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2438久々の小説「HOME管理代行人(仮)」ですナイト8/17 15:28:32201cffRsJHB8rJ7U
HOME管理代行人―――それがこの仕事の正式名称だった。仕事はその名が示すとおりに、一部の冒険者たちが持っているHOMEを、持ち主が冒険に出かけている間に管理しておくというものだ。
まぁ、簡単に言ってしまえば留守番だろう。ただし、報酬は国からでているために安定しているし、普通に働くよりはやや高額だ。
俺はちょっとばかし借金を作ってしまい「このままでは借金取りに命を取られそうになる!」というときにこの仕事の求人の張り紙があったのを見つけた。
そんなにやりたがる人間もいなくて割りと楽に俺に決定した。
・・・この時気づければ良かったんだ。そんなおいしいだけの仕事なら、もっと人が集まってるはずだ、と。

ナイト8/17 15:28:82201cffRsJHB8rJ7U||321

ナイト8/17 15:29:12201cffRsJHB8rJ7U||626
HOMEの管理を任されて約半年。滅多に帰ってこないここの主人は、今度はまた奇妙なペットを送りつけてきた。
「・・・なんじゃこりゃ?」
朝、俺が玄関の掃除をしようと掃除マスターのほうきを片手に外へ出たときだった。
「雪だるま・・・だよな?」
白くて小さい雪だるまが、そのつぶらな瞳をこちらへと向けてちょこんと立っていた。その雪だるまはうさぎのような顔をしていた。手として刺された枝の先には、子供用と思わしき赤い手袋が付けられていた。
きっと近所の子供が作ったのだろう。そう思い、俺は掃除を・・・・

ナイト8/17 15:29:252201cffRsJHB8rJ7U||302
「ってんなわけあるかぁっ!!」
思わず自分でツッこんでしまったが、まぁいい。それよりも問題はこのうさぎの雪だるまだ!
今は夏。近所の子供が雪だるまを作れるような量の雪など、この季節にはここには降らない!!
「・・・・・」
いつの間にか、うさぎ型雪だるまは俺の足元まで移動してきていた。黒いつぶらな瞳で、じっと俺のことを見上げてくる。
うぐっ、か、可愛い・・・。

ナイト8/17 15:29:512201cffRsJHB8rJ7U||749
「何ちんたらやってんのよ、下っ端2の分際で!!」
慌てて振り返ると、魔法使いLv.10が、ほうきを片手に睨んできていた。
・・・もしかしてこいつ、ほうき持ってるから、とかの理由でクィーンゲロッグにでも遣されたのか?
「あんたがさっさと掃除しないから、私がキーコと遊べないんだからね!!」
・・・ちょっと待て。それは濡れ衣だろうが。
「とにかくさっさとやらないと、ほうきでひっぱたくわよ!?」
末恐ろしいガキだ。こいつの旦那か主人になる奴はとんでもなく尻に敷かれることになるんだろうなぁ。

ナイト8/17 15:30:112201cffRsJHB8rJ7U||200
「あら?それって・・・」
「ん?おまえこいつのこと知ってるのか?」
「・・・『おまえ』だぁ〜?」
「すみませんでした!!」
ははは・・・。半年もHOME管理代行人なんてやってると、下っ端根性が身に付くもんだなぁ。土下座もすっかり上手くなったぜこんちくしょう!!(泣)
「おい、お前。お前はだるまうさぎだろう?」
「だるまうさぎ?それってなんだ?」
俺が尋ねると、魔法使いLv.10は哀れみまくった眼差しで俺のことを見てきた。・・・何で今回に限って哀れむんだよ!?これならいつもの様にバカにされた方がマシかもしれない。

ナイト8/17 15:30:342201cffRsJHB8rJ7U||440
「あら、可愛らしい雪だるま・・・」
この声は・・・!
「あ、こんに・・ち・・・わ・・・・・ぁ・・・・・・」
俺も、魔法使いLv.10もその場で固まった。そりゃそうだ。だって、振り向いたらそこには呪い装束を身に纏った少女がいるんだもんなぁ。
しかもこれでもか!って程に、手に持ったわら人形がよく似合っていた。
その傍らには、返り血を浴びたと思われる皆殺しドワーフ(以前彼女がこの店で購入したもの)が。・・・今夜はうなされそうだ。

ナイト8/17 15:32:02201cffRsJHB8rJ7U||821
「私、雪だるまって好きです」
そんなホラーな姿で少女はだるまうさぎを撫でている。浮かぶその微笑は、聖女のごとく清らかで可愛らしい。
「昔は冬になると、みんなで雪だるまを作りました。でも、みんな夕方になると帰ってしまって、いつも私一人が最後まで残ってたんです・・・・」
少しだけ寂しげな姿。
「それで、みんながいなくなってしまった公園で、私は一人雪だるまを破壊しておりました・・・」
どこかうっとりとした眼差しでだるまうさぎを見つめながら、彼女は告げた。その目はどこか、獲物を見つけた肉食獣の様で・・・・

ナイト8/17 15:33:192201cffRsJHB8rJ7U||351
「うわあああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!」
俺は慌てて彼女の手からうさぎだるまを取り上げた。腕の中で、その白い体はガタガタと震えていた。
彼女はそんなうさぎだるまを、とてつもなく寂しげに見つめていた。
いつの間に持ち替えたのか、その手にはわら人形ではなくこん棒が握り締められている。


ペットを可愛がらない人に、うちの子たちは売れませんっ!!

ナイト8/17 15:39:302201cffRsJHB8rJ7U||946
あとがき
 少女と共に久々の登場の代行人さんです。
 補足説明ではありますが、少女はこれの前の回に登場した人物(名前なし)です。
 ちなみに、全くのフィクションですので、間違いなどがあっても気にしないでやってくださいませm(_ _)m

marinoe8/17 16:1:202191cfDcDp9.F9Bi2||203
ナイト様、こんにちは
ペットの私には、素通りできない物語でした
今回からでもしっかり、楽しめたのですが、
欲張りな私は過去ログに潜らせて頂きました
最初に山のように捕まえたキーコやあおむしを懐かしく思い出しながら
うちにはウサギだるまがいないΣ(; ̄□ ̄A
ガーンと打ちのめされながら、その少女はうちのお店出入り禁止にしようと
決心した、ある夏の午後でした
おもしろかったです

ナイト8/17 16:13:452201cffRsJHB8rJ7U||616
marinoeさん、感想感謝ですw
うぉう、過去ログから拾ってきましたか;
だるまうさぎ・・・あの子は個人的にお気に入りです。
夏でも溶ける事のないようなので、急遽出演させてしまいました^^
俺もペットなので、彼女は確実に出入り禁止ですw
面白かったを言っていただき嬉しいです
また数ヶ月後ぐらいに続きを書くと思いますので、その時はまた読んでやってくださいませ♪

銀月8/17 20:42:522182cfLMvpixotkc6||229
こんばんは^^v
彼女の復活に万歳の銀月です( ̄∇ ̄*)ゞ
キーコ懐かしいなぁw
相変わらず、爆笑のうずに引き込まれてました(笑
む、二人ともペットなんですね?
私は変な子が可愛くて・・・転倒ペンギンとか、ぶよこ(寝)とか、
そんな子と本当は冒険したくてうずうずしてますw
続きがまた楽しみですo(*^▽^*)o

ナイト8/18 11:59:452201cfZUOxJLbEnbU||479
銀月さん、こんですw
ちょっと今、「こん」の部分で間違って変換を押したら「魂」がでてビビッています^^;
代行人さんのこの話、元はほのぼのギャグを書くはずが、数回でこんなシュールギャグ系へと移行しています
転倒ペンギン、ぶよこ(寝)・・・可愛いですよねぇ^^
冒険、いいじゃないですか!
そんな子たちと銀月さんの冒険を今度聞いてみたいです。と、いうわけでがんばw(マテ


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