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3251共通世界―左腕鋼鉄領主―その五龍華10/11 1:21:552022cfKZ4dbQ3tZK.
第一話:http://chibifantasy.com/bbs/t12-2408.html
第二話:http://chibifantasy.com/bbs/t12-2483.html
第三話:http://chibifantasy.com/bbs/t12-2787.html
第四話:http://chibifantasy.com/bbs/t12-3012.html

とてもスローペースに作品放出中

龍華10/11 1:22:392022cfKZ4dbQ3tZK.||671
複数の金属音が路地裏から近づいてくる。
広場に居た人々は、その聞きなれない音に耳を傾けていく。

…ガチャガチャカチャ…

月明かりに照らし出されたものは四体の全身鎧―フルフェイス―
―こんな時間にフルフェイスが巡回?………………あれはっ!!―
思考をめぐらすエリザの横を通りすぎ、フルフェイス達は王宮へと続く大通りへと向かう。
人々の好奇の視線は兵士達に注がれている。
この街に住んで居る者にとっても夜の巡回は珍しいようだ。

「…そこのフルフェイス兵達!!止まりなさい!!」

突如広場に響いた声に視線は兵士からその声の主に注がれた。

龍華10/11 1:23:202022cfKZ4dbQ3tZK.||20
声の主は、エリザだ。

「…お姉ちゃん?」

ラナルマがビックリしてエリザを見上げる。

「止まりなさいと言っているのが聞こえないの!!」

エリザが再度声を張り上げ、兵士はようやく足を止め、その面をエリザに向ける。

「何故『飾り用』のフルフェイスを身に着けているの?」

その問いかけに兵士は何も答えない。

「どこの貴族か知らないけど、胸についてる三つの紋章。
―国紋
―家紋
―霊紋
それらが入ってるって事は、その鎧は国王陛下から頂いた品じゃないのかしら?
有事でもないのに着て歩き回るなんてよくできるわね。」

動揺しているのだろうか?

龍華10/11 1:23:532022cfKZ4dbQ3tZK.||168
兵士達は固まったまま動こうとはしない。
痺れをきらしエリザが兵士に近づいていく。

「…待っておねえちゃん!!」
「大丈夫、ラナルマはそこで待ってて。」
「そうじゃなくて…!」

ラナルマの制止を無視してエリザは兵士の一人と対面する。

「どこの馬鹿か顔を拝見するわよ。」

エリザは顔にかかっていた仮面を上に上げ…

…ドンッカララララ…

「きゃぁぁぁ!!!」

対面していた兵士にエリザは薙ぎ倒され、地面に叩きつけられた。
一緒に兜まで転がりおちている。

龍華10/11 1:24:262022cfKZ4dbQ3tZK.||891
「痛ぁ…なにす……っ!!!」

見上げたその姿にエリザは閉口する。
月明かりに照らされたソイツの仮面のしたには何も無かった。
…そう目も鼻も口も、いやそれらの土台になっているはずの顔が…首が根こそぎ無かったのだ。

―首をもぎ取った?!

ありえない考えがエリザに浮かぶ。
即座に転がっている兜を確認するが其の中にも『何も無い』
首の無い兵士も其のほかの兵士もピクリとも動かず、その光景は異様そのものだ。
エリザは兵士達に後ろを向けずに少しずつ後ろに下がっていく。
本能が危険だと知らせている。

龍華10/11 1:25:112022cfKZ4dbQ3tZK.||170
それが広場全体に伝わったのだろうか?
大勢人が居るとは思えないほど静まり返り、聞こえてくるのは風が木々を揺らす音と犬の遠吠え、そしてエリザの足音だけ。
間合いを取りつつエリザは腰にぶら下がっている鎖鎌に手をのばす。
内臓が異様に熱くなっていくのをエリザは感じていた。

「見えた!!!」

沈黙を破るかのようにラナルマが強くその瞳見開きながら叫んだ。
それを合図にするかのように兵士達はゆっくりと剣の柄へと手を伸ばす。

「そいつら全員タリスマンを持ってる!!!!!」

兵士達は剣を抜き放ち四方に―首無しはエリザへ向かって―散っていく

龍華10/11 1:26:12022cfKZ4dbQ3tZK.||613
先ほどまで平和そのものだった広場は一瞬にして人々の悲鳴と混乱に包まれていく。

「……タリスマン?!」

首なし兵はエリザに向かって剣を振り落とす。
が、エリザはそれをひらりとかわしラナルマの元に近づく。

「さっきタリスマンって言ったよね?!」
「他には何も見えなかった!…タリスマンだけ見えたの!!信じて!!」

エリザの鎖が首なし兵の剣を絡め、相手の自由を奪う。

「タリスマン“だけ”見えたのね?それだけ確認したかったの。これで心置きなく戦えるわ!!」

相手の自由を奪ったまま言うとエリザはニヤリと笑う。

龍華10/11 1:26:242022cfKZ4dbQ3tZK.||144
「まさかこの国に…」

エリザが勢いよく鎖を引き、首無し兵のバランスを崩しそのまま相手に向かって突進していく。
首なし兵が体勢を取り戻す前に、すでに後ろに回りこんでいた。

「はぁ!!!」

ガッ…ガダーン!!

鎌のみねで腰のつなぎ目を強打し、コレが決定打になったのか首無し兵は地面へと倒れていった。

龍華10/11 1:26:482022cfKZ4dbQ3tZK.||748
エリザはソイツが起き上がろうとするより早く、首の部分から手を突っ込み、触れた『何か』を思いっきり鎧から引き剥がす。

「人形が送り込まれるなんてね。」

肩で息をしながらエリザはつぶやく。

「…早く他のも止めないと…」

エリザの手には血の様に紅く輝くタリスマンがあった。

龍華10/11 1:27:32022cfKZ4dbQ3tZK.||945
続く

三好10/11 11:2:362191cf.zWggDiRXes||140
面白いです続きが知りたいですねー

龍華10/12 23:12:272201cfKJNFLlY/FAc||884
はいな!!
がんばって先書きます☆
遅筆ですので気持ち長めでお待ちください


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