2329 | 同じ空の下で〜一章〜「動き出す運命」最終話 | 祥大 | 8/9 17:35:29 | 2192cfjwWTQQyXEQ. |
http://chibifantasy.com/bbs/t12-1764.htmlが、〜序章〜です^^ http://chibifantasy.com/bbs/t12-1940.htmlが、〜一章〜の一話です^^ http://chibifantasy.com/bbs/t12-2012.htmlが、〜一章〜の二話です^^ http://chibifantasy.com/bbs/t12-2116.htmlが、〜一章〜の三話です^^ http://chibifantasy.com/bbs/t12-2158.htmlが、〜一章〜の四話です^^ http://chibifantasy.com/bbs/t12-2259.htmlが、〜一章〜の五話です^^ えっと、「共通世界(仮)」(http://chibifantasy.com/bbs/t12-1731.html参照)の作品です 予定にあった、設定はもう少し後で書かせていただきます では、本編にレッツゴー! |
祥大 | 8/9 17:36:17 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||385 | ||
「矢沢の死亡を確認した」 男の声。30歳前後の声だ。大きな屋敷にその声は響いた。 「そうか・・・。あいつが死ぬなんてな。誰にやられた?」 次にしゃべったのも男。声からしてまだ25歳前後だろう。 人一人が座れるくらいの赤いソファーが5つ並んでいる。 「魔道師の女。まだ少女だな、あの顔とスリーサイズからして。それに、男と女が一人ずつ。こいつらもまだ少女、少年と言ったところだな」 |
祥大 | 8/9 17:36:38 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||519 | ||
「ったく・・・。女を見るたびスリーサイズを測る癖は直した方がいいぞ?そんなんじゃあ、向こうからよってこないぞ」 「ほっとけ。どうしても女を見ると頭の中にスリーサイズが浮かんでくる」 「困った頭だな。能力は認めるが。そいつは置いといて、今そいつらは何をしている?」 「今は魔道師のやつが倒れて休養中。ほんの2、3時間で回復しそうだ」 「そうか。とりあえずお前は監視を続けてくれ。あいつらはオレたちにとって障害になるかもしれないな。始末の案を考えておくか・・・。ところで・・・」 |
祥大 | 8/9 17:37:2 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||269 | ||
「矢沢の亡骸は回収した。心配はいらん」 「ならいい。オレはちょっと寝るぞ。眠くて仕方が無い」 「ああ、わかった。墓のほうはこっちで作っておく。後で拝みにでも来いよ」 「オーケイ。じゃあ、そういうことで」 そう言うと、若い方の男は他の部屋へと移る。取り残された男も、後を追うようにこの部屋を出る。 残ったのは、赤いソファーと炎呪の写真だった。 |
祥大 | 8/9 17:37:25 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||744 | ||
闇の中で声がこだまする。 ――憎い人間に復讐を。 私の心にある声。いつまでもこの思いは消えない。 もう一つの声。 ――人間の思いは人それぞれ。 この思いで、私はここまでやってこれた。 結論にするとこうなる。 ――人間、良いも悪いも人それぞれ。 これが当たり前。だから、炎呪の言っていたことは間違っている。 次の瞬間、闇に一筋の光が現れる。 その光は瞬く間に闇を消し去った。 |
祥大 | 8/9 17:37:47 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||253 | ||
「・・・い!・・・じょうぶ・・・きて・・・おい!」 耳元で叫ばれている。うまくは聞きとれなかったが、少なくとも私に対して言っていることは確かだ。 「ふぁ・・・?もう朝?」 「鈴、起きたのか!寝ぼける元気があるみたいだな。まったく・・・心配かけやがって」 「へ?」 私はいまいち状況が掴めなかった。 ――さっき倒れたからかなぁ?心配していた理由としてはそれしか考えられないけどなぁ。 |
祥大 | 8/9 17:38:14 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||751 | ||
「鈴さん!よかった・・・。いきなり目の前で倒れてたんだもん。もう、心配かけないで くだ・・・かけないで」 真優が抱きついてきた。心配していたのだろう。 真優の言葉からわかるように、心配していたことはやはり倒れたことのようだ。 「起きて早速なんだけど、お前が倒れた理由。お前、『開放魔法』使っただろ?それじゃないと、あんなに体力を消耗するはずが無いし。そうなんだろ?」 飛鳥が突然に話題を変えてくる。あまり心配していたことを、表に出したくないのだろう。 それはさておき、私は質問に答える。 |
祥大 | 8/9 17:38:38 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||868 | ||
「ええ、そうよ。あんたが言うように私は『開放魔法』を使ったわよ。本気出してもいいって言われたし。ところで、飛鳥。なんであんたは『開放魔法』のこと知ってるのよ?」 「い、いや・・・。それはだな・・・」 飛鳥は口ごもる。言いたくないのだろう。 そのとき、真優が救いの手を出したかのように聞く。 「『開放魔法』ってなんなんです・・・『開放魔法』ってなに?」 必死に敬語から直そうとしている真優は、そう聞いた。 |
祥大 | 8/9 17:38:56 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||347 | ||
「ああ、そのことね。『開放魔法』って言うのは、体中の力を一つの魔法に集中させて、一気に放出する魔法のことよ。その場合、五感の能力が上がってくれて、集中が必要な詠唱中に動いても集中したままでいられるの。威力、効果、ともに申し分ないくらいの実用性を持っているのだけど、欠点が二つあるのよね。一つは簡単に、『開放魔法』を使うことの出来る魔道師が少ないこと。もう一つは、体力の消耗が激しいってこと。使えても、私みたいに一回一回倒れるんじゃあ使い物にならないでしょ?普通なら使わないんだけど、ちょっと左腕を切られてついカッと・・・あれ?」 |
祥大 | 8/9 17:39:28 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||222 | ||
「どうしたの?」 私は話を途中で止める。すかさずその理由に迫る真優。 答えるのはもちろん私。 「いや・・・、左腕、ちょっと切られてたんだけど治ってるなって思って・・・」 「え・・・?気のせいじゃないです・・・ない?私が見たときにはそんな傷ありませんで・・・無かったよ。」 「そんなことはどうでもいいんだよ。それより、ここの町長が俺たちに話があるってさ。ほら、行くぜ」 「わかったわよ・・・。謝礼金、謝礼金♪」 「・・・」 とにかく、私たちは町長の家へと向かった。 |
祥大 | 8/9 17:39:59 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||129 | ||
「もう!ここの町にはお金が無いの!?感謝の言葉と少しばかりの食料なんて!」 「無理言うなよ!ここだって少し家が倒壊してるんだぜ。直すのには金が必要だろ?食料がもらえただけでも感謝しろよ」 私たちは町長の家に行って、真優を家に送ってあげてから町の入り口付近に来ていた。 ちなみに成果はお聞きの通り。 「だって・・・。春奈さんからの報酬だってタリスマン二個でしょ?これじゃ、今後の生活が・・・」 「・・・そういうのは自分で金の管理をしてみてから言ってくれ」 私は少しムッ、となったがこらえる。飛鳥の言うことにも一理ある。 お金の管理はすべて飛鳥持ちだ。私は、何もしていない。 |
祥大 | 8/9 17:40:19 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||762 | ||
「とりあえず、次の町へ行きましょ!」 この場は話題を変えてみる。飛鳥は普通にその話題に入る。 「そうだな・・・。その前に真優に挨拶して行こうぜ」 飛鳥はそう言った。しかし、私の答えはこう。 「ううん、いいのよ。挨拶なんてしなくたって」 「何でだよ!?」 否定的な答え。すぐさま飛鳥は理由を聞いてくる。 私は、答える。 |
祥大 | 8/9 17:40:45 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||89 | ||
「私だって、挨拶したいわよ?でもね、なんて言ったらいいのよ?『さよなら』でいいわけ?真優は納得しないわよ、きっと。ちゃんとした友達が初めて出来たのよ。それなのに、いきなり『さよなら』なんて真優が笑って見送れると思う?それに、私だってそんなこと言って笑ってられるわけないじゃないの。絶対、泣いちゃうわよ・・・」 「・・・。そうだな」 私の言葉で飛鳥も納得。 |
祥大 | 8/9 17:46:36 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||797 | ||
私だって別れるのは悲しい。でも、『さよなら』を言ってさらに真優を悲しませるようなことはしたくない。それに、自分も悲しいから。 きっと、真優もわかってくれるだろう。私たちの気持ちを。わかってくれなくても、少なくとも私の泣き顔見せることはないだろう。 「それじゃ、行きましょうか!」 私は意気揚々とそう言う。 そして、私たちは町の外に足を一歩踏み出した。 心の中で、真優に別れを告げて。 |
祥大 | 8/9 17:46:53 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||708 | ||
が。 |
祥大 | 8/9 17:47:9 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||980 | ||
「鈴さん!飛鳥さん!待ってくださいよ!」 |
祥大 | 8/9 17:47:34 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||947 | ||
私たちの後ろから聞こえる声。この声は・・・ 「「真優!?」」 そう言って振り返る。 もちろん、予感的中。 「ひどい、ですよ!挨拶も無しに行っちゃうなんて」 「そんなことはどうでもいいから、なんでお前はここにいるんだよ!?」 飛鳥が聞く。真優は簡単に答える。 「どうでもいい、なんてひどいですよ!もう・・・。えっと、ここにいる理由は、飛鳥さんたちに新しい依頼があるからですよ」 真優は敬語を使いながら、要件を伝えていく。 |
祥大 | 8/9 17:48:4 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||113 | ||
「新しい依頼?私たちに?どんなの?」 私は聞く。真優は答える。 「内容は、私の修行のためにあなたたちの旅に同行させてほしいんです」 「なんですと?」 「十分、真優は強いぜ?それでも修行するのか?」 「はい。お母さんが言うには、『水谷流を極めるなら旅に出なさいねー』だそうです。それで、『ちょうど鈴ちゃんたちがいるから、一緒に連れてってもらいなさい』って、言ってました」 「お前、格闘術極めるのか!?春奈さんも強引だな・・・。まぁ、俺は別にいいぜ」 |
祥大 | 8/9 17:48:40 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||925 | ||
「私たちの旅って言ったって、依頼屋をするだけよ?それでもいいの?」 「はい。・・・ダメですか?」 少し真優はウルウルとした目で私たちを見る。なんというか、可愛い。 「俺はいいぜって言ったよな?鈴はどうなんだ?」 「・・・いいわよ!報酬がもらえるんなら、何人でも同行させてあげるわよ」 「・・・素直ないやつ」 やっぱり漫才のようになっているが、気にしない。 |
祥大 | 8/9 17:49:2 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||526 | ||
真優は、目を輝かせながらこう言った。 「ありがとうございます!私、鈴さんたちと別れたくなかったんです。だから・・・だからとってもうれしいです!」 真優の目には涙。どうやらこれが光っていたらしい。 「泣きながら言うのはやめてよね!」 私はそう言った。真優は「はい!」とうなずいて答える。 「それじゃ、改めてよろしくね。そ・れ・と。前に私が言ったように、敬語はやめなさいよ。それが条件ね」 |
祥大 | 8/9 17:49:38 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||605 | ||
「うん!」 真優はうなずいた。 私はうれしかった。飛鳥もだろう。とにかく、うれしかった。私にとっては、初めての 女友達だったから。 その数分後、今度こそ町を出るために歩いた。私と、飛鳥と、真優の三人で。 |
祥大 | 8/9 17:49:58 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||686 | ||
物陰で、見送る人物が一人。その人――春奈は、ばれないように手を振っていた。そして、ぽつりとつぶやく。 「ホントはね、修行なんていらないのよ」 鈴たちの影が見えなくなると、春奈は家に帰って行った。 |
祥大 | 8/9 17:50:21 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||754 | ||
鈴たちに風がふいた。 旅の始まりを告げる風――。 それと同時に、鈴たちを中心とした運命が動き出す合図でもあった。 |
祥大 | 8/9 17:51:35 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||763 | ||
同じ空の下で〜一章〜「動き出す運命」 完 |
祥大 | 8/9 17:52:1 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||979 | ||
< 次章予告 > タリスマン精製師見習いの少年。 その前に現れる一人の少女。 二人が出会ったときに起こる物語。 少年は誰のために生きるのか。 少女は何のために歌うのか。 同じ空の下で〜二章〜「空の下にいる限り」 「この想い、空に届いて!」 少女の想い。 「空に響け、僕達の歌!」 少年の歌。 すべては、次章の物語。 |
祥大 | 8/9 17:56:19 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||360 | ||
あとがき(と呼ばれる作者のため息 はぁ、やっと終わりました、一章が。長かった・・・ ってことで、次からは同じ空の下で〜二章〜をお送りいたします^^ ちなみに、二章での鈴たちの出現率は0ですので、ご了承ください その間に鈴たちをこき使ってくれる人、大募集^^(ぇ ではでは、感想、指摘、使用、質問等がありましたら、レスどうぞ^^ 追試、いや追伸 今回のレス返しに来るのは春奈ですので^^ |
恋苺 | 8/9 19:28:57 | 2031cfvoKv0U0PQS2||812 | ||
⊃`ノノヽ゛`ノノヽ..*;:゜φ(・ω・`o)ノ~@ お疲れさまぁ ![]() ![]() えぇっ ![]() ![]() もしそうだったら大ジョックだуο(υσ・д・)σ んぢゃ二章もファィトッ ![]() ![]() ![]() |
祥大 | 8/9 22:57:59 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||773 | ||
めい、感想どうも^^ 春奈「鈴たちって言うとねー、鈴ちゃんと、飛鳥君と、真優のことよー。あたしはちがうらしいわよー」 っと言うことで、もちろん飛鳥も出ることはないですよ^^ 春奈「じゃ、二章もがんばらせてもらうわねー」 |
アスキ | 8/10 18:30:43 | 2202cfwKIgBablNMk||959 | ||
ぬお〜!!終わってしまった〜!!;; 滝 「ぼけ作者。ちゃんと見やがれ。1章だって書いてあるだろ?」 アスキ 「は?!しかも次章の予告まで・・・さて、あとがき見ましたが、脇役として3 人or春奈さんを使わせていただきたいので返答plz www」 サラ 「あんた、専門用語?使うのやめなさいよ。まあそれはおいておいて、私達としては 強い仲間がほしいのよね。滝は役に立たないし」 アスキ 「まあまあ、では、次章と返答をたのしみにしつつここで去りまする」 |
祥大 | 8/10 22:57:4 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||803 | ||
アスキ、感想あり^^ 春奈「一章が終わったのよー」 次はなんかこう、楽しくすると思う 春奈「鈴ちゃんたちこき使ってくれるんならお願いねー」 専門用語はわかんないけど、とりあえず使ってくださいな^^ 春奈「次章もがんばるわよー」 あんたは出ないって |
たけし | 8/10 23:36:25 | 2211cftSqWgpWefDU||632 | ||
またまた楽しく読ませていただきました。 ところで、 鈴達でないんですかーガックリ 僕ももうそろそろ次章に移るんですが、 鈴と飛鳥を使っていいですか?(たぶん敵役になりますが) すいません。お願いします。 |
祥大 | 8/10 23:43:56 | 2192cfjwWTQQyXEQ.||785 | ||
たけしさん、感想ありがとうございます^^ 春奈「そのかわり新キャラ出すから大丈夫よー」 まぁ、関係のある人も出ますが・・・ 春奈「そゆこと。鈴ちゃんたちは全然使っちゃっていいわよー」 ではでは、次章に移ってからもがんばってください^^ 陰ながら応援していますので^^ |
たけし | 8/10 23:46:0 | 2211cftSqWgpWefDU||126 | ||
どうもです。 ではでは |
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