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2308〜童話〜シャール8/8 11:17:182031cfz3fs8628PUc
美しい森の奥深くに住むリスとタヌキの物語♪

シャール8/8 11:17:352031cfz3fs8628PUc||574
美しい森の奥深くに一匹のリスが住んでいました。
ある晴れた昼さがりのこと、そのリスがいっしょうけんめい何かをさがして、
なんどもなんども木の根っこからてっぺんまで登ったり降りたりしています。

シャール8/8 11:17:472031cfz3fs8628PUc||746
そこに、少し太っていて口元が曲がったタヌキがとおりかかりました。
「やあ、リス君。そんなにあわてて、いったい何をさがしているんだい?」
タヌキがそう聞くと、リスは木の根っこのところにすわりながら、ふと首をかしげて
「え、えーと何をさがしていたんだっけ・・・?」
と言ったきり、しんけんになやみだしてしまいました。

シャール8/8 11:17:572031cfz3fs8628PUc||640
「ははは、何をさがしているかもわからないのに、
 あんなにいっしょうけんめい木を登ったり降りたりしてたのかい?」
タヌキはおかしくてたまらないといった様子でさらにつづけました。
「君のちっぽけなあたまは、そんなことさえ覚えていられないんだね。
 目的もわからずに、あんなにいっしょうけんめいにさがしているなんて・・・」
そう言いすてて、笑いながらタヌキは去っていったのです。

シャール8/8 11:18:102031cfz3fs8628PUc||535
タヌキのあまりの態度にリスはとっても傷つきました。
くやしくて、かなしくて、とうとう泣きだしてしまいました。
しばらく泣いていると、どこからか木の精があらわれて、話しかけてきました。
「リス君。どうしたんだい、そんなに泣いて。」
リスは涙をふきながら、さっきタヌキに言われたことを木の精に話しました。
「たしかにタヌキ君に言われたことはくやしかったし、かなしかった。
 でも、それよりもなさけないのは僕のこの小さなあたまなんだ。
 さがすことにいっしょうけんめいになってしまって、一番大切な
 さがしていたものが何だったのかを忘れてしまったんだ。」

シャール8/8 11:18:212031cfz3fs8628PUc||828
リスの涙はとまりません。
すると木の精はこう答えました。
「なるほどねー、でもねリス君。
 それは誰にでもよくあることなんだよ。
 僕だってそうだし、タヌキ君だってきっとそうだよ。
 いっしょうけんめいになればなるほどね。」

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しかし、リスはなっとくしない様子です。木の精はさらに続けました。
「たとえば君だって僕だってタヌキ君やほかのみんなだって、
 いっしょうけんめい生きているだろう?
 でも本当は、生きること自体は目的じゃないよね?
 それなのにみんな、生きることにいっしょうけんめいになりすぎて、
 なんのために生きているかを忘れてしまっているのさ。」

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リスの涙はいつのまにかとまっていたようです。
「たしかに、僕は今までそんなこと考えたこともなかったなー。
 それにくらべたら、さがしていたものを忘れるくらい、
 どうってことないような小さなことだったんだね。」
そうつぶやくように言ったとき、いつのまにか木の精はいなくなっていたのです。

シャール8/8 11:18:582031cfz3fs8628PUc||309
あくる日、元気そうに何かをさがしているリスを見て、
通りかかったタヌキはおどろきをかくせない様子です。
「さがしているものが何だったかわかったのかい?
 それとも、さがすことがムダだってことにまだ気づかないのかい?」
そう言い放つタヌキに、リスは自信をもって答えました。
「何をさがしていたのかも、いっしょにさがすことにしたんだ。
 だって、その方が効率的でしょう?」
あっけにとられた様子のタヌキを横目に見ながら、
リスはいっしょうけんめい「何か」をさがしつづけたのでした。

〜おしまい〜

marinoe8/8 11:38:152191cfDcDp9.F9Bi2||250
シャール様、こんにちは&はじめまして^^
とても素敵な物語で、今自分はちゃんと
『りす』しているだろうかと考えています。
泣いたり、悩んだりする為に『たぬき』の存在も効いています。。。
一日一回、鏡にしあわせな顔を映すのを忘れずに、
そして、今を一生懸命こなす事にします。
かわいらしいお話、ありがとうございます。

シャール8/8 12:7:422031cfz3fs8628PUc||651
marinoeさん、はじめましてです♪
感想ありがとうございます♪
「解説」を書いてくださったかのような感想を
いただきまして本当に恐縮です。
・・・あまり童話っぽくならなかったかも^^;

ジーンズ8/8 18:27:52196cfiGL7jPeZL4M||220
シャールさんこんにちは〜(*'-'*)。
とっても素敵な童話で何度も何度も読み返しています☆彡
リスさんのような真っ直ぐでひたむきな生き方。そしてそれをちょっと斜に構えて冷ややかにみているたぬきさん。どちらの姿もいろんなカベにぶち当たる度に自分の中で交互に表れていて・・・余計に気の精の言葉がしみます><。。
どうかりすさんが『何か』を見つけられますように。そして私も・・・。いろんなことに自信をなくしていた自分に、りすさんから勇気をもらいました。ペコリ(o_ _)o))

シャール8/8 18:47:592031cfz3fs8628PUc||313
ジーンズさん、こんにちは♪
感想ありがとうございます♪
私もよく壁にぶち当たりますが、
大抵リスじゃなくてタヌキになってしまいますねー^^;
一生懸命やってもどうせ意味ないやって思ってしまいがちです。
自戒の意味を込めて童話にしてみたんですが・・・
いやー難しいですねー^^;
ことわざになるような童話をいつか書いてみたいものです。
「虎の威を借る狐」みたいな♪
・・・壮大すぎる夢ですね^^;


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