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2072第七章〜魔剣〜「レン君はきじゅつし?」いおり♪7/29 13:13:472101cfGNxYMJntlnk
 今までの話しは
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                         です。
感想、意見、印象などがありましたら書いてくださいね!

いおり♪7/29 13:14:72101cfGNxYMJntlnk||110
                              『魔剣』
             それは、魔物も魔族もいないこの世界にあるまじき存在・・・
                昔、魔王と人間の戦争の中心にあった存在・・・
              今、人間の記憶からその存在が消えかけている存在・・・

                 そして、ここに魔剣を持つ男女がいる・・・

一穂と言う名の少女、蓮と言う名の少年、そして・・・魔剣を封印する謎多き魔術師の旅が始まる。

いおり♪7/29 13:15:122101cfGNxYMJntlnk||74
 私達は朝起きた後、また永遠と先の見えない道を歩いていた。
「お師匠様、次の町ってまだですかぁ?」
もう、歩けないよぉ・・・
「まだ先のはずだ」
私の問いに答えたのはお師匠様ではなくレン君だった。
「行った事あるの?レン君」
「ああ、隣町だからな。大分前に親父と行った事があった」
「そうなんだぁ」
うう・・・まだ歩くんだ。やだなぁ・・・私がうんざりしていたその時、道の先に大きな門が見えてきた。
「あ、もしかして、あれじゃない?」
私はそれを指差した。
「・・・変だな。まだ歩くはずだと思ったんだが・・・」
レン君が首をかしげた。なんでもいいや、目の前に町が見えてきたんだもん。

いおり♪7/29 13:15:412101cfGNxYMJntlnk||662
「それでは、行きますか」
お師匠様が私達に言った。
「はい!」
私とレン君は元気良く答えた。

 町の中は小さな家が点々とある。道があちこちの方向に伸びていて、ちょっと進むだけで迷ってしまいそうだった。
「わぁ、道がたくさんある。迷っちゃいそう・・・」
私は町の中を珍しげに見た。
「確かに、これでは自由行動は取れませんね。ただでさえ迷う人がいますから」
お師匠様・・・それって私の事?でも本当に迷いそう・・・
「俺も前に来たのは結構前だから、あんまり道とか覚えてないや」
レン君も困った顔で言った。
「さて、宿屋を探そうにもどこを探せばよいのか・・・」
皆でしばらく町の入り口で唸っていた。

いおり♪7/29 13:16:472101cfGNxYMJntlnk||875
「あの・・・もしかして、あなた達、『きじゅつし』だったりしませんか?」
しばらく唸っていると、若い女の人が恐る恐る聞いてきた。
「『きじゅつし』だったら・・・」
私はいきなり話しかけられたのでびっくりしながらも、レン君の方を向く。
「あ、俺そうだけど・・・」
「よかった!」
女の人は急に手を打って喜んでしまった。
「あの・・・実はあなた達にお願いがあるんです!」
「へ?」
私は女の人の一方的な態度についていけそうになかったが、お師匠様が落ち着いた態度でそれに受け答える。
「何かお困りでも?」

いおり♪7/29 13:17:552101cfGNxYMJntlnk||504
「はい、実は・・・いえ・・・詳しい話しは私の家の中で・・・」
そう言って、女の人はさっさと歩き出してしまった。
「え、ちょっと待ってよ〜」
私は展開の速さについていけなかったが、女の人の後を追いかけた。お師匠様とレン君も一緒だ。

 私達はいきなり話しかけられた女の人の家の中のリビングにいた。大きなテーブルの周りに椅子が七つか八つ置いてある。私達は椅子に座って女の人の話を聞いている。
「あ、私メープルといいます」
メープルさんは丁寧にお辞儀をした。
「はぁ・・・それで、私達にお願い事というのは?」
私はあまり乗り気じゃなかったが話しだけは聞く事にした。

いおり♪7/29 13:18:412101cfGNxYMJntlnk||264
「実は・・・私、この町でマジックショーをやっているサーカス団のアルバイトをしているんですが・・・その中のメンバーが欠けてしまって・・・」
『は?』
私とレン君は同時に声を上げた。全く話しの筋が見えてこない。
「それで、あなた達に代役をお願いしたいんです」
『えええええええええ!?』
またもや、私とレン君は同時に声を上げてしまった。
「ちょっと待ってよ!なんでそうなる訳?私、サーカスなんて見たことすらないんだよ!」
私はメープルさんに向かって叫んだ。
「え、だって・・・あなた『奇術師』なんでしょう?」
メープルさんはレン君の方を向いて言った。

いおり♪7/29 13:19:332101cfGNxYMJntlnk||218
「は・・・」
レン君はしばらく沈黙した。ここで話しがかみ合っていない事に気づいているのは私だけだろうか・・・
「確かに俺は『気術師』だけど・・・」
「お願いします!今とても大変なんです!お礼はいくらでも出しますから!」
「そう言われると断りづらいな・・・」
おいおい・・・レン君、まさか引き受けるつもりじゃあ・・・
「いいでしょう。引き受けましょう♪」
お師匠様がさわやかに答えた。って勝手に答えてるし。
「ありがとうございます!」
「え・・・・」
レン君はあっけに取られてしまったようだ。

いおり♪7/29 13:20:02101cfGNxYMJntlnk||419

「どうしよう・・・俺、マジックなんてできないのに・・・」
ようやく、「気」術師もとい「奇」術師となったレン君が声を漏らした。
「仕方ないじゃん。お師匠様が引き受けちゃったんだもん」
私はため息をついた。
「・・・お師匠さん、なんで引き受けたんですか?」
レン君はお師匠様に聞いた。
「面白そうだったからです♪」
「・・・」
レン君は黙りこくってしまった。これでレン君もお師匠様の恐ろしさを理解しただろう。
「いいじゃない!この私がついてるんだもん大丈夫!」
私はレン君を励ますつもりで言った。
「一穂・・・お前マジックなんてできるのか?」
レン君は恨めしそうに私を見ながら言った。

いおり♪7/29 13:21:22101cfGNxYMJntlnk||143
「え・・・・大丈夫だって!マジックと言えば魔術!魔術と言えばこの私!でしょ?」
はっきり言って、マジックはやった事が無い。そもそもマジックは種と仕掛けを使って何でも無い様なのを魔術の様に見せかける物だ。だから・・・
「本物の魔術でごまかす!これしかないわね」
「・・・・お師匠さん、手伝ってください」
あ、こら!レン君!私を無視するなぁ!
「これも修行だと思って、あなた達だけで乗り越えてください♪」
お師匠様・・・人事だと思って・・・
「はぁ・・・」
レン君は思いっきりため息をついた。
 私達はメープルさんの家に泊めてもらう事になった。私とレン君とお師匠様は同じ部屋になった。

いおり♪7/29 13:22:192101cfGNxYMJntlnk||763
「おい、本当にどうするよ」
部屋のベットに座って、レン君が私に聞いてきた。
「ん〜、そうだ!レン君の魔剣をどこかに立てておいて、それに向かってレモンを投げるの!レン君の魔剣の刀身は見えないから、投げただけで勝手に切れるレモンってのができるんじゃない?」
「なるほど・・・」
レン君は納得したようだ。レン君はベットの上に横になる。
「それで何とかするしかないなぁ」
「うん・・・」
レン君は窓の外の景色を眺めている。
「外きれいだね」
私も窓の外を見て言った。外はもう夜になっていた。家の明かりが点々とついていて、それはまるで蛍の光のようだ。

いおり♪7/29 13:22:532101cfGNxYMJntlnk||556
「あのさ、さっきから思ってるんだけど・・・この町、なんか変じゃないか?」
窓の外の景色を眺めていたレン君が急に言葉を放った。
「変?」
「ああ・・・なんか、人の気配がしない・・・」
「うーん・・・」
レン君の言っている事が良く分からなかった。町の人はちゃんとメープルさんがいるのに、なんでそうな事思うんだろう?
「一穂はずっとお師匠さんと旅をしてきたから分かんないかも知れないんだけど・・・俺はついこの前まで、隣の町に住んでたんだ。だから、思うんだけど・・・なんか、違和感を感じるんだよ」
「ふーん・・・」
「俺、ちょっと散歩に行ってくる」
そう言うとレン君は剣を持って部屋を出て行ってしまった。

いおり♪7/29 13:23:292101cfGNxYMJntlnk||178
「・・・・・」
お師匠様はさっきから黙ったままだけど、どうかしたのかな?

「あら?お出かけですの?」
レンが部屋から出てくると同時にメープルが話しかけた。
「ああ、ちょっとな」
「武器を持って?」
メープルはレンが持っている剣を目で指した。
「用心にだよ。いつ盗賊とかに襲われるか分からないから・・・」
「そうですか・・・気をつけて」
レンは玄関のドアを通り抜けていく。その後ろ姿を見送った後、メープルは急いで電話を手にする。
「ボス、ターゲットの一人が町の中に入っていきました」
『そうか・・・私が何とかしよう。君には残りのターゲットの見張りを頼む』

いおり♪7/29 13:24:102101cfGNxYMJntlnk||148
「了解」
電話の向こうからの声が切れると共にメープルは電話を切った。

「・・・・」
レンは曲がりくねった道を進んでいった。何回もカーブを描く道が方向感覚を狂わせる。レンが歩いている間にも家はいくつかあったが、明かりがついているだけで人の気配は無いようにレンには感じられた。
「妙だ・・・」
レンは一人で歩きながらつぶやく。
「さっきから、同じとこばかり進んでいるような気がするんだが・・・」
レンは「気のせいか」と思いながら進んでいたが、ある家の前に着き、その考えが当たっている事に気づかざるを得なかった。

いおり♪7/29 13:24:322101cfGNxYMJntlnk||450
「ここは・・・メープルの家か?」
もちろんレンは一度も引き返してはいない。恐らく、道が何度もカーブしているせいで同じ場所に出てしまったのだろう。そう考えたかった。仕方なく、レンは家の中に戻っていく。
「おかえりなさい。早かったですね」
メープルがニコニコしながら挨拶してきた。
「ああ・・・ちょっと道に迷っちまってな。気がついたらここにいたんだ」
「この町は複雑な道がたくさんありますからね。気をつけてください。へたに迷えば一生元に戻れなくなりますよ」
メープルは笑顔を変えずに言った。
「ああ・・・気をつけておくよ・・・」
レンは気の無い返事を返した。

いおり♪7/29 13:25:02101cfGNxYMJntlnk||97

「あ、レン君!早かったね」
レン君が部屋を出てからしばらくして、レン君が帰ってきた。
「ああ・・・まあな」
レン君はなんだか気の無い返事を返してきた。
「どうしました?まるで、道に迷って気がついたらここに戻ってきたような顔をしていますね」
それってどんな顔なの?お師匠様・・・
「え・・・分かるんですか?」
あ、本当にそうなんだ。凄いなぁお師匠様は・・・
「ええ・・・気をつけてくださいよ。この町、なんだか妙ですから・・・」
「・・・分かりました」
この町そんなに変かなぁ?私には分かんないや。

いおり♪7/29 13:25:352101cfGNxYMJntlnk||694

 メープルの家から少し離れた岩陰に二つの影があった。
「けけけ・・・あの小僧、うまくメープルの家に戻って行きましたぜ。親分」
「ああ、あの少年にへたに動きまわれたらここの事がばれかねないからな」
親分はメープルの家の窓の中を覗く。ロープを着た男と胴着を着た少女、そして中国の武道家が着るような服を着ている少年がいた。
「しかし、魔剣も一緒に持っていくとは用心なこった。部屋の中に置いていけば盗めたのにねぇ」
「ばか、部屋には二人も残ってたんだ。部屋の中に置いていかれたら余計に盗みにくいだろうが」
親分はもう一人の男をたしなめた。
「そうでしたね。それじゃあ、どうやって盗むつもりで?」

いおり♪7/29 13:25:492101cfGNxYMJntlnk||126
「焦るな・・・あいつらはすでに俺の罠に掛かっているんだ。その内チャンスがくるさ」
親分は不気味に笑った。

いおり♪7/29 13:27:272101cfGNxYMJntlnk||504
魔剣物語第七章!速いですね〜もう七章ですかぁ。最近話しがむちゃくちゃになってきてますが許してください。
感想、意見、印象など待ってます!

祥大7/29 13:35:152192cfjwWTQQyXEQ.||253
こんにちは^^祥大です
あ・・・三人とも罠にかかったのかな・・・?
てか、メープルさんも共犯みたいだし・・・
これは、ピンチなのかなぁ?
ということで、次回も待ってます^^

マジュニア7/29 18:2:62031cfPkRgr2C3mOI||679
次は戦闘とかあるんですか?
どんな罠なのか気になります。
親分はどんな人なんだろう?
頑張ってください

いおり♪7/29 18:17:92101cfGNxYMJntlnk||112
祥大さん>ピンチみたいかな?(どっちだろう・・・)多分、大丈夫でしょう。感想ありがとうございます。

マジュニアさん>鋭いですね。次は戦闘になりそうです。もしかしたら、引き伸ばして更にその次になるかもしれません。感想ありがとうございます。

りょうきち8/5 20:32:92203cfXxIKpNB/Usg||121
すごい



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