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2280魔道力学白書〜P7〜たけし8/6 18:51:512211cftSqWgpWefDU
「しょうがない、ベン、手をだせ。」
そう言うと、ヤンクはポケットからあるものを出した。
「魔銃は弾を6つ装填できる。」
そう言って、ベンに魔弾5つと別の弾を渡した。
「お…お師様…」
「なにも言うな。このままじゃとカシムが殺されそうじゃからな。」
「いや、自分で戦おうとはしないんですね。」
ベンがつっこむ。
「ええい、さっさと行かんか!!」
ヤンクが怒鳴る。

たけし8/6 18:55:322211cftSqWgpWefDU||109
「お、忘れるところじゃッた。待て、ベン。」
ヤンクはベンを呼びとめた。
「何ですか?」
「こいつも持っていけ。」
そう言って、ヤンクはベンに紫色の玉を渡した。
「こいつはな、ゴニョゴニョ…」
「え、本当ですか。でも、僕も危ないんじゃ…」
「なーに、風向きさえ気を付ければ大丈夫だろ。」
(大丈夫って、お師様は調子いいからなぁ)
ヤンクの言葉にベンは不安になる。

たけし8/6 18:56:422211cftSqWgpWefDU||427
「それより、さっさと行かんかベン。カシムが死んでしまうぞ。」
「は、はい。」
そして、ベンはカシムの方へと走っていった。
結構速かった。



たけし8/6 18:59:422211cftSqWgpWefDU||29


「君ですか。」
シャモンは今しがた自分を撃った少年の方を見た。
「あんまり効いてない。」
ベンは驚く。
「べん!!」
ヤンクの声だ。
「ベン、魔銃は持ち主の魔力ではなく、心に反応する。もっと強く心で念じるんじゃ。」
「は、はい。分かりました。」
そしてまた魔銃を構えるベン。しかし、

たけし8/6 19:3:472211cftSqWgpWefDU||408
「大地よ」
シャモンがそう言うと、ベンの足元の地面が割れた。
「うわわ。」
バーン
狙いがずれた魔弾は空の彼方へと飛んでいった。
「君のような子供が僕に勝てるとでも。」
シャモンが、地面にとられて倒れたベンを見下ろす。
「それでも、僕はあなたのような人には負けたくない。」
ベンが立ちあがる。
「くらえー」
また、魔銃を撃つ。

たけし8/6 19:8:222211cftSqWgpWefDU||293
ドォーン
さっきよりもはるかに大きい魔力の弾が、魔銃から飛び出す。
(威力は中級魔法レベルでしょうか…なかなかの武器ですね。しかし、)
「私にその程度の攻撃は効かない。」
シャモンはそう言うと、腰からもう1つの剣を抜き出した。
そして、
「はあああああ」

ズバンッ
気合の声とともに剣を振り、自分に向かってくる魔力球を切った。

たけし8/6 19:13:502211cftSqWgpWefDU||42
「これも魔法剣の1つでして、名を:シール:といいます。」
シャモンは右手に持った剣を掲げて説明する。
「しかし、あなたも子供のくせにやりますね。今の一撃は評価に値す…え」
シャモンが話している間に、ベンはシャモンの右側から死角になるようにまわり込んでいた。
(は、速い)
シャモンは一瞬、行動が遅れた。

たけし8/6 19:59:302211cftSqWgpWefDU||942
「だあ」
ドォーン
ベンはまた撃つ。
「くああああっ」
しかし、シャモンはかろうじてこれをまた切った。
(なんなんでしょう、この子。なかなか速い動きをする。それに、魔銃の威力もどんどん上がっている…)
「これは早く決着を着けた方がよさそうですね。」
そう言って、シャモンは左手をベンの方へ向けて叫ぶ。
「雷よ。」
雷がベンの方へと向かっていく。

たけし8/6 20:25:272211cftSqWgpWefDU||680
ベンは魔銃を撃った時、体勢を崩してしまっていた。
(よ、避けられねぇ…そうだ。)  
ベンは何か思いついて、ポケットから何かを出して、あさっての方向に投げた。すると、
バチバチッ
(な、何!!)
シャモンは驚く。
雷はその何かの方へと方向を変えた。
コインだった。
「そ、そうか。雷だから金属の方へ行ってしまったのか。やるね君。」
シャモンがベンにそう言う。

たけし8/6 20:29:402211cftSqWgpWefDU||554
ベンはその間にシャモンとの距離をとる。そしていきなり
「あっあれはなんだ?」
と空の方を指した。
「え、なになに?」
とシャモンはベンが指した方を見る。
「チャンス!!」
ベンは魔銃をシャモンの方へ向けて、撃った。
ドォーン
しかし、
「なんてね。」
シャモンはあっさりと魔銃の放った魔力球を切る。

たけし8/6 20:35:302211cftSqWgpWefDU||611
「んーやっぱり子供だね。考えが浅いよ。」
シャモンはフフンとベンを鼻先で笑う。
「でも時々怖いぐらいに考えもしないことをやってくる。」
ベンは黙る。
「だから、もう終わりにするね。」
シャモンはそう言って、左手をベンの方へ向ける。
「氷よ」
するとベンの方に氷の玉が向かう。
しかし、大きさ、スピード共に今までの比じゃなかった。
(今まで君に使ってきたのは低級魔法。でもこれは中級魔法です。これが子供の君に避けれるはずがない。)

たけし8/6 21:9:372211cftSqWgpWefDU||448
しかし、ベンはものすごく高く跳び、シャモンの魔法を軽々と避けた。
「な、何―」
シャモンはそのベンの動きに驚いた。
(あの小さな体にこれ程までの運動能力が隠されていたとは。これじゃぁカシムと同じ位…)
そして、シャモンの視界にベンの靴の裏が入った。
そこにはタリスマンがついていた。
(そうか、風属性のタリスマンを靴につけていたからあんなに速かったんだ。)
シャモンはベンの動きの秘密に気づいた。
「悪いけど、そのタリスマン壊させてもらうよ。風の刃よ。」
シャモンがそう言い、ベンの表情がゆがむ。
そして、風の刃がベンの靴のタリスマンを切り裂く。

たけし8/6 21:14:382211cftSqWgpWefDU||912
しかし、ベンも空中で体勢を崩されながらも魔銃を撃つ。
ドーン
「無理ですよ。この魔法剣:シール:がある限り、あなたの攻撃は効きません。」
そう言って、シャモンは、ベンが撃ったそれを剣で切り裂こうとした。
剣がそれに当たった時、
ドォーン
それが爆発した。
「やったー成功。」
ベンはお尻をさすりながらそう言う。
どうやら着地を失敗したらしい。

たけし8/6 21:20:322211cftSqWgpWefDU||544
「教えてあげるよ。それは、魔弾じゃなくて普通の弾さ。火薬がつまったね。その剣、魔法は切れても、物理的な爆発までは切れないようだね。」
ベンは爆発の煙で見えないシャモンにそう言った。
「まぁ、こんなことを気絶する人に言っても…」
「まぁまぁですね。」
煙の中から声が聞こえてきた。
「呪文無しで魔法が使える私にとって、爆発の炎を操るなんて造作もないことです。」
シャモンがそこには立っていた。
無傷で。
「ベン君といいましたか。なかなかのものです。ですが、所詮は子供。大人の闘いに首を突っ込むべきじゃなかった。」

たけし8/6 21:26:442211cftSqWgpWefDU||663
ベンは後ずさりする。
「ベン君、お逝きなさい。」
そして、シャモンの左手に白い魔力があらわる。
絶対絶命だった。
それでもベンのその瞳はまだ何かを狙っている。
「とりゃああ」
ベンは気合と共に何かを投げた。
それは…それは、


たけし8/6 21:29:502211cftSqWgpWefDU||756
泥ダンゴだった。
「そんな物で何をするんですか?避けるまでもないですね。」
シャモンは笑いをこらえている。
その間にも左手の魔力球は大きさを増している。

べちゃっ
泥ダンゴがシャモンに当たった。
すると、中から何か出てきた。
ベンがヤンクに渡された、紫色の玉だった。
(な…)

たけし8/6 21:32:462211cftSqWgpWefDU||42
そして、玉が砕ける。
と同時に、

フシュー
中から紫色のガスが出てきた。
(こ、これは毒ガス!?)
シャモンがいきなりのことで集中を切らしてしまったために、左手の魔力球が消滅した。
(やばい)
シャモンは息を止めた。

たけし8/6 21:39:412211cftSqWgpWefDU||884
毒ガスがシャモンを取り囲む。
(なるほど、私の息を止めて魔法を防ぐわけですか。)
いくらシャモンでも声が出なければ、攻撃魔法は使えない。
(でもこんな煙ぐらい、これで十分です。)
シャモンは空中で印を切った。
すると、

ビュオウ
風が吹いて煙が流されてしまった。
「残念でしたね、ベン君。印を切るだけでも私にはこんな…」
シャモンの視界の中にはベンはいなかった。

たけし8/6 21:40:62211cftSqWgpWefDU||512
カチャッ

たけし8/6 21:40:302211cftSqWgpWefDU||774
シャモンの背後で音がした。

たけし8/6 21:42:472211cftSqWgpWefDU||274
シャモンの後ろにはベンがいた。
「残念はそっち。煙はフェイク。あんたに近づくのが本当の目的だったんだよ。」
ベンは魔銃の銃口をシャモンの背中にくっつけていた。
不敵な笑みを浮かべて…

たけし8/6 21:43:152211cftSqWgpWefDU||179
魔道力学白書〜P7〜 完

たけし8/6 21:43:532211cftSqWgpWefDU||545
今日はここで終わりです。
読んで下さった方、感想よろしくおねがいします。

マジュニア8/7 18:38:192031cftz232k8lqM.||802
計画的な攻撃がすごいです
次がどうなるか気になります

たけし8/7 20:38:272211cftSqWgpWefDU||267
感想ありがとうございます


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