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2360短編春巻行者8/10 23:30:362101cfPts7SluXurQ
でも、長いかな………。
※一人称しか書けません。
春巻行者8/10 23:33:222101cfPts7SluXurQ||201
＊＊悩めるとき＊＊


ついさっき、友達が俺に告白してきた。
と言っても、愛の言葉なんかではないけれど。
「あのさ、いきなりなんだけど、俺、今夜・・夜行列車で、彼女と駆け落ちするんだ」
「ぇ・・・」
俺は驚きのあまりに、最初は何も言えなかった。
本当にいきなり過ぎたから。
けど、その友達の彼が本当に真剣な眼差しであったから、只「頑張れよ」とだけ伝えた。
すると彼はすっきりした面持ちで微笑み、俺に背を向け歩いていった。
春巻行者8/10 23:34:82101cfPts7SluXurQ||309
・・・彼も俺も、まだ２０歳だ。
大学生として、お互い楽しく過ごしていたのに・・・。
しかも彼は、講義も怠け気味で受けていた俺と違って、薬剤師という将来を夢みて頑張って、努力して・・・・。
それなのに、その今までを捨てて駆け落ちするというんだ。
誠実な彼だったから、他のチャラチャラした友達がそれをするよりも、何倍も驚いた。
・・・・・ホントに、その彼女が大切なんだろう。
春巻行者8/10 23:35:22101cfPts7SluXurQ||99
・・どうしよう、考えていたら、何だか不安になってきてしまった。
・・俺はそれ程までに愛せる人がいただろうか？
今まで付き合ってきた女といえば、カワイイからとか、まぁ面白いかなって感じで、別れるときも簡単な嫉妬が原因だった。
きっと彼らは、そんなものと比べ物にならない位の「思い」で結ばれているんだろう・・。
・・俺はそんな人にあっていない。
コレまでの彼女で連想してみても、俺は彼らまでには行かない。
愛し尽くしてみたい・・・・それでも愛し尽くしても、こんなにも愛せない気がする。

こんな自分が分からなくなってきて、軽い嗚咽が走った・・・。
春巻行者8/10 23:36:142101cfPts7SluXurQ||350
＊＊春の嵐＊＊


夏に海へ行こうと、指きりをした
その約束まで後たったの数ヶ月なんだ
だから…もう少し

いま時期は、君が桜色で見えなくなってしまいそう
昔、僕の腕の中でゆらゆらと揺れていた、ビー玉なたいな君の瞳
それも今は朧気にしまわれている
春巻行者8/10 23:38:72101cfPts7SluXurQ||839
ジレンマ、君の為に僕の出来ることは、無い・・・・
ただただ傍らに付き添って、手を握る
苛々の衝動が、僕の魂を打ちのめす

ある日、君は君がした約束を破ってしまったね
しょうがないこと何て思いたくない！
まだ、君の瞳が開くのを
　　　君の声が聴けるのを
　　　君が砂浜を走り行く姿を
期待してしまう僕

いつになったら、君の気持ちを
−欲しくならないか
−欲しくならないか
春巻行者8/10 23:39:32101cfPts7SluXurQ||333
そんな君に向けて、幾筋もの涙を、今まで堪えていただけ吐き出す
止まることがあるだろうかという程に・・

君の寝顔は、陽だまりの中に溶けてしまいそうだった
春巻行者8/10 23:41:402101cfPts7SluXurQ||288
＊＊熱帯浴＊＊


こんなに暑くても、どんなに暑くても、私は自転車を滑らせる。
大好きな貴方に会えるからね。

こないだ、夏休みで暇だったし、丁度涼しい日だったから、散歩がてらにちょっと離れた公園へ出向いてみた。
いくつもあるベンチの中で、ひとつだけ木陰に入るやつがある。
そこに貴方はいた。
春巻行者8/10 23:43:72101cfPts7SluXurQ||647
黒髪はちょっと耳にかかる位の長さで、スッとした眼鏡をかけていて、涼しげに本を読んでいた彼。
そんな貴方に、・・いわゆる一目惚れを体験してしまった。
その時私は、ちょっと離れた斜め前のベンチに座って、どきどきしながら、たまに彼をチラッと見ていたりした。
次の日、昨日よりは少し早くに家を出て、同じ公園の同じ場所へ行った。
すると、その彼が木陰のベンチに座って読書中、ホントに？！と、気持ちが舞い上がった。
春巻行者8/10 23:43:442101cfPts7SluXurQ||649

それからのいうもの、毎日の様に私はその公園に出没するのが日課となっていた。

いつもの如く、私はその公園に行った。
けれど、いつものベンチに彼はいない。
どうしたんだろうと思いつつ、まぁ今日はちょっとゆっくり来るんだろうと思い、私の指定席になりつつあるベンチで待つことにした。
・・・今日も暑い・・・・。
春巻行者8/10 23:44:222101cfPts7SluXurQ||510

・・なのに、待っても待っても彼は来ない。
今日は、来ないのかなぁ・・・・・会いたいよ・・。
待ってるんだけど、あまりの暑さに後頭部がズキズキして、おまけに汗がダラダラで、凄いだらしない座り方・・・。
会えても、こんな格好は見られたくないかも・・。

そうして、私はもう帰ろうと決心し、自転車に乗ろうと立ちあがった。
だが突然・・・・、
　フラッ
！！！！！！！！！！！！！！！！
私が自転車のサドルに触れた瞬間、・・・・・タオレタ。
同時に気を失って、どこか遠くへ夢みた。
春巻行者8/10 23:46:492101cfPts7SluXurQ||708
・・・・・？
気がつくと、頭がひんやりとしていて、爽やかな風が当たって快い・・・。
私がぼんやりと瞼を開くと、そこは、いつも彼が座っている木陰のベンチで、おでこには濡らしてある男物のハンカチが乗せてあった。
すると、ちょっと下の方から良く通った声が聞こえてきた。
「あ、目覚めたね。大丈夫？いつも暑そうだったけど、やっぱり倒れちゃったね」
草むらの方を見ると、暑い中、ずっと焦がれていた顔がそこにあった。

その貴方の笑顔にも、夏の暑さにも溺れそう・・。
もう溺れてるかな？
春巻行者8/10 23:47:92101cfPts7SluXurQ||799
話を聞くと、一目惚れの彼は図書館に本を返しにいっていて遅れたらしい。
それでいつもの場所へいくと、倒れてヘロヘロになっている私を見つけて、・・どうにもお世話になってしまったとのこと・・・・・。
恥ずかしいけど、私のことを知っていてくれたのが凄く嬉しくて嬉しくて。

それからね、友達になれて、それから・・それから・・・彼の指定席は・・、私と彼の指定席になったんだ。

・・・このことを夏休みあけに友達に話すと、
「・・・馬鹿じゃん・・」
こんな答えが返ってきてしまいました・・・・・。
春巻行者8/10 23:48:482101cfPts7SluXurQ||376
=====+++++-----おはり-----+++++=====
春巻行者8/10 23:49:302101cfPts7SluXurQ||507
熱帯浴・・・・・失敗；
たけし8/11 0:10:452211cftSqWgpWefDU||680
むちゃくちゃいいっす。
感動です。
春巻行者さんの追っかけ（自称）ｱﾝﾄﾞファンであるたけしであります。
特に−欲しくならないか−欲しくならないか　のところが心にきました。
これからも春巻行者さんの作品を待っています。


春巻行者8/11 0:17:02101cfPts7SluXurQ||159
たけしさん＞
いつもいつもレス有難うです。
追っかけていただけるなんて、光栄です＾＾
「−欲しく〜…」とこは私も好きな部分だったりするので、そう言ってもらえると幸せです。
あんまり良いものは書けませんが、宜しくお願いします。(一礼)
ジーンズ8/11 1:35:162196cfiGL7jPeZL4M||291
こんばんは〜(*'-'*)＾＾お久しぶりです＜覚えていて下さると嬉しいです。。
どの作品もつい　感情移入してしまって、涙が出てしまいそうです。＜もうチョチョ切れ済み
『悩める時』の俺。。そして『春の嵐』の僕。。どれも感情の揺れ動きが切なくて･･･そしてその想いのひたむきさに、読んでいてじ〜んときて言葉に詰まってしまいました。
『熱帯浴』は是非映像にして披露してほしいようなテンポの良い作品です。浴って言葉の通り　温かい気持になれました＾＾。
これからも楽しみにしていますｗ。素敵な世界をありがとうございましたﾍﾟｺﾘ(o_ _)ｏ))
ドグ8/11 21:58:436119cfXDqKDgMl6uc||633
初めて読んだんですけど、感動しました。
自分の中で、何かが変わったような気がします。
駆け落ちはしませんが、自分は一人で逃げ出しそうになっていました。
負けません。頑張ります。
勇気をありがとう
春巻行者8/11 22:5:432101cfPts7SluXurQ||701
ジーンズさん＞
どうも、こちらこそお久しぶりで。かなり覚えているのでご安心を。
・・えと；色々とご感想、有難う御座います！
最近はあまりドロドロ(？)としたものが書けないので、ちょっとさっぱり系で。
上にも書いたんですが、熱帯浴は私的には失敗したかなぁ・・という感じだったので、そんなお言葉を頂けて嬉しいです。
不定期ですが、また機会があれば・・・・。
レス有難うございました。
春巻行者8/11 22:20:312101cfPts7SluXurQ||910
ドグさん＞
こんばんは、初めましてですねドグさん。
実際、私も恋というものは分かったことではないので、リアルも含めて、色々な作品に触れ合ったりすると、こういうものなんだろうかって感じの想像が産まれてくるので、それを書いて投稿させていただいてます。
なので、そんな未熟者の私が書いたものに、そんな風に勇気を持ってくださったりするととホントに嬉しいです。
読んで下さるだけでも喜ばしいですけどねｖ
では、THANKSでした。

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