2932 | M.G.(序章) | ナイト | 9/15 13:2:59 | 6120cfSEX7FkIdDJ2 |
部屋の両脇に設置されたスピーカーからは、一つの声が漏(も)れ聞こえてくる。 『ようこそ命知らずな探偵諸君(しょくん)。私のことはM.G.とでも呼んで欲しい』 高くも低くもなく、男でも女でもなく、全ての抑揚(よくよう)を取り去った声だった。 テーブルに座った者達は何も語らない。ただ無言でそのスピーカーを見つめるだけだった。 そんな彼らにその声は喉の奥で小さく笑う。それは嘲笑(ちょうしょう)のようでもあり、苦笑のようでもある。 |
ナイト | 9/15 13:3:21 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||201 | ||
『諸君をこの屋敷へと招いたのは他でもない。諸君には、私が作ったささやかな謎を解いて欲しいのだよ』 小さなモーター音と共に、正面の壁に掛かっていた巨大な絵画がスライドする。 姿を現したのは隠し通路だった。少し行った先に、木製の扉が見える。 『鍵は開いている。順番を決め、一人ずつ入って行って欲しい』 人々は無言のままに立ち上がる。近くに座っていた者から、一人ずつ扉の向こうへと消えていく。 誰もM.G.の言葉に逆らうつもりはないようだ。 言われた通りに行動している。 |
ナイト | 9/15 13:4:2 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||817 | ||
「・・・・・あら、次は貴方の番よ?」 深紅のドレスを身にまとう女性が、黒い衣服で身を包んだ青年に声をかける。 ゆったりと椅子に座すままの青年は、最もこの場にふさわしい気がした。 「あぁ、俺はまだいい。そちらが先に行ってくれ」 凛としたその声は、逆らうことを許さない支配者のものだ。 「あらそう。なら先に行かせていただくわ」 女性はそう告げると、ヒールを鳴らしながら扉の向こうへと姿を消した。 青年は他の人々にも同じような態度で先を促す。どうやら一番最後に行くつもりらしい。 |
ナイト | 9/15 13:4:32 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||886 | ||
青年以外、ほぼ全ての者が扉の向こうへと消えた。 残った一人の男がおどおどとしながら、青年の脇を通ろうとした時だった。 「君は俺と一緒に行くんだ」 青年の長い指が男の腕をしっかりと掴む。 「え!?で、でも皆一人ずつ行ってますし・・・・・」 「君は俺の助手だろう?・・・・・おいM.G.。助手は探偵と一緒でも良いよな?」 不遜(ふそん)な態度でスピーカーに語りかける。その瞳は、声の主が彼らを見ていると核心しているようであった。 |
ナイト | 9/15 13:5:0 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||818 | ||
『・・・・・確かに』 ややあってスピーカーからM.G.の声が聞こえてくる。 『探偵に助手は切り離せない。・・・・・よろしい。許可しよう。助手と探偵は二人で一つのようなものだからな』 青年は唇の両端をすっと持ち上げた。 「それはどうも。・・・・・神谷、行くぞ」 「え。あ、はい」 二人の姿も扉の向こうへと消える。 部屋は沈黙に包まれていた。 『・・・・・さて、何人までが生き残れるかな?』 M.G.は笑う。ひっそりと。 彼―――もしくは彼女は、ただその先を見つめてひっそりと笑うのだった。 |
ナイト | 9/15 13:5:5 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||2 | ||
ナイト | 9/15 13:10:4 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||365 | ||
M.G.の宣伝がてらに、それの序章をレスしてみました。 どんな雰囲気のものかを、これで掴んでもらえたら嬉しいです。 ちなみに、これの本編(?)となるM.G.の謎が問題となります。 気が向いた、なんとなく、暇つぶしに・・・・・ どんな理由でも結構ですので、よろしかったらご参加ください(_ _)))ペコリ |
marinoe | 9/15 17:14:20 | 2199cfwd8/sY4nASk||95 | ||
ナイト様、こんにちは^^ 私はミステリ、読むのは好きだけど、お化け屋敷に行くのは嫌いかも。。。 臆病者なのです まるで、『そして誰もいなくなった』のような始まりで ゾクゾクしてしまいました 私も誰かの使いっ走りになりたい。。。 名探偵を募集しようかな |
ナイト | 9/15 18:6:58 | 6120cfSEX7FkIdDJ2||269 | ||
marinoeさんこんばんわw 実際の内容は、ささやかでひねくれた謎を解きつつ彼ら二人が部屋を進んでいく・・・ そんな形になっていますので怖くないはずなので大丈夫ですよ^^ そして俺は、名探偵も良いけれど怪盗の助手になりたいです(笑 |
みりん☆ | 9/15 18:50:47 | 2182cfGFx.5/QPwF.||306 | ||
こん&初めましてw 総合板で拝見して以来今か今かと待ち続けておりましたw 素敵な序章ですねww ぜひぜひ参加させて頂きたいですww |
ナイト | 9/15 19:50:22 | 2211cfHVWWaaO9Fxs||5 | ||
みりん☆さんこんばんわ&はじめましてw 待ち続けていただけていたとは、嬉しい限りですw 予定では実際の企画は明日か、遅くても明後日には行なえるかと思いますので、その時はぜひご参加ください^^ |
ベベル | 9/16 13:10:20 | 2201cfVixO/zJJ3mQ||889 | ||
´ω`)ノ こんぬづわ 何だか先が凄く気になる終わり方だわ((o(><)o))うずうずっ 一度読んだら最後までグイグイ引っ張っていかれる文章構成と ストーリーに寄せられる期待感にアッと言う間に読み終えてしまいました(●´ω`●)ゞエヘヘ 上の太陽さんのレスで探偵募集しているようなので立候補します(゚Д゚)ノ ァィ 迷探偵ですがね|電柱|ー ̄) 隠れニヤリ(ぁ |
ナイト | 9/16 17:33:35 | 6120cf11fRPoCi4/M||863 | ||
ベベルお師様こんばんわw はぐぁっ!な、なんだか格好良い感じの感想が!?Σ(-□-;) そうまで言ってもらえると、嬉しい&恥ずかしいです´´(///|壁コソコソ 大丈夫ですよ老師様w 迷探偵でも「名探偵コナ●」の小五郎さんの様に、助手(?)に寄りかかってしまいましょう♪ |
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