2787 | 共通世界―左腕鋼鉄領主―その三 | 龍華 | 9/6 1:10:20 | 2201cfNG22n9XQdnk |
第一話:http://chibifantasy.com/bbs/t12-2408.html 第二話:http://chibifantasy.com/bbs/t12-2483.html 仕事で疲れていたのでかなり書いてませんでした。 言葉とは裏腹に遅くなってごめんなさい |
龍華 | 9/6 1:10:54 | 2201cfNG22n9XQdnk||188 | ||
「どういうことですか!!」 審議会にガルクの怒声が響く。 「過去にも前例はあるのでしょう?!何故エリザベートだけ外されるのですか?!」 その横でエリザは俯いたまま座っている。 審議員のうちの一人がなだめる様に話し始めた。 「仕方が無いんだ、今の法律のままじゃ無理なんだよ。」 「性別が女だからですか?!」 「カイラム公、私達が論議してるのは女だからということではない。 言いづらいが彼女が…」 |
龍華 | 9/6 1:11:21 | 2201cfNG22n9XQdnk||742 | ||
「…私がこの国の出身ではないから。」 審議員の言葉に重なるようにエリザが口を開く。 「養子であっても、女であっても、領を継ぐことが出来たのは『この国の出生者』だから。 私のケースは法律をあらゆる角度で湾曲して読んでも無理だったんですね…。」 「エリザ…」 「すまない、そういう事になる。」 エリザは立ち上がり、真っ直ぐに審議員達を見据え言葉を続ける。 |
龍華 | 9/6 1:12:20 | 2201cfNG22n9XQdnk||462 | ||
「私の名前はエリザベート=カイラム。 幼児期に乗っていた船籍不明の密航船が嵐で難破沈没。 乗組員8名、私を除き全員死亡。 私は… …私は…」 エリザの握られた拳に力が入る。 「私は…その時のショックで…自分の名前、年齢、国…全て忘れた。 もちろん言語も! …そんな私を育ててくれたのは、あの島の人々。」 バックの中から、エリザは何人もの名前の書かれた紙を取り出した。 |
龍華 | 9/6 1:12:44 | 2201cfNG22n9XQdnk||200 | ||
「これは島の皆が私に渡してくれた嘆願書です。 その殆どの大人たちは密航船難破の事件を知っているし、私がその中に乗っていた事も知ってます。 どこの厄介者かも…わからないのに…」 涙があふれ、言葉が続かない。 ガルクがエリザの手をそっと握った。 「…父さん……、私…あの島を…領民の皆を守りたい…恩返しがしたい!!」 |
龍華 | 9/6 1:13:15 | 2201cfNG22n9XQdnk||145 | ||
日も沈みかけ、東の空には一番星が出ていた。 街はせわしなく動く。 辺りの民家からは夕食のおいしそうな匂いが湧き出てる。 家族の幸せそうな笑い声 子供同士の喧嘩 犬の遠吠え そんな街から一人取り残されるように広場の泉の脇に座ってる人物がいた。 エリザだ。 ガルクの姿は無い。 あの後、必死の訴えでもう一度再検討してくれる事になった。 その手続きをガルクは行っている。 しかし願いは届く事は無いだろう。 エリザはそう考えていた。 |
龍華 | 9/6 1:13:36 | 2201cfNG22n9XQdnk||504 | ||
気を紛らわせようと取り出した鎖鎌も、この街の中では自由に振り回せる場所も無い。 「………?」 眺めていた鎖鎌の先にいた少女と目が合った。 年のころは10歳前後だろうか? 人形のように切りそろえられた黒髪で、後ろ髪も肩の部分できっちり揃えられている。 驚いた事に黒い色の僧侶の法衣を身に纏っている。 「なんでこんな時間に僧侶が…しかも女の子が出歩いているんだろ?」 エリザは自分が独り言を言ったのを気がついただろうか? そんな事が解らないくらい、黒い僧侶の少女はエリザをじっと見据えていた。 |
龍華 | 9/6 1:14:18 | 2201cfNG22n9XQdnk||153 | ||
―続く― |
龍華 | 9/6 1:17:31 | 2201cfNG22n9XQdnk||915 | ||
エリザはカイラム家と血のつながりは無かった。 果たしてエリザは無事領主に就任する事が出来るのだろうか?! 黒髪の少女の正体は?! 次回新たな展開が!! …心して待て。 (偉そうだな自分) |
タロー | 9/6 6:21:21 | 6120cfRd1qnFl3HhQ||834 | ||
面白いです>< 2708にボクのもあるんで良かったら見てください>< |
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