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2442単純系小説『鋭利な刃物』第十弾beloved8/18 8:53:82209cfCePq7.ynXL.
beloved的らいぶらりぃ。

鋭利な刃物 『血肉と欲望の元成り立つ物語』
第一http://chibifantasy.com/bbs/t12-2065.html 泡沫唄胡の殺人講座
第二http://chibifantasy.com/bbs/t12-2101.html 虐殺 命 衝動
第三http://chibifantasy.com/bbs/t12-2140.html 死神 氷室朝霧
第四http://chibifantasy.com/bbs/t12-2169.html 愛しき感情 醜い愛情
第五http://chibifantasy.com/bbs/t12-2197.html 破壊衝動あるいは狂気

beloved8/18 8:53:242209cfCePq7.ynXL.||819
第六http://chibifantasy.com/bbs/t12-2318.html 刃物の形すなわち虚像
第七http://chibifantasy.com/bbs/t12-2342.html 我 神故に人を裁く
第八 http://chibifantasy.com/bbs/t12-2366.html 影を喰らう虚像 鎖と縛め
第九 http://chibifantasy.com/bbs/t12-2397.html 文芸的又は屈辱的

beloved8/18 8:53:362209cfCePq7.ynXL.||240
短編小説 『一瞬の如く小さく儚い物語』
ラヂオ http://chibifantasy.com/bbs/t12-2419.htm

beloved8/18 8:54:62209cfCePq7.ynXL.||683
In the world vague at all to which
it does not come you are beautiful.
In the heart confused at all to which it does not come1
your heart is simple and deep.

Since it catches by this hand before tears roll down.
Stop now the beat of the heart which screams acutely only for a moment.

Say when you die. Since I also die together.
Since it always says also in one clue when dying.

beloved8/18 8:54:252209cfCePq7.ynXL.||383
「なにやってるんだよ」

beloved8/18 8:55:02209cfCePq7.ynXL.||203
 声はダイヤモンドより硬く、極限まで冷えたドライアイスより凍える。
 裏腹に、表面に浮かべる笑みは溶けたアイスそのものに柔和。

beloved8/18 8:55:182209cfCePq7.ynXL.||320
 あたしと彼女は知っていた。
 細身の躯に、煮えたぎる地獄の紅蓮よりも恐ろしい怒りを秘めていることに。

beloved8/18 8:56:112209cfCePq7.ynXL.||21
「ルイ……」
「お、泡沫ちゃん何やってるの?」

beloved8/18 8:56:292209cfCePq7.ynXL.||303
 あたしと彼女が先刻告げたように、異常な攻防を繰り返した後敗れた。
 ルイはその騒ぎを聞いて――駆けつけたのだろう。
 結い上げた髪は落ちて、薄い長袖のネグリジェにカーディガンを羽織った姿。
 ただし銀線と血色の手袋だけは装着していた。
 流石閻魔と言うべきだろうか。

beloved8/18 8:56:542209cfCePq7.ynXL.||239
「何か煩いし『計画』のこともあったから来てみたら、何て貴方が居るわけ?」

 ルイの二人称は『君』だったはずだ。
 つなぎ合わされたボロボロの記憶が、静かにそう告げる。

beloved8/18 8:57:182209cfCePq7.ynXL.||81
 視線の先には、『閻魔の妹たる食人主義者』

beloved8/18 8:57:382209cfCePq7.ynXL.||241
「姉さん…ッ!」


 這いずって無様に拉げるように移動して、腕に触れるか触れないかのとこまで移動した彼女を軽蔑の目で見、手で触れず銀線で薙ぎ払うルイは閻魔の顔。

beloved8/18 8:57:582209cfCePq7.ynXL.||433
 壊れそうな笑み、只其れだけの事。
 此処にいるのはルイであってルイではない。

beloved8/18 8:58:182209cfCePq7.ynXL.||125
「姉さんって呼ばないで。閻魔大王――って呼んで頂戴」


 喋ることすら儘成らない。

beloved8/18 8:59:162209cfCePq7.ynXL.||457
 どろりとした硬質の感情が、只胸を満たしてる。

 満たしても満たし切れぬような気がして。

 此の喉に血を注いでも、此の腹の中に赤子を宿しても、魂の空洞だけは許されない。

 妄想癖。
 ジッポと煙草。
 金糸のような髪色。
 髑髏。
 住処。

 如何様な言葉を繋げても投げつけても、この空洞を埋め立てることは出来ない。

beloved8/18 8:59:362209cfCePq7.ynXL.||35
「だって……だってお腹がすいたのよっ!」
「ワタシの客人を喰らうことは許されない」

 有無を言わさぬ女王然とした声。
 其の声に誰もが跪く。

beloved8/18 8:59:562209cfCePq7.ynXL.||92
 脆く切ない程強い閻魔大王殿下は、『閻魔の妹たる食人主義者』などに義理を掛けるつもりなど毛頭無い。

beloved8/18 9:0:182209cfCePq7.ynXL.||670
「泡沫チャンの肉、一口でも食べたの?」

 星空の瞳は消え失せ、彼女の瞳に宿る闇すら恐れそうな、深遠なるクロに変化している。
 彼女の薄汚れた腕をねじ切らんといわんばかりにつかみ取り、据えた瞳で影を射る。

beloved8/18 9:0:322209cfCePq7.ynXL.||569
「嘘を一つでも言って御覧。
 貴方の身体を細胞の一つ遺さず切り裂いて、地獄の亡者者にくれてやるから」

beloved8/18 9:0:592209cfCePq7.ynXL.||729
 此処にいることすら不釣り合いな気がする。
 呟くあたしの言葉は虚空へ消える。

 ならばと口を開きかけた彼女の唇を愛おしそうに押さえつけると、銀線ではなく血色の左手をゆっくりと差し出す。

beloved8/18 9:1:142209cfCePq7.ynXL.||891
「本当のことを言ったとしても、貴方がもう喋れないように舌を引っこ抜いてあげる」

beloved8/18 9:1:322209cfCePq7.ynXL.||208
 無茶苦茶だよ。
 言っても此処は閻魔の庭。
 全て閻魔の理で成り立ち、閻魔の気まぐれで人が死に、閻魔の贔屓で生存者が決まる。

 わざわざ口を出すことはないだろうと判断したあたしは、只傍観者として其の場に居ることを配置付けられた。

beloved8/18 9:1:472209cfCePq7.ynXL.||780
「…………っ」

 彼女に至っては言葉すら無い。
 声帯でも切られたかのような掠れた声に、ルイはまた壊れそうに笑う。
 決壊ギリギリの、鋭き笑みを。

beloved8/18 9:2:22209cfCePq7.ynXL.||213
 其れはあたしの母にも通じる『サディズム』に似た感情。

beloved8/18 9:2:382209cfCePq7.ynXL.||944
「――それとも、ワタシがこの場で殺した方が良い?」


 血色の手から覗く、ヨルイロに染められた爪は滑るように光沢を得る。
 美しいと思った瞬間、その輝きは瞬時に失せる。

beloved8/18 9:2:522209cfCePq7.ynXL.||857
 同じく血色に染まり上げた爪は、彼女を深々と突き刺していた。

beloved8/18 9:3:72209cfCePq7.ynXL.||62
「何処かに消えなさい。
 泡沫唄胡嬢がこの城にいる間は、閻魔たるワタシが彼女への干渉を一切許さない」

beloved8/18 9:3:212209cfCePq7.ynXL.||54
 舌を突き破られ、喉すら切り割かれた彼女は、生きながらの屍だった。
 ゆらりと立ち上がり、夢遊病者のように何処かに行く。

beloved8/18 9:3:372209cfCePq7.ynXL.||295
「泡沫唄胡……貴方をユルサナイ」

 喉を切り裂かれながらまだ語る彼女は、最早畏怖という念を超越した存在にまですり替わる。

beloved8/18 9:3:562209cfCePq7.ynXL.||399
「大丈夫だよ、アノ子はワタシの言うことはちゃんと聞くんだな」

 心配しないで、と言う彼女だが、あたしは逆にルイの方が恐い。

beloved8/18 9:4:112209cfCePq7.ynXL.||558
 多岐多用に渡る二面性が恐い。

 嘘をあっさり吐くこと。
 類い希に見せる其の狂気が恐い。

 不器用に倒れた怪我人を、無様だねと笑って踏みつけそうな所が嫌で溜まらない。

beloved8/18 9:4:252209cfCePq7.ynXL.||207
「『計画』について話そうよ。ワタシはその為に来たんだから」

beloved8/18 9:4:382209cfCePq7.ynXL.||251
 此の遊戯、操作不能。
 ノイズ混じりに吐きだした盤の上から、浮き彫りにされた事実。

beloved8/18 9:4:542209cfCePq7.ynXL.||30
 ルイちゃんが恐いです。
 泡沫嬢すら恐れる彼女は、滅茶苦茶恐いです。

 氷室君なんて一切出てきてませんし。
 いやちゃんと絡ませますよ、次回に。氷室君が嫌いな訳じゃないんですけど。
 小説にはヒーローを必ず一回は出しましょうなんて条約はないから大丈夫です。きっと。

beloved8/18 9:5:92209cfCePq7.ynXL.||389
 其れでは今回の訳です。

  こんなにも漠然とした世の中で、貴方は綺麗。
 こんなにも混沌とした心の中で、貴方の心は単純で奥深い。

  涙がこぼれる前に、此の手で受け止めるから。
  きりきりと泣き叫ぶ心の鼓動を今一瞬だけ止めて。

  死ぬときは言って。
  あたしも一緒に死ぬから。
  死ぬときはいつも一緒だって、言ってるから。

おぐ8/18 11:47:232201cfSXLpdTsDVpM||853
うん。今回もブラッキーだった^^;けど、面白かった。この感情をなんと言うんだろう・・・
やっぱり流石だなぁ・・・。

訳〜
これは詩みたいなものなんですか??
とっても良いんですよ!毎回・・ブラッキー入ってますけど、なんか「愛」ってこんな感じなのかなぁ?と感じています・・・

まぁ・・・今回の感想はよくわかりませんが・・・どうにか解読してください><
では、退室〜

beloved8/20 14:23:412182cfKbbyBMNbElg||702
あ、返信遅れてスイマセン。
今回もブラッキーです。えへ(キモイヨ)

詩というか、思ったことを繋げた文章に尽きてしまうんじゃないかって思います。
泡沫嬢の思った事とか、氷室君に対する憧れの感情を綴ってるつもりです。
女の子は輝いている物を欲しがる性質があると私は考えてるんで。

返信遅くて、本当にゴメンナサイです。


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