2305 | 魔道力学白書〜P8〜 | たけし | 8/7 20:39:36 | 2211cftSqWgpWefDU |
「動くな」 ベンがシャモンに言う。 魔銃をシャモンに押し付ける格好で。 |
たけし | 8/7 20:44:37 | 2211cftSqWgpWefDU||121 | ||
「やれやれ、君を甘く見すぎていたようだね。」 シャモンは両腕を上げる格好でそう言う。 どことなく余裕がありそうに見える。 「質問に答えてください。」 「なにかね?」 ベンがシャモンに言う。 「なぜ、村人達を殺したんですか。」 シャモンはニヤリと笑いながら、 「それはあの人達が大人しくしてないからさ。洗脳の魔法は相手がじっとしてないとできないのですよ。」 |
たけし | 8/7 20:49:49 | 2211cftSqWgpWefDU||270 | ||
「彼らを洗脳して利用すれば、うまくカシムの隙をつけると思ってね。彼の実力は私と互角ですから…いや私の方が若干強いですが…こうしないとこっちも無事ですまないのですよ。」 ニヤニヤしたままシャモンはそう言う。 「そんなことだけの為に村の人達を…」 「知りもしない人の為に何を熱くなっているのですか?」 「あなたは間違ってる!!」 シャモンは頭の上に?を浮かべている。 「魔道も科学も本当は大衆の為にある。それなのにあなたは…」 ベンは唇を噛む。 |
たけし | 8/7 20:58:33 | 2211cftSqWgpWefDU||321 | ||
「子供のあなたに何が分かるんですか?」 シャモンの口調が冷たくなる。 「そんなことは百も承知です。この戦争の為には少しぐらいの犠牲は必要なんです。」 「そ、そんな。」 ベンが顔を上げる。 「この戦争の終わりの先には、やがて平和が訪れるでしょう。人々が長いこと待ち望んだ。そして、それを成すのはデイセカルッシ市ではない。我々、魔道同盟機構です。」 シャモンはそう断言する。 「大勢の命の為には少ない命はどうでもいいと。大人は勝手だ。戦争なんかして、人々を勝手に巻き込んで…」 |
たけし | 8/7 21:4:43 | 2211cftSqWgpWefDU||304 | ||
「うるさい!!!」 シャモンの大声がベンを黙らせる。 「何もできない餓鬼のくせして。戦争の勝利の為とはいえ、人を殺すのは私もつらいさ。でもな、やらなければならないんだ。戦争に勝って平和を築かなければ、今までの犠牲が無駄になるんだ。私1人を撃つことをためらう餓鬼に言われたくない!!」 シャモンは声を張り上げる。 「撃ってみろよ」 シャモンはベンに言う。 「撃ってみろよ、お前のその気持ち、本物なら私を撃ってみろ!!」 ベンの魔銃を持った、指先が震える。 残りの弾は1発。 |
たけし | 8/7 21:8:35 | 2211cftSqWgpWefDU||381 | ||
「そんなことでためらうなんて、お前の気持ちなんてその程度だったんだよ。」 怒りですでにシャモンの口調は変わっている。 ベンは震える。 指先だけではなく、体全体が。 ベンには今人殺しという罪が重くのしかかろうとしていた。 そして、彼はその重さに耐える自信がなかった。 シャモンが振りかえる。 ベンの方へと。 そして、魔銃をつかんで自分の胸に押し当てた。 心臓の位置に。 |
たけし | 8/7 21:10:36 | 2211cftSqWgpWefDU||330 | ||
「人1人殺すのにためらう餓鬼が大人の世界に首を突っ込むな。」 ベンは震える。そして、 「う、うわああああ」 と叫び、 ドン 引き金を引いた。 |
たけし | 8/7 21:14:5 | 2211cftSqWgpWefDU||401 | ||
しかし、シャモンは無傷だった。 「やはり。」 シャモンはそう言う。 「やはり、動揺したままでは威力が弱いですね。低級魔法程度ですよ。」 シャモンの口調が戻った。 「純粋の魔道師に低級魔法程度じゃ効きません。もともと魔力を持っているんで。」 ベンはもう後がなくなった。 「くそおお」 そして、シャモンに殴りかかった。しかし |
たけし | 8/7 21:17:9 | 2211cftSqWgpWefDU||318 | ||
ドゴ 逆に殴られた。 「殴るとはねこうするんですよ。」 そう言ってシャモンはベンを殴り始める。 ドゴ バキ グチャ ドカ バキョ |
たけし | 8/7 21:19:52 | 2211cftSqWgpWefDU||275 | ||
一方的だった。 バキ シャモンの手は今はもう血だらけだった。 「こんな弱い子供のくせして偉そうなこと言って、君に何が分かるんですか?何も知らないくせに生意気なんですよ。」 口調は普通だが、行動は恐ろしい。 |
たけし | 8/7 21:23:16 | 2211cftSqWgpWefDU||376 | ||
無表情のまま、淡々と殴り続ける。 ドコ ベンの顔は原型が分からなくなるほど崩れている。 目は腫れ上がり、鼻は潰れて大量の血を流している。 バキ 最後に大きな一発をうたれ、ベンは吹っ飛んだ。 「これで終わりにします。」 |
たけし | 8/7 21:30:20 | 2211cftSqWgpWefDU||60 | ||
シャモンは右手をベンにかざす。 「火の精;プロメテオ;よ。汝と契約を結ぶ我が右手に、汝の力を持って偉大な炎の力を与えよ。」 |
たけし | 8/7 22:7:26 | 2211cftSqWgpWefDU||540 | ||
シャモンが簡単な呪文を唱えると、右手に炎が産み出された。 炎の色は青い。 それ程高温な炎なのだ。 上級魔法:ブルーフレイム:だった。 シャモンは魔道師としての力量は高いので、簡単な呪文でも上級魔法が使える。 「私がこの魔法の名前を言えば、君にこの炎が襲いかかり、君は死ぬ。今のうちだよ、自分の言ったことは間違いだったと認めなさい。そうすれば許してあげるよ。」 シャモンはベンにそう言う。 しかし、ベンは 「い…いやだ。お前らのすることは間違っている。弱い人を犠牲にするなんて、間違っている。そんなの魔道に背いているよ!!」 |
たけし | 8/7 22:10:52 | 2211cftSqWgpWefDU||96 | ||
ベンは叫ぶ。 『お前らは間違っている。だって…』 シャモンの脳裏に記憶の声がかすかに蘇る。 その記憶の声を振り払い、シャモンはベンに意識を集中する。 「そうか、ならば君には死しか残らない。さらばだ。『ブルーフレイム!!』」 シャモンが魔法を発動した。 青い炎がベンに襲いかかる。 (やられた) ベンがあきらめたその時、 |
たけし | 8/7 22:12:52 | 2211cftSqWgpWefDU||632 | ||
バシュウッ (あれ?僕、生きてる) ベンは生きてた。 誰かが大きな剣を盾のように構え、青い炎を防いだのだ。 それは… |
たけし | 8/7 22:18:17 | 2211cftSqWgpWefDU||244 | ||
「ベン、よく吼えた。」 カシムだった。 「バ、バカな。その体で動けるはずが…」 「いっぱいお勉強してもこんなことも分からないなんてな。いいか、シャモン。俺達人間は大切な物を護りたいときは、どんな怪我を負おうが動けるんだよ!!」 カシムはシャモンを睨む。 「ベンも『弱い人を犠牲にするなんて、間違っている』という考え、そしてこれから犠牲になるであろう人の為に頑張った。俺はそんなベンの考えを護る為に戦う。」 それを聞いて、シャモンの目が今までになく真剣なものになる。 |
たけし | 8/7 22:19:57 | 2211cftSqWgpWefDU||561 | ||
「いいでしょう。その怪我でどこまでもつか分かりませんが、再戦しましょう。」 「のぞむところだ!!」 カシムとシャモンの両者が対峙する。 再び2人の闘いが始まった。 つづく |
たけし | 8/7 22:20:56 | 2211cftSqWgpWefDU||981 | ||
サッカーの結果が気になるので、今日の分終わりです。 呼んでくださった方、感想よろしくお願いします。 |
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