2835 | ダンデライオン | loveless | 9/8 17:49:30 | 2209cfJaOXloZCUfc |
テスト期間中にもかかわらず、今更観てまいりました。 『世界の中心で、愛をさけぶ』 誰と言ったかは、言わずもがなv うへへ(キモイ) 良いなあ、純愛、深い愛。 幸せを祈りながら眠りにつく亜紀ちゃんが、もう…… や、結局、感動のシーンが数ある割には短すぎて泣けませんでしたが; 隣の彼は「オレも泣いてないよ」と言ってたけど、 貴方が上映中何度も目頭押さえてたのは目撃してますよ無駄な抵抗は止めなさい。 と言うわけで、飯塚萌!織々叶! あなた達のお話を聞かせて頂戴! 久し振りの『ダンデライオン』、開幕で御座いマスw |
loveless | 9/8 17:56:54 | 2209cfJaOXloZCUfc||667 | ||
叶の今の住処は、萌の住む場所から少し離れた森の中にあった。 彼女の住む家は只でさえ街から遠い。 それよりも尚遠いこの場所は、彼のような犯罪者などには最適である。 生活に不便というのが、ネックだが致し方ない。 「まともに暮らそうなんてのが、まず間違いだけどな」 と、叶は木の上でそうぼやいた。 |
loveless | 9/8 17:58:27 | 2209cfJaOXloZCUfc||525 | ||
獲物が居なくなれば、移動する。 そんな生活である、金はあってもその都度家を建てるわけにも行かない。 一人で家を造るのも、無理だ。 と言うわけで、どこからか大きな葉を調達し屋根を作り、枝を組み合わせ葉を敷いて床を作った。 慣れれば、まあ、快適だ。 飯は、森の中にわんさか居るし、鹿とか兎とか。 川の水も、冷たくて美味いし。 何てったって、自然を身近に感じるじゃないか。 それに、ほら、夏は涼しいし。 言い訳がましくそう思ってみたり。 |
loveless | 9/8 18:2:34 | 2209cfJaOXloZCUfc||959 | ||
「………………………」 自分の生活を思っていくうちに自滅することを、彼は覚えた。 そうして腰を上げる。 食べていた何かの肉の骨を捨てる――もとい、地面に返すと、ひらりと飛び降りて自らも地面に降り立つ。 疾風の様に駆けだした。 森を出て川を越え橋を渡って。 そうして辿り着いたのは、色とりどりの花に囲まれる家だった。 |
loveless | 9/8 18:8:5 | 2209cfJaOXloZCUfc||411 | ||
萌と会って、友となって、一年が経つ。 思えば滅茶苦茶な出会いだ。 犯罪者と獲物が出くわし、顔を見られたため犯行を断念したところ、いつもの手順で失敗し、何が何だか解らないがお友達。 特殊も特殊、傑作級の特殊な出会い方だ。 『もうお友達なんだから、自己紹介しよう』 「え」 泣きやんだ萌が、最初に“言った”のは、その言葉だった。 自己紹介。 |
loveless | 9/8 18:8:42 | 2209cfJaOXloZCUfc||75 | ||
ゴメンナサイ、飯ROMいってきます><; 大変申し訳ない;; |
loveless | 9/8 18:38:40 | 2209cf4zOkDFKUBV.||186 | ||
肉じゃが、美味しゅう御座いました。 煮物とか大好きなババくさい小娘でゴメンナサイ。 それでは、再開です! |
loveless | 9/8 18:44:46 | 2209cf4zOkDFKUBV.||982 | ||
自己紹介。 反復しても反芻しても意味は変わらない。 ええと、織々叶です年は記憶にない多分20代前半好きな色は赤と黒と緑で好きな食べ物は肉と魚と蜂蜜と獲物のお金で飲むビール好きな物はお金とナイフと巧い嘘だったりします住んでる場所は木の上です一番古い記憶からスリをしていてそれからだんだんとエスカレートして今では強盗殺人やってます。 言えるかこんなもん。 しばしの沈黙、萌の純粋な視線が少し痛い。 そこではっと気付いたらしく、ちょっと照れるように笑んで“言った”。 『じゃあ、萌からね』 助かった。 |
loveless | 9/8 18:50:50 | 2209cf4zOkDFKUBV.||4 | ||
『16才、生まれた日は3/3ひなまつり。 好きなのは、お花とお空に本。 花のかんむり作れるんだよ、今度あげる。 星座もわかるんだよ、今度いっしょに見よう? 本はね、いろんなの読む。 恋のとか、旅のとか、小説だけじゃなくて、ずかんとか哲学書も読む。 でもね、むずかしい字は苦手なの。 読むのって簡単だけど、書くのってむずかしいね』 確かに、少し難しい文字は全て音だけで書かれていたり、他の言葉に置き換えられていたりする。 しかし、こんな幼い少女が哲学書とは。 意外も意外だ。 |
loveless | 9/8 19:11:59 | 2209cf4zOkDFKUBV.||940 | ||
『おわり、じゃあ叶の番ね』 「え」 自分のターンが回ってきた。 叶は、生まれてこの方、自己紹介をしたことは無いに等しい。 明かしたのは名前ぐらいで、それ以上は話そうとしないし、第一話す必要も無かった。 只生きるための犯罪に、自己主張は必要性を持たない。 自分の名前を覚えている人は、きっと萌だけだ。 それぐらい、彼は人に印象を持たせなかった。 人目を惹く容姿、笑うと南国の花のような彼だが、それを許さなかった。 人との接触は最低限、そしていたって普通に。 そうして人に覚えられないようにした。 |
loveless | 9/8 19:14:41 | 2209cf4zOkDFKUBV.||18 | ||
だが、今回はそれをすることは出来ない。 する事は出来るけど、何となくそれはしたくなかった。 同時に嫌われたくもなかった。 だから、素直に話せなくて、困った。 「え……と、織々叶、です。 年は多分20代前半、あんま記憶にねえ。 そんで好きな物は、蜂蜜と」 言えるものがなかった。 だから嘘を付いた。 「色んな場所の、季節や景色。 特に海が好きだ」 |
loveless | 9/8 19:18:28 | 2209cf4zOkDFKUBV.||517 | ||
『海』 「そう、海だ。 さっき写真見たろ? あれよりもっと綺麗なんだ。 朝なんかすげーんだぜ。 お前見たこと在るか? 朝日が水面に反射して、きらきら光るんだ」 『すごい。 見てみたいなあ』 熱っぽく、だけどわざとらしくない範囲で。 きらきらと萌の目が光っていた。 成功だ。 只、次の瞬間萌は笑った。 目を細めて少しだけ伏せて、まるで子供で見るような穏やかな微笑み。 |
loveless | 9/8 19:19:13 | 2209cf4zOkDFKUBV.||451 | ||
『うそ。』 |
loveless | 9/8 19:22:46 | 2209cf4zOkDFKUBV.||815 | ||
あっさりと見破られた。 その言葉に、少しだけ、ほんの少しだけ叶は目を細めた。 萌は彼の顔を見て、ぱあっと明るい顔をする。 『当たったみたいだね?』 萌はね、そーゆうのわかるんだよ。 耳は聞こえるから、声は聞けるけどね、萌の声は出ないの。 だから、しぐさで伝えるの。 だから、しぐさを読むのも得意なんだよ。 悪戯っぽくそう“言った”。 |
loveless | 9/8 19:26:47 | 2209cf4zOkDFKUBV.||553 | ||
『ないんだったら、それでいいよ。 言いたくないなら、それでもいい』 『仕草で伝えるの』 それが彼女にとって当たり前の事なのだろう。 隠したくても、感情を隠しきれなくなるほど、当たり前のことなのだろう。 萌は、ちょっとだけ、寂しそうな笑顔でそこに居る。 子供のように、膝を抱えた。 そのポーズを取ったのは、萌ではなく叶だった。 「……なかァねーんだよ」 |
loveless | 9/8 19:29:49 | 2209cf4zOkDFKUBV.||120 | ||
そう、無くはない。 「言いたかねーわけでもない。 只言えねーんだ。 何か特別な事情、ってわけでもねーし。 でも、言えば絶対、」 萌は怯える。 言葉を呑み込んだ。 それは、それがどんなことかを何よりも如実に語ってしまう。 「――とにかく、言えない」 それきり、続く言葉は無い。 無いわけではない。 寧ろ、伝えなきゃいけない、謝罪の言葉があるのだ。 |
loveless | 9/8 19:33:41 | 2209cf4zOkDFKUBV.||985 | ||
「 、」 伝えようと口を開いた瞬間、涙が頬を濡らした。 それに驚いたのは萌だ。 おろおろと、涙を流したまま動かない彼の頭を撫でる。 ごめんね、ごめんね、いわなくていいの。いいの。 口だけで言葉は紡げない。 それが悔しくて歯痒くて、萌の方まで泣きそうだ。 「……ごめ、ッ」 「ごめんな」も上手く言えない。 只、涙がこみ上げる。 このわけの解らない感情に、一番驚いているのは叶自身だ。 |
loveless | 9/8 19:34:57 | 2209cf4zOkDFKUBV.||58 | ||
涙の理由はわからない。 だれもわからない。 只、濡れた頬が、いつもより暖かいことを、 叶は知った。 続く。 |
みりん☆ | 9/8 19:42:40 | 2102cf/WEBoS6Qh1Q||162 | ||
・・・書き込んで良いのかな・・・? lovelessさんこんばんゎwお久しぶりです^^ リアルタイムで拝見させて頂いてました^^ 彼氏さんとうまくいっているようで何よりですww 今回の 『だが、今回はそれをすることは出来ない。 する事は出来るけど、何となくそれはしたくなかった。 同時に嫌われたくもなかった。 だから、素直に話せなくて、困った。 ↓ 言えるものがなかった。 だから嘘を付いた。』 という部分がほんと切なかったです。 なんか・・・すごい心に残りました^^ 人の心に残るような文をかけるなんてほんとすごいですね^^ 私も見習わなければです^^; でゎでゎーww |
loveless | 9/8 19:43:43 | 2209cf4zOkDFKUBV.||306 | ||
昨日「瞳をとじて」が自分の中で切ないソングから幸福ソングに変わりましたどうもこんばんわ脳味噌湧いてる愛無ことlovelessで御座います(ぺこり) 久々に書きました、この子達。 今度は、叶が泣いております。 良く泣くな、この子ら; テーマにしている曲が、そのような曲だから仕方ないのでせうか? しかし、萌を書くと、彼女のオーラに流されてこちらまでほのぼのするなあ……w 聴いてる音楽がJanne Da Arcというのが非常にミスマッチだったり; それでは、最後までお読み頂き、誠に有難う御座いました! |
loveless | 9/8 19:47:41 | 2209cf4zOkDFKUBV.||824 | ||
>みりん☆さま。 さっそくのレスポンスありがとうございますw 今回で惚気は終わりにします、そろそろ本気で自分が痛いことを自覚orz 叶は、嘘を嘘で塗り固めた人生を送っているので、素直に言葉を発したことは 本当に少ないです。 その切なさや、もどかしさが、上手く伝わったようでホッとしています>< それでは、ありがとでした!(ぺこり) |
marinoe | 9/8 21:18:25 | 2184cfad.aJzyP6EU||993 | ||
loveless様、こんばんは ほのぼの。。。小さなうさこちゃんのようなつぶらな瞳で覗き込まれたから、 叶君は泣けてしまったのですかね その涙は、きっと甘い味がしそうです 『言えない』という気持ちでも本気で伝えたい相手がいるという事は 涙が出る程嬉しい事なのかもしれないなと思った夜でした フェーン現象で溶けそうな私の所にも 春風のような涼風が吹き抜けて行ったようです |
桃代 | 9/8 22:2:38 | 2111cfn7Fa41XQwEA||705 | ||
lovelessさん、こんばんは^^ お久しぶりです。 まるで、映画を観ているみたいに、なめらかな 文章がとても心地良く感じられました。 萌は暖かく、静かに叶を包んであげられる 強い女性だと思います。 嘘を、「嘘」だと見破られた時、叶の心に穏やかな 海が広がったのかもしれませんね。 |
ベベル | 9/9 2:22:21 | 2201cfdPRu9i1wIyY||818 | ||
lovelessちゃん( ゚▽゚)/コンバンハ 久しぶりに萌ちゃんと叶君に会えてご機嫌のベベルです♪ 「世界の中心で愛を叫ぶ」は見事に泣きまくりました(笑) 何だか純であったかいねぇ♪ もしかして今のlovelessちゃんの心中も少し映し出されてるのかな?(*´∇`*) あっさりと見破られた嘘に目を細めながら読破いたしました(●´ω`●)ゞエヘヘ 流した涙にオロオロする萌ちゃんが(*>ω<)oクーーッ その涙の暖かさに「萌ちゃん気づいて!」 と心の中で叫ぶ今日この頃でした(ぇ |
loveless | 9/9 19:1:25 | 2201cftyPooK6Err2||348 | ||
知識と云う名の海を、勉強と云うゴーグルで覗き見て覚えるのは、とても疲れます; 一度見た景色を、往復して焼きつけて、それをテストと云う絵に描く。 いくら素敵に描写をしても、息が苦しくて精一杯で、 海の中を綺麗と思う余裕のない愛無にとっては、ある種の苦役だったりします。 上手く絵が描けなければ、海をいくら潜っても意味は無いし。素潜りは苦手。 疲れ果てて眠くなって、もう辞めようかと思った瞬間に、訪れるメールと云う言葉達は、 愛無の重要な酸素なのです。 だからっつって勉強そっちのけで2時までメールってのはハメはずしすぎですよ愛無サン! というわけで、レスポンス再開で御座います(ぺこり) |
loveless | 9/9 19:5:18 | 2201cftyPooK6Err2||319 | ||
>marinoeさま。 こんばんわです(ぺこり) 萌のイメージは、小動物です。同時にお花でもあるのです。 そんな優しい成分で作られたそれらに触れたことのない叶は、きっと酷く狼狽したのでしょう。 自分を守る殻である、嘘も見破られたからには、もう困るしかないです……w その困ると認識した感情は、本当はどんな色の感情でしょう? ね、叶。 森を抜けて野を駆けて、そうして風が届きましたなら、幸いです。 |
loveless | 9/9 19:8:4 | 2201cftyPooK6Err2||69 | ||
>桃代さま。 こんばんわです(ぺこり) ご無沙汰してまして、申し訳ないです><; 弱くて弱くて、支えは自分の2本足だけな萌は、本当に脆弱だと思うのです。 だけど、やっぱり、弱さの中には必ず強さがあるんじゃないかなあ、と 彼女を見ていて思うのです。 夢だけ食べてるような子だけど。 穏やかに繰り返す癒しの波が、貴方の元へ訪れますように。 |
loveless | 9/9 19:12:4 | 2201cftyPooK6Err2||749 | ||
>ベベルさま。 こんばんわ(ぺこり) 暖かさの塊であるように見える萌と、外側だけ見れば萌と同じ叶。 似たもの同士の冷えてしまった心が、会ったことで化学反応を起こして、 とても透き通った暖かい熱を生み出しているのかなあ、と思ってみたり>< 涙の暖かさを、モニタと文字ごしに萌に伝えてあげてください。 きっと喜びますw |
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