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2685同じ空の下で〜二章〜「空の下にいる限り」最終話祥大8/31 23:25:02192cfjwWTQQyXEQ.
えっと、「共通世界(仮)」(http://chibifantasy.com/bbs/t12-1731.html参照)の作品です
今回は少し早めに更新することが出来ました^^
そのせいで内容ふざけ過ぎてるかも・・・
ま、無視の方向で・・・
ではでは、本編をお読みください^^

祥大8/31 23:25:362192cfjwWTQQyXEQ.||224

 いつものように、僕らは今日も広場で練習していた。
 日に日に息が合い、綺麗になっていく音色と歌声。
 誰が聞いても恥ずかしくないくらいに。
「ちょっといいか、君たち?」
突然の声。目の前には大柄の男。
「え・・・あ、はい」
僕は少し戸惑いながら答える。
 すると、今度は後ろから小柄な男が飛び出てくる。
「おい!ジャミル、なんで三人もいるんだ!?」
「ああ、一人はどうやら精霊のようだな。すまない、計算が狂っていた」
「まったく、なんで・・・」

祥大8/31 23:25:562192cfjwWTQQyXEQ.||36
「どうかしましたか?」
「・・・!いや、問題はない」
男たちの会話をさえぎるように美風が口を挟む。
 大柄の男は少し驚くが、すぐに答える。
 小柄な男のほうが口を開く。
「俺はキル。で、このでっかいのがジャミル。ちょっとお前らに話がある。聞いてもらえるか?」
僕らに話があるなんて・・・。
 どんな話なんだろう?ここは、とりあえず聞いてみるか。
「はい、聞きますよ」
「それでは、その椅子を少し空けてくれないか?」
そう言いつつもキルとジャミルは強引にベンチに座る。
「じゃ、話すからよく聞けよ。ちょっとお前たち魔道師に頼みごとがあるんだけどよ・・・」


祥大8/31 23:26:332192cfjwWTQQyXEQ.||557


「ミリア、いる?」
「ん、ああ、いるが」
少し狭い部屋に、声が響く。
 カチャ、という音と同時に一人の女が入ってくる。
「ああ、留美か・・・。誰かと思った」
「そんなことどうでもいいけど。・・・ところで“計画”のほう、進んでるの?」
「“メテオ計画(メテオプロジェクト)”のことか?進んでいるぞ。うまく行き過ぎて怖いくらいだ」

祥大8/31 23:26:482192cfjwWTQQyXEQ.||885
「そう。でも、考えたわよね。力ある魔道師を集めて隕石を呼ぶって」
「それだけではないよ。さらに隕石が当たる直前に魔道師のみを異世界に一時的に送り、転送先を直撃から二千年後に設定する・・・とても一人じゃこなせないからな」
「魔道師だけの世界・・・それはそれでいいかもね」
「ああ、そうだな」
二人の会話だった。


祥大8/31 23:27:112192cfjwWTQQyXEQ.||118


「そんなこと・・・協力するわけないじゃないの!」
マナが叫ぶ。誰がこんな計画に賛同するか。皆を無くすなんてこと、絶対にするもんか。
「そうか・・・。では、しかたないな」
「そうだな。それじゃ、いっちょやりますか」
「な、なんだ?」
なにかを言いながら、立ち上がる二人組。
「いやね、無理矢理連れて行くのもありって言われてるから、そうしようと思って」
「ああ、そうなんですか」
「そうだ。だからおとなしくしてもらうぞ」
「そんなのダメにきまってるよ!って言うか、美風も納得しないで」
ここはどうするべきか?
 ここはやっぱり・・・

祥大8/31 23:27:372192cfjwWTQQyXEQ.||318
「ふたりとも、逃げろ〜!」
逃げるが勝ち。世の中そうに決まっている。
 でも、現実は甘くなかった。
「逃げれると思ってるのかよっ!地より壁を・・・足止めぇ!『アースブロック』!」
「早く・・・うわっ!」
突然に僕らの目の前に壁が現れる。逃げ道を防ぐように。
 ダメだ!逃げ切れない!
 どうする、輝?

祥大8/31 23:28:02192cfjwWTQQyXEQ.||626
「逃げれないなら、戦うまで!」
マナが言う。
 それが残された道なら、その道を歩むんだ。
「俺たちとやりあうのか・・・。無謀だな」
「おとなしくすればいいのになっ!」
僕だって魔法は練習したんだ。何とかなる。
「美風、君は後ろで援護して!マナ、“あれ”試すよ!」
「了解!」
「わかりました」
僕は指示を出すと、すぐさま行動に移ろうとする。
 相手が早いか、僕が早いか。

祥大8/31 23:28:342192cfjwWTQQyXEQ.||500
「なにをするつもりだ」
「さぁね、なにが起こるかは見てからのお楽しみ!」
「願わくば敵に闇の牢獄を・・・『ダークプリズン』!」
美風が足止めのために魔法を使う。
 次の瞬間、キルたちの周りに黒い鉄よりも固そうな棒が生える。やがて取り囲むと、止まる。
「足止めか。考えたな。しかし、この魔法は絶えず体力を消耗するはずだ。いつまで持つか?」
「輝くんが詠唱を唱え終わるまでは持たせます!」
美風の体力が無くなるまでに詠唱をしないと。
 僕はすぐに詠唱にとりかかる。
「マナ、いくよ!」
「わかってる!」

祥大8/31 23:28:512192cfjwWTQQyXEQ.||683
「よぉし、いくぞ。――契約を結びし精霊マナよ」
「――我契約者月下輝よ」
「――今ここで汝と共に協力することを願う」
「――今ここで我の力を解放することを願う」
「「『ライブ』!」」

祥大8/31 23:29:62192cfjwWTQQyXEQ.||800
これで第一段階完了。マナの力の解放が完了した。
 ジャミルが口を挟む。
「ほう、精霊魔法か。少々時間がかかるようだな。それまで持つのか?」
「早く!」
美風は少し息が切れているようだ。
 次だ、次!
「第二段階、早くして!」

祥大8/31 23:29:202192cfjwWTQQyXEQ.||140
「わかってるさ!――テレビの見すぎといわれても」
「――ゲームのしすぎと言われても」
「――好きなんだからしかたない」
「――使えるのだからしかたない」

祥大8/31 23:29:322192cfjwWTQQyXEQ.||649
「な、なんだ、この詠唱。ふざけてんのか!?」
なんとも面白い詠唱だ。使えるのだろうか。僕も最初はそう思った。
 キルの言葉を無視して詠唱を続ける。

祥大8/31 23:29:442192cfjwWTQQyXEQ.||659
「――今回僕らが使うのは」
「――あるものから引き出した」
「――使える使える魔法です」

祥大8/31 23:30:42192cfjwWTQQyXEQ.||186
「まさか、引用魔法か!?」
ジャミルが叫ぶ。
「な、なんだよ!?引用魔法って!?」
「テレビとか本とかで俺たちが使えない魔法とかがあるだろう。そいつを無理矢理使う技だ。とんでもなく恐ろしいぞ!」
「なんかバカらしい技だけど怖ぇ!」
つまり、例えるのなら、FFでDQの技を使うようなものだ。
 とにかく威力だけはある。
 使える術者はほんの一握りだ。

祥大8/31 23:30:262192cfjwWTQQyXEQ.||879
「――それでは早速使います」

祥大8/31 23:30:402192cfjwWTQQyXEQ.||445

「「『ロマンチックボム』!」」


祥大8/31 23:31:42192cfjwWTQQyXEQ.||375
「嘘だろ!?思いっきりふざけてやがる!元ネタがわかんねぇ!」
「そんなこと言ってる場合じゃない!来るぞ!」
名前がふざけてるとかが問題じゃない。威力が問題なのだ。
 二人組がハートで包まれる。この時点で二人は動けない。少し硬直するが、上から大きな槍が二人目掛けて落ちてくる。当たってハートが砕ける。さらに破片が二人に降り注ぐ。
「嘘だ!こんなふざけた技なんかで俺が!」
「まさかここまで強い奴がいるとはな・・・」
バタッ!という音が五つ。
 ということは、その場にいたすべての人が倒れたということだった。


祥大8/31 23:31:432192cfjwWTQQyXEQ.||924


「早く起きろ!いつまで寝てるつもりだ!」
聞きなれた声が響く。
 この声は・・・
「おや・・かた?」
「ああ、起きたか。起きるのが遅ぇぞ!・・・ったく」
どうやら僕は気絶してしまっていたらしい。
 改めて回りの状況を確認する。
 マナ、美風共に横で寝ている。キル、ジャミルは二人して縛られている。キルは「俺の出番がほとんどなかったじゃねぇか!なにもしないで負けるなんてありえねぇ!」などと怒鳴っている始末。


祥大8/31 23:32:102192cfjwWTQQyXEQ.||496
 親方は、僕たちについていたらしい。キルたちには見知らぬ女性がついていた。
「お前も、強くなったんだな。あれほどの魔法を使うとは・・・」
「親方・・・見てたの?それならなんで助けてくれなかったのさ!」
僕は精一杯の声で怒鳴り散らす。
 その声を聞きつけて、隣にいた女性が近づいてくる。
「うるさいわねー。静かにしなさいよ」
「は、はい・・・あなたは?」
「あ、あたし?あたしはそこにいる守のお姉さん。水谷春奈よー」
「ああ、そうですか・・・ん、守って」
「姉さん!こいつの前でそいつは禁句だって言ったろうが!」
親方が春奈という姉に怒鳴る。
 守って言えば・・・。

祥大8/31 23:32:332192cfjwWTQQyXEQ.||670
「父さんの名前・・・?親方がその名前・・・?」
父さんの名前と一緒だ。まさかね・・・。
「もう、まだ言ってなかったのねー。じゃ、いいわ」
いいわって、気になるけど・・・。
 ま、いっか。

祥大8/31 23:33:72192cfjwWTQQyXEQ.||607
「それより、お前も良くやるようになったしな、そろそろ一人前ってところか?」
「え、どういうこと?一人前にしてくれるってこと?ねぇ、親方ぁ!」
「・・・ああ、そうだ。今日からお前は俺の弟子じゃなくて、俺の元弟子だ」
ホントに?ホントのホントに?
 嬉しさのあまり、涙がこみ上げてくる。必死に堪えるがダメみたいだ。
「や、やったぁ〜!」
「泣きながらだとかっこうがつかねぇぞ!・・・ほれ、ハンカチ」
「あ、どうも・・・」
ハンカチを使って顔の涙をぬぐう。

祥大8/31 23:33:332192cfjwWTQQyXEQ.||607
 立ち上がろうとする。が。
「よっと・・・うわっ!」
「無理すんなよ!あんな魔法使って立てるわけ無いだろ!俺を倒したくせに知識が無いなんて怒るぞ!」
キルが怒鳴る。
 気遣ってくれているのだろうか。
「とりあえず、今は絶対安静だ。下手に動くんじゃねぇぞ」
親方が言う。
 僕は素直に従い、眠りについた。


祥大8/31 23:34:72192cfjwWTQQyXEQ.||18


「キルとジャミル、一番最初の町で任務失敗しやがったな。結構オレは信用してたのにな」
25歳前後の男の声が聞こえる。
 また、別の声。
「まぁ言うな、リック。仕方が無かろう、相当強い奴と出会ってしまったのだろうからな」
今度は30歳前後の男の声。
 また、リックと呼ばれた男が口を開く。
「あんな子供がか、向井?そんなバカなことが」
「この資料を見ろ」

祥大8/31 23:34:232192cfjwWTQQyXEQ.||571
不満を言うリックだが、向井と呼ばれた男から渡された資料見るなり、黙る。
「ん・・・?ああ、そういうことか。これなら納得できるな」
「そういうことだ。ところで、次の作戦は考えているのか?」
「もちろんだ。というか引き込み組は一組じゃないからな」
「そういうことか・・・。ならいい」
メテオ計画にむけて、新たな作戦が実行されようとしていた。


祥大8/31 23:34:552192cfjwWTQQyXEQ.||403


「それじゃ、そろそろ行くね。親方、元気で」
「おう!お前らもな」
あれから、三日。十分に休養を取った後、マナと当初から予定していた両親を探す旅に出ることにした。
 そのとき、美風も一緒に行くと言ったので、三人だ。
「親方さん、元気でね。私たち、もう行くから」
マナが最後に言う。
「ああ、それじゃあな」
僕は、涙を堪えて足を踏み出す。
 それに習い、マナも美風も歩みだす。

 生まれ育った町を後にした。


祥大8/31 23:35:342192cfjwWTQQyXEQ.||187


「これでよかったのー?守は」
春奈が問う。
「ああ、よかった。これでよかったんだよ」
「まったく・・・。近くにいるのに会ってやんないなんてひどいわよ、あんた」
「大丈夫だ。留美の奴を見つけたらすぐあいつは帰ってくるさ。
「ならいいけどねー。ところで、あの子たちどうするの?」
あの子たち、と言うのはキルとジャミルのことである。

祥大8/31 23:35:572192cfjwWTQQyXEQ.||167
「ああ、でっかいほうの奴はこっちで働かせる」
「じゃ、ちっちゃい子は引き取るわね。ちょうど家の人手が足らなくなったところだったのよ」
「ああ、そうしてくれ」
「それじゃ、先に工房の中に入ってるからね」
「おう!」
そう言うと、春奈は工房へと消えていった。
 残った親方は、ポツリと一言。
「いつでも戻って来いよ、輝。今度は“父親”としてあってやるからな」
一粒の雫が、地面に落ちた。
 最後まで、月下守は秘密を守りきったのだった。


祥大8/31 23:36:262192cfjwWTQQyXEQ.||68


 僕らは歌う。この青空に響くように。
 美風のお父さんとお兄さん――飛鳥さんの、そして、僕の両親、月下留美と月下守の心に響くように。
 僕らは歌い続ける。想いが届くまで。
「空に響け、僕たちの歌!」

 届くまで、歌い続けるんだ。


祥大8/31 23:36:442192cfjwWTQQyXEQ.||20


同じ空の下で 二章「空の下にいる限り」

END


祥大8/31 23:37:192192cfjwWTQQyXEQ.||723
< 次章予告 >

 星の数だけ出会いがある。
 星の数だけ別れがある。
 新たな出会い、旧友との出会い。恩師との別れ。
 出会ったときに何を思うか。
 別れたときに何を悲しむか。

 同じ空の下で〜三章〜「夜空を飾る星たち」

「飛鳥、久しぶり!」
 出会い思うこと。
「私は・・・貴方たちとは・・・」
 別れ悲しむこと。
 すべては、星の数だけ。

祥大8/31 23:42:432192cfjwWTQQyXEQ.||328
あとがきだぜ!

はい、ふざけました、ごめんなさい
ってことで二章の最終話をお届けしました
もう、いろいろな関係がわかりましたね^^
途中にもっと説明を入れたほうが良かったかもしれませんが、とりあえずこれで^^
『ロマンチックボム』、多分元ネタわかる人いないな・・・
ではでは、感想、質問、使用、指摘、参加、批評、不満等がありましたらレスどうぞ^^
キルは出番がほしいそうなんで今回のレス返し仲間に抜擢

これより下は過去ログ

祥大8/31 23:44:342192cfjwWTQQyXEQ.||700
http://chibifantasy.com/bbs/t12-1764.htmlが、〜序章〜です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-1940.htmlが、〜一章〜の一話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2012.htmlが、〜一章〜の二話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2116.htmlが、〜一章〜の三話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2158.htmlが、〜一章〜の四話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2259.htmlが、〜一章〜の五話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2329.htmlが、〜一章〜の最終話です^^

祥大8/31 23:45:02192cfjwWTQQyXEQ.||434
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2385.htmlが、〜二章〜の一話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2411.htmlが、〜二章〜の二話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2477.htmlが、〜二章〜の三話です^^
http://chibifantasy.com/bbs/t12-2643.htmlが、〜二章〜の四話です^^

現在はここまで

アスキ9/1 10:34:152214cfvkMeLV.rIXc||660
最終話になっていましたか^^;
最近ネットに繋げないことがしばしばあるんでなかなかこれなかったが・・・(HOMEチャットに詳細)
ともかく、お疲れ様でした。たぶん次回もありそうなので次の章も楽しみにしています。
p.s 元ネタわかる人にはわかるのではないかと^^; (HOMEチャットに書いておきやす)

たけし9/4 22:31:172211cftSqWgpWefDU||174
親方の正体が…
びっくりです。
あと、祥大のキャラ、この前言ったとおり使ったからよろしく。
次の章も楽しみにしてるよ

祥大9/5 2:7:462192cfjwWTQQyXEQ.||532
そういや・・・
レス返ししてねぇぇぇ!
ってことでちゃんとレス返し〜^^

祥大9/5 2:10:102192cfjwWTQQyXEQ.||367
 アスキ、感想あり^^
キル「最終話になってるんだった!俺、もう出ないの・・・?」
 とりあえず、次章も書けたら近日中に提出いたします^^
キル「お楽しみに!」
 キル、お前はどういうキャラにしてたんだっけ?

祥大9/5 2:12:252192cfjwWTQQyXEQ.||968
 たけし、感想どうも^^
キル「あのおっちゃん、最後にそのこと告げるかと思ったんだけどな、違うかった」
 いや、俺も迷ったんよ
キル「鈴とかいう奴ら、使ってくれてありがとな!」
 こちらも、機会があれば使わせていただきますね^^ではでは・・・


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