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3416イクス改めまして・・・「天国から来た男」くにまる10/30 16:25:202202cfwKIgBablNMk
「さあ、どうする?」
「さあ?どうしよう。」

くにまる10/30 16:25:572202cfwKIgBablNMk||991
倒壊した建物前で声がする。
一つはピーチクパーチクとうるさい男の子の声。
もう一つは少し低めの落ち着いた素っ気ない声。
「・・・。」
「・・・・・とりあえず食料。それから燃料。あと火薬。それに新しい肌着。これからのために軍手。
切れそうだから薬。それから・・・・・。」
「はーいはいはい!用は初めの3つでいいんでしょ。こんな所まで来て無茶な注文しない。
相変わらず注文の多い・・・。ちょっとは状況考えてよね。」
「まったく。何でこんなところに。」
「だったら!早く補給してさっさと出発!日が沈むよ。」

くにまる10/30 16:26:452202cfwKIgBablNMk||137
「はぁー。・・・分かってるよ。そんなことは。無理だってね。それより、凄い揺れだったね。」
「うん、あれ凄すぎ。」
「あと一瞬動くのが遅かったと思うと・・・、ぞっとしないね。」
「・・・・・。普通の人だったら動けないんだけど。」
「まあ、俺は普通じゃないからね。こう、どーん、って地響きがしたときの反応の良さ、
強い揺れに慌てない精神力。屋根が、がらがらって崩れてきたときの身のこなし。
倒れて来そうな壁をさける機転。なにより・・・・。」
「ちょっと!ナルシストなのは分かったから!早く早く!。」
「しょうがない・・・。分かった。行こう。レフェリス。」
「行こうかカラス。」


くにまる10/30 16:27:302202cfwKIgBablNMk||862


大型のスケボーが一台、瓦礫の山の隙間を縫うように走っていた。
呆れるほど大きいスクーターだ。長さはちょうど2b位。幅も人の胴より少し太い位。
後ろの方に大きめの荷台と、その下に薄い板型のエンジンがある。燃料供給パイプは
荷台の中に繋がっている。恐らく中の一部が燃料タンクになっているんだろう。
人が立つ位置には操作ペダルが付いている。板自体は黄色と黒で塗られていて少しだけクレイジーな
空気を醸し出している。上に立つ人間はすらりとした長身の男。年は20歳位だろうか。
端正な顔立ちをした男だった。

くにまる10/30 16:28:352202cfwKIgBablNMk||191
筋肉質の四肢を使ってバランスをとりながら巧みに走っている。
腹のところですっぱり切れた黒い上着と、白いシャツ。
ポケットだらけの黒ズボンにブーツを履いている。
頭にはちょっと大きめの、ぼろぼろの茶色い帽子。はみ出した黒髪が、風になびいていた。
男は両手にぴっちりした黒い手袋を付けていた。
掌の真ん中には、
ピンポン玉ぐらいの円い金属製の丸みを帯びた蓋、
の様なものが付いていた。小さな穴がいつもあいている。
二つのリングが縁に付いていた。

くにまる10/30 16:29:262202cfwKIgBablNMk||455

 男の体が振動で浮き上がる。
「ちょっと!落とさないでよ。カラス。」
どこかしれないところから声がした。
「はいはい。しっかり掴まっててね。」
「・・・。それは皮肉かな?」
男の帽子が、しゃべってた。
「どうだろ?」



くにまる10/30 16:29:462202cfwKIgBablNMk||512



「ここだね?」
「ああ、依頼があった所はね。今日はここの警備を任されたよ。」
 周りを瓦礫に囲まれた、小さな町が見える。
その町の末端にピリア達はいた。
灰色の、機能的だが装飾性のない四角い建物が目立つ。
そばを通りかかった男が、物珍しそうにピリア達をみている。


くにまる10/30 16:30:192202cfwKIgBablNMk||984

「すいません。」
中にいた恰幅のいい店主が振り向く。
「おお!君か!例の聖職者の青年とは。いや、今日から5日間よろしく頼むよ。」
「はい、よろしくお願いします。・・・報酬の方は?」
「もちろん。さ、これが前払い分だ。後の半分は後払いにしよう。いいだろう?」
カラスは差し出された袋を受け取る。
「問題ないです。」
「ところで、周りの瓦礫は?尋常な量じゃないんですが。」
「そうそう。」


くにまる10/30 16:31:62202cfwKIgBablNMk||436
「あ、あれですね。」
「あいつのせいなんですよ。」
「あいつ?」
「周りにすむ魔物のことです。おかげで綺麗だった中心街が消えて、端の方にあった
集合住宅だけになってしまいました。」
「あ、なるほど。今回はそいつ倒せば5日も警備しなくていいんだ。」
「・・・それで、いいんですか?」
「はい、そりゃあもう!そんなことできたら報酬どころの騒ぎじゃないよ。町の英雄扱いだよ。」
「分かりました。魔物について何か知っていることは?」
「そうですねえ・・・だいたい真夜中ですかねえ。地響きと一緒に、北の方からくるんですよ。」


くにまる10/30 16:31:342202cfwKIgBablNMk||804
「それってまずくない?」
「・・・だからここの警備を?」
「はい、この店が町の北端だからね。」
「・・・・・。」


くにまる10/30 16:32:42202cfwKIgBablNMk||105

「あ、結局行くんだ。」
ピーチクパーチクうるさい声。
「当然。」
対照的な低めの落ち着いた、ちょっと間違えれば冷たい声。
「カラスは英雄気取りしたいのかな?」
「・・・・・。」
「聖職者の英雄・・か。・・・俺は、俺は聖職者なんて大層なものになった覚えはないんだけどね。」
自嘲気味な微笑みを浮かべるカラスは、掌のリングをいじっている。
「そうだね、僕が拾われたときもカラスはそういった。」
「俺は聖職者じゃないってね。」
「俺は、復讐者だ。」


くにまる10/30 16:32:372202cfwKIgBablNMk||223

そのとき、地響きがした。
「来たかな?」
「きた。」
遠くに、茶色い塊が見えてきた。
大きくなると、一緒に輪郭もはっきりしてくる。
かなり大きいようだ。2階建ての建物位だろうか?
3流怪獣映画に出てきそうなごつくて、茶色い角張った体つきをしている。
ワニのような大きな口に、鋭い刃がびっしり。とても堅そうだ。
まぶしい位白いその歯はナイフの様に曲がっている。
魔物が吼えた。
「ヴォーーヴヴヴ!」


くにまる10/30 16:32:542202cfwKIgBablNMk||695
カラスは、構える。
「Let's go?」
「Why not?」
緊張感のかけらもないやりとりの後。
魔物が突っ込んできた。
カラスは横に飛び込む。
前転で着地して、すぐに体を魔物に向ける。
振り返る寸前の魔物。
その背中に、カラスは掌をぶち当てる。


くにまる10/30 16:33:262202cfwKIgBablNMk||970


ががんっ


くにまる10/30 16:33:412202cfwKIgBablNMk||252

爆発した。
一瞬の大きな炎は、尾を引く煙に変わる。
手袋に付いていた蓋は、起爆装置だったらしい。
背中に焦げを残した魔物は、しぶとく振り向く。
同時に、長いしっぽを使ってはたいてくる。
カラスは、ゆるりと双掌でつかむように受け止める。


くにまる10/30 16:34:172202cfwKIgBablNMk||479

ぼんっ

くにまる10/30 16:34:392202cfwKIgBablNMk||955
優雅な動きには考えられない大きな爆発。
どこか矛盾してる威力は、魔物のしっぽを奪い去る。
ちぎれたしっぽは、破裂したように飛び散った大量の
筋肉やら血液やら骨やらをぶちまけながら飛んでいった。
魔物がよろめく。
カラスは、両の掌を打ち合わせた。
発砲音に似た音がして、爆炎が魔物を包む。
もだえる魔物に、
カラスは双掌の手首を合わせて両の掌を魔物に向ける。


くにまる10/30 16:34:522202cfwKIgBablNMk||734
そして・・・ねじり込むように突きつける。
爆発した煙と炎が、渦巻きながら魔物を包む。
爆風が炎の球を作りだし、渦巻いて圧縮された高圧の炎は魔物をプレス機にかけたように
ぺしゃんこにする。
色濃い炎の後、残ったのは
なんだかよく分からないどろどろしたぐちゃぐちゃのものだった。
「ご苦労様。」
「ちょっと弱すぎだったよ。」
カラスは服をはたく。
「帰ろうか?」
「そだね。」
カラスはスケボーに乗る。

くにまる10/30 16:35:242202cfwKIgBablNMk||705


例の店の前で。
「やったようだね?」
「はい、消しました。」
「報酬の方は?」
「ああ、そうだったな。・・・これだよ。」
店主は、ゆっくりと焦らすように手渡す。
カラスが渡された袋は、小さな爆発を起こした。
受け取った袋は金貨ぎっしりの袋、
ではなくて睡眠ガス入り小型爆弾。
「・・・・。」


くにまる10/30 16:35:392202cfwKIgBablNMk||252
特に表情を変えないまま、カラスは倒れ込む。
店主も、特に表情を変えることなくカラスを縄で縛り始める。
「ちょっと!なにするのさ?」
「縛ってるんじゃないか。」
「だ・か・ら!何で?」
「この人がこの国の国の(ペット)を殺したから。」
「・・・・・。」
「しってて任せたの?」
店主はにやりと笑う。
「もちろん。」
「こいつをつき渡せば俺はもうこんなさびれた町にいつまでもいる必要はない!
金持ちになって、ほかの町にでていける!最高じゃないか?」


くにまる10/30 16:35:542202cfwKIgBablNMk||860
「・・・・・。」
カラスは、車の荷台に詰め込まれた。

「で、これが例のペットを殺した青年ですか?」
制服を着た、警官らしき男が聞いた。
視線は縛られたまま無言で睨み付けているカラスに向いている。
「はい。もちろんですとも。」
恰幅のいい中年男性が答える。顔には作り笑顔が張り付いていた。
「それで、例の賞金の方はどうなるんでしょうか?」
顔は笑ったままの店主。
「ええ、分かってますとも。では付いてきてください。」
男は、近くの小部屋に案内されていく。
中に入ってしばらくたってから、


くにまる10/30 16:36:72202cfwKIgBablNMk||16

ぱーん



くにまる10/30 16:36:202202cfwKIgBablNMk||389
一発の銃声がした。
男は、いつまでたってもその部屋から出てこなかった。


くにまる10/30 16:36:452202cfwKIgBablNMk||142

「あの店主は?」
縄をほどかれたカラスが聞く。
警官は、
「死にました。」
事務的に答える。
「先ほどは大変失礼しました。ああいう輩をこの国から消していくのが私たちの仕事です。」
「へー。ペット死んでもいいんだ。」
「いえ、実を言うとあの魔物はペットでも何でもないんです。」
警官は笑う。
「つまりこういうことですか?・・・魔物が誰かに頼まれて殺されたら、それを国王のペットだった、とデマを流して殺した人を連れてきた人には銃弾のプレゼント?」


くにまる10/30 16:37:62202cfwKIgBablNMk||827
「うーん、そんなところですね。これは国王の考えです。とても純粋な方ですので。」
「・・・・・。」
「これは、謝礼とお詫びの意味で、お受け取りください。」
警官は金貨の入った袋を差し出す。
カラスは、少しためらうそぶりを見せて用心深く受け取る。
「大丈夫ですよ。また催眠ガス、なんてことはありません。」
男はそういってけらけらと笑う。
「ありがとうございます。では俺はもう行きますので。」
「はい、・・・道中、それと、(おいしすぎる話)には気を付けて。」


くにまる10/30 16:37:342202cfwKIgBablNMk||209
カラスは、どうも、と言ってちょっと顔をしかめた後、用意されていたスケーボーに乗る。
土煙が舞い起こって、警官の目には小さくなっていくスケボーが見えていた。



くにまる10/30 16:37:522202cfwKIgBablNMk||100

「ねえ、どうおもうよ?」
瓦礫の平原を越えたところで。
「純粋ね。」
カラスは続ける。
「純粋ならあんな、汚い、人の心につけこんだ方法は考えないと思うよ。」
「だね。」
そのとき、ピリリとカラスの端末がなる。
「お、依頼だ。」
「次は?」
「あの山の向こう。」
カラスは、目の前の緑色の山を指す。
「了解!さ、しまっていこー。」
「おー。」
そんな話し声が、山の中に消えていった。

くにまる10/30 16:41:592202cfwKIgBablNMk||150
      「あとがき」
拝啓

吹く風も冷たくなって来た今日この頃
みなさまにおかれましてはますます、ご健勝のこととお喜び申し上げます。
 さて、このたび転生しましてイクス改め、

「くにまる」

と相成りました。みなさま、いくぶん未熟ですがなにとぞよろしくお願いします。
今回の小説はお楽しみいただけたでしょうか。
厚かましいのですが、感想などいただけたら、
などと思います。それでは

敬具

ベベル11/2 10:28:12031cfSNDPIZ7JB2M||211
( ゚д゚)ハッ! イクスさんぢゃないですか(;´Д`A ```
今頃気づきましたよペコm(_ _;m)三(m;_ _)mペコ

手袋につけられた起爆装置・・・ほ、欲すぃ(。・ρ・)ジュル
カラスかっちょE〜(*ノノ)キャッ(*ノ▽ノ)キャッ(*ノ▽゚)ゝチラッ(*ノ▽ノ)キャッ(*ノノ)キャッ
クールだし強いし大型スケボースイスイだしヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ

この小説は読みきりなのかなぁ?続き読みたいです♪・・とぁプレッシャーかけてイイでつか?w
でぁ改めましてくにまるさんヨロシクどぉぞペコリ(o_ _)o))

くにまる11/2 19:5:202202cfwKIgBablNMk||270
あ、べべるさんどもです^ ̄^

かなりの重圧に押し倒されちゃいそうです^^;
連載・・・・ですねぇ
ちょっと今
「ギャグ」
考えてるんですねぇ。
まあ、気が向いたらまた・・・・

・・・すいません、いい加減でした。(爆
感想、ありがとうございました!



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