2245 | 魔道力学白書〜P6〜 | たけし | 8/4 22:48:26 | 2211cftSqWgpWefDU |
はじまり はじまり |
たけし | 8/4 22:52:32 | 2211cftSqWgpWefDU||280 | ||
カシムの周りには十数人ほど集まっている。 「お師様〜」 「何じゃ、ベン?」 ベンはカシムのいる方を見たまま言う。 「あれで全員ですよね。」 「何がじゃ?」 「いや、ここの村に住んでいる人ですよ。」 そう言われて、ヤンクはカシムのいる方を見る。 相変わらず、村人たちがとりかこんでいる。 確かに、言われてみれば変だった。 |
たけし | 8/4 22:56:59 | 2211cftSqWgpWefDU||90 | ||
ここはそんなに大きな村じゃないにしろ、そこそこ人家もある。 今、この状況を考えれば、ここにいるのが村人の全部だろう。 では、なぜ十数人しかいないのか……? (おかしいのぉ) ヤンクは首を傾げる。 そんな時、カシムをとりかこんでいる村人たちの気配が変わった。 「Dr!!ベン!!お前ら逃げろー」 カシムの声が聞こえてきたのは、そのすぐ後だった。 ***************************************** |
たけし | 8/4 23:3:20 | 2211cftSqWgpWefDU||44 | ||
************************************** (こいつら、妙だな。) カシムは自分をとりかこむ村人たちの異変に気づいていた。 (喜びのあまり俺の周りに集まってるというより、俺を逃がさないようにしてるような…) カシムが思考中の間も村人たちは取り囲んでいる。 (そういえば、ゴーレムを操っていたのは誰だったんだ?結局あの盗賊の中に魔道師は…) そのとき、カシムは気づいた。 金属がこすれる音に… (やべぇ) 「Dr!!ベン!!お前ら逃げろー」 |
たけし | 8/4 23:7:5 | 2211cftSqWgpWefDU||724 | ||
**************************************** 「お師様、カシムさんが人込みの中から出てきますよ。」 ベンがそう言うと、カシムが村人の中からやっと出てきた。 わき腹を真紅に染めて。 「カシムさん!!」 ベンが叫ぶ。 そして、その背後に人が現れた。 ***************************************** |
たけし | 8/4 23:23:3 | 2211cftSqWgpWefDU||502 | ||
「お…お前は」 カシムはベン達の後ろに注目する。 そして、声を失った。 1人の男がそこにはいた。 白髪に碧眼で、3本の白い線が入った青を基調としたローブを身にまとっている。 そのローブはある組織の制服だった。 その名も『100魔道師団』 魔道同盟機構が所有する組織である。 その男が身にまとっているのは、その中でも:テンナンバー:と呼ばれる、10人の魔道師だけが着用を認められたものだった。 |
たけし | 8/4 23:24:23 | 2211cftSqWgpWefDU||10 | ||
「く、くそ。」 カシムは自分の体を引きずるようにして走った。 その白髪の魔道師を目指して。 ***************************************** |
たけし | 8/4 23:32:30 | 2211cftSqWgpWefDU||562 | ||
「白髪の魔道師…シャモン」 ヤンクがそうつぶやいた。 魔道同盟機構の勢力内ではシャモンは有名だった。 彼は世界に数人しかいない生粋の魔道師で、 呪文の詠唱も陣も印も使わなくても、中級までの魔法なら声を出すだけで発動できる魔道師。 そう、彼は天才魔道師なのだ。 その為、:白髪の魔道師:と呼ばれて、有名なのである。 しかし、デイセカルッシ市のエージェントの間では違う呼びかたをされていた。 ***************************************** |
たけし | 8/4 23:39:49 | 2211cftSqWgpWefDU||103 | ||
「ついに見つけたぞ。裏切りのシャモン!!」 カシムがそう叫ぶ。 そう、シャモンはエージェントからは:裏切りのシャモン:と呼ばれていた。 「ああ、あなたですか。」 シャモンがカシムに向かってにっこりと笑う。。 カシムは傷のことなどお構いなしで、 「ふざけるな!!なぜ勝手に抜けた!!」 「ただ、貴方達の考えがそぐわなくなっただけのこと。」 シャモンは淡々と話す。 |
たけし | 8/4 23:46:23 | 2211cftSqWgpWefDU||480 | ||
「たったそれだけのことで仲間を裏切り殺したのか。」 「私にとってはそれが必要だった。」 「仲間を殺すほど必要なことなんかあるか!!」 「ありますよ。まぁそこに関しては見解の相違ですね。」 また、シャモンは笑う。 「ところで、貴方は途中私の存在に気づいてらしたようでしたが、なぜでしょうか?」 カシムは答える。 「ゴーレムだよ。あのゴ―レムを造ったのが盗賊じゃないとすると、造ったのは別の奴だ。 さらに、これはゴーレムを壊した後気づいたんだが…あのゴーレム、低級魔法の割には形が整いすぎていた。あれほど洗練された魔法を使えるのはかなりの奴と思ったのさ。」 |
たけし | 8/4 23:51:11 | 2211cftSqWgpWefDU||902 | ||
シャモンは生徒が正しい解答をした時のような教師の顔をする。 カシムは続ける。 「さらに、村人を操ったのもお前だろ。」 「正解です。ただ、大変でしたよ村人におとなしくしてもらうには。貴方達をだます為、村を壊すような大規模な魔法は使えないですし。」 そこで、カシムの顔色が変わる。 「他の村人はどうした?」 |
たけし | 8/4 23:56:34 | 2211cftSqWgpWefDU||276 | ||
「まずは、村人の半分を消しました。」 その場にいたベン、ヤンク、カシムの表情が凍る。 「そして、残った村人を脅すんです。それでも言うことを訊かないんで、もう半分殺すんです。次は女の子を1人質に取りました。あそこにいるあの子です。」 そして、シャモンは女の子(ベンが惚れた)を指す。 「そうしたら、急にみなさんおとなしくなってね、大助かりで…。」 「だまれ。」 シャモンの喋っている途中でカシムがそう言う。 「人が話しているときはちゃんと聞いてなくちゃだめじゃないですか。」 |
たけし | 8/4 23:58:5 | 2211cftSqWgpWefDU||642 | ||
「それとも、そんな体で私と戦うつもりですか?」 「だまれー」 カシムがシャモンの方に飛び出す。 2人の戦いが始まった。 ***************************************** |
たけし | 8/5 0:0:48 | 2211cftSqWgpWefDU||653 | ||
「お師様。」 2人の戦いを見ながらベンはヤンクにそう言う。 「お師様、僕に魔銃の弾…魔弾を下さい。僕も戦います。」 ベンは真剣な眼差しでヤンクを見た。 「だめじゃ。」 ヤンクは即答。 「お願いします。」 「だめじゃ」 「お願いします。」 「だめじゃ」 2人はそんな会話を繰り返していた。 |
たけし | 8/5 0:8:36 | 2211cftSqWgpWefDU||182 | ||
***************************************** 「炎よ」 シャモンの左手から炎が出る。 カシムはこれを何とかかわす。そして、魔剣デュールゴーファをかまえ、 「いくぜ、ブルリヤ式魔剣技!!迅速斬り!!」 カシムは目にも止まらぬ速さでシャモンに迫った。しかし、 「風よ」 シャモンがそう言うと、シャモンは風をまとい、高く飛びあがってカシムの攻撃をさけた。 「傷のせいで、動きがかなり遅くなりましたね。」 そう言ってシャモンは剣を抜いた。 |
たけし | 8/5 0:15:7 | 2211cftSqWgpWefDU||506 | ||
「これはエレメントソードといって、カシムさんのデュールゴーファと同じく古代魔道の魔法剣です。その名の通り、7つの属性の魔法の威力を上げます。このように。雷よ!!」 そう言って、シャモンが剣を振ると、カシムに向かって雷が落ちた。 3本も。 バーン 「クッ」 カシムはこの攻撃を超人的な反射神経でかわした。 「まだですよ。」 シャモンがそう言うと同時に バーン |
たけし | 8/5 0:22:27 | 2211cftSqWgpWefDU||107 | ||
カシムが避けた雷が地面に当たった後、カシムの方へ曲がって来たのだ。 「ぐわああ」 カシムはその場に崩れ落ちた。 上空にいたシャモンがカシムの1メートル前に降りてきた。 「さすがですね。その体で3本のうち2本もかわすとは。ですがこれで終わりです。」 そして、シャモンはカシムの方へ向かおうとした。しかし、 「まだ…まだだ。」 カシムは立ちあがった。 右手には魔剣デュールゴーファ、左手にはいつの間に抜いたのか、聖剣ルーナーがあった。 「なにが貴方をそこまでさせるのですか?」 |
たけし | 8/5 0:31:56 | 2211cftSqWgpWefDU||688 | ||
「仲間の魂だ。」 カシムは肩で息をする。 (あいつもあの時こんな感じだったのかな?) カシムはふと八巻小五郎のことを思い出す。 (頼む小五郎、俺に力を貸してくれ。) そして、カシムは剣を構えた。 シャモンも2つの剣を構える。 「いくぞ、魔剣技我流!!聖魔降臨!!」 と、カシム。 「魔道・魔剣技!!エレキウィンド!!」 と、シャモン。 |
たけし | 8/5 0:32:27 | 2211cftSqWgpWefDU||296 | ||
ザン |
たけし | 8/5 0:33:33 | 2211cftSqWgpWefDU||829 | ||
ガクッ 2人のうち1人が膝を落とす。 それは… |
たけし | 8/5 0:42:53 | 2211cftSqWgpWefDU||719 | ||
カシムだった。 「ぐはあっ」 「残念でしたね。2つも剣を使ったのに。」 シャモンが振りかえりカシムを見下ろす。 「私のエレキウィンドは、風の魔法で体の動きを速くし、雷の魔法で剣の動きを速くする、超高速魔剣技。今の貴方に破ることができるものではありません。」 カシムは地面に伏していた。 まるで、血の池に溺れているようだ。 |
たけし | 8/5 0:45:18 | 2211cftSqWgpWefDU||801 | ||
その時、 ドーン シャモンに向かって何かが飛んできて、当たった。 「くっ、誰ですか。」 シャモンの視線の先には魔銃を構えたベンがいた。 |
たけし | 8/5 0:46:54 | 2211cftSqWgpWefDU||774 | ||
今日はこれで終わりです。 どうでしたでしょうか? 読んで下さった方、感想よろしくおねがいします。 あと、悪いところや読みづらいところがあったら指摘して下さると助かります。 |
マジュニア | 8/5 11:28:21 | 2031cftz232k8lqM.||474 | ||
面白いです。カシムがいいです シャモンとの会話がかっこよかった この後どう戦っていくのか楽しみです |
たけし | 8/6 21:44:33 | 2211cftSqWgpWefDU||89 | ||
マジュニアさん、いつもありがとうございます。 |
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