3231 | 真っ赤に染まる紅葉の下で | 未紗 | 10/9 18:10:9 | 2111cfVNWzf.iwmoY |
私は貴方をずっと好きでした。 高校に入って春になり、そして夏を越え 秋をむかえ・・・ 貴方の輝く笑顔が大好きで 何より貴方が大好きで ――――――――――――――― 『真っ赤に染まる紅葉の下で』 ――――――――――――――― 私は高校2年の女子高生。 みんなと同じように生活してみんなと同じように恋をして。 そんな私に今だ春は来ていない。 純粋な片思いというやつだ。 彼は家が近くておまけに同じ高校。 私としては最高の条件だと思う。 |
未紗 | 10/9 18:10:45 | 2111cfVNWzf.iwmoY||391 | ||
「沙織ぃ!雨降ってきちゃったじゃん!」 廊下の角から美樹の声が私を追いかけてきた。 「えっ・・・。私傘ないよ?」 「私だった持ってないよ!今日曇りって言ってたのに天気予報の嘘つき!!」 「しょうがないからこの辺の傘借りちゃおっか?明日返しとけばよくない?」 「うわぁ沙織って悪ぅ。よっしゃ!私も借りてったろv」 こうして私たちは傘を見事手に入れ学校を後にした。 降り注ぐ雨の音。 耳を澄ませばしとしとと。 肌につく輝く雫。 車のライトに照らされてキラキラ輝く。 私は雨は嫌いじゃないよ。 |
未紗 | 10/9 18:11:7 | 2111cfVNWzf.iwmoY||608 | ||
「ちょっとちょっと!なにさっきからぼぉっとしてんのさ?前、見てみ?純君いるよ!!」 「えっ??何々??なんでなんで?」 私の頭は臨機応変には働かないらしい。 「何でかなんて知るはずないじゃん!私はいいから行っといで!」 「えっでもそしたら美樹一人になっちゃうじゃん?」 「大丈夫☆私には祐樹がいるから。今から遊ぶんだ」 そうだった。美樹は祐樹という立派な彼氏がいるのだった。 少し頬を赤らめながら言う美樹のお言葉に甘えながら私は勇気を出して歩き始めた。 |
未紗 | 10/9 18:11:20 | 2111cfVNWzf.iwmoY||751 | ||
『沙織、頑張ってね』 私が「何か言った?」と振り返ると美樹は「なんでもないよ!早く行きな!」と言って 私を追い返すような仕草をして見送ってくれた。 どうしよう・・・なんて声かければいいんだろう・・・? 『なにしてる?』なんてメールじゃないんだから変だし 『久しぶり~!』って昨日も会ってるからダメだし・・・。 |
未紗 | 10/9 18:11:31 | 2111cfVNWzf.iwmoY||210 | ||
そんなことを考えながら純の後ろを歩いていると ふと公園の前で純が振り返り手を振ってきた。 「おっ!沙織じゃん!!一人とかつまんねぇから一緒に帰らねぇ?」 「あっ・・・うんっ!!」 一瞬ためらったが向こうから声をかけてくれたのだ。 ありがたくご一緒させていただくことにした。 私も純もこの公園が学校から家への近道であることを知っている。 まぁ私が純にこの道を教えてもらったんだが。 雨もやみ紅葉の木にとまった鳥たちが羽を動かすたびに雫が滴ってくる。 |
未紗 | 10/9 18:12:1 | 2111cfVNWzf.iwmoY||944 | ||
「雨やんだんじゃね?」 「ほんとだ、やんだみたいだね。」 私も純も傘をたたんだ。 今まで傘が邪魔で見えなかった純の顔がはっきり見えて私は急に熱くなるのを感じた。 「ねぇ、お前って好きなやついんの?」 「えっっっ???いきなり何聞いてくんの???」 「いるのか、って聞いてるんじゃん?」 「いるっていったらいるんだけど・・・」 私はココまで言うのでいっぱいいっぱいだった。 どうせ告白なんてしても振られるに決まってる。 それに私にはそんな勇気なんて微塵もない。 「そっか~。じゃぁ残念だなぁ」 |
未紗 | 10/9 18:12:17 | 2111cfVNWzf.iwmoY||448 | ||
不意をつく彼のセリフに私は少し動揺していた。 もしかしたら・・・・。 そんなのあるはずないよね、マンガじゃあるまいし。 一瞬の期待を頭から振り払い私は聞いた。 「えっ、なんでなんで??なんで残念なの?」 「なんでって・・・・。」 雨上がりの優しい風が私の髪をなびかせた。 「俺・・・がお前の事好きだからだよ。」 一気に沸騰する私の頭。 顔が赤くなるのが自分でもわかる。 「でもさ、お前好きなやついんだろ?ごめん。変なこと言って、今の取り消したって」 |
未紗 | 10/9 18:12:30 | 2111cfVNWzf.iwmoY||594 | ||
私は嬉しさでいっぱいいっぱいで。 それでも自分の気持ちを伝えなきゃいけないことだけはわかっていて。 「・・・取り消さないでよ?私が好きなのは・・・」 たっぷり息を吸って。 雨上がりの冷たい空気をしっかり吸って。 そして満面の笑顔で。 「今私の前にいる、 純だよ。」 真っ赤に染まる紅葉の下で 私は最高の幸せを手に入れた。 雨が上がった秋の夕日に照らし出される2人の影は 幸せそうに手を繋ぎ家路へと。 真っ赤に染まる紅葉の下で |
未紗 | 10/9 18:14:54 | 2111cfVNWzf.iwmoY||707 | ||
■□後書き□■ 秋を取り入れた小説を書いてみました。 なにせ小説を書き上げるのは初めてなもので 少々疑問の部分はあるでしょうがどうか目を瞑ってやってくださいm(__)m 恋する気持ちが少しでも皆様に伝わればと思います^^* |
特殊文字 by.チビファンタジー |