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3061お兄ちゃんみりん☆9/23 18:29:92184cfenboyHv3qVI


お兄ちゃんがおかしくなりました。

お母さんは毎日泣いています。

お父さんはいつも眉間にしわを寄せています。

お母さんは「あの子を受験、受験と追い込むんじゃなかった」といつも嘆いています。

お父さんは「あんなやつは俺の子じゃない、我が家の恥だ」と怒っています。


みりん☆9/23 18:29:272184cfenboyHv3qVI||291


お兄ちゃんは「《鏡の国》の王様」になったそうです。

毎日部屋に閉じこもって、鏡に向かって何か話しかけています。

今日も、私はお兄ちゃんの部屋を覗きに行きました。

みりん☆9/23 18:30:32184cfenboyHv3qVI||924


「お兄ちゃん、何しているの?」
『あぁ、美幸か。見て御覧、俺の国だ・・・綺麗だろう?』
お兄ちゃんは恍惚とした表情で私の背丈程もある鏡を指差します。
「お兄ちゃん、鏡にはこの部屋と私たちしか映っていないよ?」
『何を言っているんだい。―――ほら、建物のあちらこちらが赤く光っているだろう?あれは俺が王に即位した事を歓喜しているサインなんだ・・・俺はこの国に歓迎されているんだ』


みりん☆9/23 18:30:272184cfenboyHv3qVI||326
私は鏡を又見ました。
やはりこの部屋と私達が映るだけです。
赤い光は見つけられませんでした。
「お兄ちゃん、どこも光ってなんかいないよ」
『嘘だ、よく見て御覧。・・・』
お兄ちゃんはうっとりと鏡を見つめ、撫で始めました。
その様子をぼーっと見ていると、お兄ちゃんは手を止め、顔全体に笑顔を浮かべて私を見ました。

みりん☆9/23 18:30:552184cfenboyHv3qVI||234
『そうだ、美幸も《鏡の国》の住人にしてあげるよ。この国は良い国だから美幸も恐らく気に入る筈さ』
そう言うと、私の頭を掴んで鏡に押し付け始めました。
ぐりぐりと鏡に押し付けます。
とても痛いです。
「痛いよ、お兄ちゃん」
しかし、頭から手を離す素振りはありません。

みりん☆9/23 18:31:312184cfenboyHv3qVI||375
『おかしいな、《鏡の国》に入れないぞ?こうすればいつもはすんなりと入れるのに・・・美幸は《鏡の国》への入国を拒否されているのか・・・?』
お兄ちゃんはより一層押し付ける力を強めました。
頭がガンガンしてきました。
「ひぅっ・・・痛いよ・・・っ・・・放して・・・」
『何故だ?おかしい。どうも美幸は入国を拒否されているようだ』
お兄ちゃんが頭から手を放したので私は一息つきました。
しかし、お兄ちゃんの目は何処か虚空を彷徨っています。
『おかしい・・・おかしい・・・。今から俺は宰相に事情を聴いてくるから、美幸はこの部屋から出て行きなさい』
私は言われた通りに部屋から出ていきました。

みりん☆9/23 18:31:522184cfenboyHv3qVI||830
部屋から出ると、お母さんが私を待っていました。
「美幸、もうあの部屋には近づいては駄目よ」
「なんでそんな事いうの?お兄ちゃんが可哀想」
「お母さんはあなたが心配なの」
「・・・そんなこと言うお母さんなんて大嫌い」
私は自分の部屋へ駆けて行きました。
部屋のベッドに飛び込むと、何だか凄く眠気が襲ってきたので、そのまま眠りに身を委ねました―――


みりん☆9/23 18:32:72184cfenboyHv3qVI||903
朝起きると、朝食も食べずにお兄ちゃんの部屋に向かいました。
本当はお腹がとても空いていたけど、お兄ちゃんが心配だったから。
お兄ちゃんの部屋のドアノブに手をかけると、傍にいたお母さんは悲しそうに目を伏せました。


みりん☆9/23 18:32:252184cfenboyHv3qVI||971

部屋の中に入ると、いつもと雰囲気が違うことに気がつきました。
鉄のにおいがします。
中は真っ暗です。
「お兄ちゃん・・・?」
私は大好きな人の姿を探しました。

いました。

鏡の傍で座って俯いていました。
鏡は打ち割られていました。
お兄ちゃんの拳からはだらだらと血が流れています。
鏡の破片で腕も深く切っているようです。

みりん☆9/23 18:33:162184cfenboyHv3qVI||583
「お兄ちゃん?大丈夫!?」
『美幸・・・おかしいんだ』
「え、なにが・・・?」
『おかしいんだ、《鏡の国》が見えないんだ。この部屋しか鏡には映っていない・・・』
「・・・」
『だから《鏡の国》自体を壊してやった。国王の俺が入れぬ国など要らないからな』
「お兄ちゃん・・・」
『・・・でも、《鏡の国》にしか俺の居場所はない!俺は・・・どうしたらいいんだ・・・っ!』
「そんなことない、お兄ちゃんには居場所はいっぱいあるよ!」

みりん☆9/23 18:33:342184cfenboyHv3qVI||624
『美幸・・・慰めは要らないんだ。もう俺は・・・』
お兄ちゃんはそう言うと近くにあった、一際鋭く尖った鏡の破片を手にとりました。
「お兄ちゃん・・・まさか・・っ・・・やめ」
私が言い終わる前にお兄ちゃんは深々とソレを自分の首に突き刺しました。
ぶしゅうっと真っ赤な血飛沫があがっています。
返り血を浴びながら私はしばし呆けて見ていました。

みりん☆9/23 18:35:152184cfenboyHv3qVI||752

いやぁぁぁぁああぁっっ!!

みりん☆9/23 18:35:422184cfenboyHv3qVI||740


叫び声に気づいたお母さんとお父さんは、部屋に割って入ってきました。
「美幸、どうしたの!?」
「お兄ちゃんが、お兄ちゃんがぁぁあああぁっ」
「美幸、よく聞いて。あなたにはお兄ちゃんなんていないと何回言ったら分かるの・・・?」
「お兄ちゃんが死んじゃったぁぁぁっっ」
「美幸・・・」
「おい、こいつをいい加減精神病院に連れて行くぞ。もうお前がいくら止めたってきかないからな」


みりん☆9/23 18:35:572184cfenboyHv3qVI||20
「それだけは、それだけはやめて!この子は私達のせいでこんな事になったのよ!」
「うるさい!美幸は俺の子じゃない、我が家の恥だ!」
「あなた・・・。あぁ、美幸を受験、受験と追い込むんじゃなかった・・・」
「お兄ちゃぁぁんっっ!ぅぁああああぁぁあっ!!」
「美幸・・・」
「もう、連れていくぞ。仕方ないんだ」
「・・・」

みりん☆9/23 18:36:112184cfenboyHv3qVI||414

私はお父さんに手を引かれ、鏡しかない空っぽなお兄ちゃんの部屋をあとにした。

                       〜〜終わり〜〜


牙龍9/23 18:47:112193cfYhj6BHIbqI.||923
意外なおちでした。お兄ちゃんが受験ノイローゼとなっていたのにそれが美幸ちゃんのノイローゼの幻だったなんて・・・こういうのは本当にありそうですね・・・下手なホラーものより怖いです・・。

タロー9/23 19:9:442191cfMnPSJXbXmvE||785
お兄ちゃんが幻だったのか・・!

怖いです・・!

かりんとう9/23 20:52:06121cfuMa8AU3QhPc||736
牙龍さんと激しく同感。。
怖いですね・・・。 
美幸チャンの幻がお兄ちゃんでそのお兄ちゃんは鏡の国の幻を見ている・・・。

映画にしたらどうなるだろうww
ありがとうございました!!(何で

龍華9/23 23:8:412201cfURXXS4heYZM||752
うわぁ…怖かった〜
またも鏡恐怖症になりそうな気が…
世にも奇妙な物語系はトラウマになるんだよね…

みりん☆9/24 19:5:242102cfh5LhoyC6iP2||482
牙龍様>
感想レス有難う御座います^^
意外なおちと言ってくださってうれしいです><
書きながら途中『読んでるうちに展開ばれないかな』と
ひやひやしていたもので・・・^^;
ほんっとうに感想有難う御座いました。
でゎでゎw


みりん☆9/24 19:7:12102cfh5LhoyC6iP2||332
タロー様>
感想有難う御座います><
こんなヘボい小説もどきに・・・w
怖いと言って頂けてほっとしました。
『つっまんねぇ』とか批判されないか
内心あせっていたもので;;
でゎありがとうございました><

みりん☆9/24 19:10:162102cfh5LhoyC6iP2||501
かりんとう様>
もうこちらこそ感想有難う御座いましたですよ!笑(日本語変
いや、こんなヘボ小説映画にしたら大変なことなりますってw
第一、誰にも批判レスすらもらえないとばかり思っていたような代物なので・・・笑
ほんっとうにレスありがとうございました!w
でゎでゎw

みりん☆9/24 19:13:62102cfh5LhoyC6iP2||282
龍華様>
感想レスありがとうございますです><
そんな・・・こんな私の小説もどきでも怖がって頂けて恐縮です><
またも鏡恐怖症になりそう』と言う部分がさり気に気になりますが・・・w
なにゎともあれ感想レスありです><
でゎでゎw

りょま9/24 19:29:152196cfEnVGuuk8znI||453
こわいい ((((/*0*;)/
ぼくバカなんで漢字あまりわからなかったですが
辞書で調べながら読みました

みりん☆9/24 20:1:512102cfh5LhoyC6iP2||663
りょま様>
感想レスありです><
はっ!わざわざ辞書で調べてまで・・・!!w
感動です!><
ありがとうございますww
でゎでゎw

華奈9/24 20:7:542102cfXbQ7HfLWz7g||815
こんにちわ。お初です^^
怖いです。けどすごく面白かったです!
美幸ちゃんがみてたのは、お兄ちゃんじゃなくて幻だったんですね・・・。
すごく以外な展開で・・・惹きつけられました。

みりん☆9/24 20:13:572102cfh5LhoyC6iP2||407
華奈様>
感想レスありです><
そして、初めましてですw
ひぃ、惹きつけられた、だなんて・・・!!
本当にありがとうございます!!
普段褒められる事が少ない私なのでもうどうしていいか・・・(゜-゜;)オロオロ(;゜-゜)
もう本当にありがとうございました!><
でゎでゎww

弥月9/24 21:50:502194cfHhreJKjLyhQ||89
こんばんは^^はじめまして
もう題名で怖い感じがしたところを
本文でさらに怖く・・・
でもとても面白くってよかったです^^
お兄ちゃんは実は幻だったところは
確かに予想外でした。

今度の作品が楽しみです^^ガンバってください

みりん☆9/24 22:43:592102cfh5LhoyC6iP2||980
弥月様>
感想レス有難う御座います!!w
じ、実は私『風吹くとき』の隠れ読者でして、
もうレス頂いた時点で狂気乱舞いたしております(ぁ
しかも今度の作品が楽しみとまで言って頂けて・・・w
胸いっぱいです・・・w

でゎでゎww

諤諤10/3 20:52:476127cfnno9FBH2.uA||469
こんばんはw
こちらも読まさせて貰いました。
面白い話だと思います(*´∀`*)b
想像できなかったオチでハラハラさせてもらいましたw
こういう世界もあってイイと思います。(ウザ

次回も頑張ってください(●´ノェ`)ノ

みりん☆10/5 18:40:482102cftJL5jrhL3p6||982
諤諤様>
たくさんの感想レスありがとうございます><
感無量です・・・っw
想像できなかったですか?w
私にとって最高の褒め言葉です・・・w

では本当にありがとうございました><


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