2257 | 第九章〜魔剣〜「お師匠様の謎」 | いおり♪ | 8/5 16:27:18 | 2101cfjjUfiLvPTvI |
今までの話しは 第一章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1482.html 第二章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1515.html 第三章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1544.html 第四章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1688.html 第五章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1754.html 第六章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-1935.html 第七章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-2072.html 第八章〜http://chibifantasy.com/bbs/t12-2193.html です。 感想、意見、印象などがありましたら書いてくださいね! |
いおり♪ | 8/5 16:27:37 | 2101cfjjUfiLvPTvI||675 | ||
『魔剣』 それは、魔物も魔族もいないこの世界にあるまじき存在・・・ 昔、魔王と人間の戦争の中心にあった存在・・・ 今、人間の記憶からその存在が消えかけている存在・・・ そして、ここに魔剣を持つ男女がいる・・・ 一穂と言う名の少女、蓮と言う名の少年、そして・・・魔剣を封印する謎多き魔術師の旅が始まる。 |
いおり♪ | 8/5 16:28:25 | 2101cfjjUfiLvPTvI||783 | ||
今、私達がいる場所は辺り一面がただの草原、さっきまで幻の町があった気配は一つも無い。そして、その幻を作り出した張本人が私達の目の前にいる。 「その剣を大人しく渡しな」 盗賊団の手下達が私達に向かって言った。 「誰が渡すもんですか!」 「そんなに欲しけりゃ力ずくで奪うんだな」 私とレン君が言葉を返してやった。 「だったら、そうさせてもらうぜい!!」 手下達が大勢で私達にかかってくる。だが・・・ バキッ!ドカッ!バシッ!! 「グアアアアッ!!」 聞こえてくる音は手下達の悲鳴と無残な破壊音だった。 |
いおり♪ | 8/5 16:31:13 | 2101cfjjUfiLvPTvI||576 | ||
「こ、こいつら強ぇ・・・」 大した攻撃も食らっていないのに、倒れている手下の一人が声を漏らす。 「お前らが弱すぎるんだぁ!!」 レン君に至っては魔剣を使うまでもないらしく、気術だけで戦っている。かく言う私も剣無しでも倒せる程度だった。 「さて・・・あなたの相手は私の様ですね」 お師匠様がリックの前に立ちはだかった。 「ほう、貴様が相手か・・・魔剣も持たないお前にこの俺に勝つとでも?」 リックは不敵な笑みを浮かべる。 「さあ?・・・少なくともあなたよりはその魔剣の事には詳しいつもりでいますが」 ローブのフードで顔が隠れているが、その表情はいつものニコニコ顔と違い、どこか真剣な面差しを感じられる。 |
いおり♪ | 8/5 16:32:10 | 2101cfjjUfiLvPTvI||885 | ||
「ほう?確かに、貴様は魔剣を持っている者と二人も一緒に旅をしているもんなぁ?もしかして魔剣を探し出す方法でも知っているのか?もし、そうならぜひ俺達とご同行ねがいたいものだ」 リックは半ばせせら笑いながらお師匠様に言った。 「そんな方法があるのなら苦労はしないのですがね・・・確かに、私はやたらと魔剣と関わり合いを持つ事が多い様ですが」 「それは、うらやましい限りだが、すでに新しい魔剣を二つも見つけたんだ。貴様など当てにする必要はない」 そう言うと同時にリックの左手に新たな剣が生じる。もちろん幻の剣だ。 |
いおり♪ | 8/5 16:32:42 | 2101cfjjUfiLvPTvI||425 | ||
「それは良かったです。私もあなたに協力する気はありませんからね。しかし、それはもう私には通用しませんよ」 お師匠様は構えようともせず、ただそこに立っているだけだった。 「それはどうかな?確かに片方が幻なのは、ばれちまったがどちらが本物かまでは分かるまい」 リックは本物の剣と幻の剣を分からない様に何度か交差させて持ち直す。 「それに、貴様は見たところ魔術師のようだ。呪文を唱えている間に俺が攻撃する事など造作もない」 確かにお師匠様が人間である限り、魔術を使うには呪文が必要だ。だから、魔術と剣術では圧倒的に剣術の方が有利なのが普通だ。魔族なら話しは別なのだが・・・ |
いおり♪ | 8/5 16:33:45 | 2101cfjjUfiLvPTvI||704 | ||
「くくく・・・図星の様だな」 リックはずっと黙りこくっているお師匠様を見て、そう判断したらしい。 「お喋りはここまでだ。貴様には死んでもらう!!」 リックはお師匠様の真正面に向かって走り出す。それと同時にお師匠様も動く。お師匠様は体を低くかがめて右手を上に高く突き出す。 パシッ 手と手を合わせたときに鳴る様な軽い音が辺りに響いた。お師匠様の右手は後ろから攻撃しようとしていたリックの右腕を見事に掴んでいた。 「な・・・」 |
いおり♪ | 8/5 16:34:39 | 2101cfjjUfiLvPTvI||442 | ||
「自分の幻を相手の真正面に向かわせて気をそらし、自分は後ろから攻撃する。古い手ですね」 リックは驚愕した。自分の幻がいとも簡単に見破られた事に驚いているのだろう。しかし、すぐに不敵な笑みを浮かべる。 「なかなかやるな、だが最後の詰めが甘かったようだ。本物の剣は左手なんだよ!」 そう言って、リックは掴まれていない方の左手をお師匠様に向かって振り下ろす。 |
いおり♪ | 8/5 16:35:17 | 2101cfjjUfiLvPTvI||616 | ||
「ええ、分かっています」 ―なに?― リックは一瞬眉をひそめる。分かっているのなら、なぜすぐに左手を封じなかったのだろうか?答えは簡単だった。封じる必要が無いからだ。一瞬、お師匠様の顔がフードで隠れる。表情は見えないが逆にそれがリックの恐怖をかきたてた。 「デュゴル!」 お師匠様の言葉と共に大きな爆風が生まれた。 「ぐっ・・・」 リックは言葉を出すまもなく吹っ飛んだ。 ゴオオオオォォォォォォォォッ!!!! 凄まじい音をたてながらリックは地面を何メートルも引きずる。手下達を何人か巻き添えにしてやっと止まった。 |
いおり♪ | 8/5 16:36:30 | 2101cfjjUfiLvPTvI||963 | ||
「お師匠様、強い・・・」 私は目の前の手下達が吹っ飛んでいくのを見ながら言った。 「なんだ。お師匠さんとずっと旅しているのに強いかどうか知らなかったのか?」 レン君が残りの手下達を片付けながら言った。 「うん、だってお師匠様はいつも修行だって言って私に戦わせてばかりいるんだもん」 私はため息をつきながら言った。 「こんなに強いんなら、今度からはお師匠様も少し戦わせるようにしようっと」 「それじゃ、修行になんないんだろう?」 レン君がお師匠様と同じような事を言う。 「もう!レン君までお師匠様と同じような事を言うんだから」 私は少々怒りながら言った。 |
いおり♪ | 8/5 16:37:33 | 2101cfjjUfiLvPTvI||355 | ||
「まあまあ・・・でも本当にもしそうなら、今回はお師匠さんにしては珍しく戦っている事になるな」 「うん・・・」 私はレン君の言葉が引っかかった。確かにいつも私に修行だと言って戦わないお師匠様が、今回は珍しく戦っている事になる。どうしてだろう・・・?やっぱり魔剣が関わっているからかな? 「ぐ・・・」 リックがようやく立ち上がった。すでに足がかなり震えているが・・・ 「何故だ・・・貴様!何故呪文なしで魔術が使える!!?」 リックが怯えるのも最もだ。呪文なしで魔術を使えるのは魔族のみ、そして呪文無しで魔術を使っている者が目の前にいるのだから。 |
いおり♪ | 8/5 16:38:5 | 2101cfjjUfiLvPTvI||226 | ||
「それは・・・」 ドクン・・・ お師匠様が何かを言いかけたその時、リックの体に異変が生じた。波を打つかの様に体を小刻みに揺らしている。 「な・なに・・・?」 ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ リックの体が激しく揺れるようになった。手に持っている剣から黒い影が現れ始める。 「何が起こっているか分からないが・・・嫌な予感がする」 レン君が独り言の様に言った。私もレン君と同意見だ。 「ボ・ボス・・?大丈夫ですか??」 メープルさんがリックに近づいていく。しかし、メープルさんがリックに触れようとした瞬間・・・ |
いおり♪ | 8/5 16:38:36 | 2101cfjjUfiLvPTvI||819 | ||
「ぐ・・・グアアアァァ!?」 リックが奇妙な叫び声を上げると共にメープルさんを右手で振り払う。 「きゃあぁぁぁ!?」 メープルさんは思いっきり遠くに吹っ飛んだ。ドサっという音と共にメープルさんは動かなくなる。 「メープルさん!?」 私は思わず叫んでいた。 「大丈夫、気絶しているだけだ。それよりも・・・」 レン君はメープルさんの方に目を向けずにリックの方に目を奪われたまま言った。 「やばい・・・ですね」 お師匠様が他の人に聞こえない様な小さな声で言った。リックの様子はさっきとまるで別人の様だ。額には奇妙な幾何学模様が描かれていて、目はさっきまでとまるで違う紅い色をしていた。 |
いおり♪ | 8/5 16:39:29 | 2101cfjjUfiLvPTvI||277 | ||
「フッ・・・」 リックが静かに笑った。その笑いすらさっきと別人の様だ。 「皆さん、「初めまして」。一穂さん、レンさん、そして・・・ルシファー殿」 へ・・・?何を言っているんだこの人は?「初めまして」ってまるで今出会った様な言い方だな。それに・・・ルシファーって誰よ? 「いや、それとも『イービル=バスター』と呼んだ方がよろしいですか?」 いーびるばすたー?なんなんだこの人は・・・ |
いおり♪ | 8/5 16:40:4 | 2101cfjjUfiLvPTvI||291 | ||
「その名を知っているとは光栄ですね・・・」 お師匠様がゆっくり答えた。って・・・お師匠様とお知り合いだったの?でも、初めましてって言ってたし・・・でも、それは私とレン君と・・・ルシファーさんに言ってたんだよね・・・で、ルシファーって誰? 「もちろんです。私達の世界では有名ですから、あなたの事は特にね」 リックがまた訳の分からない事を言っている。あんたの世界ってどこの世界よ。しかもさっきと口調違ってるし。 「おい、一穂・・・あの額・・・」 「え?」 レン君に言われて私はリックの額を見てみる。さっきまでなかった奇妙な幾何学模様が描かれている。 「あの、模様・・・どこかで見たことないか?」 |
いおり♪ | 8/5 16:40:50 | 2101cfjjUfiLvPTvI||369 | ||
「うーん・・・」 そう言われて見れば・・・あの紅い目に幾何学模様・・・ 「あ、魔物にそっくり」 そうだ、幻で見た魔物のお腹に描かれていた模様にそっくりだった。そして、紅い目も・・・ 「でも、どうして?魔物でもないのに・・・」 「さあ・・?」 レン君も良く分からない様だ。もしかしたら、お師匠様なら何か知っているかもしれない。 「あの・・・ルシファーって誰なんですか?お師匠様」 一応私は最初の疑問をお師匠様に聞いてみる事にした。まあ、知ってるとは思わないけど・・・ 「私の名前です」 あ、何だぁ・・・お師匠様の名前だったのかぁって・・・ |
いおり♪ | 8/5 16:41:40 | 2101cfjjUfiLvPTvI||586 | ||
「えええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」 私は思わず今までに無いほどの大声を上げてしまった。 「なんだ。お師匠さんとずっと旅してたのに知らなかったのか?」 レン君がさも当たり前の様に聞いてきた。どうやら、レン君は話しの流れからしてルシファーはお師匠様の名前だと言うのは気づいていたようだ。 「だって・・・何も教えてくれないんだもん・・・」 私は思わず泣きそうになった。お師匠様っていつも何を聞いても「秘密です♪」と言って教えてくれないんだもん・・・ |
いおり♪ | 8/5 16:42:29 | 2101cfjjUfiLvPTvI||111 | ||
「そうですか・・・どうやら、君達はルシファー殿の事を何も知らないようですね。何も話していらっしゃらない様で・・・」 リックが私とレン君を見ながら言った。 「話す必要もありませんからね」 お師匠様が静かに言った。 「あの・・・さっきから、何の話かさっぱりわからないんですが・・・」 私は訳が分からないのでお師匠様に聞いた。 「簡単に言えば、今リックさんの体は魔剣に支配されています。以前のあなたの様にね」 私は一瞬、背筋が凍ったような感じがした。 「し、支配された?一穂が?」 レン君がお師匠様に聞いた。 「ええ、そして、あなたもそうなる可能性があるんですよ。レンさん」 |
いおり♪ | 8/5 16:42:52 | 2101cfjjUfiLvPTvI||368 | ||
「な・・・」 レン君は言葉が出ないようだ。 「あの、額の模様と紅い目、紅眼といいますが、あれは魔族や魔物の特徴です」 「じゃあ、今のあいつは・・・」 私はぎこちなく言った。あの悪夢が今にも蘇りそうだった。 「ええ・・・すでにリックさんではありません」 お師匠様はリックの方を・・・いや、リックだった者の方を向いて言った。 「そうでしたね。これは申し送れました。私は『幻魔』と申します。魔剣『幻』に封印されている魔族とでも言えばご理解できるでしょうか?」 幻魔はやたらと敬語を使って言ってくる。そう言うくせなのか、あるいは私達を馬鹿にしているのか。少なくとも私達を敬う感じは全く感じられない。 |
いおり♪ | 8/5 16:43:16 | 2101cfjjUfiLvPTvI||721 | ||
「で、でも・・・それはあなたとどういう関係があるんですか?イービル=バスターだの・・・あいつが言っている世界だの・・・」 レン君が声をどもらせなが言う。 「それは・・・」 お師匠様は一息ついた。 「秘密です♪」 『・・・・』 私達は黙りこくってしまった。 「・・・まだ話す時ではありませんからね。今やるべき事は目の前にいる魔剣・・・幻魔を止めることです」 お師匠様は幻魔の方を向いていった。 『・・・わかりました』 私とレン君は釈然としないながらも答えた。 |
いおり♪ | 8/5 16:50:57 | 2101cfjjUfiLvPTvI||301 | ||
さあ、お師匠様の謎は・・・全然明かされていません。その内明かされる事になると思いますが・・・(そこまで小説続くのかな?) 皆さんの応援に答えていきたいと思います!感想、意見、印象などありましたらくださいね。 |
マジュニア | 8/6 10:6:20 | 2031cftz232k8lqM.||261 | ||
本名も明らかになって面白いです 最後に秘密です♪って言うところがいいですね これからが気になります。頑張って下さい |
ももちぇりー | 8/7 18:1:41 | 6036cfaoKJN6I2w3E||82 | ||
いおりん、お久〜ヾ(´∀`*)ノ 第九章にして、初めてレス( ´_ゝ`)プッ 隠れ読者とゆうことでよろしくww ってか、もう九章っすかΣ(`∀´;) 頑張ってますなぁ・・・ いやぁ〜・・・この話は「魔剣」や「魔族」etc・・・ ファンタジーヾ(´∀`*)ノって感じで好きwww 「♪」が可愛いっすwww cuteですわ・・・(*ノωノ)(ぁ って事で〜^^ 意味不な感想でごめんにょwww 許しておくれ〜(´・ω・`) |
いおり♪ | 8/8 12:24:45 | 2101cfjjUfiLvPTvI||136 | ||
マジュニアさん>「秘密です♪」はお師匠様の口癖と言っても過言ではありません。お師匠様の最大の秘密は年だったりします。 もも>感想ありがとぉ!嬉しいよぉ〜この小説は色んな言葉が出てくるけど、全部ファンタジーに出てくるような言葉だから分かりやすいと思います。 頑張って書きますね! |
特殊文字 by.チビファンタジー |