2169 | 単純系小説『鋭利な刃物』第四弾 | beloved | 8/1 7:24:46 | 2191cfSsQnbpQz90Y |
ポエマーかつアンダーグラウンド系殺人者泡沫唄胡と 金髪銜え煙草のキャラが未だに確立されてない死神氷室朝霧の 血と涙と肉と輝きを求める感情のもと表現されている、単純系小説です。 今回が初めてって人は、下の方に第一弾、第二弾、第三弾があると思いますので、そちらの方にさっと目を通してからお読みください。 |
beloved | 8/1 7:25:13 | 2191cfSsQnbpQz90Y||597 | ||
「煙草は好き?」 「好きだからこーやって普通に吸ってンだろ」 「じゃあ酒は?」 「……苦手」 「女は?」 「アンタさっきからその手の質問ばっか」 「いいから。女は?」 「まあ、好きだ」 「死んだ時って、どんなんだった?」 「あー、その話には触れないで」 「……ごめん」 |
beloved | 8/1 7:25:36 | 2191cfSsQnbpQz90Y||314 | ||
質問が絶えない。 貴方のことがもっと知りたい。 貪欲に貴方の情報全てを求めてる。 もっともっとその光を、あたしだけに頂戴。 |
beloved | 8/1 7:25:55 | 2191cfSsQnbpQz90Y||960 | ||
――初めて人に興味を持った。 氷室朝霧という死神だけど。 死神ってのは一回死んだ人間がなる物だから、そんなに変わらない。 でも死神なのに輝いてて、影を引きずることを許されていないような。 世界に見捨てられたあたしを拾い上げてくれた。 それが例え仕組まれていても、あたしはこの輝きを手放すことは出来ない。 貴方の輝きを頂戴としか言えない。 ソレしか唇に載せて、空気に解かすことが出来ない。 情が爆発して、世界中が消えて二人だけになってしまえばいい。 余り近づかないで。 きっと喰い殺してしまうから。 |
beloved | 8/1 7:26:13 | 2191cfSsQnbpQz90Y||995 | ||
「朝霧は人殺しをどう思う?」 |
beloved | 8/1 7:26:35 | 2191cfSsQnbpQz90Y||984 | ||
朝霧はうっすらと嗤う。 あたしを魅了して止まない、傲慢な笑み。 |
beloved | 8/1 7:26:54 | 2191cfSsQnbpQz90Y||427 | ||
「悪いこと、じゃねぇの?」 |
beloved | 8/1 7:27:36 | 2191cfSsQnbpQz90Y||918 | ||
朝霧は取りだしたジッポで、新しい煙草に火を付けた。 あたしに下されるだろう判決は、地獄にて永久的に苦しみを味わうことになる、と彼は言った。 |
beloved | 8/1 7:27:55 | 2191cfSsQnbpQz90Y||181 | ||
今、汽車の中。 地獄行きの一方通行。 切符も車掌もアナウンスもない。 いるのは罪人と死神御一行様。 血塗りのボティに超特急のエンジンを積んだ最新型。 窓を開け放ったら、慣れ親しんだ血の匂い。 |
beloved | 8/1 7:28:18 | 2191cfSsQnbpQz90Y||630 | ||
結局血の匂いだけは、嫌いになれない。 裏切らないから。 |
beloved | 8/1 7:28:35 | 2191cfSsQnbpQz90Y||931 | ||
制御して。 あたしを征服して。 壊してボロボロにして。 スイッチを付けて、あたしを動かして。 魂を殺して。 この感情を消して。 |
beloved | 8/1 7:29:12 | 2191cfSsQnbpQz90Y||485 | ||
ナイフが欲しい。 刃物が欲しい。 貴方が欲しい。 光が欲しい。 強さが欲しい。 全てが欲しい。 死ぬほどの苦痛が、欲しい。 |
beloved | 8/1 7:29:31 | 2191cfSsQnbpQz90Y||21 | ||
感情の沸点を達したあたしの感情は、さらなる高みへと向かおうとする。 闇の中にいるのが一番落ち着く。 このまま閉じこめてとしか言えない。 何よりも強い感情のことを、なんて言うのか教えて。 |
beloved | 8/1 7:29:47 | 2191cfSsQnbpQz90Y||897 | ||
がくんッ!! 「!?」 |
beloved | 8/1 7:30:2 | 2191cfSsQnbpQz90Y||475 | ||
座席が上下に揺れ、体中に衝撃が走る。 朝霧を見上げた。 彼は青い顔をしていた。 |
beloved | 8/1 7:39:41 | 2191cfSsQnbpQz90Y||896 | ||
冷たい声。 傲慢なんて感情は、存在しない。 「……霊喰いの集団だ」 彼は静かに言った。 |
beloved | 8/1 7:40:14 | 2191cfSsQnbpQz90Y||953 | ||
霊喰い。 霊を喰うと書いて霊喰い。 闇色の衣の、月の光で生きているような。 死神の敵。 つまりあたしの敵。 |
beloved | 8/1 7:40:47 | 2191cfSsQnbpQz90Y||767 | ||
「電車にまで手出ししやがったのは初めてだ。 アンタの魂が、それ程奴等に気に入られたか、奴等にとって不要分子かのどちらかだろう」 |
beloved | 8/1 7:41:2 | 2191cfSsQnbpQz90Y||617 | ||
不要分子。 心の傷が開いて、血がぼたぼたと滴ってる。 死にそうになるぐらい、痛い。 いっそ狂いたい。 |
beloved | 8/1 7:41:19 | 2191cfSsQnbpQz90Y||508 | ||
四肢を引き裂いてあたしを苦しませて、心臓に刃を突き立ててあたしを殺して。 |
beloved | 8/1 7:42:1 | 2191cfSsQnbpQz90Y||413 | ||
「でもっ、他の人達も地獄行き…」 「あいつらはもう烙印を受けてる。閻魔が見張ってるから手出しは出来ない」 ソレは最早、死刑宣告。 |
beloved | 8/1 7:42:18 | 2191cfSsQnbpQz90Y||82 | ||
「嘘でしょ?」 流れ込む黒衣。 闇色が流れ出る。 血を洗い流すように、闇が覆い尽くす。 轟々と音がする。 風。 |
beloved | 8/1 7:42:36 | 2191cfSsQnbpQz90Y||877 | ||
狂気と衝動がまだ騒ぎ出すのを感じた。 ダメだと言い聞かせ。 すぅっと息を吐き、吸う。 |
beloved | 8/1 7:43:21 | 2191cfSsQnbpQz90Y||863 | ||
人じゃないんだ。 必死に訴えかける。 人じゃないモノは、血だって肉だって無い。 時が過ぎるのを待て。 |
beloved | 8/1 7:43:37 | 2191cfSsQnbpQz90Y||637 | ||
でも。 溢れた感情は、容易く言葉になる。 弾けた感情は、ゆったりと言霊へと変貌する。 |
beloved | 8/1 7:43:42 | 2191cfSsQnbpQz90Y||662 | ||
beloved | 8/1 7:43:56 | 2191cfSsQnbpQz90Y||805 | ||
「朝霧、あたしに刃物、頂戴」 |
beloved | 8/1 7:44:17 | 2191cfSsQnbpQz90Y||545 | ||
言葉が溢れて、言霊が零れ。 するすると惹かれるように言葉が出てくる。 唇を閉じることは出来ない。 精神力の無さが、伺い知れる。 |
beloved | 8/1 7:44:42 | 2191cfSsQnbpQz90Y||163 | ||
「言霊で呼びかけろ。世界の理だ」 彼は冷静だった。 銃を構え、威嚇するように視線が凍てついていた。 にじみ出る汗で動揺は明白だ。 |
beloved | 8/1 7:44:57 | 2191cfSsQnbpQz90Y||89 | ||
あたしはこれでしか生きられない。 はみ出し者の生き方。 心臓はもう無いけど。 心は何処に在るか解らないけど。 あたしはこうでしか生きられない。 |
beloved | 8/1 7:45:16 | 2191cfSsQnbpQz90Y||748 | ||
破壊衝動だけで。 闘争本能で成り立って。 |
beloved | 8/1 7:45:31 | 2191cfSsQnbpQz90Y||601 | ||
「……刃物、頂戴。」 |
beloved | 8/1 7:45:49 | 2191cfSsQnbpQz90Y||890 | ||
衝動でできたまがい物の言霊。 しかしソレは鍵となりあたしの手足となり、手にナイフと信念を握らせた。 全てはあたしが壊し、壊されるためにあるから。 奪い尽くす。 とことんまで。 |
beloved | 8/1 7:46:5 | 2191cfSsQnbpQz90Y||414 | ||
グリップ。 両手に其の感触。 刃に触れると、馴染んだ感触が蘇る。 死の息吹のように、冷える。 |
beloved | 8/1 7:46:46 | 2191cfSsQnbpQz90Y||106 | ||
書き殴るように。 気の済むままに。 衝動的に。 必然的に。 思うままに。 求めている、血を。 |
beloved | 8/1 7:47:5 | 2191cfSsQnbpQz90Y||304 | ||
戦う事を選んだ、あたしの躯。 |
beloved | 8/1 7:47:21 | 2191cfSsQnbpQz90Y||784 | ||
「行くよ」 すぅっと息を吐き、吸って。吸って吐いて。 あたしには参戦資格など無いのかも知れないけど。 気が済むまでとことん戦おう。 ソレまでは地獄へ行くことも許されない。 |
beloved | 8/1 7:47:35 | 2191cfSsQnbpQz90Y||259 | ||
「行くか」 彼は焦点をきりりと結び、太陽のような光の銃口を闇に向けた。 あたしはナイフを交差させ、いつでも飛び出せるように準備をした。 |
beloved | 8/1 7:47:48 | 2191cfSsQnbpQz90Y||299 | ||
『片っ端から殺す』 二人の声が、重なり合った。 |
beloved | 8/1 7:48:1 | 2191cfSsQnbpQz90Y||727 | ||
つーわけで、第四弾です。 次は泡沫嬢の戦闘シーンです。少しグロイかもしれません。(待テ。) 彼女は結局『何かを壊す』事でしか、存在理由を見つけられないみたいでした。 氷室君も相変わらず平凡キャラです。お恥ずかしい。 じ、次回はかっこよく書きます。(出来るか?)……出来る限り頑張って。 |
loveless | 8/1 11:17:8 | 2201cfsirZBOVKEaM||699 | ||
もっかいゆっときます。 lovelessとbelovedは姉妹です。 表現の違いやら言葉づかいやらで、2人が同一人物でないことが解るかと思われますが; ……しかし、2chでIP晒されてるとは; 困っちゃうねえ、beloved;; |
ベベル | 8/1 13:14:22 | 2201cfgd782ZeVDdA||268 | ||
´ω`)ノ こんぬづわ 自分が生きている事を実感する為に痛みを、破壊を求める泡沫嬢・・・ 少し悲しい気もしますね(w_−; ウゥ・・ 氷室君はクールな感じでカッコいいと思います(私的に 銜えタバコで銃を構える姿が何とも(´∀`*)ウフフ なにやら言われてるようですがあまりお気になさらずに・・・ と言うのは無理かもしれませんが、ああいう風に言う人はホンの一部の人間だと思いますので・・ 私はお二人の書き物好きです^^だから応援させて下さい(*- -)(*_ _)ペコリ |
銀月 | 8/1 16:26:58 | 2182cfLMvpixotkc6||12 | ||
こんにちは^^ノ どんどん泡沫嬢が私の心の奥底を抉っていきますw 読むほどに、私の心を掴み、文字の並びはまるで媚薬のようです(汗 コレ以上感想を書くと、意味不明な上に自分の感情が収まりきらなそうなので、 これで失礼しますm(__)m |
beloved | 8/1 17:5:38 | 2209cfl/CDHjjKayk||322 | ||
あー、何か一騒動あったみたいで。姉の方が戦ってくれてたそうです。 →姉。 困りますがな。(´._ゝ`)プッ →ベベル様 応援ありがとーございますv嬉しいです。 氷室君にとうとう一筋の光が゚:。+゚。:゚(・∀・)゚:。+。;゚ 泡沫嬢は何年経ってもあんななんでしょうね、きっと。 →銀月様 感想ありがとーございますv 読むほどに味が出る『スルメ的』小説になって良かったです。(スルメ的…) 続きは明日の朝にでも更新しておきます(*´∇`*) |
特殊文字 by.チビファンタジー |