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2078作りかけ小説です!!ぺぽっち7/29 16:42:322192cfnz18zma8JNw
木々が欝蒼と繁る森。

木々の葉と葉が擦れ合うサラサラという音が心地良い。

微かに鼻孔をくすぐる森に生い茂る緑の匂い。

時折り聞こえる風を穿つかのように思える鳥の羽ばたくバサッバサッという音。

ホーッホーッというフクロウの眠たそうな可愛らしい鳴き声。

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小さな動物が地面に生い茂る草の間をチョロチョロと駆け抜けるガサガサという音。

こういった自然が共存する場所、すなわち森だ。

滅多に人の訪れぬ、静かで居心地が良く、考え事には持って来いだ。

この森はまた、外界から離れた場所に在るある小さな集落に覆い被さるかのように小さな集落を隠す役目を担っている。

滅多に人の訪れぬこの森の中に在る細い獣道を一人の少年がバイクに乗って通り過ぎて行く。

彼の名は川平誓。

髪の色は紺交じりの黒で、目は淡いブルー。



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半袖シャツに半ズボンという服装で、いかにも涼しそうである。

彼の向かう先は、この森に覆い被されている小さな村。

そこはまた、真の故郷でもある。

今は午前7時半。

朝の爽やかな空気の中、真はバイクを飛ばす。

顔に当たる爽やかな空気が気持ち良い。

小さい頃、祖母ちゃんに怒られたり、何か嫌な事があると、良くここへ来たもんだ。

誓は幼い頃の事を思い出しながらバイクを走らせる。

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数分後、誓は森の中の開けた場所へ辿り着いた。

いやぁ、疲れた。祖母ちゃんも何でこんな所に村を作るかなぁ。

そう思いながらバイクを村の入り口に止めて、キックスタンドを下ろす。

そして一直線に祖母ゃんの家へ向かう。

昔から変わってないな。

誓は歩きながらそう思う。

どの家々も木造建築で、何だか懐かしい感じがする。

村の周りを森が囲んでいるので、滅多な事じゃない限り客人はやって来ない。

だから昔から変わらずに居られるのだ。

小さい頃はよく歩いた道なので、特に迷う事もなく祖母ちゃんの家へ辿り着いた。

扉を開けようとすると、当然鍵が閉まっている。


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合鍵は持っていない。

仕方がないので、

「真が遠路はるばるやって来たんだよ〜。扉を開けておくれ〜。」

と怒鳴りながら拳で扉を力強くドンドンと叩く。

その音にビックリしたのか、慌てて一斉に鳥達が木から飛び立つ。

応答が無い。

せっかく人を呼んでおいて家に居ないのか?

そう呟きながらもう一度力強く扉を叩こうとしたその時、誓の後ろで、

聞こえていますよ。誓様。だからどうかお静かに。

少し嗜めるような口調の声が聞こえた。

誓はビックリしてサッと後ろを振り返る。


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そこに立っていたのは、一人の美青年だった。

髪の色は紫ぽくって、目の色は、左が薄いピンクで、右が薄い紫だ。

そしてとびきりの美形。

だがよく注意して見ると・・・細くて長い尻尾が生えてる。

「何だ、ラークか。いきなり後ろから声を掛けるのはやめてくれないか?」

後ろに立っていた美青年の名前はラーク。

祖母ちゃんの猫神だ。

失礼致しましたと、ラークが頭を下げた。

そして頭を上げると、話しを続けた。

「私の主、香蘭様が中でお待ちです。どうぞお上がり下さい。」

そう言って大きな扉へ指を向けた。


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すると、重い筈の扉が音も無くスゥーっと開く。

そして、誓の目の前でラークは一礼してすぅぅぅっと姿が消した。

主の香蘭様、か。

誓は苦笑しながらラークの開けてくれた大きな門を潜って、家の中へ入って行った。

この家には祖母ちゃんしか居ない筈だが、廊下の床には塵1つ落ちておらず、清潔だ。

きっとラークの誓に対する気遣いなのだろう。

廊下の突き当たりを右に曲がった奥にある小ぢんまりとした部屋に祖母ちゃんは居た。

祖母ちゃん、誓が来たぞー。


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そう言いながら部屋へ入って行く。

だが香蘭はこちらの事何ぞ見向きもしないで、ゲームに熱中している。

香蘭はアクションゲームが大好きでとうてい年寄りとは思えない指捌きで敵を次々と薙ぎ倒して行く。

その光景を目の当たりにして誓は言葉を失った。

人を呼んどいて、いざ来て見るとゲームに熱中していて人の事を見向きもしない。

自分勝手だ。

思わずふぅと吐息をついてしまう。

その音に気が付いたのか、ようやく香蘭は真の方に顔を向けた。

そして真の姿を見て、驚いた顔をして、

「おお、もう来たのか。あいからわず早いのぅ。」

と言う。


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そして、まぁ、座りなさい、と促すと誓の前にサッと座布団が現れる。

誓は少し驚いた顔をして、床に現れた座布団の上に正座で座る。

誓が座ると、香蘭は体ごと真の方を振り返る。

祖母ちゃん、都会の土産、と言いながら真は鞄の中から日本酒2升とタバコ5カートンを取り出す。

香蘭は真が鞄の中身を出すのを黙って見つめていたが、唐突に、

何じゃ、それだけか!ちっとは年寄りの気遣いでもしないか!

と一喝する。

そんな香蘭の叫び声など聞こえない振りをして、誓は真顔のまま、正座を崩し、寛ぐ為にあぐらをかく。

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そして、

「それじゃぁゲームソフトの方が良かった?」

などと聞く。

香蘭ももういい、という感じでタバコの箱を手に持ち、馴れた手付きで封を切る。

そしてタバコを取り出し、口にくわえる。

そのタバコの先にぽっと火が灯る。

香蘭はそのタバコをうまそうに吸っている。

何だ、結局は嬉しいんじゃんか、と苦笑する。

誓もタバコを取り出して口にくわえ、俺のも、と頼む。

すると、誓のタバコにも香蘭のと同じく火がぽっと灯る。

サンキュー、と礼を言って、真もタバコを吸い出す。

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しばらくはタバコの煙を吐くふーという音だけが聞こえていた。

口火を切ったのは誓だった。

「祖母ちゃん。それで話って何?」

と、香蘭に問い掛ける。

香蘭はタバコを灰皿の上で揉み消して、視線を真に向ける。

そして、真の問いに答える為に口を開く。

「実はな、お前に猫神使いとなってほしいのじゃ。」

真はポカーンとした表情で、

「え?今何て言った?」

と聞き返す。

「お前に猫神使いになってくれと頼んでおるのじゃ。」

「なんで急に?俺って確か川平家から除名されなかったっけ?」

誓はう〜んと唸る。


ぺぽっち7/29 16:48:492192cfnz18zma8JNw||26
香蘭は話を続ける。

「いまこの村の裏山の赤い鳥居の先のお堂に一匹の猫神が居るのじゃ。じゃがその者はやんちゃ故誰の手にもおえないのじゃ。そしてこの銀狼の主となれる者はお主しか居らんのじゃ。」

「ほう。そうか。」

香蘭は頭を下げ、

「この通りだ!頼む!そのやんちゃ者の銀狼の主となってくだされ!」                 

言葉の語尾を強くしてそう言う。

そんな香蘭に対して、誓は軽く、

「良いよ、祖母ちゃんがそこまで言うなら。だが本当に俺で良いのか?一度は平河家から除名された身だぞ。」

確かに、と香蘭はうな垂れる。

ぺぽっち7/29 16:49:422192cfnz18zma8JNw||343
真は13歳で受ける猫神使いと成るための試練、霊力テストで、平河家では異例の、試練不合格者となったのだ。

その試練とは、村の裏山で一晩を明かし、めでたく猫神に気に入られれば合格、という試練だ。

しかし、なぜか誓は猫神に気に入られなかったのだ。

「分かった。引き受けよう。」

数秒後、突然誓が承諾した。

香蘭は突然の事に戸惑い、驚きの表情で問い掛ける。

「どうしたんじゃ?」

いやな、と前置きをして、

「俺は試練不合格者として猫神使いになれなかったからな。今からでもやってみたいとは思っていた訳だ。それで丁度この話が来たんだ。運が良いぜ。ありがとよ。」


ぺぽっち7/29 16:50:22192cfnz18zma8JNw||203
「ありがとう、誓よ。いや、川平誓よ。では、頼んだぞ!」

真は軽く頷いて、

「裏山の赤い鳥居の先のお堂の中だな?」

「そうじゃ。」

誓は香蘭に背を向け、廊下へ出て行った。

香蘭は真の背を見送ると、クルリとテレビの方に向く。

だが、もうゲームのコントローラーを手に持とうとはしない。

無言のまま、電源をオフにする。

その時、

どうなされましたか?

と後ろで声が聞こえた。

ラークだ。

ぺぽっち7/29 16:52:72192cfnz18zma8JNw||697
まだ続きがありますが長いので辞めます^^;呼んでくださるだけで結構です^^

loveless7/29 19:10:76112cf8YtXlW84RLI||756
レス、失礼させていただきます(ぺこり)
ここの板には珍しく、しっかりとした描写。
惹き付けられる設定。
浮き上がる懐かしい情景。
その巧みな見せ方に魅せられました。
続きが気になりますです><
これからも、是非とも頑張ってください!

ぺぽっち7/29 22:6:452192cfnz18zma8JNw||220
呼んでくれましたか^^;ありがとうございますm(__)mこれからも頑張ります

ぺぽっち7/29 22:19:592192cfnz18zma8JNw||647
明日から3日間の合宿なので続きは3日待ってくださいね^^;

エルナディア8/3 11:5:312182cfcGD537gTbuo||74
初めまして。小説上手ですねvv
ラークが?何?気になる〜
はやく書いてください!
ではでは失礼します〜


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