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2193第八章〜魔剣〜「幻の町」いおり♪8/2 14:34:552101cfGNxYMJntlnk
 今までの話しは
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第七章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-2072.html
                           です。
感想、意見、印象などがありましたら書いてくださいね!

いおり♪8/2 14:35:142101cfGNxYMJntlnk||719
                              『魔剣』
             それは、魔物も魔族もいないこの世界にあるまじき存在・・・
                昔、魔王と人間の戦争の中心にあった存在・・・
              今、人間の記憶からその存在が消えかけている存在・・・

                 そして、ここに魔剣を持つ男女がいる・・・

一穂と言う名の少女、蓮と言う名の少年、そして・・・魔剣を封印する謎多き魔術師の旅が始まる。

いおり♪8/2 14:36:202101cfGNxYMJntlnk||918
「頑張れ〜!レン君!」
私は舞台の袖からこっそりレン君を応援した。次の日、朝起きたらメープルさんがやってきて「今日、公演なので準備してください」と急に言われたので、私達はびっくりしたが仕方なく、無理やりレン君に行ってもらう事にした。
「さあ、次は期待の新人、奇術師レン君だぁああああ!」
          ワアアアアアァァァァァァッ
観客から歓声が漏れた。司会者の言葉と同時に燕尾服を着たレン君がステージにさっそうと・・・いや、ぎこちなく現れた。

いおり♪8/2 14:36:582101cfGNxYMJntlnk||890
―おいおい、マジかよ・・・―
レン君はステージに出て、愕然とした。観客がものすごく多い。たかが、小さな村のサーカスだから、見に来る人はそんなにいないだろうと高をくくっていたレン君だが、すでにその額には汗がにじみ出ていた。
「おい、一穂・・・ちゃんと俺の演技に合わせろよ」
レン君は周りに聞こえないように私に言った。
「OK」
そう言って、私はさっそく準備にかかる。
『・・・我が一穂名において、魔界の汝と契約を交わす・・・汝の意思に基づき、我願う小さき炎よ・・・我が世界に躍りいでよ・・・』
私の周りにたくさんの小さな炎が現れた。それを確かめたレン君が何やら怪しい動きを始めた。

いおり♪8/2 14:37:202101cfGNxYMJntlnk||629
「今だ!ファトル!」
小さな炎がレン君の後ろに回った。予定ではレン君が決めポーズを出すと共にレン君の後ろから、炎が出てくるはずなのだが・・・
「あちちちちち!!!!」
炎がレン君の燕尾服に燃え移ってしまった。
「あ、また失敗♪」
私は熱がっているレン君を見ながら言った。
「はぁ・・はぁ・・・何すんだよ!!一穂」
レン君は一瞬怒鳴りそうになったが周りに聞こえないように私に怒った。
「ごめん〜それよりも、お客さんの方・・・」
            シ〜〜〜〜〜〜〜〜ン
観客達から静寂がもれてきた。
「あははは・・・」
レン君はしばらく作り笑いをしていたが、だんだん顔が引きつってきた。

いおり♪8/2 14:37:342101cfGNxYMJntlnk||913
―ど、どうしよう・・・―
レン君は頭の中が真っ白になってしまった。
            ワアアアアァァァァァッ!!!
急に観客から歓声が漏れた。
「いいですよ〜皆さんうけてます。続けてください」
舞台袖にいたメープルさんが固まっていたレン君に声をかける。
「そ、そうか・・?」
レン君は少し疑問だったがすぐに気を取り直して次のマジックに取り掛かる。レン君は何度も失敗したが、逆に客達にうけているようだ。
「ははは・・・こんなもんなのか・・・??」
レン君は歓声を受けながら、ショーを続けた。

いおり♪8/2 14:38:202101cfGNxYMJntlnk||450

「けけけ・・・やってますね。親分」
レン君がやっているマジックショーの観客の中に例の二人組みがいた。
「ああ、今なら魔剣を盗むチャンスかもしれんな」
親分はぼそりと答えた。
「けけけ・・・それなら、さっそく盗りに行きましょう・・・きっと、控え室にありますぜ」
「そうだな」
二人は動いた。「関係者以外立ち入り禁止」と書かれているドアの前に来た。もちろんそこに見張りはいるのだが、大きな剣を持っている親分を見ても怪しまず、見張りはそこに立っているだけだった。
「さて、ここか・・・」
二人は「奇術師『蓮』、控え室」と書かれたドアの目の前にやってきた。二人は部屋の中に入る。

いおり♪8/2 14:39:322101cfGNxYMJntlnk||714
「お、ありましたぜ。親分」
男が壁に立てかけてある一つの剣を見つけた。一穂の剣だ。
「もう一つが無いな・・・」
親分はレンの剣を探しながら言った。
「多分、別の所に置いているんでしょう・・・今はこの剣を盗っちまいましょう」
男は一穂の剣に近づいて、触れた瞬間・・・
                バシッ!!
「グアアアアアッ!!」
男は何かに弾かれた様に吹っ飛んだ。
「どうした!?」
親分が慌てて聞いた。
「そ、それが・・・」
親分が一穂の剣の方を向くとローブを着た青年が剣の前に立っていた。
「そこで何をしているんです?」
青年は分かりきった事を親分に聞いた。

いおり♪8/2 14:40:212101cfGNxYMJntlnk||454
「て、てめえ・・・いつの間に現れた?」
親分は青年に質問を無視して、にらみつけながら言った。
「そこで何をしているんですか?」
青年は親分にひるむ事無く、鋭い目で言い放った。
「う・・・」
親分は気づいた。この青年はターゲットの魔剣を持っている少年少女と行動を共にしていた者だった。
「どうやら・・・俺達のたくらみは最初から、ばれていたって事か・・・」
親分は何かを決心したのか、持っていた剣を右手に持った。そして、何も持ってない左手の掌に新たな剣が現れた。

いおり♪8/2 14:40:592101cfGNxYMJntlnk||89
「言っとくがな・・・俺は二刀流なんでね・・・お前さんには悪いがここで死んでもらう」
男が青年に向かって一直線に走った。そのまま左手の剣を青年に向かって振るったが・・・
「どうした!避けないのか!?」
親分が叫ぶ。青年は親分の言葉を聞いてないのか避ける気配も受け止める気配もない。
―正気か?―
親分は一瞬そう思った。しかし、青年がこの剣の事を知っているとしたなら・・・親分はそれを確かめる様に左手に力を入れた。左手の剣は青年の体を薙ぐ様に見えたが・・・剣はそのまま何事も無かったかの様に体をすり抜けただけだった。青年はこの不可解な現象にも顔色を変えない。

いおり♪8/2 14:42:42101cfGNxYMJntlnk||88
―まさか・・・この剣の事を知っている?―
親分の額には焦りの色が見えてきた。今度は右手の剣を青年に向かった振るった。
                パシッ
今度は親分の剣を青年は左手で受け止めた。
―やはりな・・・―
親分は何かを悟ったようだ。
「・・・この剣の事、いつから気づいてた?」
親分は青年の左手に掴まれている剣に入れている力を抜かずに聞いた。
「最初・・・あなたが私達に魔物の幻を見せた時からですよ・・・」
青年は顔色を変えずに答えた。
「なるほど、では・・・最初から気づかれていたのか」
親分は右手の剣をいったん引いて、一歩後ろに飛んだ。

いおり♪8/2 14:42:222101cfGNxYMJntlnk||103
「確かに・・・この左手の剣は幻だ・・・」
そう言うと、親分の左手にあった剣が姿を消す。
「だが、これには気づいたかな?このサーカス団、この町、そして、町人も幻だと言う事に・・・」
そう言って、親分は剣を天井に向かってかざした。

いおり♪8/2 14:43:12101cfGNxYMJntlnk||378

「それ!フィニッシュだ!」
一穂はレン君の剣を舞台の中央にこっそり立てて置いた。レン君はレモンをニ、三個持っている。レン君がレモンを投げた。すると、舞台の中央に立てて置いてあるレン君の剣―観客には柄の部分しか見えない―によって、レモンが次々に空中で真っ二つになった。
「よし、今度こそ成功!」
私は思わず叫んだ。しかし、最後のマジックが成功したと言うのに観客席から歓声は聞こえなかった。
「変だな〜ちゃんとうまくいったのに・・・」
私はレン君の方を見てみた。レン君は観客席の方を見て呆然としている。そりゃショックだわな。やっと初めて成功したんだから・・・

いおり♪8/2 14:44:12101cfGNxYMJntlnk||576
「お、おい・・・一穂・・・」
レン君がおもむろに声をだした。
「何?」
私がレン君の方をもう一度向くと、観客席の方を指で指していた。
「?」
客に向かって指を指すなんて失礼だなぁっと思いながらも、レン君の指先を見てみる。
「え?・・・・」
私は一瞬目を疑った。観客席には客が一人もいなかった。私は一瞬、つまんなくなって帰っちゃったのかと思ったが、その次に起こった現象からそうでないと悟った。
                  フッ・・・
最初にショーステージが消えた。次にサーカスのテントそのものが消えて町が見えたかと思えば、その町さえ消えさってしまった。

いおり♪8/2 14:44:312101cfGNxYMJntlnk||18
「な・に・・・・?」
残ったのは、私とレン君とメープルさんと複数の男の人達だけだった。
「野郎ども!作戦は変更だ!力ずくで奪え!」
その中の一番大きな背の大きな剣を持っている男が声を張り上げた。
「イェッサー!ボス!」
男の人たちが一斉に声を上げる。良く見ると、剣を持った男の近くにお師匠様がいたりする。
「あら、女もいるのよ」
メープルさんが剣を持った男の人に話しかける。
『????』
私とレン君は何が何だが良く分からない。とりあえず、この状況を一番知ってそうなお師匠様に聞いてみる事にした。
「お師匠様!何があったんですか?」

いおり♪8/2 14:45:72101cfGNxYMJntlnk||545
「一穂さん!とりあえず、これを・・・」
お師匠様は近くに落ちている剣を私に向かって投げた。
「きゃ」
私は何とかそれを受け止める。
「危ないじゃないですか!お師匠様!」
私が怒っているのを無視して、お師匠様は私とレン君の所までやって来た。
「あいつらは何者なんです?メープルさんとお知り合いのようですが・・・」
レン君も自分の剣を拾いながらお師匠様に聞いた。
「盗賊団ですよ」
『へ?』
私とレン君は一緒に声を上げてしまった。
「それじゃあ・・・メープルさんも・・・」
「ええ、グルです」
『ええええええ!?』
またしても、レン君と私が見事にはもってしまった。レン君と息ぴったし♪

いおり♪8/2 14:45:432101cfGNxYMJntlnk||860
「今頃気づいたようね」
メープルさんは今までと打って変わった様に口調を変えて私達に言い放つ。
「偽者の町とサーカス団を作って、相手を油断させて相手から金品を盗むのが私達の仕事よ」
そういえば、さっきまであった町とサーカスはまるで消えてしまっている。しかし・・・
「でも、町人だっていたし・・・あんな大きな町が一瞬で消える訳が無いじゃない!」
そうだ。あれほどの偽者をたとえ作れたとしても、一瞬で消える訳がない。

いおり♪8/2 14:46:272101cfGNxYMJntlnk||527
「それは・・・」
「この剣のおかげよぉ。俺はまさに最強の力を手に入れたんだ。『幻』と書いて「げん」と読む。どんな幻だって見せる事ができる『魔剣』だ」
お師匠様が何か言いかけたが大きな剣を持っている男が遮った。
「何だって・・・?あの剣が・・・魔剣?」
信じられない・・・伝説と言われている魔剣をレン君に続いてこの男も持っているなんて・・・
「幻ってまさか・・・あの魔物の幻も・・・」
「そう、俺がやった事だ」
「な・・・」
「お前らが、魔剣を持ってるか確かめたかったからな・・・わざわざ、魔物の幻を作ってやった」
確かに、相手が魔物なら、魔術師で無い者は魔剣で戦うしかない。

いおり♪8/2 14:46:492101cfGNxYMJntlnk||658
「そう、今回は金品では無く、その魔剣が目当てだ。これさえあれば、俺は無限に近い力を手に入れる事ができる!そうすればこの辺りの町村はこのリック様が頂いたものも当然!」
どうやらこのリックと言う男は何か勘違いしている様だ。魔剣の力はそんなに簡単な物じゃない。私はその事を良く知っている。
「さあ、野郎ども!!奴らの魔剣のを奪え!!」
「イェッサー!!」
「だから女もいるってのに・・・」
メープルさんはため息をついた。

いおり♪8/2 14:47:552101cfGNxYMJntlnk||272
次は戦いが始まります!今度こそ、お師匠様は戦ってくれるのか!?お師匠様は本当に強いのか?次回お楽しみに・・・

マジュニア8/2 17:40:352031cf3bsMkaB7C7.||102
魔剣の能力だったんですね。
師匠の力見てみたいです。どのくらい強いのか楽しみです。
頑張ってください、戦闘を楽しみにしています。

祥大8/2 19:10:22192cfjwWTQQyXEQ.||209
 こんにちは^^祥大です
真優「・・・真優です」
 ん、どうした?
真優「いえ・・・魔剣もたくさんあるんだな、って思って・・・」
 そうだな。今のところ三本か・・・まだまだありそうだな^^
真優「そうですね。お師匠さん、とっても強そうですね」
 これで弱かったら洒落にもならん
真優「では、次回も楽しみにしています」

いおり♪8/3 16:56:402101cfGNxYMJntlnk||858
マジュニアさん>感想ありがとうございます。次はやっと戦いです。お楽しみに〜

祥大さん>魔剣は色々あります〜これからももっと増やすつもりです。伝説の物なのに、やたらと出てるのは色々と・・・訳があるわけです〜


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