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2386感想まってるゼイ★σ(´∀`)σ8/12 18:30:486034cfeukJ3eid2tk
あらすじ:一人の7歳の女の子と一人の14歳の男の子は兄弟だったが、二人共、学校ではいじめを受け、親には捨てられ、街を歩くとコソコソされる…。そんな二人の兄弟が必死に生きようとする、とても現実的なお話です。短編にしようと思っているのですが、途中で長編になっちゃったらごめんなさい(汗)

σ(´∀`)σ8/12 18:41:406034cfeukJ3eid2tk||54
題名『平成の蛍の墓』

ある晴れた朝だった。病院の中いっぱいに朝の光がさしこむ。そんな中で、1つの命が誕生し、元気な声をあげて泣き出したのは、男の赤ちゃんだった。しかし、それを喜んでいるのはその子を産んだお母さんだけだった。その後、あかちゃんは「正志」と名づけられた。
正志にはお父さんがいなかった。朝早くからお母さんは仕事へ行き、正志は近くの古い保育所に預けられたが、お母さんは時々夜中の12時頃に迎えに来た事もあった。
そして、正志が7歳になる時、妹が出来た。名前は幸子。幸せになるようにとつけた。

σ(´∀`)σ8/12 18:46:586034cfeukJ3eid2tk||584
そして何年かたち、正志は小学4年生になっていた。
「おっはよ〜う。」
正志は元気良く教室に入った。しかし返って来たのは冷たい視線だった。
「どうしたのさぁ?みんな風邪でもひいたのか?」
前向きな正志はそう考えていた。しかし、何ヶ月も何ヶ月もそれは続いた。
心配になった正志は先生に相談してみると、
「我慢しなさい」
それだけだった。ある日、友達に追求してみるとこんな事を言われた。

σ(´∀`)σ8/13 20:27:136034cfEkGkDnTq/eA||293
「僕のお母さんが君に近づくんじゃないって言ってるんだ。」
正志はどうしてと聞きたかったが、
「そっか。」
となっとくしたように見せかけた。そして、うつむく正志に友達は、
「君みたいな泥棒の親を持つ友達なんて大っ嫌いだ。」
と、大きな声を出した。その瞬間、教室中がざわめいた。正志はなんとも言えずにただ、立っていた。
家に帰ると、お母さんはいなかった。しかし見知らぬ男が妹と一緒にいた。
「やあ。正志…君…って名前だよね」
男は正志に笑いかけているが、どこかたくらんでいるという雰囲気もある。

σ(´∀`)σ8/13 20:34:136034cfEkGkDnTq/eA||81
「この子、君の…いや。正志君の妹さんかな?名前を聞いているのに教えてくれないんだ。」
幸子を指差して男は言う。
「おじさんこそ誰ですか。教えないならこっちも教えません。」
正志は男が襲いかかってきた時のために、背負っていたランドセルをおろし、前に構えた。
「ごめんごめん。おじさんは君のお父さんだ。信じられないのならお母さんに聞いてみな」
そう言うと、男は携帯電話を差し出す。
「嘘だ。僕達には、お父さんはいないんだぞ。」
「嘘じゃない。お母さんに聞けばわかる。」
その説得力のある男の声に正志はその場に座り込んだ。
「分かった。嘘じゃないんだよね…。ところでおじさんの名前は?」


σ(´∀`)σ8/13 20:43:56034cfEkGkDnTq/eA||523
「まず、この子の名前を教えてくれないか。おじさんさ、仕事でしばらく家にいなかったんだよ」
男は正志を無視して、幸子を抱き上げた。正志はずっと下を見て、そしてすぐに男の前に行き、幸子をグイっと男から離し、そして抱きなおした。
「この子は…。さ…。ともみっていいます。それが?」
「そうか。ともみちゃんっていうのか。ところで…」
「もう帰ってください。ここは僕のうちです。偽のお父さんなんていりません。」
すると、玄関のドアが開く音が聞こえた。

σ(´∀`)σ8/13 20:47:146034cfEkGkDnTq/eA||598
それは、お母さんだった。昨日は夜中の3時に帰ってきたので、今日は5時で切り上げてきたらしい。居間にはいって来たお母さんは、
「あんた…。」
と持っていたハンドバックを力が抜けたみたいにパタリと落とした。
「いやねぇ。たまたま通りかかってさ。そういえばこの子ともみちゃんって言うんだぁ。本当にかわいいなぁ」


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