2478 | アンブレラ | イクス | 8/19 19:12:20 | 2202cfwKIgBablNMk |
前作 第一話「Word programing・kood」 http://chibifantasy.com/bbs/t12-1830.html 第二話「hunt/run」 http://chibifantasy.com/bbs/t12-1924.html ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今作 第三話「BTTEL・loop」 |
イクス | 8/19 19:13:10 | 2202cfwKIgBablNMk||869 | ||
「なんのつもりだ?政府の飼い犬。」 「これはこれは、お手厳しい。初めまして、国家工作員の井之上と申す者です。」 戯けた口調で、大仰に礼をする男。 男は、若い三十代ぐらいに見える。希薄な存在感を思わせるその捕らえ所のない顔つき。 そして、訓練された戦闘犬の目つき。 まるで影。動きの随所に無駄のない、鋭い、しなやかな感じを漂わせる 男はくたびれたコートに手を突っ込み、ふざけて笑う。 |
イクス | 8/19 19:13:58 | 2202cfwKIgBablNMk||203 | ||
「このたびは幕僚からのご命令でのことでしてね。全てはあなたさまを処理するための 事なんですよ。あの哀れな少年少女達にはそのためのコマになって貰いました。 まあ、今頃あの子達は食肉処理されてるみたいですよ。ええ。どうです?」 そう言って男は持っていた銃をコードに押しつける。 「犬が銃なんか扱って良いのか?」 関心のかけらもないようなコードの態度。 「はい、この辺りの区域は地盤沈下のおそれがあるのでね。人っ子一人いませんよ。」 皮肉を込めた笑顔で言う。 |
イクス | 8/19 19:14:19 | 2202cfwKIgBablNMk||388 | ||
「なるほどな・・・。そう言う事・・か!」 コードは飛んできた銃弾を、否、高熱の紫色の光条を座っていた椅子を蹴り上げて 避ける。 一瞬のうちに緊迫する空気。刃物のようにとぎすまされていく感覚。 煙を出して炸裂する椅子。 それを感じる間もなくコードは持っていた小型端末をめまぐるしい手つきで打ち始め、その動きに従って球は、直線的な、高速のジグザグな動きに変化し、 ほぼ同時多角的にフォトンの刃を放つ。 それは男のコートに文字通り「吸い込まれるようにして」当たる。 それはコートを焦がし、男の胴に潜り込もうとするが・・・ 消えて無くなる。 |
イクス | 8/19 19:14:42 | 2202cfwKIgBablNMk||207 | ||
「相対消滅装置と光誘導・・実用化されていたのか?・・」 小声の、しかし凄まじい恫喝を込めた声をコードが放つ。 そう、反物質を生み出せばその物質は消え去る。 それはレーザーや電波も例外ではない。 そして、光は曲がる。例えば鏡のように。 それをあらゆる周波の光を自在に転換、屈折率を調整できれば光はさながら 鞭の様に自在に操ることもできれば、逸らすこともできる。 つまり、光にエネルギーを乗せた攻撃、さらには核も反物質を使えば防御できるようになる。 「どうした、その反物質で俺は消滅できないのか?」 「どうも。タンパク質なんかは消しづらいのですね。これが。」 |
イクス | 8/19 19:14:58 | 2202cfwKIgBablNMk||692 | ||
「無駄口たたけるのも・・・今のうちですよ!」 男はシンプルに小型化されたハンドタイプのパルサー(エネルギー転換式自動小銃) を連射。コードがさっきまでいた空間を薙ぐ。 そう、レーザーは実弾と違って引き金を引いた瞬間に相手を襲う。 相手の銃口と、指の力を見て、動く瞬間と避ける方向を決めるする高い観察能力が 必要になる。 コードは光の雨を横に飛んで避ける。 受け身を取って、姿勢を低く突進。 「おやおや、次は肉弾戦ですかぁ?」 コードは飛んでくる紫の光条を避け続け、突進で乗った勢いを殺さずに爆転 頂点で男の顔を狙う。男は軽くパルサーで払って、同時に打ち込む。 「う・・」 |
イクス | 8/19 19:15:12 | 2202cfwKIgBablNMk||492 | ||
腕を打ち抜かれたコードは煙を出す上腕二頭筋を押さえつける。 「もうお終いですか?意外とあっけないですねぇ?」 粘り着くような声を掛ける。 立ち上がったコードはいつの間にか銃を持っていた。 金属質の冷たい光を放つその銃は、ちょうどマグナムの様なデザインをしている。 銃身の上半分は銀色に、下半分は黒色に、グリップは不自然な、それでいてどこか美しい 形をして、それは男の胸に突きつけられる。 そして、《リロード》される。 |
イクス | 8/19 19:15:30 | 2202cfwKIgBablNMk||767 | ||
「実弾ですか?これはまた古臭い・・・クフフフフ・・・。」 男は不気味な笑いを気が触れたようにたてる。 それは、高く、低く続けられ、どこか欠落したような感じを与える。 「・・・どうです?撃ってみますか?」 「・・・・。」 コードは腕をかばって、銃をかまえ直す。 そして、撃つ。 白銀に輝くその閃光は、しかし一瞬ではなく実弾と同じスピードで、光の 螺旋を巻ながら放たれる。 発砲音と共に男は倒れる。 |
イクス | 8/19 19:15:41 | 2202cfwKIgBablNMk||147 | ||
「・・・はずしたか。」 軽い舌打ちは、男のうめき声にかき消される。 「う、うう・・なぜだ!何故消せない!これは相対消滅装置だぞ!ええい! ふざけるな!」 脇腹を押さえる男はよろめきながら立ち上がる。 「これは・・・。別の《モノ》。」 「お、おい、待て!お前には・・・お前には分かったのか?!」 「そう、俺は全てを理解した。まだこの宇宙にはない「無」をな。そして、今この時無をプログラムし、武器と成す。お前達も理論なら知っていたはずだ。何せこれは・・・。」 コードは言いよどむ。 「・・・この武器《R-UPOX》は無の揺らぎを調整して、実弾に浸透。発射する。消滅は不可能だ。・・・お前は死ぬ。」 |
イクス | 8/19 19:17:0 | 2202cfwKIgBablNMk||763 | ||
「ま、まさか・・そんなことが・・!無理だ!そんな事はできない!無理だ!!」 狂った男を見下ろすコードは、冷ややかに続ける。 「お前達ならばな、俺はお前らとは違う。所詮洗脳と催眠術で手に入れた人格など意味がない。哀れなのはお前らだ。さあ、その食肉処理場とやらの場所を教えて貰おう。」 選択肢は、無い。それほどまでに凄まじい恫喝。手負いの猛獣も噛みつけない程のその迫力。 全てを威圧し、見下す目。無表情で、幾何的な、生命を感じさせない表情。 それは、絶望をかみしめた者の目。 全てが男を刺す。 |
イクス | 8/19 19:17:41 | 2202cfwKIgBablNMk||254 | ||
「ハ、ヒャハハハハハ・・!う、うわ!なんだ!何をするんだ!俺はアークジェネシス の一人だぞ!分かっているのか!フ、ハハハハ・・・」 コードが男の襟に手を掛けると男は狂ったように笑い始めた。 コードはやれやれ、と言う風に首を振った。 そのまま男を置いて、コードはぐしゃぐしゃになった部屋を静かに、静かに立ち去る。 残ったのはの狂ったような笑い声。 いつまでも、いつまでも続くその笑い。 笑いは何処までも、何処までも響いていった。 |
イクス | 8/19 19:17:47 | 2202cfwKIgBablNMk||156 | ||
15年前、人は増えすぎた同種を持て余していた。 法の整備も追いつかず人々はたちまちの内に飢えた。 苦しむ人々は多額の金を積み立てて食料を求め、それができない者は すぐに餓死した。 凄まじい大飢饉。町にはいくつもの行き倒れの死体が転がり、すぐに処理される。 そして、意外な事にその(茶色の地獄)と名付けられた大飢饉はあっけなく 終わりを迎えた。市場に出回ったのは大量の肉とその加工品。 製造会社、それは「クリスマス・プレゼント」 俗称は「ミート」。 ミートはたちまちの内に大会社となり。 政府に取り入られる。 今や一介の会社から既に食料庁になっていた。 そして、黒尽くめの少年の運命は此処から始まる。 |
イクス | 8/19 19:21:2 | 2202cfwKIgBablNMk||421 | ||
(あとがき) あ、久しぶりのアンブレラ なんか、実際の理論と私の考えたあり得ない理論がまじちゃってます(笑 信じちゃいけませんよ?(誰もいないって なんかイラン説明が入って戦闘シーンがスローモーに さりげなく次回の話を続かせてみたり。 あ、感想ダメだし酷評こき下ろし(ぁ 待ってますから! |
マジュニア | 8/19 23:49:1 | 2031cfPkRgr2C3mOI||78 | ||
久しぶりのアンブレラ、とてもうまい書き方ですね。 とても面白いです。次回楽しみにしてますよ。 |
ベベル | 8/20 9:20:9 | 2184cfEZEdg/18.UE||510 | ||
おはようございます(*- -)(*_ _)ペコリ あぁ・・・何かやはり戦闘シーンが素晴らしい♪ 戦いの様子が頭の中でリアルに描写されるその言葉の表現力!! 私も欲しいです(ぇ ミート・クリスマスプレゼント・大量の肉とその加工品・・・・ むぅ(;´Д`) |
イクス | 8/20 10:37:56 | 2202cfwKIgBablNMk||267 | ||
マジュニアさんこんばんはー 書き方うまいですかー でも、まだまだです。 語尾をきっちり揃えなければ・・・ 感想ありがとうございました^^ |
イクス | 8/20 10:39:50 | 2202cfwKIgBablNMk||364 | ||
ベベルさんこんにちは^^ なーんか今回の戦闘シーンは短くなってしまったり・・・ それに派手なアクションもあまり・・・ それでも面白いと言っていただけて、恐縮ですぅ 感想どうもでした! |
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