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3534Dream=Real亜瑠華11/18 17:5:542227cfpjgSY.MTSRQ
『戒め』(http://chibifantasy.com/bbs/t12-3507.html)の続きです。どうなるか分か

りませんが、ぜひ読んでみてください。

亜瑠華11/18 17:7:02227cfpjgSY.MTSRQ||200



二人そろってみる夢は、永遠に続く現実という名の夢。



「ただいま・・・あっ」
玄関を開けて、すぐに男物の見覚えのあるスニーカーに気づく。
私は慌てて靴を脱いでばたばたとリビングに向かった。



亜瑠華11/18 17:8:132227cfpjgSY.MTSRQ||972
「お帰り、涼兄!!」

ソファに座っている涼兄にソファ越しに背中から抱きつく。

「お帰りは里緒の方じゃないか。でも、ただいま。」

肩越しに振り返って微笑む。

あ・・この笑顔、好きだ。

きゅっと抱きしめる力が強くなる。

亜瑠華11/18 17:9:242227cfpjgSY.MTSRQ||515
「こら、苦しいって。」

「あ、ごめん。」

慌てて涼兄の首に回していた手を離す。

「里緒、早く着替えていらっしゃい。」

夕飯の準備をしているお母さんの声がキッチンから飛んできた。


「はーい。」

亜瑠華11/18 17:11:262227cfpjgSY.MTSRQ||646
「あ、そうだ。里緒にあげたいものがあるんだ。ちょっと部屋で待っててくれ。」
二階に駆け上がっていこうとした私に、涼兄が声をかけてきた。
「ん。わかった。」
返事を返して、再び階段をのぼった。


「んしょっと。」
トレーナーに袖を通して鏡をチェックして。
ふとチェストの上に置いてあるジュエリーボックスが目にはいった。
手を伸ばして蓋を開ければ、幾つかのジュエリーの中に一際目を引く白い石のついた指輪が鈍い光を放って静かに輝く
大好きなおばあちゃんの形見の指輪。

亜瑠華11/18 17:12:82227cfpjgSY.MTSRQ||984
『里緒の運命の人が現れたらおばあちゃんが教えてあげるよ。』
おばあちゃんの言葉がよみがえる。
この指輪を見ていると必ず思い出す二人がいる。
スージーという女の子とサーシャという男の子。
ある日を境に毎日夢に見てきた二人。
夢の中でしか会えない二人に突然自分がすり替わった。
スージーは私に、そしてサ−シャは涼兄に。
夢、じゃなかったのかもしれない。
スージーがいじめられて、サーシャが・・・涼兄が私を護るために傷ついて。
そして私を『愛してる』と言ってくれた。
夢でしかありえないけれど、夢ではない。
だって・・・・・。

亜瑠華11/18 17:12:312227cfpjgSY.MTSRQ||936
「里緒。いいか?」
コンコンとノックの音と涼兄の声。
「どうぞ。」
ジュエリーボックスに指輪を戻して蓋を閉じる。
カチャッと音をたてて涼兄が入ってきた。
―――やっぱり、似てる・・。
思い出していた所為もあるんだけど、涼兄にサーシャが重なる。
「どうした?」
じーっと涼兄を見つめていたままだった私を心配して覗きこむ。
「なんでもないよ。それより何、私にあげたいものって・・?」
「うん?ああ・・・。」

亜瑠華11/18 17:13:72227cfpjgSY.MTSRQ||711
頷くと、すっと屈んで、ちゅっと私の唇に涼兄の唇が軽く触れた。
「・・・なっ!?」
突然のことに驚いてあとずさる私に、涼兄が悪戯っぽい瞳で笑う。
「キスを、あげたくってね。」
「な、な、な、な・・・っっ!」
かぁぁぁっと耳まで赤く染まっていくのがわかる。
「何するのよ!!いくら諒兄だってゆるさないよ!!」
「どうして?」
「だ・・・だって、私達は兄妹なんだよ。キ、キ・・・キスだなんて」
「でも俺は里緒のことが好き。」
「そりゃ私だって、諒兄のこと好きだよ。でも、その好きとこの好きはちがうよ。」

亜瑠華11/18 17:13:592227cfpjgSY.MTSRQ||562
「俺は一緒だよ。キスしたくなったり、抱きしめたくなったりする好きだよ。」
「諒兄・・・。でも・・・」
「里緒はどうなの?俺のこと好きなのは、どういう好き?」
「・・・諒兄と同じ好きだよ・・・。」
顔を真っ赤にして、うつむきながら私は言った。
そんな私の様子を見てくすくすと肩を揺らす。

「もぉっ、涼兄!人が真剣に言ってるのに!!」
ぶん、とパンチを繰り出すけれど、その手はやすやすと囚われてしまった。
「ほら、あんまり暴れると母さんが来るぞ?」
俺は別に構わないけど。
なんていいながら捕らえた腕を引き寄せる。

亜瑠華11/18 17:14:212227cfpjgSY.MTSRQ||307
「なぁ里緒、じゃあ俺達両思いってことでいいんだよな?」
「・・・うん。」
「ありがと、里緒。」
そう耳元で囁いて・・・
もう一度軽くキスをした。


亜瑠華11/18 17:15:472227cfpjgSY.MTSRQ||537
あれから2ヶ月がすぎた。
2ヶ月の間に、嬉しいニュースがあった。
諒兄と私は、兄弟じゃないということが分かったのだ。


「え?私達が兄弟じゃない・・・?」
「うん。今日たまたま親戚の賢兄に会ったんだけどさ、俺達がつきあってるって事、話したんだ。そしたら・・・」
「そしたら?」
「よかったねって。」
「え?」

亜瑠華11/18 17:16:502227cfpjgSY.MTSRQ||860
「よかったねってただ一言言ったんだよ。だから、俺達兄妹なんだよ。何で祝福すんだよって言ったら・・・何言ってるんだ?って。」
「どういうこと・・・?」
「お前たちは従兄妹じゃないかって。」
「え?そんな・・・そんなわけないよ。だって親戚の千佳ちゃんが・・・」
「だから千佳ちゃんはからかってたんだよ、俺達を。」
「どうして・・・?」
「兄妹だって言っておいたほうが仲良くなれるだろうって。」
「そんな・・・でも、お母さんが・・・あ!!」
「お母さんが、言ったことあった?」
「ないよ・・・。一度も聞いてない!!ってことは・・・」

亜瑠華11/18 17:18:512227cfpjgSY.MTSRQ||829
「そうだよ、俺達従兄妹なんだ。だから、付き合ったって何したってみんなには関係ないんだよ。」
「そんな・・・」
里緒の瞳から涙がこぼれ落ちた。
「諒兄・・・よかったよぉ。」
「うん・・・。」

それから一応、お母さんにも聞いてみた。
「ねぇお母さん、私と諒兄ってさぁ・・・。」
「なぁに?里緒。」
「従兄妹だ・・・よね?」
「ええ、そうよ。いまごろ何言ってるの?」

亜瑠華11/18 17:19:322227cfpjgSY.MTSRQ||445
でも、私たちの関係はまだ内緒。
まだ上手に説明できないし。
「話すんなら、『結婚を前提につきあってる』って言えばいいよ。」
なんて恐ろしく嬉しいことを涼兄はさらっと言ってくれたし。
それにはやっぱり私が高校を卒業してからの方がいいと思うし。
だから両親の前では『仲のいい兄と妹』。

勉強している私の部屋に、諒兄が入ってきた。
「諒兄?どうしたの?」
諒兄は、何にも言わず近づいてきて・・・
キスをした。
その途端、里緒の顔が真っ赤に染まる。

亜瑠華11/18 17:20:52227cfpjgSY.MTSRQ||769
「う゛〜〜〜〜っ」
上手な反撃方法がわからなくって私は涼兄の背中をぽかぽかと叩く。
「もう!からかってばっかり。」
「からかってなんかいないよ。」
さっきまでくすくす笑っていたのが、突然掠れる。
「ずっと、キスしたかったんだから。」
優しく髪を滑る指先。
ずるいよ涼兄。
そんなコト言われたら私何も言えないじゃない。
ぎゅうっと背中に回した手に力をこめる。
私もおんなじ気持ちだったんだよって伝わるかな。
「里緒。」

亜瑠華11/18 17:20:302227cfpjgSY.MTSRQ||982
熱い囁きが耳に
予感に少しだけ体を離して顔を上げて。
瞳を閉じる。 
「愛してる。」
降り積もるキスを私はすべて受け止めた。

あれは夢じゃない。
だって、今こうして私たちが抱き合っているから。
あの命をかけた戦いの中で、涼兄の気持ちもキスも知ったから。
失うことも諦めることもできないってわかったから。


亜瑠華11/18 17:21:82227cfpjgSY.MTSRQ||491
「私も、愛してる。」


二人一緒なら、夢も現実になる。


亜瑠華11/18 17:24:142227cfpjgSY.MTSRQ||548
はい、完成です!!


これより2つ上のスレの、
『あの命をかけた戦いの中で』
とありますが、あれは里緒が受けたいじめのことです。
格好いいお兄ちゃんがいるってことで、いじめを受けてたんです。(もう今は違うけど)
それで、里緒は一回殺されそうになってるんです。屋上から突き落とされそうになって。だから、その時のことをさしています。

以上補足でした。

有芽11/18 17:24:182182cfD2WKtSEYqq6||816
すごいっ!すごいですっっ!!
実は前回から読んでいました♪(*・д・)ノ

兄妹じゃなかったのがすごく読んでいてもほっとしましたw
心理描写も凄いですねぇ・・w
続きが凄い楽しみですよヨw

涼兄と里緒にはぜひぜひ幸せになってほしいです!!

影から応援してるので・・・w

ではぁw


亜瑠華11/18 17:24:302227cfpjgSY.MTSRQ||183
感想などいただけたら嬉しいです。

亜瑠華11/19 15:49:162227cfpjgSY.MTSRQ||514
有芽さん、どうもありがとうございます。

兄弟じゃないっていうのは、ありきたりかなぁ・・・と思って心配していたのですが、そのような感想をいただけると安心できます。

ありがとうございました。

morotyu11/27 16:48:522202cfdjkocGudgWU||749
読ませてもらいました

1作目同様いい感じです

では。

亜瑠華11/28 19:35:22202cfqsO1maAX1vQ||899
morotyuさん、感想どうもありがとうございます。そのように言っていただけると嬉しいです。


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