| 2731 | エターナルロード俺様(小説) | しっぽ | 9/3 2:29:50 | 2184cf1pseTwq4PmU |
| 薄暗い部屋の中に、モンスターたちの鳴き声が響いている。このＨＯＭＥの主人は留守のようだ。普通モンスターというものは自分から主人を選ぶものだが、ここにいる彼等は皆、無理やりに捕獲されて連れられてきた者だった。 ”ガタガタッ...” ”ギギギ...！” 時々、発狂したように檻を揺らす音が聞こえる。数匹のモンスター達は暴れる気力も無く、ぐったりしている。 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:30:8 | 2184cf1pseTwq4PmU||298 | ||
| 『ちきしょう、ちきしょう！...こんな所に閉じ込めやがって。人間のペットになって頭を下げているやつの気が知れないぜ。』 数多くのモンスターの中、ただ一匹の海賊がダラリと檻にもたれ掛かり、つぶやいていた。つい先日まで海で優雅に暮らしていたのに、突然人間の仕掛けた罠にかかってしまったのだ。やがてやってきた人間に銃で撃たれ、気がつくと、この檻の中にいた。左足の傷がズキズキと痛む度、人間を憎く思う。首に何か文字の書いてあるタグを付けられていたが、海賊には字が読めないので分からない。 『(天下の海賊様にこんな仕打ちをするなんて...)許せねぇ...ちきしょ...！』 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:30:50 | 2184cf1pseTwq4PmU||47 | ||
| ”カチャッ” 海賊がもう一度声を張り上げて叫ぼうとしたその時、ＨＯＭＥへ誰かが入ってきた。さっきまで騒いでいたモンスター達は、急に不気味なほどに静まり返る。 「生きのいい海賊が捕れたんだ。レアだぜ？オークションにかければ30万で売れる。」 「へぇ、すごいじゃないか。海賊か...初めてみるな。」 男が檻を覗き込んできたので、海賊はプイと目をそらした。 「チッ...あまり愛嬌のいいペットじゃねえな。どうする？明日オークションにでも出すか？」 「そうだな。時間は...」 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:31:12 | 2184cf1pseTwq4PmU||860 | ||
| 男たちは海賊の檻のすぐ脇で立ち話をしている。海賊のすぐ傍に、男の靴が見えた。 『...。(ちょうどいい、憂さ晴らししてやるか)』 海賊はあまり手が器用な方ではないが、どうにかこっそりと男の靴紐を檻の隙間へ挟むことに成功した。 「それじゃ、明日の昼にな。」 「ああ。...うわっ！！」 『のわっ？！』 男は海賊が思っていたよりも激しく倒れ、海賊の入っている檻に大地震を引き起こした。同時に、すぐ傍の棚にあった工具入れが大音響をあげて崩れ、部屋の中へ工具が散らばる大惨事となった。 『アイタタタ...！(くそっ、何もかも俺に報いが帰って来やがる...)』 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:31:36 | 2184cf1pseTwq4PmU||108 | ||
| 男がもう一人の男に大声で怒鳴りつける。 「人のＨＯＭＥで何ド派手にこけてくれてるんだよ？！あ〜ぁ、工具がバラバラじゃないか。」 「すまん！そ、それより...今この海賊、話したか？！」 男が言い合っている間に、海賊はこっそりと工具のひとつを掠め取った。 「バカ野郎、モンスターが人と会話出来るのは当たり前だろうが！それより、とっとと片付けろよ。」 「こいつはきっと人見知りだぜ...。」 男が再び海賊の檻を覗いたので、海賊はそっとその工具を後ろへ隠し、知らん振りをしていた。 「ふぅ、やっと片付いたか。それじゃ、また明日。」 「ああ。ヘマするんじゃねえぞ。」 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:31:59 | 2184cf1pseTwq4PmU||355 | ||
| 「分かってるよ。ウィングデビル、一緒に来い。獣使いの言う事が聞けないのか？！」 『嫌だ、行きたくない...！』 抵抗するウィングデビルを縄で繋ぎ、男は鞭を振って無理やりに立たせた。 『うあぁぁ！』 「さあ、歩け！いいか？世間(シャバ)ではペットらしくしてるんだぞ。一言でも口を裂いたら...」 男の持っている黒い鞭が、窓から漏れる僅かな光に照らされて不気味に光る。男は嫌がるウィングデビルを連れ、表へ出て行った。 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:32:20 | 2184cf1pseTwq4PmU||866 | ||
| 『...(何て酷えんだ...)さて、どうにかして逃げないとな...人間に飼われるなんてもっての他だぜ。これでピッキングすれば簡単に出られるってもんよ！』 ”カチャカチャカチャ...(一時間経過)...カチャカチャカチャ...ガタガタガタ！！”←発狂 『(ぜぃ...ぜぃ...)不器用なんだよ...悪かったなっ！！』 海賊ががむしゃらに檻の扉を蹴ったところ、なんと檻が壊れて扉ごと前の一角がガシャンと倒れ落ちた。どうやら檻はさっき男が倒れた時の大地震の衝撃で、弱くなっていたようだ。 『...(呆然)...やったぜ！さすが俺！さすが海賊ぅ！！』 | ||||
| しっぽ | 9/3 2:33:15 | 2184cf1pseTwq4PmU||913 | ||
| 面白かった！っという風変わりな方、続きはこちらでどうぞｗｗ http://will.picot.ne.jp/tree/tree_board.cgi | ||||
| しっぽ | 9/3 2:44:40 | 2184cf1pseTwq4PmU||76 | ||
| おっと、忘れてました〜 上のアドレスを辿ると別の場所へ行ってしまうので＾＾； 掲示板は↑ですが、本家はＡｔｔｉｃです。 http://trifolium.fc2web.com/ | ||||
| 転生卿 | 9/3 17:33:58 | 2202cfRd.6s62PPZM||928 | ||
| 今思えばペットとかかわいそうだなぁ | ||||
| しっぽ | 9/3 22:19:22 | 2191cfRt2N2tQqMqs||645 | ||
| そうだね〜 ペット中心の小説って意外と少ないよね。 よければまた読んでやってくださいな＾＾ | ||||
| 特殊文字 by.チビファンタジー | ||