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2427魔道力学白書第2編〜P2〜たけし8/16 17:28:372211cftSqWgpWefDU
夜の帳も落ち、街から光がなくなった頃、
1つだけ薄明かりを放つ場所があった。
≪新鮮組(仮)本部≫である。
「今宵の月は新月か…」
1人の男がつぶやく。
「嫌な予感がするな…土方。」
そう言ったのは近藤だった。
そして、近藤の前にいるのは土方才三、新鮮組副長であった。
近藤とは違い、土方は新鮮組(若くてぴっちぴちの男達)の中でも1・2を争うほどの美男子である。

たけし8/16 17:36:352211cftSqWgpWefDU||785
二人は今、都のぼろ長屋にいた。
「八巻はどうだ?」
「姫が死んだことで腑抜けになり、百姓のマネゴトをやっているが…問題ない。」
土方の問いに近藤は答える。
「奴は人斬、人斬が振るのは鍬でなく、刀。そして、」
近藤が続けて言おうとすると、
「人斬がまみれるのは土だはなく血か…」
土方が言う。
「お前が百姓上りの隊士達に言った言葉だ。今でも覚えている。」
「しかし、沖田を失ったのは痛かったな…」
近藤が話しを変える。

たけし8/16 17:48:392211cftSqWgpWefDU||738
沖田とは沖田宗二のことであり、新鮮組1番隊組長で新鮮組最強の剣士だったが…
「結核だったらしい。」
近藤が言う。
そう、沖田は4年前の反乱の最中、結核で死んでしまったのだ。
「そういえば、原田はどうしたのだ?」
土方が近藤に聞く。
そう、今夜は近藤、土方、原田で集まろうと4年前の反乱の後約束したのだが…
「あのバカは江戸に帰った後早々に将棋隊に加わって戦死した。」
将棋隊とは4年前の反乱の後、結成された部隊で、幕府と魔道同盟機構に喧嘩をふっかけたのだ。まぁ、結果は火を見るより明らかで、全員焼殺された。

たけし8/16 17:50:542211cftSqWgpWefDU||326
「そうか…」
土方は少しだけがっかりする。
すると、
ガタガタ

物音が聞こえた。
二人は刀に手をやる。
今は廃刀令で刀の所持は禁止されているのだが、二人には関係ない。

たけし8/16 17:56:502211cftSqWgpWefDU||423
ガタン

ふすまが蹴破られる。
そこには青いローブを着た男女が7人いた。
そのうち、真中の男のローブには白い線が三本入っていた。
「魔道同盟機構の者だ。」
真中の男が言う。
『何!!』
土方と近藤の声がはもる。
(し、しまった。こんなにも早く見つかるとは…)

たけし8/16 18:5:32211cftSqWgpWefDU||792
「ここはせめてもの慈悲で、貴方達風に言わせてもらいましょう。」
そう言い、クスリと笑う真中の男。
白い髪が揺れる。
「新鮮組局長:近藤泉並び、副長:土方才三とお見受けします。私怨はありませんが、魔道同盟機構もとい、世界の平和の為に危険分子である貴方達には死んで頂きます。」
そう言い、右手を近藤達に向ける。
「き、貴様、名は…なんと言う。」
近藤が目の前にいる、白髪で碧眼の男にそう言う。
「もうすぐ、死ぬ方に名をなのる意味はないですが、いいでしょう。」
クスリと笑って続ける。

たけし8/16 18:6:442211cftSqWgpWefDU||395
「私の名前はシャモン。あっちでは『白髪の魔道師シャモン』と呼ばれ、有名です。」
そう言うと同時にシャモンの手から火の玉が出た。

たけし8/16 18:10:462211cftSqWgpWefDU||574

ここはのどかな山にある村。
村人はほとんど寝静まって、辺りは暗かったが、
一軒だけ明かりがついていた。
八巻は家の中で囲炉裏に火を焚いていた。
そして、外を見る。
「今宵は新月でござるな…」
そう言うと、また火を見る。
(あの日も丁度新月でござった…)
そして、ここからは八巻の回想に入る…

たけし8/16 18:17:242211cftSqWgpWefDU||66

─4年前─
「死んでもらうぞ。」
目の前にいる忍装束に身を包んだ男が右手に刀を持ち近づいてくる。
そして、横一文字に斬りかかってきた。
(遅い)
八巻はその相手の攻撃を半歩後ろに下がりやり過ごす。そして
ザシュッ
相手を斬る。
しかし、致命傷は避ける。

たけし8/16 18:23:82211cftSqWgpWefDU||275
「逃げろ。そして、これからは争いのない世界で生きるでござる。」
八巻がそう言うと、その男はすぐに逃げ出した。
八巻がため息をついていると…
「相変わらず甘ちゃんだなぁ、おめぇはよ。」
後ろから声がした。
原田佐之介だった。
「何で殺さねぇんだよ?」
原田が聞いてくる。
「無駄な殺しはしないに越したことはないでござる。」
そう言う。

たけし8/16 18:32:272211cftSqWgpWefDU||129
「変わってるねぇーおめぇはよ。」
原田は耳をホジホジさせ、耳糞を探す。
「ああいう悪い奴を斬るのが一番楽しいんじゃねぇか。」
原田はそう言う。
「そんなことを言ってると、また近藤さんに起こられるでござるよ。」
八巻が注意する。
その理由は、以前に原田が蝶州の間者(スパイ)であった楠小三郎を斬った時、
「あぁ、いい気持ちだ」と言ってエヘエヘ笑っていたために、後で近藤にコッテリ絞られたのだ。
「八巻、あとで春画をやるから許してくれ。」
原田は本気で頼む。

たけし8/16 18:36:162211cftSqWgpWefDU||136
「春画…そんなものには興味ないでござる!!」
八巻はきっぱりと言う。
「そんなこと言ってお前ももう齢21だろ。そろそろ…」
そんなことを言いながら、二人は本部へと帰還する。
他愛もない話をしながら…
この時、八巻は自分の甘さを自覚していなかった。
本当に、本当に自分は甘かったのだと、この後知ることになる。
大切な人の死と共に…

つづく

たけし8/16 18:39:542211cftSqWgpWefDU||39
今日はこれで終わりです。
見てくださってる方、ありがとうございます(泣
また、読んでくだされば感想書いて下さるとありがたいです。

ヂーク8/16 18:41:312022cfNI/CkJgB2A2||553
いいですねぇ〜
それと、小説を書きたいなら http://novelist.s57.xrea.com/real.cgi がいいですよ

たけし8/16 18:44:12211cftSqWgpWefDU||146
じぃちゃんども^^
でも、なんかそこレベル高そうだなぁ(俺じゃぁついていけない…)

タロー8/17 11:9:482182cfsWsI9nSiWbw||991
面白いです^^

新鮮組笑いました^^

たけし8/18 14:43:342211cftSqWgpWefDU||845
そう?ありがとう>タローs


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