2016 | 魔道力学白書 | たけし | 7/27 18:38:20 | 2211cftSqWgpWefDU |
サイハテ村からデイセカルッシ市までの道のりは遠く、 ベン、ヤンク、カシムの3人は途中に立ち寄った村で休息をとることにした。 |
たけし | 7/27 18:47:29 | 2211cftSqWgpWefDU||383 | ||
「ところで、お師様は同盟に追われているのに、なんでカシムさんはお師様の護衛をするんですか?」 と、ベンは馬車の中でカシムに聞いた。 カシムは、良くぞ聞いてくれました、といった感じな表情をし、説明に入った。 「これはな、一般には余り認知されていないことなんだが、この大陸には三大勢力があるんだなーこれが。」 ふーんと、ベンがうなづく。 |
たけし | 7/27 18:56:15 | 2211cftSqWgpWefDU||146 | ||
カシムは続けて、 「その三つの勢力は、魔道同盟機構、ルード教団、そして俺の所属するデイセカルッシ市ってわけだ。」 「え…?なんで教会なんかが関わってくるんですか?」 「宗教上、同盟とぶつかるらしい。奴らの宗教では魔法は神の起こす奇跡であり、魔道師が使っていいものではないからだそうだ。」 「じゃが、それは建前じゃろう。」 そこで、ヤンクがカシムにつっこむ。 カシムはまるで、生徒が正しい答えを発言した時の教師のような笑顔を浮かべた。 |
たけし | 7/27 19:1:11 | 2211cftSqWgpWefDU||2 | ||
「さすがだな、その通りだ。」 「え?なんでですか?」 「当然だが、教会でも魔法は使う。教会に来た人の手当てをする為に。もちろん、神の奇跡としてだが…。しかし、それを魔道師が横で、勝手にほいほい魔法を使われては、教会としては商売あがったりだからな。そこで同盟にけちをつけた。」 すると、今度はヤンクが |
たけし | 7/27 19:11:32 | 2211cftSqWgpWefDU||205 | ||
「すると同盟はどうじゃ。そんな教会に対抗心を燃やして、機構が認めない研究をすることを禁止にするなどし、勝手にルールを作ったのじゃ。つい最近では、機構に所属していない者はある程度以上の力を持ったタリスマンの所持を禁止にしているらしい。」 「ええ、そうなんですか?」 「そうなんだ。そして、機構に所属してないが魔道にたずさわりたい奴や、俺みたいに魔道の知識もなく、なんの信仰心もない奴はデイセカルッシ市の軍に入ったってわけだ。そして、それぞれの組織の中枢を中心に三大勢力が広がっていった。その組織の勢力内にある村や町はその組織に従うことになる。」 |
たけし | 7/27 19:16:25 | 2211cftSqWgpWefDU||243 | ||
カシムはいつになく真剣な目をする。 「例えば、ルード教団の勢力内の町だと魔法は神の奇跡と教えられる。そしてどの町だろうと教会が絶対の存在になる。簡単に言えばこうだな。」 「そして、それぞれの勢力は他の勢力の存在を決して民衆には知らせないし、それぞれの勢力の境界線には関所があり、一般人は通してくれんのじゃ。」 「なんでですか?」 ベンは、その日3度目の質問をする。 |
たけし | 7/27 19:22:24 | 2211cftSqWgpWefDU||724 | ||
「もしも、自分のいる勢力の内容が、自分の好まないものだったらお前はどうする?他の勢力に行きたいだろう。だけど、自分達がいる勢力しか知らなかったら、どこにも行きようがないと思う。それが奴らの狙いだ。」 ふーんとベンはとりあえず納得する。 ベンにはカシムがこんなに博識だという事実の方が驚きだった。 「ところで、今の話からすると。僕達がデイセカルッシ市へ行くには、その一般人は通してくれない関所を通るわけですよね?」 「ああ。」 何を当たり前に、というような表情をしてカシムは答える。 ベンは冷や汗を流しながら聞く。 |
たけし | 7/27 19:26:8 | 2211cftSqWgpWefDU||482 | ||
「当然、デイセカルッシ市のコネとかありますよね?」 「そんなもんねえよ。」 その一言にベンはさわぎ、 「じゃ、じゃあどうするんですか?そこ意外通るところないんでしょう?」 どうするかはベンにも、なんとなく分かっていた。 ただその考えを信じたくはなかった。 カシムはその騒ぎようを見て、ニヤリと笑った。 とても意地悪そうな笑みだ。 |
たけし | 7/27 19:30:45 | 2211cftSqWgpWefDU||193 | ||
「強行突破しかないだろ!!やっぱ。」 「も、もちろん僕やお師様のことを護ってくれますよね?なんたって3剣のカ…」 ベンの喋っている途中で、 「そんなことしねえよ、俺は。俺の使命はDrヤンクを護ることで、金魚のふんを護ることじゃねえもん。」 カシムはベンを突き放した。 「そ、そんな〜。」 「ま、お前もあのすっげー武器があるじゃん。大丈夫だろ?」 泣きながら崩れ落ちるベンに慰めにもならない言葉をカシムはかける。 |
たけし | 7/27 19:34:43 | 2211cftSqWgpWefDU||386 | ||
「ほーら泣いている場合じゃないぞ、失恋少年。村が見えてきた。あそこで休憩しよう。まだまだ道のりは長い。」 「そうじゃぞ、ベン。科学者たるもの、いつなんどきでも冷静でいるもんじゃ。」 大人二人はベンに無責任な言葉をかけた。 もうすぐ村につく。 まだ彼らの旅は始まったばかりだ。 つづく |
たけし | 7/27 19:36:2 | 2211cftSqWgpWefDU||854 | ||
タイトルミスりました。 正しくは「魔道力学白書〜P4〜」です。 読んでくださった方ありがとうございます。 感想よろしくおねがいします。 |
マジュニア | 7/28 7:43:53 | 2031cfPkRgr2C3mOI||406 | ||
面白いです。一話から興味あって読んでいます。 |
たけし | 7/31 22:25:32 | 2211cftSqWgpWefDU||190 | ||
どうもです。 |
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