊で答えてやるよ。」
「いざ、参る。」
そして、俺達は真っ向からぶつかりに行った。

たけし7/26 10:35:482211cftSqWgpWefDU||827
体が重かったはずなのに、不思議と力が沸いてきた。
姫の笑顔を見たせいでござる。
しかし、やはり相手の方が速かった。
このまま突っ込めばやられると思った時、
「小五郎がんばれ−」
姫の声が聞こえてきた。
一瞬、拙者の動きが止まる。
そして、相手はタイミングを外した。
好機
拙者は相手の隙を逃さなかった。スパンッ勝負は決まった。

たけし7/26 10:36:402211cftSqWgpWefDU||702
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小五郎が勝った。
そしてわらわの方に歩み寄ってきた。
「姫、拙者は姫のことを愛しております。これからも姫のそばに拙者を置いて頂きたい。」
そして、わらわは答える。
「はい。」
わらわと小五郎は抱き合った。
その時は:かまいたち:も、かしむもいなかった。


たけし7/26 10:37:472211cftSqWgpWefDU||530
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「痛たたたたたたたた。」
俺、カシムは今船の上にいた。
来る時に使った手漕ぎボートは沈んだから、今は密告船の上にいる。
小五郎にやられた傷跡を包帯で適当に巻いている。
「ワープボールがなかったら死んでたな。」
そう一人でつぶやく。
「しかし、今回、手にいれた物はこれだけか。」
そう言ってかまいたちを見る。どうやら、普通の魔法剣とはどこか違うようだ。
切れ味もいいし。
「あの二人はよろしくやっているかな?」そして、

たけし7/26 10:39:162211cftSqWgpWefDU||964
キシン
俺は刀をしまう。
「今度は俺の番だな。俺の伝説でも作ってみようかな?『デイセカルッシ市』でも行こうかな?あそこはいろんな伝説がよりどりみどりだからな。」
カシムは伝説をまるで食べ物のような言い方をする。
「まぁ、まずは腹ごしらえでもするか。」
カシムはそう言って、船の食堂へ急いだ。

これは、カシムが3剣のカシムと呼ばれるようになる、ほんの少し前の話である。

お江戸でござる 完

たけし7/26 10:40:112211cftSqWgpWefDU||606
どうでしたか?
今回、書き方を変えてみました。
読んでくださった方、感想よろしくおねがいします。

ラピ7/26 10:41:92191cfWAyyXQSwgLc||792
面白かったです^^
戦うところの緊迫感(?)が出せるのがすごいですね。

百地悠希7/26 10:55:522191cfJ9SUw55/Goo||345
面白かったですョ♪
主観を変えながら物語を進めてるトコとか…スゴイですよね^^

祥大7/26 14:10:552192cfjwWTQQyXEQ.||181
こんにちは^^祥大です
すごいですね、本当に^^
やはり、戦いなどの緊迫感などは敵いませぬ
では、本編のほうも待ってます^^


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